翌日、隆二さんとこのはちゃんがそれぞれ刀と薙刀で武装して牛鬼が出たところを調べに行った。でも植物が枯れていること以外何も手掛かりは出てこなかったようだ。ノイズが足跡を残していくわけなんかないから当然かもしれない。
「村の言い伝えをさっき調べてきたけど、未来ちゃんが言っていたことや現場の状況とそれが全て一致していたの。未来ちゃんが遭遇したのは牛鬼に違いないわ。もっともそれがノイズだったなんて言い伝えでは言ってなかったけど」
このはちゃんが包帯を取り替えてながら、教えてくれた。この前牛鬼にやられた時にできた傷がまだ痛んでいる。
「とりあえず私も怪我が治ったら直ぐに牛鬼退治に復帰するよ」
「そうしてもらえるとありがたいわ。普通なら止めるところだけど、正直言ってこちらも戦力不足なのよ。それに牛鬼は図体がでかいでしょ。倒すのが大変らしいから」
それから一ヶ月間はノイズの出現はあったが、隆二さんとことはちゃんがそれぞれ退治してくれたため、大きな事件は起きなかった。
一ヶ月して傷が完治したので、牛鬼捜索に加わった。今のところ牛鬼は出ていないらしい。隆二さんは太刀で、このはちゃんは薙刀で武装している。あとよく見ると二人とも拳銃を持っていた。
「隆二さん、このはちゃん、その銃は何?」
「ああ、これかい。これは一応の護身用。でもまあ気休めみたいなものさ。ノイズ相手には意味ないけども獣相手ならどうにかなるしね」
「へぇ」
「未来ちゃんも旅に出るときに持っておきなよ。この先治安のいい場所なんて多分そうそうないよ。護身用に持っていくことをお勧めするよ」
「考えておきます」
そんな話をしながら現場まで歩いていった。
この前牛鬼に襲われた場所の辺りに近づいた。聖詠を唱えてギアを装着する。最近は出てこなかったが、それでも装着した方がいい。
「そろそろ出てきたところだけど………。今日はどうなのかなぁ」
「分からないけど、どうなんだろう…………、ん?みんな伏せて!」
茂みの方から紫色の煙が立ち上ってきた。ガスだ、あの毒ガスだ!急いで伏せてガスから逃れて、アームドギアを取り出す。
バイザーを閉じて、直ぐにセンサーで位置を調べる。直ぐ後ろだ!
急いで二人を抱えて、一旦上空まで逃れる。危なかった。牛鬼が突っ込んできていた。あと少しで踏み潰されるところだった。
「危なかったよ、助かった」
「安心するのは早いですよ!向こうからカルマノイズが来ます!」
飛行型のカルマノイズが強襲してきた。二人抱えた状態では戦えない!どうする、私?!
あれこれ考えているうちにノイズはすぐそこまで迫ってきた。
「ていっ!」
咄嗟にこのはちゃんが薙刀をカルマノイズめがけて突き立てた。カルマノイズはこの間私が戦ったのと同じように穴を開けて落下した。この間にひらけた丘に着地する。それから私は大急ぎで閃光を発射した。これである程度視界が開ける。牛鬼が角を向けてこっちに突っ込んでくる。三人で散らばって避ける。カルマノイズの残骸がまだ残ってるところにこのはちゃんが飛びこんでしまった。慌てて光線を撃ち込み、残骸を消しとばした。
「このはちゃん!」
「未来ちゃん!ありがとう」
木に突き刺さっていた薙刀を回収して、隆二さんのいるところまで向かう。隆二さんは別のカルマノイズを斬り倒して、牛鬼と戦っている。見るからに押されているので流星で援護する。
「隆二さん、大丈夫ですか」
「なんとか。しかしこれは厄介だ。離れたら体当たり、近づけば口の中の牙で噛み付いてくる」
「ええ。取り敢えず角をなんとかしないと。牙もそうですけど、あれはリーチが長いから少々厄介ですよ」
「確かに。あれを潰さないと入り込みにくいわね」
私達は各々武器を構えて、牛鬼を睨んだ。牛鬼もこちらを睨んでいるようだった。
早いですが、次回決着予定です。