「これはこれは」
厄介ですね、と美鈴は呟く。先程から自身の攻撃がまるで効いている気がしない、それを自覚しての言葉であった。隣では同じように苦い顔を浮かべているフランドールの姿も見える。
「こんなところで時間を食っている暇はないのに」
「ええ、そうですね」
同意はするものの、しかしならどうすればいいのかまでは出てこない。いくら向こうの方が強力な妖怪になったとはいえ、それはあくまで『ひっくり返った』結果であるだけのこと。歪な変化は、どう見ても相手が弱いのに勝てないという矛盾した状態をお互いに作り出していた。
そこまでは分かっても、ではどうすれば打破出来るかとなると。
「私はそこまで頭が良くないですし」
「元引き篭もりをあてにしてもらっても困るわ」
お互いに顔を見合わせ短く溜息を吐くと、他の人に任せようと再び目の前の妖怪に目を向けた。
が、そんな二人の考えとは裏腹に、残りの面々も考えは大分行き詰っていた。こういう時に霖之助がいないのが悔やまれる。そんな感想を皆が思ったほどである。
「命蓮! 貴方なら何かいい案を出せるでしょう!?」
「そっちこそ、それでも仙人か?」
「ふん、私の仙人なんぞ所詮真似事、頭脳労働なんか出来るはずがないでしょう」
「自慢することじゃないな」
やれやれ、と肩を竦めながら突っ込んできた妖怪を錫杖で跳ね飛ばす。普段ならばある程度のダメージを見込めるそれは、相手のケロリとしている顔を見る限り無駄であるようだ。そのことを先程から嫌というほど確認している彼は、短く舌打ちすると他の面々に視線を向けた。
が、美鈴とフランドールは考えることを諦めているし、隣の華扇も言わずもがな。となると残るは少し離れた場所で戦っている二人となるわけなのだが。
「……俺が、考えるしかないのか」
「おおっと、それは聞き捨てならないなー」
「じゃあ何かあるのか?」
「あったらとっくにやってるよ」
「……」
「命蓮! 抑えて! 今は仲間割れしている場合じゃないから!」
慌てて止める華扇に大丈夫だと告げるが、しかしその顔は晴れない。元々が窮地に追いやられている上に、目の前の宵闇妖怪は脳天気な顔でヘラヘラと笑っている。これでは流石の命蓮といえども、三度の顔が終わってしまう。
そんな彼に向かい、駄目だなぁ、とルーミアは声を掛けた。何がだ、と返す命蓮の頭をポンポンと叩くと、その顔だよと続ける。
「さっきまでの余裕はどうしたのさ。あっさり倒せないからって焦っちゃうほど、私達って弱かったっけ?」
「大丈夫だと思ったら駄目でした。その程度で余裕をなくしてたら、インコなんか毎日慌てなくちゃいけないわ」
「いや、飲子は毎日慌てているだろう」
ルーミアの言葉に加えるように会話に参加した幽香に向かい、命蓮はそう返す。それを聞いた幽香はそうねと笑い、じゃあ言い方を変えましょうと持っていた日傘をクルクルと回した。
「インコと中身まで同じになる気?」
「……それは、勘弁願いたいな」
「でしょう?」
だったらもう少し余裕を持たないとね。そう言って微笑む幽香にそうだなと彼は返し、同じように笑みを浮かべながら妖怪に向かって錫杖を振るった。効果が無い、と思うような攻撃を繰り返しながらも、焦ることなく口角を上げた。
反撃は、まだまだこれからだ。そう言わんばかりに。
「ねえ美鈴。毎回思ってたんだけど、あの博麗の巫女は何であんな扱いなの?」
「……ひ、日頃の、お、行い、ですかね」
「せめて目を合わせて答えて」
パチュリーの魔力弾を余裕の表情で躱しながら、しかしさとりは毒づいた。こちらの攻撃も同じように軽く避けられてしまうのだ。アリスの人形も、橙の爪も、そして自身の精神攻撃も。まるで一度見た技は通用しないとばかりに、あっさりといなされてしまう。
「冷静さは失っているはずなのだけれど」
「それは心を読まなくても分かるわよ」
「マジギレしてるね」
その見た目からは想像出来ない憤怒の表情を浮かべた彼女は、疲れを知らないかのように次々と呪文を紡いでいく。その威力は衰えることがなく、食らえば正に必殺。肉体的にはそう大したことのないさとりやアリスではあっという間に木っ端微塵であろう。
そこまでは二人でも分かることだが、しかしさとりはそのもう一段階先を見ていた。第三の目が彼女の中を覗き込み、表面から読み取れないものを眺めていた。
「もう少しね」
「え? それはどういう」
質問を言い切る前に追加の攻撃が三人のいる場所に降り注いだ。それをそれぞれ飛んで躱すと、それぞれ散らばった位置に着地する。的を分散するという意味ではこの状態は丁度いいが、今は先程の疑問の答えを聞くのが先。そう判断した二人がさとりの方へと足を踏み出すのを、彼女は手で制した。そのままの位置で、攻撃を躱し続けなさい。そう、目が訴えていた。
「ちょっとさとり」
「ええ、個々の攻撃では確かに向こうにダメージを与えられないわ。だからこそ纏まって攻撃をしていたのだものね。でも」
飛来する魔力弾を躱す。衝撃で舞い散る破片を手で払いのけながら、さとりは二人に目を向ける。どのみち通用しなかっただろう、と続けると、だから次の手を用意するのだと述べた。
述べて、どこか悪役のような笑みを浮かべた。
「心配しなくても、もうすぐよ。私達がこのまま向こうの攻撃を食らわずにいれば」
爆風と爆音でさとりの言葉が中断される。だが言いたいことはもう言ったとばかりに、彼女はもう続きを語らずパチュリーに視線を向けると不敵な笑みを浮かべていた。
ああもう、とアリスは叫ぶ。これで何とかならなかったら承知しないわよ。そうぼやきながら、回避を優先した立ち回りに動きを変えた。
「もうすぐ、か」
そして橙もまた、同じように腑に落ちない表情をしながらもその指示に従っていた。相手の心を覗きこんだからこその言葉なのだろうから、恐らく何らかの確信があるのだろうが、しかし彼女はどうにも解せない。
もっとこう、一直線に向かっていって力押しでぶん殴る。そういう戦い方の方が性に合っているのだ。
「飲子の影響よねぇ」
「駄目よ。あんな奴の影響受けたら碌なのになれないわ」
「はいはい」
そういうあんたも十分影響受けてるよ。そうは思ったが決して口には出さなかった。視界の隅では、確かにそうねとクスクス笑うさとりが見える。
あの顔は、余裕の顕れかはたまた。そんなことを考えつつ、橙は真っ直ぐパチュリーに向かって飛び出した。アリスが目を見開くのが見え、さとりが薄く笑うのが視界に映る。
「狙って下さいと言わんばかりよ!」
「そりゃそうよ」
パチュリーの叫びに軽口を返すと、橙はひらりと体を翻した。自身がいた場所に魔力弾が飛来するが、既に彼女はそこにはいない。はずれ、と小馬鹿にしたような笑みを浮かべながら、再びパチュリーへと疾駆した。
そこでアリスも橙の行動の意図に気付いた。仕方ない、と人形を周囲に停滞させながら真っ直ぐ前へと足を踏み出す。無論それに反応したパチュリーは攻撃を放つが、正確にその場所を射抜く一撃は軽く体をずらすだけで躱されてしまう。
「なっ……!」
「気付いていないなら教えてあげるけど。貴女、さっきから直線的な攻撃しかしてないわよ」
「っ!? そんな、はずは……」
言いながら距離を詰める二人に向かって攻撃を放つ。相手の退路を潰すように打ち出したはずのそれは、実際には真っ直ぐ彼女達に向かって飛び、そして容易く躱されてしまった。それを見て、パチュリーは益々驚愕の表情を強くする。
自分の思うように体が動いていない。そのことを確認した彼女は、自身に突っ込んできている二人から視線を外し最後の一人を睨み付けた。お前の仕業だな、そう叩き付けるように叫ぶと、当の本人はさてどうかしらと軽く流す。
「人を悉く馬鹿にして……!」
「あら、誤解しないでほしいわね。私はあくまで貴女の心を読み取っただけ。思うように動かないのは、そうね」
そろそろ体に限界が来ているからでは? そう言って笑うのと、パチュリーが咳き込むのが同時であった。ゲホゲホと止まらない咳をし、ヒューヒューと喉から音が出る。失速し、地面に膝を付くと、息をするのも苦しそうにその場へ蹲った。
「その様子からして、貴女喘息持ちね。持病があるとしか分からなかったけれど、魔法使いとしては随分と致命的じゃない」
「ハッ、ハァッ、き、さまっ……」
「大丈夫、喋らなくても私には伝わるわ。そう、これが狙いだったの。貴女の体にガタがくるのを待ってたのよ」
「ハッ、ハァッ、ハッ……」
「汚いと思うならそれで結構。私達は別に正々堂々と戦いに来たわけじゃないもの。異変を解決するのが最優先、その次が、仲間の無事よ」
嘘吐け、と橙は思った。最優先は仲間の無事、異変解決はその次だろうに。飲子がそうであるのだから、盟友である彼女がそう思わないはずがない。
そんな心を読まれたのか、さとりは橙の方を見てウィンクをした。嘘も方便、とその目が述べていることから、どうやら彼女は倒れている相手に追い打ちを掛けたいらしい。
「幽香もびっくりのサディストね」
「んー。幽香とは多分ベクトル違うと思う」
そんな現在ピンチの花の大妖怪がくしゃみをするような会話をしつつ、二人はさとりがパチュリーを追い詰めるのを傍から眺める。仲間、という単語に反応した彼女を見て満足そうに微笑んださとりは、その通りと述べた。
「レミリア・スカーレットだったかしら? 彼女もそろそろ屍を晒している頃かもしれないわね」
「レミィ……が、そう、簡単に」
「博麗の巫女を嘗めてもらっては困るわ。それに、きっと香霖堂さんも合流しているでしょうからね」
ゲホゲホと肺の空気を吐き出すパチュリーに向かい、さとりは第三の眼を向ける。彼女が思い浮かべる紅魔館の面々、レミリア・スカーレットと思われる吸血鬼、入り口でさとりが撃破した小悪魔、今頃幽香達と暴れているであろうフランドール、そして。
「……子供?」
レミリアと良く似た銀の髪を持つ少女。妖怪だらけのこの館には似付かわしくない人間の少女が、パチュリーが心配している『仲間』の中に入っていた。
その一瞬の疑問が隙を作った。パチュリーは素早く呪文を紡ぐと、目の前にそれを展開させる。パン、と弾けたそれはさとりの視界を奪い、そして相手に十分な距離を取らせてしまった。
ち、と短く舌打ちしたさとりは再びパチュリーへと向き直り、そしてその表情を怪訝なものに変える。先程までとうってかわって、二本足でしっかりと立つその姿に、奇妙な違和感を覚えたのだ。
「レミィを、小悪魔を、フランを……」
その姿が掻き消える。驚愕で目を見開いた時には、既に彼女はさとりの背後に回っていた。魔法使いとは到底思えない闘気を纏った拳を、今にも彼女に叩き込もうと振り被っている。
「咲夜を、傷付けさせるものかぁぁ!」
振り抜いた拳は、間一髪で躱したさとりの髪を数本千切れ飛ばした。風圧ではためく襟元を確認した彼女は、素早く相手から距離を取る。アリスと橙の下へと移動したさとりは、まずった、と短く呟いた。
「どういうことよ。まさか」
「いや、別に相手の逆鱗に触れたからこうなったわけではないわ。これは外的要因ね」
「外的よーいん?」
「この館、目の前の彼女が何か仕掛けたのだと思っていたけれど、どうやら違ったみたい」
なまじっか向こうがそう思い込んでいたから気付くのが遅れてしまった。憎々しげにさとりはそう述べる。
そして、何らかの条件を満たしたことでその仕掛けが作動してしまったのだろう。そこまで続けると、ふぅ、と彼女は溜息を吐いた。
「恐らく飲子がその仕掛けの中心部にいるわね」
「まあ、そうでしょうね」
「やらかしちゃったのかなぁ」
どちらにせよ、まずは目の前にいる先程とは様子の違う魔法使いをどうにかしなくてはいけない。三人の意見が一致したところで、それぞれ再び構えを取った。
「ねえ、二人共」
「何?」
「分かったわ、やってみる」
その前に、と橙が二人に視線を向ける。その言葉にアリスは続きを促し、さとりは行動を開始した。少し不満げにアリスは橙の次の言葉を待つが、しかしその前にさとりが行動を終えてしまった。
「時間が惜しいの。我慢して頂戴」
「……分かってるわよ!」
「で、どうだったの?」
「この仕掛けは『鬼』がやったもので間違いないわ。そして効果は」
全てを『ひっくり返す』こと。
そう述べるのと、パチュリーがさとりの胸に拳を叩き込むのが同時であった。フランドールがいつぞやに美鈴に行ったごとく、それは彼女を容易く貫き、そしてその体が鮮血に染まる。
ゴボ、と口から血が溢れた。驚愕の表情を浮かべているアリスと橙に視線を向けながら、ミスった、とさとりは苦笑を浮かべる。
「病弱な魔法使いが『ひっくり返る』と、こうなるわけね……」
ゴミのようにさとりが壁に投げ捨てられるのと、二人がパチュリーから距離を取るのが同時。そして、橙が叫ぶのも同時であった。
「さとり! ちょっと、大丈夫なの!」
「……落ち着きなさい橙。駄目よ、彼女はきっと助からない」
「っ!? 何でそんなあっさり!」
思わず詰め寄った橙を押し留めるように手を突き出すと、アリスはゆっくりと首を振る。いいから聞け、そう彼女の目が語っていた。
「言ったでしょう。異変解決が第一、仲間の無事はその次よ。さとりの犠牲を無駄にしない為にも、私達はここであの魔女を倒さなくちゃいけないの」
「何を、何を言ってるのアリス! 何でそんなに簡単に諦めちゃうのよ!」
「しょうがないでしょう。諦めないと、さとりが浮かばれないわ」
見なさい、とさとりが投げ付けられた壁を指差す。紅魔館の名にふさわしい赤い壁はさとりの血で更に赤く染まっており、その下に横たわる彼女はピクリとも動かない。ポッカリ開いた腹部から止めどなく液体が溢れ、廊下を真っ赤に染めていた。
「あれで助かると思う? 分かったら、あんたもさとりはもう駄目だって思いなさい」
「そんな簡単に割り切れたら……ん?」
今変なことを言わなかったか。そう思い問い掛けようとしたが、パチュリーが突っ込んできたことでそれは遮られた。廊下を容易く削り取るその一撃は、魔法使いというよりももっと別の何かに思えるほどで。これが仕掛けの効果だとすると、一体どこまで『ひっくり返る』のだろうか。そんなことが橙の頭に浮かんで消える。
そして、成程、と思わず手を叩いた。
「分かったわアリス。さとりはもう助からないのね」
「ええ。諦めて、二人だけで打倒する方法を考えるの」
「もうきっと息の音も止まっているさとりを抜きで、私とアリスの二人で倒すのね」
「そうよ。体に大きな穴が空いているさとりを入れずに、私と橙の二人で倒すの」
二人で、そう言って笑い合う。こくりと頷くと、魔導書を放り出して前傾姿勢に構えるパチュリーを睨み各々の得物を構えた。
獣のような咆哮を発したパチュリーが二人に迫る。それを左右に別れて躱すと、アリスは人形で、橙は己の爪で挟撃を行った。が、先程の魔法とは違い、今度は自身の肉体でそれを弾かれる。出鱈目ね、と呟くアリスに、こくりと橙も頷いた。
「さあ……大人しく、死になさい」
「知性も『ひっくり返って』しまったのかしらね。三流悪党みたいよ、今の貴女」
挑発じみたその態度は、パチュリーの表情を益々鋭くさせた。猛獣のようにアリスへと飛び掛かると、人外のそれに近い両手で引き裂かんと振り上げる。
それを伏せるように姿勢を低くして躱すと、アリスはパチュリーの背後を取った。人形を素早く動かし、その背中に向かって全力で突撃させる。ダメージこそそこまで与えられていないものの、その衝撃でパチュリーは吹き飛び壁にぶつかった。
無論、その衝撃ですらなんてことないようで。ゆっくりと振り向くと焦点の合っていない目で自身を攻撃した人形遣いを視界に入れる。
「隙だらけ!」
その瞬間、横から突っ込んできた橙の一撃により再びパチュリーは宙を舞った。だが、やはり効果はいまいちのようで、素早く体勢を立て直すと難なく着地をする。
ベシャリ、という水音がパチュリーの足元に響き、そして少しだけ足を取られた。
「――ようこそ。私の血溜まりの中へ」
床の水溜り。さとりの血があっという間にパチュリーへと這い上がり、そして縄のように彼女を拘束させてしまう。普段ならばどうとでもなるそれは、『ひっくり返って』肉弾戦特化になってしまったパチュリーでは致命的。身動きの取れなくなった彼女はそのまま床に転がり、憎々しげな視線を自身を見下ろす相手に向けるのみとなってしまった。
服を真っ赤に染めながら、傷が全く無い覚妖怪へと。
「血を使った拘束魔術。貴女の友達は流石吸血鬼と言うべきかしら」
「あら、それさとりの技じゃないのね」
「ええ。そこの魔女からついでに使えそうなものを少し拝借したの」
こんな状態じゃないと使えないけど。そう言いながらさとりは不敵な笑みを浮かべた。そして、隣に立つアリスとこちらにやってくる橙を見ながら、ありがとうと礼を述べる。
「おかげで傷もすっかり塞がったわ」
「一種の賭けだったけど、上手くいったみたいね」
「いきなりアリスがあんなこと言った時はどうしたのかと思ったけど」
何の事はない、死に体であったさとりの状態を意図的に『ひっくり返した』だけである。黒幕が手動で行っているのならば駄目だが、ある程度自動で行われているならば、と予想してのアリスの行動であったが、結果は上々であったようだ。
さて、と三人は身動きの取れなくなったパチュリーに視線を向ける。負けたのだから、色々と話してもらうわよ。そう述べたアリスの言葉に、彼女はふんと鼻を鳴らした。
「それで素直に答えるとでも?」
「思わないわ。でも、別にどっちでもいいのよ」
ねえ、とアリスはさとりに視線を向ける。勿論、とさとりは禍々しい笑みを浮かべる。
だって、貴女の心を覗き見るだけなのだから。そう言って彼女はサードアイをゆっくりとパチュリーの眼前に向けた。
「隅々まで、隠し事をぜぇんぶ暴いてあげる」
ニタァ、とさとりは三日月のように口を歪める。それは、相手を丸裸にするのが楽しくて楽しくて仕方がないといったような表情で。地下に追いやられた、という理由が少しだけ分かるような、そんな表情であった。
「……っていうか、腹ぶち抜かれたの根に持ってるよねあれ」
「まあ、普通根に持たない方がおかしいわよ」
パチュリーの絶叫が木霊する中、やれやれ、と二人は肩を竦めた。
パチュリー→反転→マチョリー
……ホントすいません。