「さて、と」
さとりはそんなことを言いながら踵を返す。視線は飲子の向かった先、紅魔館の主がいるであろう場所。
そして、今現在のこの館の異常の中心であろう場所。
「情報をまとめる限り、咲夜という娘が何かしら関わっている可能性が高いわね」
「まあ、そうでしょうね」
「……霊夢でも魔理沙でもない、人間の子供、か」
ポツリと橙が呟く。まさかあんなぶっとんだ子供がもう一人いようとは。そんな驚嘆の気持ちが半分、そして少しだけ嬉しいと思う姉心がもう半分。
あの娘と友達になってくれるかな。思わずそんな言葉を彼女は漏らした。
「そうね。そうなってくれるといいわね」
「あれ? いつになく乗り気?」
「母親がパッパラパーだから、せめて霊夢には友人を増やしてあげたいのよ」
「そうね。友達が増えれば飲子も安心するでしょうし、子供にかかりっきりじゃなくて私達と騒ぐ時間も増えるでしょうしね」
「な、何をいっちえるのかしら!?」
「噛んでる噛んでる」
そもそも覚妖怪相手にごまかしても無駄だろうに。そんなことを思いつつ、まあそんなわけだからと橙はパチュリーに向かって手を差し出した。その動作はとても自然で、そうするのが当たり前と言わんばかりである。
無論、差し出された方はそれが理解出来ない。一体何のつもりだと目付きを鋭くさせ彼女を睨んだ。
「何って、だから一緒に咲夜って娘とレミリア・スカーレットを助けに行くんでしょ?」
「何を……何を、言っているの?」
目の前のこいつは誰を助けると言ったのか。目を瞬かせながら言葉の意図が読めずに困惑したような表情で視線を橙から残りの二人に向ける。アリスはふんとそっぽを向き、さとりはニコリと笑みを浮かべた。何か、反対意見を述べるようなことはしなかった。
それはつまり、この二人も彼女の言葉に賛成しているということに他ならず。
「どういうこと? 貴女達はレミィを退治に来たんでしょう?」
「建前は、そうですね」
さらりとさとりはそう返す。元々黒幕がいることは分かっていたのだから、本来倒すべきはその相手であり、紅魔館の主の撃退はその過程の一つに過ぎない。黒幕が尻尾を現した以上、レミリアの退治など余計なことでしかないのだ。
そんな長々とした説明を続けた彼女は、まあこれも建前なんですけどと口角を上げた。は、と呆けた表情を浮かべたパチュリーに指を突き付けると、単純な話だと言葉を続ける。
「友人を助ける。そんな簡単な話ですよ」
「友人? 博麗の巫女のこと? それがどうしてレミィを助けるのに――」
「何言ってるのよ。貴女のことよ、パチュリー・ノーレッジ」
やれやれ、と肩を竦めながらアリスが述べる。隣ではさとりと橙がうんうんと頷いているのが見える。
何を言っているのか。先程浮かんだ疑問が再び浮かぶ。友人とは誰のことだ、あの三人は一体誰を友人だと言ってのけたのか。先程半ば殺し合いに近い戦闘をしていたはずの相手を指して、何と呼称したのか。
「何で……? どういうことなのよ?」
「どういうことも何も。私達とあんたは戦って、で、全力でぶつかりあった」
「それが、どうしたの?」
「まずは喧嘩して、その後仲直りして友達になるもんなのよ」
だからもう私達とあんたは友達なの。そう言って橙は屈託なく笑う。その通り、とさとりが微笑み、まあそういうことよとアリスは再度肩を竦めた。
そういうわけだから、行くわよ。そう言って再び橙がパチュリーに手を差し出す。だが、まだ彼女はその手を取らない。
理解出来ないのだ。何故そんな簡単な思考が出来るのか、何故そんな簡単に先程まで戦っていた相手を信じようとしてしまうのか。
「飲子に毒されているのよ、私達は」
その迷いを読んださとりは、一言そう述べた。きっと彼女ならこう言うだろうから、というその一点で三人はこの行動を取ったのだと、そう述べたのだ。
「……馬鹿じゃないの?」
「ええ、馬鹿よ。地霊殿の主ともあろうものが、一人の人間に中身をごっそりと変えられてしまったのだもの」
「馬鹿なのは飲子よ。少なくとも私は違うわ」
「ま、そういうことにしておこうか」
そう言ってケラケラと笑う橙につられて、さとりも笑い出し、そして憮然とした顔をしていたアリスも次第に笑みを浮かべ。
「……ホント、馬鹿じゃないの……」
そんな三人を見ていたパチュリーも、ついに堪え切れなくなりその表情を笑顔に変えた。
いたた、と衝撃の余波を食らって吹き飛んだ飲子は顔を顰めた。しかし特にダメージを受けた風でもなく立ち上がると、大丈夫かと辺りを見渡す。
霊夢は自分達より離れていた為何の問題もない。魔理沙は霖之助が守っていたので無傷。そしてもう一人は。
「レミリア、大丈夫?」
「この程度の衝撃でどうにかなるほど吸血鬼はヤワじゃないの。っていうか何であんた私の心配してるのよ」
「友達だから当たり前でしょうが」
「はぁ!? 何時私があんたと――」
「危ないレミリア!」
ドン、とレミリアを押しのける。位置に割り込んだ飲子の土手っ腹に何か得体の知れないものが突き刺さり、そして壁まで吹き飛ばした。ぐしゃり、と嫌な音が部屋に響き、思わず彼女は眉を顰める。
「は、ハクレイインコ!? ちょっと、大丈夫なの!?」
「あー、大丈夫大丈夫。レミリアの攻撃に比べたら軽い軽い」
壁に押し込まれたおかげで汚れた巫女服の埃を払いながら、飲子は手をヒラヒラさせながらレミリアの隣に立つ。持っているお祓い棒をクルクルと回しながら、さてどうしようかと頬を掻いた。
「どういうこと?」
「咲夜ちゃんがこれを起こしてるんでしょ? どうにかして助け出さないといけないじゃん」
彼女の言葉にふざけている部分は何一つ無い。本気で咲夜を助けようと考えているのだ。覚妖怪でもなくとも分かるそれは、しかしやはりレミリアには理解出来ず。
「私達を、退治しにきたんだろう? 何故協力して助けようとする?」
「何でも何も。博麗の巫女としての仕事は、異変の元凶をぶっ倒すこと。で、レミリアは元凶じゃないんだから倒す理由がない。で、私とあんたは全力――かどうかは知らないけどぶつかり合って喧嘩して、で、仲直りしたわけじゃん。だから、レミリアはもう私の友達」
友達が娘を助けたがっているし、自分も友達の娘を助けたい。なら協力するのはごくごく自然なことだ。そう続けて飲子は隣のポカンとした顔をしている吸血鬼に向かいサムズアップをする。
それが何だか無性にムカついたので、レミリアは飲子をぶん殴った。
「痛い」
「それで済むんだから何の問題もないでしょう? ……いいからいくわよ、ハクレイインコ」
「おうともさ!」
二人揃って飛び上がり、咲夜がもたれかかっている壁に向かって疾駆する。つい先程まですぐそこにいたはずの彼女は、今は遠い場所にいるように感じられた。
否、実際に遠くなっている。元々広い部屋であったこの空間は、いつのまにか広いのか狭いのかも分からない歪んだ場所へと変貌していた。そして、それを行ったのがあそこにいる子供だということは、二人共に口に出さないまでも理解をしていた。
「で、どうしようか」
「はぁ!? 何かアイデアがあるんじゃないの!?」
「いや、私って基本突っ込んでから考えるタイプだし」
「馬鹿なの!? いや違う、馬鹿だ。ハクレイインコの馬鹿!」
「馬鹿馬鹿言うな! っていうかハクレイインコじゃなくて、博麗飲子! それじゃあ完全に鳥じゃん」
「鳥頭には丁度いいわ」
「なんだとチスイコウモリ!」
「あぁ? 誰が何だって!?」
「聞こえてないなら何度でも言ってやるわい! この、チスイコうぶっ!」
タコの足のような妖気の塊にぶん殴られ、飲子はそのまま錐揉みして吹き飛んでいった。いつの間にか壁から生えていたそれは、二人の行く手を阻むように、咲夜を守るようにその牙を向けている。
が、レミリアが優先したのはそれに驚くことよりも吹き飛んだ飲子を笑うことであった。腹を抱え、背中の羽をパタパタと揺らしながら大声で笑う。妹にははしたないと諌めた姿そのもので笑う。
「あ、ははははは! 余計なこと言ってるからそうなるのよこの鳥あたぁ!」
タコの足のような妖気の塊にぶん殴られ、レミリアはそのまま錐揉みして吹き飛んでいった。壁にめり込んでいた飲子の隣に綺麗に収まるように激突し、二人揃って壁のオブジェと化してしまう。
情けない格好で壁にめり込んだ二人は、どこか気まずい表情でお互い見詰め合う。
「……さ、気合入れて行こうか、レミリア」
「……ええ、そうね博麗飲子」
ボコリと壁から抜け出た二人は、肩を回し首を鳴らす。改めて自身を吹き飛ばしたそれを眺め、これは厄介だなと呟いた。
拒絶の意志を表しているのだろうその妖気で出来た触手は、気にせず突っ込むにはいささか太く強靭過ぎる。何の策もなく進めば先程のようにぶん殴られ壁のオブジェになるのがオチであろう。
「何かアイデアは?」
「……一本一本片付けて進むには時間が足りないわね」
「そもそも数が減るのかって疑問もあるしねぇ」
仕方ない、と腕組みをして考えていた飲子は視線を下に向けた。魔理沙を庇うように立っている霖之助に向かい声を掛ける。何だい、と顔を上げた彼に向かい、ちょっと知恵を借りたいと彼女は続けた。
「あれ、どうしよう?」
「無理矢理突っ切ればいい。君の得意分野だろう?」
「それが出来そうにないから聞いてんの! 分かって言ってるっしょ」
「そうは言ってもね。君が一体他に何が出来るのかという話だろう」
やれやれ、と呆れたように首を横に振る霖之助を見て、飲子は言葉に詰まった。ここで即答出来ないのが彼女の限界であり、同時に彼の言葉が事実であると端的に示している。尚、隣でそのやり取りを眺めていたレミリアはまあ予想していたけれどと肩を竦めた。
「じゃ、じゃあ魔理沙ちゃん! 何かないかな?」
「……五歳児の知恵を借りる博麗の巫女って凄く情けないと思うんだ、私」
「超正論!?」
「……本当にあんたって駄目ね」
はぁ、と盛大な溜息を隣で吐かれたことで、飲子はガクリと肩を落とした。どうせ私は駄目巫女ですよと若干やさぐれながら口を尖らせ拗ねているのが傍から見てもよく分かる。
とてもじゃないが、五歳の子供を持つ母親の姿ではなかった。
そんな彼女から視線を外した五歳児、先程飲子にとどめを刺した魔理沙は、咲夜のいる場所と反対方向を睨み付けた。いつまでそこにいるんだよ。そんなことを言いながら、目標から一番遠い場所で立っている少女を指差す。
「お前も何かアイデア出せよ。お袋さん困ってるだろ?」
声を掛けられた少女は、そんなこと言ったってと視線を逸らす。普段の彼女らしくないその姿に、魔理沙はその表情を曇らせた。
おい霊夢、と彼女の名前を叫ぶと、つかつかとそちらに歩いて行く。
「いつもの人を小馬鹿にしたような態度はどうしたんだよ。迷子の子供みたいな面しやがって」
「別に、関係ないでしょ。そんなの私の勝手じゃない」
「関係ないわけないだろ。友達がしょげてんだから気にして当たり前だろうが」
その言葉に霊夢はバツの悪そうな顔で視線を逸らした。何で皆してそうやって簡単に言えるのか。そう呟きながら、下げていた手の拳を握る。
目の前の少女といい、自身の母親といい。捻くれ者の自分にはその真っ直ぐさが眩し過ぎる。そんなことを思いつつ、でも、と顔を上げた。
「分かったわよ、親友。気合入れてやろうじゃない」
「おう、それでこそだぜ、親友」
言って、お互いに拳を打ち合わせた。不敵に笑うと、お母さんと頭上を飛んでいる飲子に向かって声を張り上げる。
「霊夢? 辛いならまだ下がってても」
「何言ってるのよ。私が頑張らなきゃ、ヘッポコのお母さんじゃどうにもならないでしょ?」
「……何あんた、娘にまで馬鹿にされてるの?」
「ち、違うわい! これは霊夢の愛情表現なの! 私を信頼してくれてる証なの!」
「はいはい」
「信じてない!?」
「当たり前でしょう。母と子の信頼関係っていうのは、私と咲夜みたいなものを言うのよ。あの子はね、私を尊敬してくれていて、それでいて自分の意見をはっきりと伝えることの出来る気配りを持ち合わせているわ。そしてなにより美しく! 聡明で! 可憐でいて器量良し! まさにパーフェクトゥ!」
「美しいと可憐と器量良しが被ってるし。大体それでも胸に抱えていたものがあったからこの現状なんじゃ」
「お前は言ってはならんことを言ってくれたなぁぁ!」
「あだだだだ! 絞まってる! 首絞まってる!」
「……ダブル馬鹿親は放っといて、と」
娘そっちのけで母親漫才を始めた飲子とレミリアを見なかったことにして、霊夢は隣の魔理沙と頷き合う。そのまま二人で霖之助の下まで進むと、待たせたわねと笑みを浮かべた。
「友達を、助けるわよ」
友達なんかいらない。自分は一人でいい。
母親なんかいらない。自分は一人でいい。
家族なんかいらない。自分は一人でいい。
「ええ、そうね。私は一人でいい」
だから、全てをひっくり返そう。友達が必要だとか、母親が必要だとか、家族が必要だとか、そんな考えを持った世界をひっくり返そう。
繋がりが必要な世界なんか、ひっくり返してしまおう。
「そう、ひっくり返す。全てを、私の思うがままに」
咲夜は一人、そう呟く。頭の中に響く甘言に従うままに、館に満ちる妖気と魔力を使い作動する仕掛けを操作する。
吸血鬼の力と魔法使いの力を使って何倍もの効果を発揮している館の能力を、操作する。
まずは、目の前にいる自身の繋がりを無意味だと教えてくれた連中を始末しよう。そう頭の中で囁かれ、彼女はそれに従うままに手をゆっくりと振り上げ。
「――違う」
それは、違う。教えてもらったわけじゃない、ただ、自分で勝手にそう思って絶望しただけだ。彼女達は、悪くない。悪いのは自分だ。
そんな彼女の意志とは裏腹に、頭の声はそれがどうしたと囁く。原因を作ったのは向こうだ、ならば、この行為は正当だ。何度も何度もそう告げるが、咲夜はその度に首を横に振った。
こんな世界をひっくり返す。それは別にいい。自分の居場所がないここに未練はない。だが、彼女達は違う。母親に、友達に、未練がないはずがない。
「世界は、ひっくり返す。けれど、ママを傷付けるのは、違う」
そう口にするのと同時に、館から生まれた触手がレミリアを吹き飛ばした。何故、どうして。驚愕の表情を浮かべた咲夜の背後から声がする。
一体何を驚いているのだ、と。
『世界をひっくり返すのだろう? その為に邪魔者を排除するのは当然』
「ママは、邪魔者じゃない!」
『邪魔者さ。お前を止めようとしているのだから』
目の前にいる連中は皆そうだ。そう言って背後の気配は笑う。そして、いや、もっといるぞと言葉を続けた。
同時に咲夜の視界に別の場所が映る。こちらに向かって廊下を走る覚妖怪と人形遣いと化け猫、そして彼女のよく知る魔法使い。
「パチェおば様……」
『他にも、ほら』
視界が変わる。紅魔館の門の前で侵入を防いでいる妖怪達と大立ち回りをしている妖怪三人、天人一人、自称仙人一人。
そして、日が落ちたことで日傘を放り投げ背中から独特な翼を生やした吸血鬼。
「フラン……叔母、様」
ほら、お前の大事な家族は皆、お前の邪魔をしたがっているぞ。そう言って背後の気配はケタケタと笑う。先程よりも強く笑う。
視界が元に戻る。彼女の母親と、友人の母親。その二人が揃ってこちらに突っ込んできていた。目を見開き、来るな、と叫ぶ。それだけで館から生まれた触手は二人を殴り飛ばし壁へと叩き付けた。
そんな二人に続くように、二人の子供が青年を伴って近付いてくる。彼女の友人が、霊夢と魔理沙が、近付いてくる。
「こ、ないでっ!」
地面が揺れ、そこから突き出た矢印のような妖気の塊が、彼女らを刺し貫かんと唸りを上げた。普通の人間ならばミンチになってもおかしくないそれは、情け容赦なく二人の子供を蹂躙する。友達を、友達になれなかった二人を、押し潰す。
「――え?」
押し潰すはずであったそれは、霊夢の陰陽玉と魔理沙の箒によって受け止められていた。その後ろではやれやれ、と感心しているのか呆れているのか分からない表情の霖之助が見える。
何故、どうして。思わずそんな声が漏れる。出会った時の勝負では、とてもじゃないがこれを受け止めるような力は持っていなかった。だからこそ、彼女も二人を始末してしまったと確信したのだ。
そんな彼女の動揺が二人に伝わったのだろう、霊夢も魔理沙もニヤリと笑みを浮かべ、こんにゃろーと更に力を込める。押し返された矢印はそのまま吹き飛ばされ、塵と消えた。
「この程度で倒せると思ってんじゃないぞこのウスラバカ!」
「あんまり私達を嘗めないでよね」
一歩踏み出す。その動きにビクリと反応した咲夜は、再び先程の矢印を生み出し向かわせた。が、やはり二人の得物に受け止められ、弾かれる。その光景を見た彼女は、明らかに動揺した顔で背後を振り返った。
そこには誰もおらず、しかし声は未だ聞こえてくる。気にするな、大丈夫だ。そんな陳腐な言葉で、しかし何故か咲夜の精神は静まってしまった。とりあえず体勢を立て直そう。という提案に従い、ゆっくりと手を動かす。館の構造がぐにゃりと歪み、咲夜の背後に新たな空間を作り出した。
「あ、待てよ咲夜!」
「ちぃ、待ちなさいよ咲夜!」
別の場所へと移動しようとしたのを察したのか、二人は慌てて駆け出すが、生憎空も飛べないような子供では追い付くことなどあたわず。どんどんと遠ざかっていく咲夜に向かい、それでも懸命に手を伸ばした。
そんな二人の姿を見て、咲夜は再び疑問を浮かべる。誰とも言わず問い掛ける。何故、どうして、と。
「決まってんだろ!」
「友達だからよ!」
え、という言葉と共に咲夜の目が見開かれ。同時に彼女と二人を仕切るように扉がバタリと音を立てて閉まった。
背後から、短い舌打ちが聞こえた。
努力・友情・勝利っていう少年漫画みたいなゴリ押し。