自分でも確認しながら書いているのですが、なかなかゼロに出来ないものです。
前回は三名の方からご指摘いただきまして、間違えすぎやーー!
と恥ずかしくなってしまいました笑。
人が空を飛ぶというのは、今までの生活の中では滅多に起こりえないことだろう。殴り飛ばされたとしても、足が地面から離れ、倒れるまでの一瞬に浮かぶくらいであろう。あまり良くない例としては、車に撥ねられることだろう。時速数十キロで走行する鉄の塊に体当たりされれば、人間の体は数々の骨を砕きながら、驚くほど飛んでいく。
だがそれも、魔法界に入ってしまえばなんてことはない。魔法使いたちは箒にまたがれば空を飛べるし、難易度は相当高いが空を飛ぶ魔法もある。けれど今、わたしが言いたいのは飛行のことではなく、人が飛ばされるという現象だ。
まさに今、わたしの目の前でギルデロイ・ロックハートがみっともなく手足をばたつかせて飛んでいき、壁に激突して落ちた。
放課後の時間を使って行われた決闘クラブの主催者はロックハートであり、初めに彼は、生徒に決闘がどういうものかを見せようとした。そこで助手に選ばれたのは、なんとスネイプ先生だった。最初にこの話をスネイプ先生から聞いたレイラは、もしかしたらロックハートが死ぬかもしれないと思っていたが、どうやらその心配は杞憂に終わったらしい。
スネイプ先生はデモンストレーションの中で、綺麗な杖さばきを見せ、ロックハートを一手で吹き飛ばした。
「みなさん、今のが武装解除呪文、
「まずは生徒に、非友好的な術の防ぎ方について教えようと思いましてな」
スネイプ先生は殺気立っていた。ロックハートもそれに気づいたらしく、こう言った。
「模範演技はこれで十分! ここで、実際に生徒に模範演技をしてもらおうか。あー、ポッター、ウィーズリー、どうだい?」
「今のウィーズリーの杖では、簡単な魔法でも惨事を起こす。……マルフォイで、どうかね」
「いいでしょう。では二人とも、こちらへ」
生徒たちの目線が集まる檀上へとハリーとドラコが上る。スネイプ先生はドラコの耳元で何事かをささやき、ドラコはそれに対してニヤリと笑った。
レイラが見守る先で、二人は壇の中央で向かい合い、杖を抜いた。そこから数歩下がって、二人は相手めがけて杖を構える。
「ではいきますよ。スリー……トゥー……ワン……始め!」
開始の合図とともに、ドラコがハリーよりも先に杖を振り上げた。
——早い。決闘には慣れてないだろうけど、適応力があるみたいだな」
「
ドラコの杖先が一瞬光ったかと思えば、杖の先から黒くて長い蛇が飛び出てきた。蛇はドラコとハリーの中心にドシンと落ち、鎌首をもたげて攻撃の態勢を取った。周りの生徒は悲鳴を上げ、サーッと後ずさりして、レイラとアルフレッド他数人を除いて幾ばくかのスペースができた。アルフレッドがさりげなくレイラより前に出て、何かあった時のためにと身構えた。
見れば、ハリーは突然出てきた蛇に驚いているのか、身動きができないでいた。
「動くな、ポッター。追い払ってやろう」
スネイプ先生が杖を抜き、蛇に近づこうとしたところで、ロックハートがしゃしゃり出た。この場で効果的な呪文がロックハートに使えるとは思わなかったが、スネイプ先生の前に強引に出たロックハートは、蛇に向かって杖を振り回した。バーンと大きな音がして、蛇は消えるどころか二、三メートル宙を舞い、ビシャリと音を立てて床に落ちた。ロックハートの呪文は蛇をいたずらに挑発しただけに終わり、怒り狂った蛇はシューシューと鎌首をもたげてジャスティン・フィンチ-フレッチリー目掛けて滑りよった。
スルスルと近づいた蛇にジャスティンは動くことができず、逃げることができないでいた。
「フィンチ-フレッチリー、下がって」
すぐそばにいたレイラがフィンチ-フレッチリーのローブを掴んで後ろに下がらせる。その時、レイラの目に、蛇へとゆっくり近くハリーの姿が目に映った。
「ハリー、逃げて!」
今にも壇上に飛び出しそうなレイラをアルフレッドが肩を掴んで引き止める。静けさに包まれた空間に、ハリーの声がよく通った。けれどそれは、声というよりは、蛇の鳴き声のようだった。
実際それは、蛇のモノとなんら変わらなかった。
『手を出すな、去れ!』
——蛇語!? こんな大勢の目の前で、何を考えてるの。
蛇はまるで雷に打たれたかのように硬直してから、庭の水撒きホースのように大人しくなり、床に平たく丸まって従順にハリーを見上げた。
ハリーはこの時、レイラやジャスティンが、きっとホッとした顔をしているか、不思議そうな顔か、あるいは、感謝の表情を見せると思っていた。——だが実際は、フィンチ-フレッチリーは怒っていたし、レイラは何故? と疑問を持った表情をしていた。
「いったい、何を悪ふざけしてるんだ?」
フィンチ-フレッチリーが叫んだ。ハリーが何かいう前に、彼はくるりと背を向け、怒って大広間から出て行ってしまった。
先ほどより静まり返った部屋の中で、スネイプ先生が進み出て杖を振り、蛇はポッと黒い煙を上げて消え去った。先生は鋭く下がるような目つきでハリーを見ている。その上、周り中がヒソヒソと、何やら不吉な話をしてるようだった。
訳がわからないという顔をしているハリーを、ロンが後ろから袖を引いた。「行こう——さあ、来て」ロンはハリーを引っ張ってホールの外へ連れて行き、ハーマイオニーがその後を急いで追いかけていった。ハリーが人垣を通る時、サッと両側に割れた。まるで病気を移されるのが怖いとでもいうかのようで、レイラはそれがたまらなく腹立たしかった。
レイラはざわつき始めたホールをまっすぐ出て行く。
——大丈夫……、ハリーにはロンとハーマイオニーが付いていてくれる。一人じゃない。ハリーは大丈夫、大丈夫だ。
ロンがハリーを引っ張って行く前に、自分が手を引けばよかったのだろうか。だが自分では、ハリーの側に自分がいては、レイラは必ず甘やかしてしまうことを理解している。だからこそ身を引いて見守ることにした。だからこそ、さりげなく手助けすることにしたのだ。ハリー自身、ここ最近はレイラに頼ろうとはしてこないでいる。
「良い機会なんだ、きっと……」
「なんだ、百面相でもしてるのか?」
近すぎもせず、かといって遠くもない距離で追いかけて来たアルフレッドが、レイラの顔を見た。
「……べっつに、いろいろ思うところがあるだけさ。解ってはいるけど、素直に受け入れられないんだよ」
ハリーの側にいてあげたいが、ハリーのことを大事に思えばこそ、レイラはハリーから距離を取る。たった一人の家族の成長を妨げることはダメだと、レイラは自分にそう言い聞かせる。けれどやはり、頼ってほしいという思いが捨てきれない。きっとハリーが助けを求めれば、レイラは容易くそれに応じてしまうだろう。そうならないから、レイラはもやもやした気持ちを抱えていた。
この状態にもじきに慣れるのかもしれないが、それまではどうしても寂しいものがある。
「なあアルフレッド、この後暇?」
急にどうしたのかと不思議そうにしながらも、アルフレッドは肯定の意を示した。今は授業が終わった放課後であるし、決闘クラブは予想外の事態で早めに切り上げた。二人は課題を溜め込むようなことはしないため、それらに追われることもなかった。結果として時間は有り余っていた。
「なら、必要の部屋に行こうか」
人前で蛇後を使っちゃいけないって言われてたのに、無意識で使ってしまうハリー君。
わりと作品通して彼はこういうところありますね。考えるより先に言葉が出たり行動を起こしたり。個人的にはそういうところをレイラさんと絡めるところも書いてみたいでし、いくつかそういうシーンを考えてもいます。
では、今回はキリがいいのでこれにて。