カンピオーネ 明星の王   作:ノムリ

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クラスメイトで監視役

「じゃあな、流樹」

「頑張れよ、主夫」

「流石はクラスナンバーワンの女子力の持ち主」

 

「うっせえ、黙って帰れよ」

 同じクラスの友人たちと別れ家への道を進む。

 

 高校生になってから一ヶ月が経過した。

 難しくなった授業に、新しく加わた教科や部活。

 学校でバカ話しをしたり、スマホのアプリのガチャに一喜一憂したり、今日だって学校の帰りにスーパーで買い物に付き合ってもらった。

 

 特にカンピオーネだからと言って変わった事は起きていない。

 

 片手に持ったスーパーの買った食材をたらくふ詰め込んだエコバッグを片手に、もう片方の手に持ったスーパーの前に出ていたたい焼きの屋台で買った小倉のたい焼きを齧りながら家に向かう。

 

 齧ったたい焼きから白い湯気が上がり、体の中から温まっていく。 五月の夕暮れでも風は冷たく手袋とマフラーは手放すことは出来ない。

 

 家が見える程近くまで来るといつぞや見た黒い車が止まっていた。

 

「あれって皿木さんの車じゃないよな」

 

「合ってますよ」

 車から降りて来たのは前に会った時と同じ黒スーツにツリ目の皿木さんだ。

「すいません、ご連絡もなく。突然ですが、会っていただきたい人がおりましてお時間よろしいでしょうか」

 

 多分、断れないようにワザと家の前で待機してたんだろうな。

「食材冷蔵庫に入れてからでもいいすか」

 玄関の鍵を開けて冷蔵庫に直行後、食材を種類ごとに分けて冷蔵庫に仕舞っていく。

 

「晩飯までに帰れると良いけど」

 鍵を閉めて皿木さんに案内されるままに向かったのは、歩いて十五分の所にあるこじんまりとした神社だった。

 

 赤い鳥居に小さな社。地元のお年寄りと神頼みに来る受験生が来そうな所だ。というより、なんの神様奉ってるか聞いたことない。噂では勉学らしいが。

 

「神殺しが神社に行くのってすんごいバチあたりな気がすんですけど」

「大丈夫でしょ、神殺しが神社に入った位で現れるまつろわぬ神なら、月宮様がこの街に戻って来た時に現れてますよ」

 

 それもそっか。

 てか、なんで神社に来たんだ。

 

 待っててください、と言って皿木さんも建物の中に消えてしまい、暇になったので石の階段に腰を下ろしスマホのアプリを起動して遊んでいると後ろから皿木さんの声ではなく女性の声が聞こえてきた。

 

「お待たせしました」

 

 座ったまま後ろを見ると同じクラスの新実(にいみ)命子(めいね)が巫女装束を着て立っていた。その隣には皿木さんがボディーガードのように少し後ろに立っている。

 

「間違ってなかったら同じクラスの新実さんだよな。家が神社なのは中学の時に聞いたけど、なんで皿木さんと知り合いなんだ」

 

「はい、それは私から説明します。正史編簒委員会と新実さんたちのような巫女の方々とは協力関係にありまして、学校での月宮様の監視をお願いしました」

 

 皿木さんよ。本人目の前にして監視とか言うかよ普通。ほら、横に立っている新実さんもえ!話しちゃっていいの!見たいな顔をしてるし。

 

「はい。新実命子です。月宮流樹様の監視をさせて頂くことになりました。要人との会合などの場合は私からお声をおかけになる場合もございますのでよろしくお願いします」

 

「ん~、まあ適当によろしく。学校では今まで通りの顔見知り程度の関係でいいよ。それか少し喋る程度のお友達のフリの方がいいか、そっちの方が声を掛けても周りが不自然に思わないだろ」

 

 普段離さない者同士がいきなり話し出したら周りは不審に思うものだ。それが男女となればより。

 俺と新実さんは高校一年生。これから三年も同じ学校で勉学に励むことになる、先に形だけでも作っておいた方が後に為になる。

 

「では、ご友人という関係でお願いします」

 

 ブー、ブー、とバイブ音が俺と新実さんの会話を止めた。

 

 すいません、と言って皿木さんは電話に出ると、二言三言話すとスマホをしまって、いつもよりツリ目な顔をしてこっちを向いた。

 

「月宮様。真に申し訳ないのですが、京都の方でまつろわぬ神が出現したもようです」

 皿木さんの口にした言葉は新実さんの動きを停止させ、俺の心を動かした。

 

「皿木さん。車をすぐに出してくれ。神殺ししにいくからさ」

 

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