Fate/stay night ~The Ash,Fire of Vanished world ~   作:冷たい谷のグンダ

1 / 4

 良作注意ィッ!!・・・・・・・とでも、言うと思ったかい? 足掻くな。運命を受け入れろ(このページを開いて不快になったことを。)・・・・・・・すみません。
 
 ダクソもACも好きです。愛してるんだぁぁぁぁ君たち(フロム)をぉぉォォ! ハハハハハ!!
 では、薪の王が負けるわけねぇだろぉ!(一回くらいは負けてもらおうかな?) 本編、行くぞォぉぉぉ!!
 
 ―――なあ、貴公。常々、暇を恐れたまえよ



プロローグ
          現界


 

                    そこはロスリック

            火を継いだ、薪の王たちの故郷が、流れ着く場所

 

                 巡礼者たちは、皆北に向かい

                 そして、予言の意味を知る

 

                ”火は陰り、王たちに玉座なし”

 

                継ぎ火が絶えるとき、鐘が響き渡り

            古い薪の王たちが、棺より呼び起こされるだろう

 

                     けれども

               きっと王たちは、玉座を捨てるだろう

 

                そして、火のない灰がやってくる

 

             名もなく、薪にもなれなかった、呪われた不死

                   けれど、だからこそ

 

                   "灰は残り火を求める"

 

                そして、いつかたどり着くだろう

                 始まりの火に、螺旋の運命に

 

                 そして、繰り返す世界の果て

                    火の真実を知り、

                  閉じられた輪の都を知り、

                それを終わらせる者が現れるだろう

 

「これが、火継ぎの物語の結末さね。まあ、あんたが信じるか信じないかは勝手だけれどね。

 ん? 結局、火はどうなったのかって? さあねぇ、それはあんたが一番よく知ってるんじゃないかい?」

 

                 始まりの火が消えていきます

                 すぐに暗闇が訪れるでしょう

 

            そして、いつかきっと暗闇に、小さな火達が現れます

                 王たちの継いだ残り火が

 

     ―――――灰の方、まだ、私の声が聞こえていらっしゃいますか?―――――

 

                     深夜

 

 時計の針はあと少しで、午前2時を指そうとしている。

 わたし、遠坂凛は今、自宅の地下室にいる。そして、わたしがいま行おうとしているのは、サーヴァントの召還。サーヴァントの召還は、聖杯戦争においてマスターとして登録されるための必須条件だ。

 この時間帯はわたしにとって、最も波長のいい時間帯。その中でもわたしの魔力がピークになるのが、午前2時丁度。

 残りのサーヴァントの席は残り2つ。セイバーとアーチャーのサーヴァント。時間制限的にも、これが最初にして最後のチャンスなんだから、ほんの些細なことでもミスにつながるようなことはしてはいけない。

 

「――消去の中に退去、退去の陣を四つ刻んで召喚の陣で囲む、と」

 地下室の床に陣を刻む。

 サーヴァントの召還というのは、聖杯によって行われる奇跡だ。召喚の際にマスターが行うことは、召喚に必要な魔法陣を描くこと、魔法陣の起動に必要な量の魔力の提供、そして、陣を起動するための詠唱である。加えて、このサーヴァントの召還で、必要なものは、この三つの行為と資格の有無の二つだけだ。

 また、自分でサーヴァントを指定して召喚したいような場合は、触媒が必要となる。わたしは残念ながら触媒を持っていないので、指定召喚はできない。

 サーヴァントの召還後に、マスターに求められるものは、サーヴァントをこの世に留まらせるのに必要な魔力と、令呪の行使時に発生する魔力の提供。

 

「素に銀と鉄。礎に火と契約の大王。祖には我が大師シュバインオーグ。

 降り立つ風には壁を。四方の門は閉じ、王冠より出で、王国に至る三叉路は循環せよ。」

 

 私自身が、サーヴァントを招くのではないとはいえ、細心の注意と努力を怠るわけにはいかない。

 召喚陣。本来ならサーヴァントの召還には、血液を使用して陣を描くのだが、今回は溶解した宝石で描く。

そもそも、血液で描くのはそれが魔力に対しての感応性が高いからなのだけれど。そうは言っても、自分の魔力をため込んだ宝石で陣を描いたほうが、圧倒的に感応性及び共鳴力が高くなるのだ。

 おまけに、今回は今まで手に入れた中で最も大きくて力のある宝石も使うのだから、これでハズレを引いたなんてことはあってはならない。これを手に入れたところでは、指輪から取り外したとか言ってたかな。

 さらに、昨日お父さんの遺言を解読して手に入れた、魔力のため込まれたペンダントもある。

 

閉じよ。(みたせ)閉じよ。(みたせ)閉じよ。(みたせ)閉じよ。(みたせ)閉じよ。(みたせ)閉じよ。(みたせ)

 繰り返す都度に五度。

 ただ満たされる時を破却する。」

 

 ・・・・・・じき午前2時。

 遠坂の家に伝わる召喚陣を描き終え、全霊をもって対峙する。

  

「――Anfang(セット)

 

 体の中にある、魔術回路を切り替える。

 通常の神経が反転して、魔力を伝わらせる回路へと切り替わるのを感じた。

 

 これからわたしは人ではなく、ただ神秘を成しえるためだけの部品となる。

 ・・・・・・指先から溶けていく。否、指先から満たされていく。取り込むマナがあまりにも濃密だから、もとからあった肉体の感覚が塗りつぶされている。

 だから、満たされるということは、同時に破却するということだ。大気に含まれる純然たる魔力を、回路となった自身に取り込み、別のものへと変換する。

 魔術師の体は回路に過ぎない、幽体と物質をつなげるための回路。

 

 その結果、成し得た様々な神秘を、わたし達人間は魔術と呼ぶ。

 ・・・・・・体が熱い。

 様々な感覚がわたしの手を離れ、それに循環された魔力が触れ気持ちの悪い錯覚を引き起こす。

  ・・・・・・汗が噴き出す。

 それは人であるわたしの体が、魔術回路と成っているわたしの体を嫌う聖痕だ。

 いかに優れた魔術師であっても、人は人。この痛みは、人の身で魔術を使う限り永劫に付きまとう。

 それでも、循環を緩めない。この痛みの果て、忘我の果てに”繋げる”ための境地がある。

 わたしの体に刻まれた、魔術刻印が独自に詠唱を始め、わたしの神経を犯していく。

 取り入れた、外気は血液に。それが熱く焼けた鉛なら、起動した魔術刻印は茨の神経だ。

ガリガリと私の体を這い回り、それがまたわたしを蝕む。

 そして、すべての感覚が鋭敏になり一気に手元に戻ってくる。

 午前2時まで、あとわずか。この体に満たされた力が、時は満ちたと告げている。

 

「――告げる。」

 あとは、この身に溢れる魔力を全て召喚陣へ流し込み、召喚陣を起動するだけ。

 

「――告げる。

 汝の身は我が下に、我が命運は汝の剣に。

 聖杯の寄る辺に従い、この意、子の理に従うならば応えよ。」

 

 視覚が動作を停止し、根源たる第五要素へ触れる。

 

「誓いを此処に。

 我は常世総ての善と成る者、

 我は常世総ての悪を敷く者。

 汝三大の言霊を纏う七天、

 抑止の輪より来たれ、天秤の守り手よ―!」

 

 体に満ちていた魔力がすべて飲み込まれ、陣が起動する。

 そして、わずかな違和感はあったものの、それ以外は文句なし。

 最高の手ごたえ、最強のカードを引き当てた・・・・・・!

 

 ああもう、視覚が戻るのがもどかしいっ。

 あと数秒で目が回復して、そうすればもう目前には召喚されたサーヴァントの姿が―

 

 ――――ない。

 「はい・・・・・・?」

 ないものはない。

 変化なんてこれぽっちもない。

 あれだけ派手にエーテルを乱舞させておいて、実体化しているモノが欠片も、何一つとして存在しない。

 加えて、

 ドゴォオーーーーンッッ!!

 なんか、居間のほうで爆発音がしてるし。

 

「なんでよーーーーー!?」

 走った、わたしが普段は出さない全力で走った。地下室の階段を駆け上がって、居間の扉へたどり着く。が、開かない。

 

「扉、壊れてる!?」

 今の扉はゆがみ、取っ手を回しても反応がない。

 押しても引いても開かないので、

 

「――――ああもう、邪魔だこのおっ・・・・・・!」

 体当たりで、蹴破って中に入った。

 

 で。居間に入った瞬間、わたしはすべてを理解した。だが、理解できないことも一つ生まれた。居間はめちゃくちゃになっていた。なにが天井から落ちてきたのか、部屋は瓦礫だらけだ。

 その中に偉そうにふんぞり返っている男が一人、その男から横に数歩のところに胡坐をかいて座り込む”騎士甲冑”が一人.

 

「むぅ? どうやら、だれか来たようであるな、貴公。」

「ああ、そのようだ。」

 

 騎士甲冑は、わたしのことを認識したのか、偉そうにふんぞり返っている男に話しかける。

 まあ、扉を壊してまで入ったのだから、気づいてもらわなければ困るのだけれど。

 だが、正直二人はいまいち私に興味がないのか、こちらに顔を向けることすらしない。少しだけ癪に障ったけど、まあいい。今はそんなことよりももっと大事なことが一つ。

 めちゃくちゃになってしまった居間の中で、意外にも無事だった柱時計は、こんな状況でも正確に、カチコチと時間を刻んでいる。

 ・・・・・それで、思い出してしまった。

 今日のわたしの家の時計、軒並み1時間早かったんだっけ。時計の短針は2を、長針はそれをほんの少し過ぎたあたりだ。

 つまり、今の本当の時間は午前1時。

 わたしの絶好調まで、残り1時間。

 

「・・・・・・・・・・また、やっちゃった。」

 

 わたしは大抵のことは人並みにこなせる自信があるけど、一つだけ遺伝的な呪いがある。

 それはここ一番、絶対にやっちゃいけないようなタイミングで、自分でも信じられないような大失敗をするのだ――――。

 

「やっちゃった事は仕方ない。反省。」

 

 自分の馬鹿さ加減が腹立たしい。カリカリとした心のまま、こちらに顔さえも向けない二人をにらみつける。

 

「それで、アンタ達、なに。」

「開口一番それか。これはまたとんでもないマスターに引き当てられたものだ。」

 

 赤い外套のソイツは、やれやれ、なんて大げさに首をすくめた。その様子に騎士甲冑はクツクツと笑う。続けて赤外套は、「これは貧乏くじを引いたかな」なんて呟き、それを聞いた騎士甲冑は「引き当てられてしまったものは、仕方あるまい」とまで言う。

 

・・・・・・断言しよう。コイツらは絶対に性格歪んでる。

 

 それにしても、これは”二人一組”のタイプの英霊で合っているのだろうか?

 わたしは、今回の聖杯戦争にマスターとして参戦するという意思を決めて以来、もちろん調べられる範囲の中ではあったけれど、東西南北問わず、世界各地の英雄にまつわる物語を調べたのだ。ただ、その中に二人一組の英霊自体は何組かいたけれど、騎士と赤い外套の男の物語なんて、鋼の錬〇術師くらいしか聞いたことがない。

 どちらもある程度警戒をといているようではあるし、敵同士ではないのか。とは言っても、こうして視ているだけでも、あの二人が桁違いの魔力を帯びているのは判る。

 カリカリしている場合じゃない。ここからはきっちりと頭を切り換えないと。

 

「――――確認するけど、貴方達どちらもわたしのサーヴァントで間違いない?」

 

 赤い外套の男が口を開く。

 

「それはこちらが訊きたいな。君こそ、私たちのマスターなのか。ここまで乱暴な召喚は初めてでね、私たちが召喚されたとき、君は目の前にいなかった。これでは、正直状況が掴めない。」

「わたしだって初めてよ。そういう質問は却下するわ。」

「私は召喚自体は何度か経験しているが、呼び出された場所にはいつもその主がいたものだ。それ故に、疑問に思ったのでな。」

「ひな鳥じゃあるまいし、目を開けた時にしか主を決められない、なんて頭の悪いこ冗談言わないでね。」

 

 む、と赤外套の男は顔をしかめた。そんな、わたしたちのやり取りを口を挟まず見ていた騎士甲冑はまたクツクツと可笑しそうに笑った。

 

「まあいいわ。わたしが訊いているのはね、貴方達がほかの誰でもない、このわたしのサーヴァントかってことだけよ。

 主従関係は一番初めにはっきりさせておくべきものだもの。」

「ああ、その意見には賛成だが、そもそも君が私達のマスターであるという証がどこにある?」

 

 赤い外套の男は、首を傾げこちらを挑発するように私のほうを見る。それに反応するように、騎士甲冑もこちらをみつめる。

 どうやら、ここでしっかりと証拠を見せつけて自分の立場を再確認させる必要があるみたいだ。わたしは、聖杯戦争に参加し、サーヴァントを呼び出した証である令呪が浮き上がった右腕を持ち上げてみせた。

 

「これでしょ? あなたの言っている証っていうのは。どう? これで満足したかしら。」

 どうだ、とマスターの印がしっかりと見えるように、突きつける。

 すると、騎士甲冑が赤いコートに口を開く。

 

「貴公、どうやら貴公の言葉が足りぬようだ。もう少し相手の理解が容易いように、言を紡げばよいだろうに。」

 そして、言葉を切りこちらに向き直ると

 

「彼が言いたいのは、そのような形として目に見えるものではなく。彼が貴公に対して忠誠を揮うのにふさわしい人物であるかどうか、ということだ。そうであろう?」

「ああ、概ねそういう認識で間違いはない。」

「なによ。それじゃあ、わたしはマスター失格って言いたいわけ?」

「いや、まったくもって不満だが、君が私のマスターであるということは認めよう。その令呪がある限り、とりあえずは君を私のマスターであると認めてやろう。

 だが、私にも条件がある、鎧の彼はどうか知らぬが。今後私は、君の言い分には従わない。戦闘に関する決定は私が行う。それで構わないなお嬢さん?」

「願いが成就されるのであれば、私は誰がマスターであっても構わない、足手まといにさえならないければな。」

 

 やっぱり、思ったんだけどこいつらは完全にわたしを下に見ている。完全に嘗められている。特に、赤いほうのヤツが・・・・・。

 わたしに対して特に不満を見せるヤツに向かって問いかける。

 

「・・・・そう。不満だけど認めるくせに、私の意見には取り合わないって、どういうコトかしら?

 あなたはわたしのサーヴァントなんでしょ?」

「ああ、カタチの上だけはな。故に形の上では君に従ってやる。だが、戦うのは私であって君ではない。君は結界でも張ってその中に籠って、聖杯戦争が終わるまでほかのサーヴァントやマスターに感知されないようにしていればいい。それなら、いかに未熟な君でも、命だけは助かるだろう。」

 

 いちいち、気に障る言い方だ。胸の内の風船がどんどんと膨らんでいくのを感じる。騎士甲冑は、このやり取りをただ見守っている。その態度にもそれはそれで苛立ちを覚える。

 

「まあ、実際君には何も望んではいない。」

「――――、っ」

「ん、怒らせてしまったか? いや、もちろん君の立場も尊重してやる。私は君を今回の聖杯戦争に勝たせるために呼ばれたのだからな。

 当然、私達の勝利は君の物だし、戦いで得た物はすべて君にくれてやる。それなら何も文句はないだろう?」

「――――、あ」

「どうせ君に令呪は使えまい。

 まあ、あとのことは私に任せて、君は自分の身の安全を・・・・・・・・・!?」

 

 バンッ!! という音が体の中で響く。

 

「あったまきたぁーーーーー!

 いいわ、そんなに言うなら使ってやるわよ。」

 

 もう限界、まるでわたしのことをまともに命令もできない腰抜けみたいに言ってくれちゃって。容赦なんてしない、こんな失礼な奴に払うような礼儀なんて存在しない。

 

「――――Anfang(セット)・・・・・・・!」

「な――――。まさか・・・・・!?」

「そのまさかよ、この礼儀知らず!

 Vertrag(令呪に告げる)・・・・・! Ein neuer Nagel(聖杯の規律に従い)

 Ein neues Gesetz(この者。 我がサーヴァントに)

 Ein neues Verbrechen(戒めの法を重ね給え)―!」

「ば・・・・・・!? 待て、正気かマスター!? そんなコトで令呪を使うやつが・・・・!」

「うるさーい! いい、あんた達はわたしのサーヴァントでしょ! なら、わたしの言い分には絶対服従ってもんでしょーーが!? 特にそっちの赤いほう!」

 

 右手に刻まれた令呪が疼き、サーヴァントに対してマスターの持つ三つの絶対命令権が行使される。

 わたしを中心に赤い輪が開き、サーヴァントたちに触た。

 そして、わたしの手から令呪が一画消費されるのを感じた。

 

 




 と、今回はこんな感じで終わりです。一応、2週間に一度程度の投稿にしようと思っていますが、年末は筆者の仕事の都合で投稿ペースが乱れる可能性があります。(じゃあ、なんでこのタイミングで上げたんだ、と自分でも思ってる)
 あ、感想お待ちしてます。筆者のメンタルはこんにゃくでできているので、あまりキツイのはご勘弁を。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。