これは聖杯戦争。英雄はサーヴァントととしての知識を与えられマスターと共に聖杯の争奪戦をする。いわば棒倒しの強化版と言ってもいい。闘うことを強いられたサーヴァントは仲間の信頼を重視しなければならない。沙嗣と清姫はもうバッチリと言っていいかもしれない。ライダーと小野もルーカンと士道も。良好と言って良いだろう。まだ、始まったばっかりでいつもとは違う戦いだ。聖杯システムが微弱と化しどんなイレギュラーが発生するのか解らない。もう、既に発生しているのだが。彼らは知らないまま聖杯戦争の6日目を迎える。朝日が不必要と思うほどに嫌に眩しかった。
「おにぃちゃん!おはよ!!」
「秋菜?」
「も〜べったりなんだから…元気ね子供は」
「ねぇ、おにぃちゃん。なんか、窓にいるよ?」
「え?私には何も…」
沙嗣は思い出した、子供には霊が見えると。しかし、後ろを振り返ったら…清姫がいた。清姫はビクっと緊張し固まる。弘法にも筆の誤りの顔をしていた。子供には透明化したサーヴァントが見えるのだろうか。
「子供の戯れ言子供の戯れ言…」
清姫はブツブツこんな事を言っていた。焦っている。少し可愛い。とか、言うと怒られるだろうなと心の中にしまっておく。
英霊と言うだけあって子供には見えるのだろうと遡り自己解決。すると秋菜は白刃取りを外すような発言をした。
「可愛い!」
清姫の事だろう…多分。確に清姫は可愛い。しかし、秋菜の無邪気さには直球過ぎる。清姫もノックアウトだ、完全に。女座りで倒れている。
「お嫁にいけない…」
と、頭の中で囁かれた。どうする事もできない。清姫はため息。
雪菜は秋菜に「顔洗いにいくよ」と洗面所に連行された。沙嗣ははぁ、と楽しい息を漏らす。清姫には
「何を楽しんでるの?」
と、イライラされた。怒っているのだ少し。これが朝7時とか濃すぎだろと沙嗣は自分の人生を振り返る。これが夢であって欲しいとかそうは思ってもいない。大切な思い出としてしまっておこうと内心、涙しながら思った。沙嗣は面白いと腹を抱えて笑うが頭に契約期間というのが過ぎる。清姫と一緒にずっといられたらと思うと虚しくなる。仕方ないと清姫を見ながらため息。清姫はなんなの?気持ち悪いという目で見られたが…清姫はため息返しをし透明化した。
「クックック楽しそうで何より何より。健司に伝えないと…土産話にはもってこいの話しじゃないか」
呪腕のハサンはこっそりと監視している。無論、沙嗣達に気づかれない。清姫は少し勘づいたが気のせいかと空気を払った。