Fate/Hevun"s Fin White   作:道神碧輝

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一つの疑いと一つの視え

「藪雨さん!」

「なんだ、慌てて」

 

奈津は藪雨の肩を掴む。片手に持ってたのは今回の怪事件の資料だった。

 

「手掛かり少しだけど解りました!」

「ほう、聞いてみよう」

「これは、この魔法陣が結果として出てるんですが何かの魔術師が絡んでるんじゃないかと」

 

藪雨はハッと笑う。そんな馬鹿なと。

 

「魔術師ぃ?ありえんな。こんな日本に来るはずがない外国の話だろう?こことは無縁だ」

「ですが、しかし…」

「…お前、そういう魔法みたいなのが好きなのは解るが無理矢理過ぎるだろ?第1この日本に東の国になんの用があってくるんだ?魔術師様も暇じゃねぇよ」

 

確に。藪雨の言葉には説得性が感じられた。奈津はうーんと悩む。じゃあ、この本物に近い魔法陣は一体と思った。

 

「いい線までいってたんだけど…まぁ、藪雨さんがそう言うなら…」

「…おいおい、俺の意見一つで諦めるのかよ。これは猟奇的な殺人だ。第1その家族の子供がいない。その魔法とやらでやったかもしれんぞ?」

「え?」

「何も、お前の意見を全否定してる訳じゃないって事だ。だとしたら時計塔やらが少なくとも絡んでいる。関わりたくないだけだったんだよ。だから、否定した」

「おとなげない…」

「るせーよ」

 

藪雨はタバコを取り出し機密事項を思い出す。これは大掛かりな事件になると確信はしていたが信憑性が高まってきつつある現状に腹が立った。

 

「よし、今日はおでんだ奢ってやる」

「…本当ですか!?いやぁ、頑張る!」

 

奈津の目は輝いていた。藪雨方面でも少し、調べておかないといけない。そりゃ、みんな同じ事だ。

 

 

「はぁ」

「どうしたんです?虎徹」

「いやさ、ここんとこ餌なくね?」

「…確に。静かですねぇ」

「今のうちにお前の願いをおさらいしようしようと思うんだ」

 

キャスターことジルは感極まっていた。ここまで思想が同じで聖杯戦争に関心理解があるとは驚きだ。子供さらいの精度は格段に上がり自分も満足する結果。あとは虎徹が警察の輩に捕まるのを避けるだけだとジルは現代知識を膨らます。

 

「無論、聖処女ジャンヌの復活です…」

「ほぅ、そんなに彼女が好きなのか」

「…好きというよりかはあれですねぇ神様です」

「へぇ、ツンデレ?」

「…なんと?」

 

ジルは聞き覚えのない言葉を耳に入れる。ツンデレとは?と紳士らしからぬ行為、首を傾げる。

 

「お前さん、ツンデレを知らない?」

 

虎徹は勘づいたのか嘲笑。一般人ならジルにすぐ様殺されそうだが虎徹だから「なんだと?こら?」で許された。

 

「ツンデレというのは好きな…えーと、難しいな恋とかしたことねぇし。好きな事をだな、隠して裏返し的な事を言うみたいな」

「裏返し…」

「そう。好きなのに「嫌いよ!バカ!!」みたいな」

「…なるほどジャンヌにその様な思い入れが…」

「まぁ、正直になれ。後、現代知識もっと埋め込もうぜ?青髭さんよ?勝った時どうすんだよ??」

「…考えても、いなかったですねぇ」

 

虎徹は大男を前に笑う。ジルはツンデレという単語を頭に叩き込んだ。


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