「見せたいものって、川に?」
「えぇ、長年貯蓄していたモノをここに全て放り投げます…」
ジルは魔導書を開ながら川に入り込む。虎徹は真似をしようと思ったが止めにしておいた。
「さぁ、あなたに見せましょう!最高のCOOLを!!!」
妖しい光がフラッシュする。虎徹は眩しいのか手で防ぎ何とか耐える。午前2時。しかも平日の朝方にこんな光が起きたら嫌でも起きる。ギャラリーが続々と川の方に流れていく。見ようと言う精神がそうしているのだがやろうとしている人々はせいぜい15人だった。橋で見たりあるいは望遠鏡や携帯で見たりと様々だ。そして、光と共に現れたのは海魔と凄くでかい海魔とは程遠い何かの怪物。そこにその中にジルはおさまっていた。
「すげぇ…」
虎徹は退屈なんかもう、おさらばだなと軽々しく思い鑑賞に浸る。これならいずれ死体が出るだろう。そう考えた虎徹は一般人には到底思い付かないワクワク感で目をキラキラ輝いていた。
「よぉ、アンタもこの怪物鑑賞かい?」
「…まぁ、そんなとこ。すごいグロッキーだろ?」
「最高だな…」
なぜか、通りすがりの一般人と話があった。バイクで川を通り過ぎようと思った刹那、光がありなんだ?と見たらそこに怪物が現われる。なので、気になり土手にバイクを止め鑑賞しようと思ったら目を輝かせている若者(虎徹)が一人いたので話しかけた。今ここ。
「ビール、飲むか?」
「生憎、未成年なんだわ」
「んだよ、釣れねぇ」
「あ、ごまスティックは貰うわ」
「あいよ」
バイクのおっちゃんはごまスティックを虎徹に渡す。虎徹は嬉しそうに頬張った。おっちゃんは嬉しそうにしてんなとそんなにスティックが好きかと愛猫を見る目で虎徹を見る。召喚したのがこの虎徹とは知らずに。
セイバー、ランサーが駆けつけたのは半を過ぎてからだった。
「思ったよりお早い登場だな!」
クーフーリンは槍を回し構えの態勢を取る。
「まぁ、手間が省けたと思えばいいでしょう」
「なぁ、まさかアレと戦えと?俺を放り込むとか鬼設定ないよね?」
「まさか、私はそんな無茶させません!ランサーはどうか知らないが私で良かったですね!」
「命拾いしたな!おい!少年!」
ランサー、クーフーリンは冗談混じりに言い歯を輝かせた。士道はマジで?って、いう顔をする。
時間が経つにつれて慌ただしくなる未遠川。この光景は誰も見たことがない歪なものだった。紫という色が似合う光に川が包まれ海魔とでかい怪物はゆっくり前進する。士道は見守るなかセイバー、ルーカンとランサー、クーフーリンは海魔を蹴散らす、がなかなかこれも切っては復活しの繰り返しだった。
「ちっ、ちょこまかと」
「キリがない…」
柳洞清心はこの情報をランサーから聞きスクーターで川までひとっ飛び。
「なんだ!これは!!!」
「お前!危険だ!!なぜ!!!!」
士道はスクーターで来てわざわざ見物をしようとは度胸のあるやつだなと思ったが、あまりにも状況がアレなので撤退命令を出すが…
「ふっ、あんたも同類だろ?二重な意味で!この際名乗る!俺はランサーのマスターだっ!」
「…お前が、ランサーの…!?」
「あぁ、以後よろしく!」
海魔達を見物するためのパスポートを提示した清心は笑う。しかし、発狂と勘違いされちゃ困るので少し笑う程度で留まらせておいた。
「うちのランサーがお世話になってるようだな」
土手を(虎徹達とは違う位置の土手)綺麗に滑らせ着地。士道はおぉ、と漏らした。
「あっあぁ、そうだな。協力っていう形」
「じゃあ、一先ず冷戦だな」
士道は右手をチラッと見る。清心にも令呪があった。さっき見せられたが刹那的だったのでよく解らなかったが令呪のデザインが士道よりカッコイイものだと思った時なぜか悔しい思いに芽生えていた。