「ライダー、あれは…」
「…妖怪、だろうか…?」
「いや、妖怪よりも倍でかいぞ…」
小野は息を呑む。望遠鏡で覗いてみる限り東京ドームの倍以上はあると確信できた。ライダーのこのこじんまりとした船では近づくのが精一杯で接近戦は不可能だろう。少し、1歩手前のとこまで来ているため紫の境界線が悔しくも綺麗に見えた。
「接近戦は無理だ!」
「誰が、接近戦しか出来ないと言ったかね??」
「あーいや、はやとちりはやとちり…?」
「どうした!?」
「この音、聞き覚えが…」
小野は耳を澄ます。空からだった。飛行機みたいないや、飛行機より小さな小柄な物。そう、戦闘機だった。
「おいおいおいおい!まずいぞ!?まさか、コレを迎撃するつもりで来たのか!?」
小野は焦り、船は揺れる。
「おい!酔うだろ!やめろ!!!」
「あっ、悪い!ライダーでも一般人が…!」
「あの距離では私でも注意喚起は不可能だ!!あの距離から聞くのはいけるが、言うのは無理だ!!」
「ちっくしょう!指くわえるしか!!」
「…負けないように応戦しよう!!『翔罰』っ!!!」
と、ライダーは唱えると海魔に綺麗なビームが直撃するが瞬時に復活した。
「…あれは…?F15-J…??なんで????」
一方、士道は戦闘機の音で名前を当てる事が出来るらしい。そろそろ、肉眼でも見える頃だった。
「なんだ、詳しいのか」
「…まぁ、いつの日か士郎とショーを見に行った事があってさ…でも、あれ自衛隊の戦闘機…まさか、あの怪物に突っ込む気か?」
「士郎?まぁ、良いって何っ!?あの戦闘機はこの怪物に突っ込むのか!?無茶だ!自殺しますと宣言してるようなものだろ!!何考えてる!それで迎撃できるならサーヴァントなんか必要ないのと当然だろっ!!」
清心は拳を握る。悔しさと、何も出来ないイライラだ。清心は缶けりの要領で地面を蹴り飛ばし地べたについた。
「はっはっ、これは一般人の犠牲者でるぞ~」
ついに、清心は現実逃避をし始める。
☆☆☆
「仰木さん、小林…!くそっ、待ってたぜ!!怪獣野郎!!俺達の日常を奪いやがって!!!!」
戦闘機の乗組員、青樹は待ち焦がれていた。未遠川の怪物の出現。何年か前に小林と仰木という者達が冬木に応援に駆けつけるも消息を絶ち何年以上も戻ってこないことから彼らは帰らぬ人になったのだろうと基地の人達は非公式に葬式をあげた。
その中で取り残された1番親しかった青樹は同期と涙を流し枯れるまで流した。
『おい!青樹っ!早まるな!!何年か前の末路と同じになるぞっ!待機命令を出したはずだ!! 』
「いや、待てませんよ…櫻井さん…もう、俺の俺達の戦いは始まったんです!全弾ぶち込みますよ!あの紫がかった怪物がなんだ!!仰木さんと小林を返せよ!!デカブツ!」
『おいっ!青樹!おっーー 』
通信を切断する。これはやっては行けない行為で始末書行きで櫻井の怖い説教が待っている、が青樹はそんなのは気にしなかった。
「一緒にトランプをした事!キャンプファイヤーをした事!数少ない女官にナンパして砕けた事!全部!ナシにしやがってぇ!!」
1機の戦闘機はジルの怪物の間近まで来た。
「報告通り…目が無数もある…そして、この不気味なーー」
感想を言い終わる前に青樹の戦闘機は飲み込まれまた、無かった事にされた。戦闘機を丸ごと飲み込まれる光景はライダーと小野とルーカンとクーフーリンと清心と士道に深く記憶に刻まれる。