「お前、いい判断だった」
「あっあぁ……ならいい」
クーフーリンはフードを被り両手をポッケに入れる。全体私服化したので違和感はあまりない。
清心は怒られると思ったがそんな事ないと空気で感じ取り安堵。クーフーリンはまっ、結果オーライだなと歯型を見せ笑う。
刹那、クーフーリンの顔が豹変した。鈍い音と共に空を見上げる。そう、アーチャー。ギルガメッシュが空中に腕を組んで孔雀の様に広げた金色の何本ものの凶器が待機していた。その内の1つがクーフーリンの背に刺さったのだ。
「ランサー!!」
「雑種め、どんな男かと思えばちっぽけな男よ」
清心は空を見上げ悔しそうに歯軋りする。クーフーリンは戦闘態勢に入るも弱まっていた。私服化を解除しフードを取る。
「もう、自害した方がいいんじゃないか?」
ギルガメッシュは鼻で笑いそろそろ金色の凶器をクーフーリンに投げつける。的確に。すると、クーフーリンは攻撃も出来ずに腹やら足やら腕やらに光り輝く武器が突き刺さっていった。
もう死の寸前。クーフーリンは清心に向かって
「逃げろぉぉぉおお!」
と、叫ぶ。清心は何も出来ない自分に握り拳をした。今更令呪を使っても無意味に等しい。
清心は背に響く血反吐音。目も充血し始めたクーフーリンは抵抗できないと思いつつ教会に逃げた。
「いいぞ、雑種は雑種らしく……な?」
ギルガメッシュは絶命するクーフーリンを見る。クーフーリンは金色と鮮やかな色が混ざった感じで消滅しこの世を去った。
「クソっ!ランサーすまない!」
清心は教会に逃げ込み颯爽とスカサハに土下座する。
もう、残るはスカサハしかいない。
「ギルガメッシュと戦った……か」
言峰はふっと笑い清心の方を見る。ウチの者がすまないと嘆く真似をしつつ。
言峰は新たな令呪を清心に託した。
「これが、最後だからな3度目の正直ってヤツだ」
「……あぁ、すまない……」
言峰は薄ら笑い腕を隠すように袖を直した。
スカサハはため息し2秒見つめたかと思うと口を開く。
「問おう、お主が私のマスターか?」
「あぁ、よろしく……お願いします……」
悔しそうな後悔の念が清心の心に刻まれ二度とこの思いをしないよう勝手に誓った。
「私になにか言うことはないかな?」
「え……?」
スカサハは私服姿を見せる。無論、ここにはギルガメッシュはいない。ギルガメッシュは教会に戻れば面倒な事になると察知しその辺をウロウロしている。
「似合ってますね……?」
「あぁ、お似合いだろ。自信作だってこの世で買った物だがな」
シンプルなファッションセンスだがスカサハにとっては気に入っているみたいだ。弟子がやられた事に関しては気にするなと逆に励まされなんか喉に小骨が挟まったようなそんな感覚を得た。