アサシン・呪腕のハサンは今、戦闘中だ。呪腕のハサンは自慢の投擲で遊ぶかのように操っている。新幹線よりも速く一言でいうなら迅速という文字が相応しい走りで相手を魅了させた。その『相手』というのはクラスはランサー真名はディルムッド・オディナ。ケルト神話で有名なサーヴァントだ。彼の宝具が展開するのを見るとしよう。呪腕のハサンは投擲を5個ずつ投げたりバリエーションを変えたりしてバラエティ豊かにディルムッドの速足を鈍らせる。大橋の真上を流星の速さで通過。海に落ちずに空中戦。そのまま地に着地しまた走る走る走る。彼らは百メートル走選手権があったら冗談抜きで数秒で終わりそうだ。プロ並みの選手が呆然として顎がはずれるであろう。
『必滅の黄薔薇(ゲイ・ボウ)』でアサシン、呪腕のハサンを打ち倒そうとするが中々当たらない。ディルムッド舌打ちし必殺の宝具『ゲイ・ジャルグ』を出そうとしたが失敗。理由は単純、呪腕のハサンに先を越され『右手』が出血してしまったからである。
「くっそおおおおおおおおお!!!」
これでは『ゲイ・ジャルグ』が使えない。ならばこの投擲を抜いてと考えたが考えるだけで頭が痛む。そのまま続行し…いつの間にか沼に来ていた。周りの雰囲気を例えるなら富士の樹海。東西南北、どれも同じだ。道のりを覚えていなかったら餓死は逃れないだろう。餓死確定だ。霧がかかっていて幻想的だがこれでは足場が見えづらい。沼に何かがいるかもしれないのに確認しづらいとディルムッドは沼の水につかないように走り歩く。川に石が直線的に移行している感覚でディルムッドは走っている。
刹那、ディルムッドの足に何かがひっかかった。否、掴まれたのだ。魔物のような触手で彼を襲う。これも呪腕のハサンの企みと考えるべきだろう。ディルムッドは
「貴様…!」
と言い触手を振り払った。しかし、これは茶番に過ぎなかったようだ。
「妄想心音(ザバーニーヤ)…」
呪腕のハサンは折りたたんでいた腕を展開し異常で異形な腕を動けない彼、ディルムッドに触れ彼の擬似心臓を精製。
彼は必死に振り払い抵抗するがもう遅い。呪腕のハサンの宝具によって擬似の心臓が握り潰される。ディルムッドは胸部になにか空洞が開いたのを感じ空いた方向に目をやった。刹那、ディルムッドは倒れ魔物の触手に飲み込まれ何も言わずにこの聖杯戦争から退場する。彼が行き着く先は聖杯ではなく沼の黒く冷たい『底』だった。
呪腕のハサンは潰した心臓を躊躇いもせず口に放り投げた。
訂正 クーフーリンではなくディルムッド・オディナです