Fate/Hevun"s Fin White   作:道神碧輝

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謎の一般人

「お前は一体誰なんだよっ!!!」

「そんな慌てるな。慌てると毒がついてくるぞ」

 

バイクのおっちゃんは迷信めいた事を言ってくる。虎徹はその一言で馬鹿らしくなり一気に冷めた。謎のおっちゃんはごまスティックをストックしていたのかリュックから取り出しお前も食うか?と虎徹に渡す。虎徹は乗り気じゃないがどうも……とお礼を言い1個食べる。意外にも美味しくて止まらない。バイクのおっちゃんはその姿を見ていい感じに爽快に笑った。

 

「お菓子は休息。お菓子は可笑しくなれる食い物だ。たまにはこういうのもいいだろ?」

 

…確かに幸せな気分になれる。さっきまでの戦闘が嘘みたいだ。そこの記憶だけ夢の記憶の中に保管されてるみたいな感覚。ストンと何かが落ちて気分が良くなる。

 

「……あんたは何者」

「だから言ってるじゃないか、ただの一般人だって」

「聞いてないけど…」

 

はっはっはっ…とケラケラと笑っているが上品に見える。そこには人生の様々な徳を積んで歩んで来たのだろうなと感じる重みがある。まぁ、元兵隊であっても一般人で良いかと質問攻めはしないでいいかなと思ってしまうような笑顔。その笑顔は計算なのか、天然なのか。

 

「なんで、防弾チョッキなんか持ってんだよ…」

「…護身用だよ。この答えじゃ不満かな?」

「いや、それで良い」

 

そして、この場所。水滴が一定の感覚でポタポタと垂れてくる。意味深で連れてきたような感じ。だが、このおっちゃんは特に何も考えていない。シチュエーションも特に何も考えていない。天然でこの場所を選んだのだ。なんていう男だ。

 

「この際、俺が何者かはどーでもいい。お前さん、なんで狙われているんだ???というか、あの怪物はなんだぁ???」

「……ったく、ずりぃよな。フェアじゃねーけど……?!なんつーか、答えてもいっかてなってしまうような口調…俺はなぁ、救いようのない人殺しとか言ったら笑うか?逮捕するか?冗談だと言って笑い飛ばし流すか?」

「いいや、それでいい。その答えを待ってたんだ……」

 

なにっ!?と虎徹は不気味な笑顔にゾッとする。多分、誘拐犯のオッサンはこういう仮面を被ったような笑顔なのだろう。誘拐された事は無いがそういう光景が目に浮かぶ。

 

「おいおい、そんなに驚くなよ?そんなに怖がるなよ??俺はこの日常に感謝しているだけだ。確かに、俺の笑顔は怖いとよく言われるから気持ち解らならくもない」

 

何を言っているんだ……と虎徹は明らかに一般人ではないと察する。いや、元・非一般人で現・一般人なのかもしれない。謎が深まるばかりだ。

 

「はっは、んな事よりどら焼き食うか??」

 

また、不気味な笑顔をしバイクのおっちゃんはどら焼きを虎徹に渡した。どんなものが来るのか…警戒していたがそこら辺に売っているただのどら焼きだった。

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