今回のランサーのマスターは柳洞清心。柳洞寺の養子で柳洞一成に養われている子供だ。柳洞寺には葛木宗一郎の遺言で魔術の心得を寺のもの全員に教える事になった。ディルムッド・オディナの脱落により清心のマスター権は消えたが教会に聖杯戦争の間身を引き取られ保護状態になっている。その清心の管理役が言峰綺礼。現在、40歳前後。そろそろ合コンに興味を持ち出したらどうだとギルガメッシュに言われたが「麻婆豆腐しか愛せない」とかいう冗談を抜かしたのでギルガメッシュはため息をつけずにはいられなかった。無論、清心もその話を聞いており「面白いこと言うんですね」と微笑混じりに言った。
「…で、どうかね?またマスターになる気は」
綺礼はチャンスを与えると腕にある令呪の塊を見せつけた。これだけ時間が経てばまた聖杯戦争に参加してくれるだろうと半々の確率で清心の心を読み取る。
「あぁ、なりますよ。この心に偽りは存在しない」
「なら、いい。では詠唱したまえ…」
清心は令呪の再契約をし手に入れたのは『ランサー』真名をクーフーリンと言った。
「セタンタ…」
「ん?」
綺礼は清心の言葉に首を傾げる。ギルガメッシュは察した様子で半笑いしていた。
「あ、いえ。お気になさらず」
新たなるランサー、クーフーリンが召喚される20分前綺礼が清心にあるランサーについてのシナリオを伝言された。
「ちょっと柳洞清心…」
「はい?」
「本来なら私がマスターになるハズだったのだが…」
清心はその事を思い出し胸に槍が刺さったかの様に痛い何かが走る。彼の言う事を聞けば聖杯戦争がスムーズに進むのだが清心側にとっては不利になる。しかし、『次の手』もあるらしいので安心して欲しいと綺礼は言っいた。何を根拠にと清心は思ったが今は言われた通りの事をしようとランサーがいる目の前で心で誓う。清心は共闘という意味を込め左手をグーにしランサーの腕の近くで止めた。
ランサー、クーフーリンは
「おっ、こいつぁ俺のマスターでいいってことか?まぁ、これが付いてるしそうなんだろうなぁ…。しかし、変わった絆の確かめ方だ」
と察しクーフーリンは右手をグーにし清心のグーを力弱くぶつけた。
「頑張ろう、ランサー」
「おうともそのつもりよ」
ギルガメッシュは笑いを堪えるのに必死で平然な顔を保っていた。
清心が教会を後にして10分経つ。綺礼はため息をついた。それが何のため息か解らないがマイナスな息ではない事は確かだろう。
「どうした?綺礼。また、何か思いついたのか?」
「あぁ、また美味しい酒が飲めるさ…」
ギルガメッシュはその成長ぶりに解らないように鼻で笑った。