なぜ、私が船に乗っているのであろう。手紙を書いてあの者に届けに行くのはあの人達だと言うのに。なぜ、海を渡っているのだろう。私はここへ居なきゃいけないのに。なぜ…なぜ…。
「問おう、あなたが私のマスターですかな?」
「クラスは…ライダーか、よろしく頼む」
冬木にある川でなぜか召喚されたライダー。触媒は6色の色紙。何の変哲もない色紙だが何らかの魔術が施されている。川と船とこの色紙が交わることで生まれたライダー。彼の特徴は浴衣姿でマスター・小野仁時は思っていた人と違うと嘆いた。このサーヴァントの能力は聴力EXという化け物(褒め言葉)並の聞き分け、耳が良い。そんな特集能力のライダーは何に乗るのかというと『船』だ。かつて部下?が乗り降りしていた船を乗(ライド)している。
速度が調節でき海を自分の庭にだってする事が出来る索敵機能まで付いている優れもの。心のどこかでこのライダーとなら勝てるとマスター・小野仁時はそう信じている。
「さて、マスター。ところでマスター。私の衣装はいかがなさいますかな?」
「どうって言われても…。この時代と一致しないとだけ言っておこう。あと、髪型は最近の物だな…。一言でいやあ違和感っつーか」
と左、右に感想を並べるとライダーは肩を落とし人差し指で円を書いていじけた。このいじけ方も現代にそっくりだと内心、小野は思った。
「あっ、ライダー。俺の名は小野仁時。名前は結構気にいってるんだ。よろしく」
「…では、仁時でよろしいかな?」
旅館にいる女将のような正座と仕草をライダーはした。これはまた何の表れなのだろうか。意図が全く掴めない。ライダーのもう1つの特徴といえば一言で言うと爽やか。いわゆる草食系男子と同形態なのだろう。少なくとも肉食では無い。
仁時は早速ライダーに気に入られるがこのライダーの時代にはあだ名文化が少なかったため仁時自ら「仁」と付けた。片付け仕事をしたと言っても過言ではない。
「では、早速。ライダーには初任務を託そう。そう、パトロールだ」
現代の知識を植え付けられたサーヴァント、ライダーにはパトロールの説明など不要だ。「御意」と快く承ってくれた。聴力EXの能力はこのパトロールでも役立つ。
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「ユグドミレニア一族として頑張らなければ」
カエサル・ユリファロード・ユグドミレニアはユグドミレニア一族の養子。ダーニックに拾われ養われてきた子供だ。なぜダーニックは養子など笑顔で歓迎したのか理由は単純、カエサルは魔術能力がプロ並みだからだ。ユグドミレニア一族は魔術社会に見返せるチャンスと見てカエサルを養子として受け取った。更にユグドミレニア一族の証明として第5,5次聖杯戦争に参加し『聖杯獲得』という領収書をカエサルは取りに向かう。
そんなカエサルにはアーチャーというクラスを召喚。本来ならバーサーカーとして召喚される予定だったがこの不安定な聖杯システムで予定が崩れアーチャーとして現れたのだ。そんなアーチャーの本懐は『王であることの証明、戦い続けること』だ。聖杯はマスターが欲しいならくれてやる。ただしお前は味方でいろ。ミスもできるだけするな俺の考え次第で『殺す』と辛辣的な注意を受ける。しかし、カエサルは動揺せず承諾。
「しかしまぁ、俺がアーチャーで良かったな。バーサーカーだったらもっと厳しいぞ」
「もう、それでご馳走さまさ。こんな厳しい拷問もどきなんて昔の刑事の取り調べかよってレベル」
「おいおい…俺は拷問をしているつもりはない。注意をしているだけだ」
ふっ、とカエサルは鉄塔の支柱を触りながら鉄の冷たい感触を感じ取りいつか錆びるのではないかと感想を抱く。確かに彼が仮に真のクラス、バーサーカーとして顕現してたら心は折れていたかもしれない。
「なぁに、お前の心配はいらない。アーチャー。俺らは全力で勝ちに行く。そんでルーマニアに土産を持ってくさ解りやすい形でね」
「ほう?てことは願いとやらは見つけたのか?」
カエサルは自信ありげに空を見上げ。言った
「我が国、ルーマニアに核権力の拡大を…だな」
そう言った直後流れ星が降ったような気がした。