報道と犯人と捜査と
スポーツを楽しむ者、世間ニュースを楽しむ者、政治やら色々なニュースがテレビの中で嵐の如く回っている。否、ニュース等には台風の目が存在しないため台風、嵐という表現は間違っているのかもしれないが。そんな中に四方田虎徹という男は殺人犯Aとしてテレビに映っているのだ。平成のジャック・ザ・リッパーとも言われ悪魔復活、魔女戦争復活など様々な意見がネット上やらで交換、論争されている。虎徹はそれに混じりながら論争やらを楽しんでいた。素性がバレない程度に。
「しかしまぁ、平成の切り裂きジャックだと!これは大ウケ!ポエマーかよ!」
虎徹は笑いながらパソコンの画面を睨む。片手にコーラを持ちながら。これでもちゃんと働いているため職場からもこんだけでかい事件になりゃ考察論争にも発展する。1番恐ろしいのが虎徹は職場仲間と考察論争に参加している事だ。そいつが犯人と気づかずに快く会話をしているのが何とも変な光景。まるで人狼をやっているかのよう。
虎徹はパソコンを閉じ次の現場へ向かう。今となれば旦那、もといキャスターがいるので従来の10倍の速さで事件は完成し事件の精度も上がるのだ。次来る異名に期待しながらもアパートから5分の所にある家に目を付けた。
「サンキュー旦那。もう、やってくれたのか」
「えぇ、素晴らしい教本で彼らを裁きましたよ。虎徹」
もう1度虎徹は礼を言い最後の仕上げをする。魔法陣を描くというお約束の跡残し。もう悪魔は召喚されているのでもう詠唱する必要は無いが彼の足の体力だと限界が来ているため疲れる。
「ふぅ…もう、疲れたよし。引き上げるか…」
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虎徹が侵入して5時間が経過した。警察が到着しまず目を付けたのが紅く染まった魔法陣。大阪府警の刑事薮雨(やぶさめ)陽一は虎が憑依したかのように睨んだ。
これは間違いなく確認もするまでもない殺人に値する。これで自殺と断定するなら目が腐っているのだろうと薮雨はため息をついた。
「こいつは殺しで間違いねーな…。ったく。これ以上見ると税金泥棒やってた方がマシだわな…」
吐き気を催す代りに言葉を吐いた。しかし、同僚の刑事はもう遅かったみたいだが。
「奈津。また、吐いてるのかよ」
奈津刑事の背中を擦る。薮雨は案外優しい所もあるのだ。奈津は大丈夫。とゆっくり立ち上がりハンカチを誤魔化すようにワイルドにしまった。奈津も捜査に加わり現場検証を開始。しかし、遊びの線を変えたかのようなグロテスクな光景。なにか犯人は意図を変えたのかと言わんばかりの殺し方だった。奈津は「やはりホシは遊んでるな」とため息混じりに言う。正にその通りだと薮雨はそう思い頷いた。
「しかし、今までとは違ってグロさが増してるというか人間業じゃねぇな。しかし、同一犯は確かだ」
薮雨は周りを1週する。被害者の状況は説明しづらい状況で強いて言えることと言えば死体を包帯で巻かなきゃいけないという事ぐらいだ。しかもここ被害者の家で犯行が無かったら身元確認がスムーズに行われなかっただろう。想像するだけで背筋が凍る現場だ。
「それは間違いないわな魔法陣だってあるからな」
奈津は欠伸をしながら魔法陣を見下ろす。ゲロの疲れが来たからなのか目を擦り視点を合わせる。
「ったく、無理するなよ。帰りにポカリ奢ってやる」
「あぁ、スポドリか気が利くね」
「馬鹿野郎」と補足し奈津と薮雨は捜査を進めた。収穫と言えば魔法陣の書き方が今までとは違うのと殺しのやり方が違うということぐらいだった。