火竜がちょっと変なリリカル?の世界に逝く 作:パーシヴァルヴレイヴ
他の作品を楽しみにして頂いている方々には申し訳ありません。
そちらも一緒に頑張っていくので、よろしくお願いします!
「で、結局の所、俺は自分の世界で死んで、別の世界に転生する…そう言う事なんだな?」
「うん、あってるよ〜」
その女性はお気楽にそう答えた。
青年はそんな女性を見て、大きなため息を吐いてしまう。
「はぁ…何でこんな事に…」
「それは…私の部下がミスをしたからだ!って、さっき言ったじゃないですか〜」
「その上司であるお前は何でそんな他人事のように言ってんだよ」
「だって他人事ですから!」
「はぁ…頭が痛い…」
そんな女性の言い分に青年は頭が痛くなった。
「で、その転生する世界ってのはどんな世界なんだ?」
「えーっとですねぇ…ちょっと待ってくださいね!」
そう言って女性は手元の資料を目を通していく。青年の目も追いつかない尋常ではないスピードで、だ。
「あったあった! えーっと…あなたの転生先は前の世界とほぼ変わりない世界だそうですよ〜」
そして、一枚の資料を読み終わると、青年の問いに答えた。
「そのほぼってのが気になるが…平和な毎日を暮らせるならそれでいいや」
少し不安に感じる青年であったが、女性の事を信じる事にした。
「はい! その世界でも(厄介事に突っ込まなければ)平和に暮らせると思いますよ?」
(何か隠されてるような気もするが、気にしても仕方が無いか…)
青年の不安などを余所に、女性は青年を転生させる準備を終わらせようとしていた。
「では、そろそろ行ってもらいましょうか!」
「いきなりだな、おい」
青年のツッコミに耳を傾けもせず、その女性は資料らしきものを吟味している。
「ふむ…あなたの頭の中から転生特典も勝手に選んどくのであっちについたら確認してください!」
「こう言うのって自分で決めるんじゃないのか?」
それを聞いた女性は満面の笑みでこう言った。
「だって、いちいち聞いてたら時間掛かりますし、私が面倒くさいですから!」
明らかに私情である。
「本音がただ漏れだぞ、あん…」
「それじゃあ次の世界でお元気に暮らせる事を願ってまーす!」
グイッ!
その女性は俺にそう言うと、上から吊り上げられた紐を引っ張った。
「…えっ?」
すると、青年の立っていた真下の床が消えた。
「精一杯楽しんでくださいね〜!バイバーイ」
こちらに向けて手を振っている女性。
「テメェェェ! 次あったら覚えてろよぉぉぉぉ!」
人間が何もない所で立てるはずもなく、青年は重力に負けて真っ逆さまに落ちていった。
「さーて、あの子も行った事だし、色々と決めていきますか!」
女性はそう言うと、手に持ったペンで青年の資料であろうものに何かを書き込んでいく。
「あんな平和平和言ってる人だから、否応にも厄介事に巻き込まれるフラグは立ってるね、絶対に。だーかーら、転生特典は戦闘系の方がいいかなぁ」
女性は今書いてる資料とは別の資料をパラパラとめくっていく。
「えーっと、特典は…この火竜(サラマンダー)の能力でいっか。で、あの世界は魔法を使う装置がいるよね。でも、この特典の能力はその法則に囚われないから使わなくてもいいしなぁ… ま、それでも付けてあげようか。お姉さんやっさし〜いぃ!…あ! この猫っぽい子も付けてあげよっと!」
そう言って物凄いスピードでペンを走らせる女性。
「よし、こんな所かな。後、名前は…中二っぽいけど、このまんまでいっか」
そう言った後、女性は何処から現れたか分からないポストにこの資料を投函した。
「そう言えば…他にも転生者がいる事教えるの忘れてたな。ま、いっか! 平和に生きてたら会う事はないだろうし…っと、それがフラグになるんだよねぇ」
そして、女性はその場から消えた。
そこには何も無かったかのように…