馬鹿4人によるFGO SS 1週間1本勝負   作:作家活動から逃げるな。

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後篇です。まだ読んでいらっしゃらない方は前篇を先にお読みくださいませ。

一応注意点
・七章、17夏イベ、17クリスマスイベのネタバレ多数
・今回も今回で滅茶苦茶な独自解釈・独自設定
・約8000字いったので前後編
・へたくそな伏線の張り方
・ぐだ男マスター

Are you ready?
守銭奴女神のプレゼントォ!
イシュタァルサンタァ!
イェーイ!までタイトルを思いついたときに思いつきました。


【クリスマス特別編】イシュタル!サンタ!?ベストマッチ!!?? 後(ライター・スプラウト)

「マスター!次どこ!?」

 

「えーと、二つ向こうの通りのロッテンマイヤーさんち!」

 

「了解!飛ばすわよ、掴まってなさい!」

 

言うが早いか、風より早くという言葉がふさわしい位の速度を出してマアンナを飛ばす。

直線距離で1,2キロでしかないのもあって、10秒後には目的地に到着していた。

 

「このロッテンマイヤーさん?のプレゼントは……これね」

 

袋の中から目当てのものを取り出したイシュタルはそれを玄関の前にそっと置いた。

そこにサンタからの贈り物であることを書いたメモを合わせて置いて、再びマアンナに乗り込む。

 

「さぁ!休んでる暇はないわ!次行くわよ次!」

 

「ちょ、Gがかかってきついんだけど……」

 

「次は!?」

 

「あーもー、次はここから南西の……」

 

マスターもやけっぱちになりながらイシュタルに次の目的地を告げる。

それを聞いたイシュタルがマアンナを全力で飛ばした。

 

結局マスターにプレゼントを提案してもらう、という目論見が外れたイシュタルは、次の作戦として、直接相手の欲しいものを知る、という手をとった。

これはイシュタルの女神の権能と、イシュタルの憑代となった少女からちょっと借り受けた(本人談)魔術の知識をちょちょいと応用して色々やった結果生まれた、相手の願望を知ることのできる魔術によってなされたある意味奇跡の業があってこそ取れた手段である。この魔術、なんとも都合のよいことにサンタの届けられるものレベルの願望までしか読み取れないという。ともかく、この魔術を利用したイシュタルは次に自身の財を(半泣きで)注ぎこみ、プレゼントとして選んだものを実際に買うという暴挙に出た(ちなみに実際に買いに行ったのはマスターである)。

後は誰が何を欲しいのか、というのをリストアップし、マスターが告げた人のところにイシュタルがマアンナを飛ばしプレゼントを配る、というだけである。

ともすれば今までで一番サンタっぽいかもしれない。実際、一番欲しいものかどうかはともかく、外れを配ることはないのだから。

行動をとり始めて2時間、およそ8割のプレゼントを配り終えたイシュタルはとマスターは、一旦休憩をとっていた。といってもマアンナの上で、だが。

 

「いやー配った配った。今までこんなに配ったことは無かったからある意味新鮮だったかも」

 

「そう?まぁいいわ、おかげで私もだいぶ善性戻ってきたし」

 

「そうなの?よくわからないけど」

 

「あ?」

 

「なんでもありません」

 

「……まぁ実際善性とかそういったもの、別に形あるものじゃないから傍から見たら判りにくいかもね。でも当事者たる私はちゃんと善性感じてるわよ」

 

「エネルギーというか、魔力的な感じで?」

 

「そうね、それが一番わかりやすいかも」

 

ボンボンを揺らしながら笑うイシュタルにつられる形で、マスターも笑う。

 

「でもこんだけ頑張ったらグガランナもなんとかなったりして」

 

「だーかーらー、グガランナをどうこうするつもりはもうないって言ってるでしょう!?」

 

サンタ帽のボンボンをピカピカ光らせてイシュタルは怒鳴った。

 

「それにグガランナ作り直すのにレースした時のこと思い出しなさいよ!あれ色々したからやっとあそこまでできたのよ!ただ空飛んでるだけでなんとかなるわけないじゃない!」

 

ボンボンの光が消えてなお、イシュタルは怒る。マスターは平謝りしながらイシュタルの気を逸らすことにした。

 

「わかった、わかったって!ごめん、言い過ぎたよ!悪かったから、そしたら残り配りに行こう、ね?」

 

「……仕方ないわね」

 

まだ不承不承という感じではあるが、イシュタルは怒鳴るのをやめて前を向く。

 

「ほら!次はどこ!!」

 

「えーと……次は北東2,5キロ先の……カサンドラさんで、その次がそこから三軒右の、ウーイズリさん?ごめんちょっと読めない」

 

「読めないって……まぁいいわ!そしたらチャチャっと残り配っちゃうわよ!」

 

そう言って、イシュタルは再びマアンナを飛ばし始めた。

 

 

 

*

 

「マシュから連絡が来ました。もう間もなく、マスターがターゲットをここに誘導するそうです」

 

「ようやっとか、危うく凍てつくかと思っていたところよ」

 

「勝手に凍てついてなさい『A-S』。とにかく、早く終わらせるわよ」

 

「全くだ。こいつ、他の者の分も考えずにコンソメスープを飲みつづけるからな!」

 

「俺のせいかよ!?だいたい一番飲んでるのは俺じゃねえだろ!?」

 

「彼女の分は彼女の分で用意しているといっただろうが!」

 

「落ち着いてください『A-E』、『L-C』」

 

「『R-M』のいう通りです二人とも。でもやっぱりもう一杯頼めますか『A-E』」

 

「まだ飲むのかよ!」

 

「ええいいい加減に配置につかんか貴様ら!!纏めてディンギルの弾にするぞ雑種ども!!」

 

『……大丈夫なのでしょうか、これで本当に……』

 

 

 

******

 

プレゼントを配り始めて約3時間。ついに、その時が訪れる。

 

「こ、れ、で……最後ー!!」

 

「お疲れ様、イシュタル!」

 

「はー!つっかれた!!」

 

イシュタルがマアンナの座席で大きく伸びをする。

つい先ほど、最後のプレゼントが配られたところだった。

 

「それにしても最後のプレゼント届けた相手が海外旅行中の日本人だったとはね。一瞬見えた姿は凄いドイツとかの人っぽかったけど。綺麗な銀髪だったし」

 

「しかも欲しいものが一緒に旅行していた人が好きなクマのぬいぐるみだったなんてね。まぁ売ってなかったんだけど……」

 

「代わりにその人好みのクマに改造できるように、って布やらソーイングセットやらまで同封したから、きっとあの人なら何とかできると思うよ」

 

「ほんと、そこでそういうアイデアだせるのは凄いと思ったわ、マスター。流石ね」

 

「なんだかんだでサンタの付き添い三回目だしね……」

 

ふう、と一息ついて、イシュタルは自身の手を握ったり開いたりしてみる。

 

「……うん、たぶん大丈夫だと思う。これで」

 

「元の属性に戻れた?」

 

「ええ。きっと大丈夫よ」

 

マスターを見て口角を上げるイシュタルに、マスターも釣られて笑みになる。

そこでおもむろにイシュタルはマアンナの操縦席に座り直した。

 

「さってと!そしたら次行くわよマスター!」

 

「え?プレゼントならもう配り終わったけど?」

 

空っぽになった袋を持ち上げて見せるが、イシュタルは振り向かずに答えた。

 

「確かに今の分は、ね」

 

「……また配りに行くの?」

 

「あたりまえじゃない。一応はサンタなんだし、なんだかんだ楽しくなってきちゃったから」

 

そこまで言って、イシュタルは振り向いて笑う。

 

サンタ帽のボンボンを、光らせながら。

 

「……そしたらさ、先に向かってほしいところあるんだけど、いい?」

 

「あら?まぁいいわよ。マスターには付き合ってもらったしね。どこに行けばいい?」

 

「えっと方角は……あっちあっち」

 

そう言ってマスターが指差す方向にマアンナを飛ばす。

マスターの指示通り進み、到着したのは、森の中だった。

 

「本当にここでいいの?」

 

「うん、ありがとう」

 

「ふーん……まぁいいけど。にしても、本当何でこんなところに来たのかしら」

 

訝しげに聞いてくるイシュタルに、マスターはマアンナを降りた。

 

「ところでさ、イシュタル」

 

「何よ、質問に答えなさいな」

 

 

 

「そのサンタ衣装、誰に作ってもらったの?」

 

「は?……あぁ、これを作ってくれたのはね」

 

 

 

「エレナだよね?」

 

 

マスターから告げられた名前に、イシュタルは一瞬、本当に一瞬だけ呆気にとられ。

 

次の瞬間、目の色を金色に変えた。

 

「……何で知ってるのかしら?」

 

イシュタルの問いに、マスターは今度は答えた。

 

「そんなの簡単だよ。エレナが、『直接』教えてくれたから」

 

「は……?」

 

マスターから帰ってきた答えに、イシュタルは今度こそ絶句した。

 

「そ……そんなのおかしいわ!だって!この衣装は頼んでから一日で作ってくれたのよ!?その間あのキャスターとマスターが会ってるはずはないわ!」

 

「そうだよね。その間、エレナと俺が会わないように、戦闘シミュレーションに引っ張ってったんだから」

 

「な……」

 

そう、マスターの言うとおりだった。

イシュタルは、彼女の狙いの為にサンタ衣装を作ってくれて、しかもすぐさまマスターに報告をしに「行かない」サーヴァントにサンタ衣装を作ることを頼み、その間衣装つくり中のサーヴァントとマスターが、あるいはマスターにすぐ報告をしに行くサーヴァントが遭遇しないように、戦闘シミュレーターに誘導していたのだ。

そこでイシュタルが目をつけたサーヴァントが、エレナ・ブラヴァツキーだったのである。もし、これがエミヤに頼もうものなら即マスター案件であるし、ブーディカでもそうなっていただろう。イシュタルは他に裁縫ができるサーヴァントに思い当たる節がなかったし、唯一ヴラド三世なら出来ると聞いていたが、あいにく出来る方のバーサーカー・ヴラド三世はこのカルデアにはいないかった。

ともあれ、条件に合うサーヴァントを探していた時に、エジソン、そしてテスラの為にコートを編んでいたエレナに遭遇したのだ。そこからはとんとん拍子に話が進む。

 

「そして衣装ができたのが俺を連れ出すつい10分前。そりゃ、エレナが俺と会うタイミングは無いはずだと考えるのは当たり前」

 

でもね、とマスターは話す。

 

「エレナは俺に伝えてきたよ。イシュタルが何か企んでる、って」

 

「ど、どうやって……」

 

 

 

「オルコット」

 

 

 

イシュタルは、愕然としていた。

エレナが霊基再臨後から連れている、小さな浮かぶ人形のようなもの。

その名はオルコット。

 

「意識してなかったでしょ?エレナの周りにいるはずのオルコットの存在を。少なくともエレナから衣装を受け取った段階じゃ、オルコットはエレナの周りにいなかったはずだよ。ずっと、それこそイシュタルがエレナに頼んだあたりから、俺のところにいるからね」

 

「そ……んな」

 

「それでもイシュタルが何を企んでるかってのはわからなかったから、エレナがサンタ帽に細工をしたって」

 

「サンタ帽に細工……まさか!?」

 

被っていた帽子をつかみ取る。

視線の向かう先は、先端の、白いボンボン。

 

そう。

 

「イシュタルが嘘を吐く度に、それが光るように」

 

ザッ、と、イシュタルの背後で足音が響く。

 

「そしてイシュタルは見事にグガランナ関係の話でボンボンを光らせた。おかげで確証が持てた」

 

「は……はは……」

 

乾いた笑いが、イシュタルの口から漏れる。

 

「だからこっそりマシュに頼んで、もしイシュタルが悪そうなこと企んでたら、って時の為に、ここにサーヴァントを送ってもらってたんだ。ここが観測点になったのも、それが理由だよ」

 

ギギギ、と錆びついたネジのようにゆっくりと振り向くイシュタル。

その視線の先には。

 

アーチャー・エミヤ。

ランサー・クー・フーリン。

キャスター・ギルガメッシュ。

ライダー・メドゥーサ。

キャスター・メディア。

アサシン・佐々木小次郎。

 

そして、セイバー・アルトリア。

 

「は、あはは……」

 

そうして。

 

「ということで、全員。おしおき、開始!」

 

「なんでよおおおおおおおおおおおお!」

 

イシュタルの目論見――グガランナ再生計画は、おじゃんとなったのだった。

 

 

 

 

 

「つまり善性を失っていたのは本当だったけど、それと一緒にプレゼントを配ることで集まる感謝の念を、信仰に置き換えて力にすることで、グガランナを作り直すエネルギーにしようとしたと」

 

「はい……その通りです……」

 

結局数の暴力には敵わず、コテンパンにされたイシュタルはまた「私は駄目な女神です」と書かれた例の粘土板を抱えさせられていた。

 

「全く!人の感謝の念をなんだと思っているんだ、君は!」

 

「ここまで呆れた奴だとは……流石の我も悲しい」

 

「本当は善性まだ足りてねえんじゃねえか?」

 

「まさに悪魔の所業よな」

 

男性サーヴァント陣からボコボコに言われてイシュタルは咽び泣く。

女性陣も何も言わないが、溜息を零していた。

 

「……まぁ、善性を失って、霊基が不安定になっていたのは本当みたいだし、グガランナが絡まなければいいことをしたのは確かだし、俺たちがここの人たちを巻き込んだという点では俺たちも決して正しいだけじゃないから、おしおきはしたしこれにて終わり、ってことで!でも次同じような事やったら次はエルキドゥだからね!」

 

「マスターがそう仰るのなら、私はこれを事の解決としましょう。他の方も、よろしいか」

 

アルトリアの言葉に、多少納得のいっていない顔をする者もいるが、全員が従うらしく、次々とレイシフトしていく。

最後にアルトリアがカルデアに帰って行くと、マスターとイシュタルもレイシフトが始まりかけていた。

 

「うぅ……」

 

「全く……」

 

未だグズグズ鼻を鳴らしているイシュタルにマスターはため息を零しながらも、次の瞬間には、優しい笑みを浮かべていた。

 

「……ともかく、消えたりしなくてよかったよ、イシュタル」

 

そのマスターの言葉に。

 

「……うぅぅぅぅ!うるざいわよ、バガマスダー!!」

 

イシュタルはボロボロ泣きながらも、嬉しそうに答えるのであった。




ここまで読了、ありがとうございました。ライター・スプラウトです。
前回担当の際は失礼しました。無事に色々落ち着いたのでなんとかなりました。

今回はタイトルが一番最初に出来上がりました。ちなみにこのタイトルを他メンバーに見せたところ笑われました。やったぜ。

色々と話したいところですが長くなりそうだったり話がまとまらないので細かくは活動報告にあげますのでもしよろしければそちらをお読みください。今日中に書けるか分かりませんが(((((

それでは次回、アイアムメイデンくんが多忙極めてるので獣八氏になるかもしれません。その次が私になります。また、クリスマス特別編はクリスマスに間に合う気がしませんが新年特別篇は書きますハイ。
では次回、お楽しみに!
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