馬鹿4人によるFGO SS 1週間1本勝負   作:作家活動から逃げるな。

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【注意】


この話には「ご都合主義」「独自解釈」があります。
また、FGO第1章に関するネタバレが大量に含まれています。

「どんな話でもいい!俺/私は後悔しない!!!」といった剛の者だけお読みください。
そうじゃない人は今すぐブラウザバックだ!










さて、ここから先は、『覚悟』を持ったものしか存在しない世界。
そういうことで構わないね?

よろしい。
ならば通るがいい!

あとできれば石は投げないようにお願いします!!!
 


それは幸せな夢のような話。(MKDN)※注意があるため前書き必読

 

 

そこには幸せな未来があった。

自分一人では作れなかった、しかしどこかの誰かが確かに勝ち取ったのであろう未来があった。

 

笑顔があった。

どこにでもあるような、ならばこそ尊い、穏やかな日常があった。

 

綺麗な青空があった。

彼も数回しか見れていない、標高6000mから見る青空と、それに対比したかのような白銀の世界。

それを眺める二人の少女と、その二人を見つめる一組の男女。

少女らはそれぞれオレンジ色と藤色の髪を持ち、手をつないで空を見上げている。

そして、それを眺めている男女はというとーーー

 

 

ああ、これは夢だ。

彼はそう直感した。

彼女らの勝利は疑わないが、自分があの場面に居合わせているはずもない。

なぜなら彼は消えゆく身。

冥界の最下層に存在する深淵より、『  』の底よりなお深い、「無」という名の虚無の空間へ昇天している真っ最中なのだから。

 

ふ、と。

そんなことを考えたかの存在の顔に笑みが浮かぶ。

『  』の底よりなお深い場所に、「昇天」しながら「堕ちている」なんて。

 

それと同時に後悔の念が襲ってくる。

 

もっと早くからレフの正体を見抜けていれば所長が死んでしまうことはなかったかもしれない。

自分の疲労なんて無視してあの時働いていれば一日でも早く人理が修復されて、結末もまた違ったものになったかもしれない。

生前しっかりと使い魔たちと向き合っていたらそもそも人理焼却だなんて起こらなかったかもしれない。

 

そしてなにより。

 

自分が消滅しなくてもすむ、そんなご都合主義のような手段があったなら。

 

そこまで考えて彼は自嘲気味に笑った。

そんな手段はありはしない。あってもそれが許されるはずもない。

なぜなら自分は後始末をほかのみんなに押し付けて、勝手に居なくなってしまったのだから。

 

 

 

あぁ、それでも。

許されることならばーーー

 

 

「みんなと…また一緒に笑いたいなぁ…」

 

 

 

『ようやく己が望みを持ったな、王よ』

 

 

 

驚愕する。

閉じていた眼を開けると、目の前にもう二度と会うことがないであろうと思っていた存在がいた。

 

「ゲーティア……なのか……?」

 

『あぁ、そうだ。かつてお前が指揮した魔術式。そのなれの果てだ』

 

しかし、その姿は元の主人である彼さえ一目見ただけでは断言できないほど変わっていた。

もはや魔神としての形は無く、無残に崩れ去るのを待つばかりの人間の身体。右腕も無く至る所にヒビが入り、ボロボロになっている。

しかし、その表情は憑き物が落ちた様に笑みさえ湛える穏やかなものになっていた。

 

「ゲーティア…君がなぜここに…?」

 

『私がなぜここにいるのか、だと?決まっている。私もまた等しく、【ソロモン】であるからだ。』

 

彼の問いに人王ゲーティアは愚問だと言わんばかりに答える。

 

「そういうことを言っているんじゃない。君にとってボクは『倒すべき敵』であり『滅ぼすべき生命体』の1人じゃないか」

 

『いいや、それは違う。今や我が怨敵、我が憎悪、そして我が運命はただ1人。打ち倒すべき、打ち砕くべき敵はお前ではない』

 

その言葉を聞いて彼は安堵した。

 

ああ、彼女らは遂に世界を正しく救ったのだと。

 

犠牲が無かったとは到底言えない。

あの旅路には多くの苦しみがあった。多くの悲劇があった。多くの別れがあった。

 

だがそれでも。

それでも彼女らは世界を、人理を救ったのだ。

 

悩んでしまうこともあっただろう。

その悩みに対する答えが見つからず、立ち止まってしまったこともあっただろう。

 

それでも彼女らは前を向き、歩み続け、敵を討ち果たし、あまつさえその敵に救いすらも与えたのだ。

それは生前の彼でさえ、万能であった彼の王でさえ出来なかった偉業だ。

これほど嬉しいことはない。

 

「ーーーそう、か。ゲーティア、君も『答え』を得たんだね……」

 

『三千年の時間をかけてようやく、だがな。ようやく私は人を理解することができた』

 

穏やかな笑みを浮かべたまま、ゲーティアは彼の言葉を肯定する。

人類最後のマスターである彼女に敗北し、魔神柱もすべて崩壊。無限に思えた彼の生命に残された時間はたったの5分。

しかしそのたったの5分間で彼は人として生まれ、人として生き、人として死んでいった。

その僅かな、されど、あまりにも愛おしいその時間こそが彼にとっての本当の人生だったのである。

 

「…それで、消滅しかかっているボクに何の用だい?さっきのことでの恨み言でも言いに来たのかい?」

 

『いいや、違う。私はお前の望みを叶えに来たのだ』

 

そう、ゲーティアから告げられた彼は思考が停止した。

今、目の前にいるこいつはなんと言った?

 

「…ボクの聞き間違えかな?今、『ボクの望みを叶えに来た』って言ったのかい?」

 

『そうだ。確かにそう言った。お前を、あの世界へと戻す。そのために私はここへ来たのだ』

 

「っ、そんなこと…出来るはずがない…!そんなことあの宝具を使った張本人である僕が一番よく知ってる!」

 

 

ーーー訣別の時来たれり、其は世界を手放すもの(アルス・ノヴァ)

それは彼の切り札。

ゲーティアに名を騙られていた彼が持つ、本物の第一宝具。

生前の彼が全能の指輪を天に返した「人間らしい英雄」の逸話を宝具として再現したモノ。彼がそれまで為し得た偉業、為し得た奇跡、為し得た魔術、そのすべてを手放す別れの詩。

遠い未来において「魔術」が人間にとっての悪になった時、これを滅ぼすために彼が用意した安全装置。

一旦発動すれば止めることもできず、英霊の座からも消滅し、残した痕跡は世界や人類史から全て消え去り、人類では誰も到達していない終わり、本当の意味での「無」に至る、自爆宝具。

 

そんな宝具をゲーティアは止めるというのか?

馬鹿な。出来るはずがない。

魔神王であった頃ならまだしも、人王となった今のゲーティアは72柱の魔神の残滓、最後に残った結果のようなモノだ。そんな力が残っているはずもない。

 

『いいや出来る。してみせる。そのために、そのためだけに私はここへと来たのだから』

 

「……もし出来たとしても。ボクには帰れるはずもない…」

 

そうだ、ボクはずっと彼女らを騙していた。

誰も信じず、自分の都合のいいように誘導して、最期には全部放り出して後を任せてきてしまった。

そんな自分がもう一度彼女らが待つところになんてーーー

 

『我が怨敵を、我が運命をあまり見縊るな』

 

そんな思考をゲーティアは、人となったモノはバッサリと切り捨てる。

 

『奴がその程度で人を見限るものか。このゲーティアを真っ向から打ち破った人間がそのような些事を気にするものか。…余り時間がない。始めるぞ』

 

そう言うなりゲーティアは消滅していく体を励起させ、彼の望みを叶えるための術式を発動する。

それによりゲーティア自身の体が崩壊するスピードは上がっていくが、彼自身は全く気にする様子もない。

 

「待て!何をするつもりだゲーティア!」

 

『何、簡単なことだ。お前を【ソロモン】とは違う一人の人間として切り離し、お前の消滅を私が肩代わりする』

 

「そんなこと、出来るはずが…!」

 

『出来る出来ないではない。【する】のだ。知っているか、王よ。』

 

ーーー人間の底力というものは、案外馬鹿にできないものなのだぞ?

 

そう言って彼はさらに術式を構築するペースを上げる。

当然、体もボロボロと目に見えてどんどん崩壊していく。

 

『……ふむ、これならば私が消滅するまでにはなんとか完了できそうだ。喜べ、王よ。お前の望みはようやく叶う。』

 

そういう彼の姿はもう既に下半身はなく、胸の下あたりまで崩壊し、残っていた左腕も二の腕から先は刻一刻と黄金の粒子に変わっていっている。

誰がどう見ても満身創痍。

そうまでしてなぜあれほど恨みを持っていたはずの自分を助けるのか、彼は全く分からなかった。

 

「…一つだけ聞かせてくれ。なぜ君はこんなことをする?」

 

『…なぜ、だろうな。我が運命に感化されたのかもしれん。気づいたら体が勝手に動いていた』

 

「ーーー本当に、変わったんだね。君は」

 

『あぁ、完膚なきまでに変えられたさ。奴には二度挑んで二度負けたのだからな。』

 

ゲーティアがそう答えると同時に、彼が構築した魔術が効果を発揮する。

段々と視界が白くぼやけ、ゲーティアの姿が見えなくなっていく。この空間からの退去が始まっているのだ。

 

『それに、奴からは新しく学んだことがある』

 

「それは…?」

 

『何、【人とは助け合って生きるものだ】という、お前たちにしてみれば当たり前のことだ。使い魔と主人なら尚の事な』

 

そう言って笑う人の王は。

ぼやけた視界の中でも分かる、心からの満面の笑みを浮かべていた。

 

そして、その映像を最後に。

彼はその空間から跡形もなく姿を消した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『……行ったか。』

 

自分の主人がいなくなった空間で、もう頭部の一部でさえ崩壊し始めている人王は呟く。

彼の主人には遂に言わなかったが、彼を助ける理由はもう一つあった。

それは何のことはない、人間であれば誰しもが持つ、普通の感情。

 

『これで、奴にも顔向けが出来る……』

 

彼が変わるきっかけとなった彼の運命。

彼女に対する、ちっぽけなプライド。

 

それは俗に「意地」と呼ばれるものだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その日のカルデアは珍しく晴天だった。

いつもは吹雪いていて見えない、突き抜けるような青空と一面白銀の世界。

 

そんな日の昼下がり。

これもまた珍しく、カルデアに来客を知らせるブザーが鳴った。

 

誰が来たかを確認するためにモニターを見た万能の天才は、顔色を変えて走って来客用玄関へと向かった。

たまたま指令室に来ていた人類最後のマスターとなった少女と、彼女を支え続けたデミ・サーヴァントである少女の二人も血相を変えて全速力で来客用玄関へと向かう。

 

標高、寒さ対策で何重にもなったゲートを抜け、玄関のドアを開け放つ。

 

そこに、立っていたのは。

 

 

 

「……みんな、ただいま。」

 

「……バカっ!おかえり!!!」

 

 

 

 

 

ーーー終局時空神殿より、未帰還者一名、帰還。

これにより、未帰還者0。

無事、カルデアスタッフは全員帰還となった。

 

 

 

そして彼等は空を眺める。

獣に奪われ、全員で勝ち取った日常を謳歌する。

願わくば、この何気ない輝きが二度と誰にも奪われませんようにーーー。

 

 






圧 倒 的 ハ ッ ピ ー エ ン ド


はい、というわけでヘタレな王様の救済話でした。
ロマン帰ってきて………

それでは、次週の更新をお楽しみに。
今週担当のMKDNでございました。
しーゆーあげいん。
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