馬鹿4人によるFGO SS 1週間1本勝負   作:作家活動から逃げるな。

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注意事項
・この作品には剣豪のネタバレが含まれています。
・2017ハロウィンイベントのキャラも出ています。
・このメンバー唯一の小説投稿初です。駄文です。
・恋愛要素は一応ないです。

以上がよろしければこのまま本文へどうぞ!


あなたの隣で (アイアムメイデン)

風魔小太郎は忍者である。彼は風魔5代目頭目として、様々な忍術とあらゆる隠密行動をもって忍者としての任務を遂行してきた。そんな彼がサーヴァントとして人理に召喚されてきたのはかなり前のこと。それからマスターと主従関係を結び、特異点を修正するという任務を他のサーヴァントと共に行ってきた。つい最近も下総国においてマスターの緊急事態になんとかレイシフトして駆けつけ、大立ち回りを演じたところである。

そんな彼はつかの間の休息をもらっていた。サーヴァントには身体的疲れはないが、それでも休息は必要だろうというマスターの配慮である。そして休息をもらった彼はとある女性をストー…観察していた。その目線の先にいたのは…

 

「……………(今日もいつも通りだな…)」

 

その先にいたのは女性だった。その女性は髪を後頭部で結び、忍者装束に身を包んでいる。彼女の名は加藤段蔵。ここ数週間前にカルデアに召喚されたれっきとしたサーヴァントである。

段蔵と小太郎には浅からぬ縁がある。小太郎にとって彼女は親そのものだった。忍術を教え、体術を教え、他ならぬ母の温もりを教えてもらったのはまぎれもなく彼女だったのだ。

しかしカルデアに召喚された段蔵にはその時代の記憶は残っていなかった。からくり人形としてがたがきているとか、サーヴァントとして召喚された霊基の関係だとか理由は未だにわからない。小太郎は幼少期を覚えていて、段蔵は覚えていない。わかっているのはそれだけである。

そのようなわけで彼は段蔵のことが気掛かりで、だが張り付いてるわけにもいかず、こうして彼女から教わった技術を使って彼女のことをたまに物陰から見守っているのである。

 

 

忍者としての性分だろうか、段蔵は必要以上に人のいるところに近寄ろうとはしない。数ある休憩室のなかでも人気の少ない場所でゆったり過ごした後、たまにマスターと共に過ごし、カルデアを少し散歩した後自分の部屋に戻っていくのがいつもの日課になっていた。

今日もいつもと同じく人気のない休憩室で何をするまでもなく窓の外を眺めていた…のだが…

 

「……………!!(誰か来る!)」

 

風魔5代目頭目である風魔小太郎にとって、隠密行動をしている最中であっても他人の気配を察するのはたやすい。気づかれないように物陰の後ろで気配を殺す。大抵この場合は色んな休憩室を回って話をしに来るマスターなのだが…

 

(この足音は…?)

 

前述の通り小太郎にとって足音を聞き分けることは造作もない。が、そんなに耳をすませる必要もないほどその足音はあまりに大きかった。

ガショーン!ガショーン!とロボット的足音を大きく鳴らしながらやってきたのは…

 

「…すいません。待たせてしまいましたか?」

 

赤くメタリックなボディに長い尻尾、頭から飛び出た二つの角、そして今にも変形して飛び立っていきそうな翼。段蔵が召喚されたのと同時期にカルデアにやってきたメカエリチャンだった。

 

(あれはメカエリチャン殿!?)

 

小太郎はハロウィンのマスターが巻き込まれた珍道中についてそれほど詳しくない。エリザベートなる英霊がハロウィンで大暴れしていたのはよく聞いていたが、今年はメカがどうとか、引きこもりがどうとか、そんな風の噂しか知らなかった。結局確実に言えることは、メカエリチャンなるサーヴァントがカルデアにやってきたということだけだった。

 

「いえ、段蔵も今来たところです、メカエリチャン殿。どうぞお座りくだされ。」

 

カルデアの椅子がメカエリチャンに耐え切れるのか、というどうでもいい考えが小太郎の頭に浮かぶがすぐはねのけた。

段蔵はからくりのため、他の機械のサーヴァント、バベッジやフランといったサーヴァントたちとはある程度交流がある。またエジソンやテスラといった科学者も興味を持っているようだ。しかしまだカルデアに来て日が浅いせいか、それほど仲が良い様子は見られなかったのだが…

 

「(なぜメカエリチャン殿がここに…確かにメカという共通点はあるが…)」

 

小太郎は段蔵の事が急に心配になってきた。なぜならメカエリチャンのモデルになっているであろうエリザベートの傍若無人さ、そして何より彼女の歌の凶暴さを知っているからである。メカエリチャンはエリザベートと違って普段は常識のあるような振る舞いをしているが、一度戦いに出た時に、完全にエリザベートのような口調になっていたのを覚えている。

 

「(母上…メカエリチャン殿を呼び出して一体何を話そうというのです…?)」

 

エリザベートと話しているのなら、少なくともろくなことではないだろうと推測もできるが、メカエリチャンとなると一体何を話しているのか想像もできない。

 

「(まさかメカエリチャン殿歓迎のためのエリザベート殿のライブなんて可能性も!?そうであればまずい…マスターのためにも、カルデアのためにも阻止せねば…!)」

 

小太郎がそんな暴走気味な思考をしている間にも、段蔵とメカエリチャンは話を進めていた。

 

「それで?なぜ私を呼んだのです?」

「それはですね…実は他の方には内緒にしているのですが…」

「内緒話ですか。わかりました。私にはアタッチメント機能としてサイレントヴォイス機能が搭載されています。それを使えば問題ないでしょう。」

「さいれんと…よくわかりませんがそれで問題ないと思いまする。では本題なのですが…」

 

(まずい…ここからじゃ断片的にしか聞き取れない…!)

 

彼は部屋の入り口近くの物陰に隠れていた為に、サイレントヴォイス機能を駆使して話す二人の会話を聞き取るのが難しくなってしまった。

(集中せねば…!この会話一文字たりとも聞き逃すわけ…)

 

『(ちょっと!!ねえちょっと!!』

(!!!)

 

急に後ろから押し殺したような声が聞こえたので小太郎は驚いたがその顔には見覚えがあった。

『エリザベート…さん?』

『なによコソコソして!』

『いや僕はコソコソするのが性分と言いますか…ってそれはエリザベートさんもじゃないですか!』

 

そこにいたのはメカエリチャンのモデルとなった、エリザベートだった。彼女は部屋の外側、ちょうど扉の横あたりで二人を見守っているらしかった。

 

『いいからちょっと来なさいよあんた!』

『???』

 

このままだとエリザベートのせいで2人に気づかれそうだと感じた小太郎は、大人しくエリザベートの元へと移動した。

 

『あんたもあの2人の会話気になってるんでしょ?』

『え、ええ…まあ…エリザベートさんはどうして?』

『あのメカエリちゃんが私に隠れて何かしようってんだから見張らないわけにはいかないでしょ』

『そう…なんですか?』

『そうよ!きっと私をモデルにしたんだからライブの予定を立ててるのよ!なら私がスペシャルゲストとして歌わなきゃ!でしょ?』

『は、はぁ…でもならこういう風にコソコソする必要はないのでは…?』

『シークレットゲストとして登場したら楽しそうじゃない!突然のアイドルの登場!一斉に集まるスポットライト!沸き立つ観衆!素晴らしいと思わない?だから場所だけでもこっそり聞いておかないとね!』

『なるほど…』

 

はた迷惑な話なのでは、と小太郎は思ったがそれを口には出さなかった。するとエリザベートは思い出したように小太郎に聞いて来た。

 

『そういえばあなたはどうして隠れて聞いてるの?』

『えーっと…それはですね…』

 

小太郎がどう説明しようか悩んでいると…

 

「エリチャンパーーンチ!!!」

 

『うぇ!?』

『!!』

 

突然2人が隠れていた壁が爆発した。

小太郎は急な叫び声と爆発に驚いたが、急いで後ろに飛んだ。ついでに可哀想なのでエリザベートの首根っこを掴んだ。

 

「危なかったわ…」

「ええ…」

 

なんとか2人は大した怪我もなく済んだが、さっきまで隠れていたドアは完全に壊されていた。

 

「そこまでです!エリザベート・バートリー」

 

そしてそのドアだったものをガシャンと踏んで、赤い装甲のメカエリチャンが部屋から出て来た。

「大丈夫ですか!?」

と段蔵が慌てた様子で出て来たので小太郎は目で大丈夫と伝えた。段蔵がホッとした様子を見せた中、エリザベートとメカエリチャンは言い合いをしていた。

 

「あなたには元々期待などしてはいませんでしたが、人の話を盗み聞きなど領主以前の問題ですね!」

「だからっていきなりロケットパンチすることはないでしょーーー!!!」

「当然です。悪には強い正義の力を持って立ち向かわねばならないのですから。風間小太郎。あなたの協力にも感謝します。」

「あ、はい…どうも…」

 

ずっとエリザベートの首根っこを掴んでいたことに気づいた小太郎はすぐに手を離した。エリザベートは物凄く不満そうだ。

 

「そ!れ!よ!り!あんた達何の話してたのよ!!そっちの貴女なら教えてくれるでしょう?」

「え!?段蔵…ですか?」

 

皆の視線が彼女に集まる。小太郎は心配しつつも内心気になっていた。この2人は一体何の話をしていたのだろう?

メカエリチャンは視線で貴女の判断に任せますと促した。

 

「……そうですね。お二人ならよろしいと思いまする」

段蔵は頷いた

「くれぐれもご内密にお願いしますね?」

エリザベートと小太郎はブンブンと首を縦に振った

 

「そもそもはメカエリチャン殿にとある集まりに入って欲しいという話だったのです。」

「集まり…というと?」

小太郎が聞くと段蔵が続けて話した。

「実は段蔵も最近入れさせてもらったんですが、フラン殿主催の「ろぼかい」なるものがありまして…フラン殿曰く『パパがいっつもなにかをたくらんでるから、それをそしするためにろぼのぐんだんをつくるのー!』とのことで…カルデアにいる絡繰のサーヴァントを誘っているそうなんです。まあ基本的にはバベッジ殿がフラン殿が寂しがらないように、同じようなサーヴァントを集めて話す場所を作ったということらしいのですが…」

「それって簡単に言うと親が子供のために遊び仲間を誘ってるってことじゃない!」

「最近段蔵もその集まりに誘われまして…。そしてメカエリチャン殿にも声をかけて欲しいと頼まれた訳です。」

そこで段蔵はメカエリチャンの方を向いた。

「と、言うわけでどうですか?メカエリチャン殿?」

メカエリチャンは少し悩んだそぶりを見せた。

「ふむ…確かに悪事を防ぐ正義のロボというのは興味深くもありますが…ですが!!」

メカエリチャンの目と拳がエリザベートに向けられた。

「その前にまず貴女のその腐った根性に制裁を加えねばなりません!貴女がいつまでも私のパイロットに迷惑をかけていることには我慢なりませんからね!!決してバベッジ卿がタコっぽくて苦手だから、少し遠くから会を眺めようとか思ってる訳じゃないのです!決して!!」

(タコ?)(バベッジ殿がタコっぽい…?)

と小太郎と段蔵が首を傾げている中、メカエリチャンは戦闘態勢を整えていた。

「え!?もしかして私言い訳に使われた!?しかも子犬に迷惑かけてるってどういうことよ!」

「それがわからないとは…やはりあなたには再教育の必要がありそうですね!」

「えっどゆこと!?わわ!ロケットパンチは反則!暴力反対!!助けて子犬ー!!!」

 

エリザベートとメカエリは追いかけっこをしながらカルデアの廊下を大騒ぎで走っていく。目的地はもちろんマスターの部屋だ。

そして段蔵と小太郎はその場に取り残されたような状況になった。しばらくポカーンと追いかけっこを見ていた2人だったが、段蔵の方が小太郎へ話しかけた。

「…小太郎殿」

「なんですか段蔵殿?」

「小太郎殿にはカルデアに来た当初から色々なことを教えてもらいました。私は今はこうしてこのカルデアの一員として認められましたが、私一人ではどうにもならなかったと思うのです。だから、ありがとうございます。」

 

小太郎は突然の段蔵の言葉に驚いた。そんなことを言われる理由もないと思ったし、彼女がカルデアの一員となったのはどう考えても彼女のその性格が見るものを引き付けたからこそだと、そう思っていたからである。

 

「いえ…僕はなにもしていませんよ。それより早くマスターのところに行かないと…エリザベートさんのことです…マスター1人ではきっと大変でしょう。」

「そうですか…なら段蔵も参ります。共に主を守りましょう。」

「……ええ。行きましょう。」

 

そして2人はマスターの元へと急ぐ。その2人の顔にはどちらも笑みがこぼれていたが、2人ともそのことには気づかなかった。

小太郎は思う。

自分と母上が同じサーヴァントとして、同じ忍者として同じ主に仕えている。それだけで、自分はとても幸せである、と。

 

 

 

 




初めまして。アイアムメイデンというものです。
まずは駄文を最後まで読んでくださりありがとうございました。
小説投稿というかちゃんと文字数がある小説を書くのも初めてなのもあって色々テンパりましたが、なんだかんだ楽しく書かせていただきました。
内容は好きなキャラを絡ませただけですが、キャラの魅力が少しでも伝われば幸いです。

さて、来週の担当は獣八さんです!
皆様是非楽しみにお待ちください!
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