「ふぅ、ごちそうさま」
空になったどんぶりを前に、手を合わせる浜面。
上条兄妹が外に出てから数分経っているが、二人が帰ってくる気配はない。
「佐天さん、代金置いときますよ」
「あっ、すみれ、貰っといて」
「はーい」
それでも、浜面と服部の二人は、呑気に財布から代金を抜き取っている。
まあ、外から聞こえてくる音で、事件が治まった事は、なんとなく分かっていたし、そもそもあの二人は銀行強盗ごときにやられる心配もないので、焦る必要もない。
扉を開け、外にでる二人。
思ったとおり、事件は終わり、人質だと思われる人達が銀行から出て行っている。
あの兄妹はどこだと探すと、それっぽい声が聞こえてきた。
「お、いたいたー...って」
「あー、また怒られてんね」
そんなことを呟く二人の視線の先には、
「まったく。勝手に事件に首を突っ込まないでと何回言えば分かるんですの貴方達は!」
「いや、でも白井さん..」
「でもじゃない!」
「ま、まあ事件もすぐに解決したんですし...」
「そういう問題じゃありませんの!」
警備員の前で正座している
「まったく、貴方達を見てるとほんとお姉様を思い出しますわ」
やれやれと首を振る、警備員の白井黒子。
「ま、まあ私はお母さんに似てるし...」
「そうじゃなくて性格がっ!ですわ」
怒髪天の白井を前に、しゅんとなる二人。
この兄妹は、困ってる人が居ると放っておけない性分で、そのたびに事件に首を突っ込み、そのたびに白井に怒られていたりする。
「まあまあ白井さん。その辺にしてあげたらどうです?」
白井をなだめるようにそう言う浜面。
「そーそ、何事もなく事件解決したんですし」
服部も同調する。
「そーそじゃありませんの!だいたい貴方方もこの二人の手綱をちゃんと握りなさいな」
「いやー、ああなったら止められないっすよ。この二人は」
まったく、と呆れるようにぼやく白井。
「まーまー白井さん、いーものあげますから」
そんな白井を見て、服部がチョイチョイと、手招きする。
「いーもの?」
近づいてきた白井に、秘密ごとを話すように服部はそっと呟いた。
「...ほい!麻琴ちゃんの激レア生写真!」
「なっ!これは...」
「さらに!前に皆で集まったときに
「何...だと...!?わたくしが
「ふっふっふ、俺ぁ忍者ですよ?こんなのお茶の子さいさいでさぁ」
「これ、譲ってもらえるので...?」
「あったりまえじゃないですかぁ!そ・の・代・わ・り、報酬はたんまり貰いますよ...?」
「ええ、
割と大きな声で聞こえてくる変態共の会話。
それを呆れながら聞いている浜面と、顔を赤くしている麻琴。
彼らは気づかないのだろうか。
後ろに修羅がいることを...
「....おい変態共」
指を鳴らしながら仁王立ちしている冬樹。
その額には、血がでそうなくらい血管が浮き出ていた。
そりゃあもう、ビキビキいいながら。
「はっ、しまった!」
「いやしまった!じゃねえよ。思いっきり聞こえる声で言ってただろお前ら」
ようやく修羅と化した冬樹に気づくも後の祭り。
今にも襲い掛かりそうな雰囲気で冬樹は口を開く。
「麻琴に限らず母さんにまで手ぇ出すとはなぁ。いい加減滅しといた方が世の為かもしれねえな!」
「落ち着けカミやん!シスコンに留まらずマザコンにもなっちまったってのかぁ!?」
「そんなにあの世に行きたきゃさっさと送ってやるぜクソ忍者があああああ!!」
バチバチッと火花を散らす冬樹。
「ふふふ、だが甘いぜカミやん!こっちには元
と横を見たら、そこには誰も居らず、視界の端にツインテールが信号の上に乗っているのが見えた。
「うそおおおおお!?」
「死ねええええええ!」
バチバチと雷撃が服部に放たれた。
「くっ、こなったらっ!」
すると今度は、袖から白い玉を出し、地面に叩きつけた。
途端、白い煙が辺り一面に広がった。
「うわっぷっ!なんだこれ、煙球か!?」
浜面もまき沿いに会い、煙が晴れたときには、服部の姿は無かった。
「けほっ、あの野郎....」
「絶対殺す!」
そう叫んで二人が逃げた方角へ走っていく冬樹。
「あれ?白井さんいないの?」
「佐天さん!」
そこに、入れ替わりでやって来た佐天。
「いや実はかくかくしかじか...」
「あぁなるほど。どーりで麻琴ちゃんの顔が赤くなってるわけだ」
そう言って、未だに顔を赤らめている麻琴を見る。
「ほんと最ッ低ですよ!」
「あははは、しかし白井さんいちゃったのか。ちょっと話したかったのに」
「店はいいんですか?」
「いーよ全然。今お客さんあんまいないからすみれに任せてるし」
手をひらひらと振ってそう言う佐天だが、この前砂皿が「涙子さんたまにどっか行っちゃうからその時ほんと大変」と言っていたが大丈夫なのだろうか。
そんな事を考えながら呆れていると、どこからか
今日も、学園都市は平和である。