───叶わぬならば、すべてをゼロに。
第一部最終話と同時投稿のこちらもよろしくお願いします!
【断章:???の想い】
──これが、2回目の【
カエデが、自分の行動で教室の雰囲気を変えてしまった罪悪感から、自分の身を盾にコロセンセーを守ろうとして
アミーシャが、2代目死神を止めるために、そして本当の意味でE組とのかかわりを絶とうと、自分の命を犠牲にして刺し違えて
カルマがアミーシャの死に絶望して、そして、交わした約束に縋って……全てが終わったあとに、後を追う事を選んでしまった
これは、カルマとナギサに出会うキッカケだけ、過去の因果律に干渉して過去を改変した結果、訪れた結末。思惑通りアミーシャは15歳を超えても生きてたけど……これじゃ、ほとんど変わらないどころか……
──カエデだけは、吹き飛ばされた体細胞や血液をコロセンセーが雑菌で汚染してしまう前にと回収して保管していたから、コロセンセーが繰り返さないために学び続けた技術で蘇生することができたんだけど……あとの、2人は……
アミーシャの場合、彼女が致命傷を受ける現場を交戦中のコロセンセーが見ていなかったのもあるけど、温存していた触手はカエデに使っていたからもう使えなかったっていう理由もあったみたい
カルマについては……アミーシャに守られ、コロセンセーに繋がれ、託された命を背負って生きるんじゃなくて、まさか後を追って死んじゃうなんて、誰も、考えもしなかったんだろう
──あの時、最後の死闘の結果、みんながどんな結末を選んだのかは、キーアは見ていないから分からない
ナギサたちがコロセンセーを殺すことになったのか
あのまま『天の矛』に任せて、生徒達は先生の暗殺に手を出さない選択をしたのか
はたまた、なにか奇跡が起きてコロセンセーは逃げ出すことができたのか
……地球はなくならなかった、それだけが全て
それ以外は全部が謎のまま、【最初の
それには、キーアの力が関係してくる
──アミーシャの学園祭に遊びに行った時、カルマとアミーシャの2人にはなんとなく説明したよね?
2年前のクロスベルで、500年の眠りから起きたばかりで、記憶が無くて何もわからないキーアを外の世界へ連れ出してくれた、大好きで家族なロイド達が……周りが敵だらけの中、何人かはいたはずの味方に頼らないで敵のアジトへ乗り込み、黒幕に挑んだ結果殺されてしまう現実を見た
……この結末に納得できなかったキーアは、当時まだ健在だった至宝の力を暴走させて、過去の因果へと干渉したの
その結果、ホントの世界では、本来は起こらないはずだった事象を解決し、本来かかわりをもたないはずだった相手と共闘し、本来起こるべき結末を助ける存在が現れる未来へと導かれた
全ての因果は繋がっているから……うまく、選択を変えることができれば……その先全ての未来が変わってくる
その未来へ向かう道すがら、何度も何度も最善の道を歩いてるかどうかを確認して、犠牲が出たりキーアの身体を差し出したり、なんとかみんなが笑顔で終れるように最善の道を探し出しながら時間は進んでいって……最終的に、キーアの力は失われた
それでも、【キーア】のセカイは幸せだった
──至宝の力を失う直前
閉じこもった『零の世界』の中で、力を使ってひとりぼっちのまま消えてしまおうとしていたキーアは、走馬灯のように流れるロイド達の現実を改変した先に、1人の女の子の未来を見ていた
クロスベルに来たばかりのお姉さんに着いてきた、仲間と同じような暗い過去を背負いながら、誰よりも強いものを秘めていて、周りをなかなか受け入れられないくらい怖がりで、キーアよりも歳上だけど、ロイド達より小さな女の子
キーアより年上とはいっても、誰よりも小さいことに変わりないのに……キーアには、ちゃんとお姉ちゃんになろうとしてくれたよね
とても短い時間だったけど、キーアにとってのその子は、自分とどこか似ているところを感じる、たった1人のお姉ちゃんだった……国の外へ送り出してからも、また会える日を楽しみにしているくらい、ずっとずっと大好きなお姉ちゃんだったんだよ
だから、キーアがロイド達とクロスベルで、帝国で一緒にいる時も、近くにはいられないけど裏ではずっと気にかけていた
……なのに、
ロイド達が生きる未来に、その子のお姉さんはいた……だけど、その子の姿はどこにもなかった
──その子は……アミーシャは、周りの当たり前を受け入れられずにどんな時間軸でもひとりぼっちで……原因はいろいろあったけど、15歳の年になるまでに必ず死んでしまっていた
ある時は不良に性的な意味でも暴力的な意味でも襲われて、ある時は進級先の環境に心を潰されて、ある時は暗殺のために無理をして、ある時は心を開いた友達を守ろうとして、ある時は、ある時は、ある時は…………
ひとりぼっちだから、アミーシャは死んじゃうの?
ひとりぼっちだから、周りに頼らないのかな?
……分からないけど、キーアはそう考えた
だから、今後アミーシャとかかわる可能性のある人達の中から、アミーシャ自身を見て、接して、愛してくれそうな2人を選んで……早いうちにそのカルマとナギサに出会う因果へと導き、死んでしまう場面をカルマやナギサ、E組の人たちと協力することで回避できる未来へと導くことにした
それによってアミーシャには信じられる人がたくさんできたし、あれだけ1人でやらなくちゃいけない、自己犠牲をしてでも周りの人達の危険を回避しなくちゃいけないって行動していた彼女が、人を頼ることが増えてきた
アミーシャも幸せそうに笑う日が増えてきたし、きっと《銀》として生きる道しか知らなかった彼女にとって、毎日が眩しかったんだと思う
……それでも、みんなを守るために……理由は変わったけど、最後の最後に死んじゃうってことに変わりはなかった
そうやって、1回、彼女の因果に干渉したことがある
その結果、いろいろあったけど……あの最後の決戦の場で。カルマがコロセンセーが間に合う前に自分で自分を傷つけて死んじゃう未来に行き着いた
だから、今回こそはと思ってたのに……やっぱり、何も手段がないとカルマは後を追ってしまうんだね
──ああ、ロイドがこの世界までキーアを迎えに来てくれた
キーアはあって欲しくない、否定したい、やり直したいと思った現実を変えてしまう【ズル】をしてきたんだ……ヒトが歩いてきた、懸命に生きてきた時間を否定してしまうようなことはあってはならない
こんな力はもういらない……力なんて無くてもキーア1人で抱え込まなくていい、家族としてみんなで頑張ればいいって、ロイドが教えてくれたから
──…………だけど、最後にあと1回だけ
──【ズル】だってことは分かってた、だけど、至宝の力が全て消えてしまう前に……もう1度だけ、彼女の、彼の因果律に干渉することにした
このままでは、たった15年分の世界しか知らないままに消えてしまう2人に、どうしても生きて欲しかったから
2人がいなくなることで、連鎖的に不幸になる人がたくさんいることを知ってしまったから
これからの世界は、キーアが力を使った結果、本当ならロイド達は死んでしまうはずだった現実から生還したっていう、【書き換えられた】未来の上にさらに【書き換えられて】、それが消えた後に【書き換えられて】成り立つ世界
つまり、現実を書き換えた時間軸を、いくつも書き換えてぐちゃぐちゃにしてしまったようなもの
同じ紙の上に、どんどん新しい絵を描き重ねていったような、ごちゃごちゃしたもの
……だから、もう未来を確認しながら正しい道筋を選ぶことはできないし、どうなるかも分からない
大きく干渉できない分、きっと、起きてしまったことを大きく変えることはできないし、例えこれからキーアとアミーシャが再会したとしても、その時にはもうキーアはなんの力も持ってない
もう、これ以上の干渉で、助けることはできない
──全ては、未来に生きる人達の、日々起こるたくさんの選択に託される
それでもキーアはアミーシャ達を、2人を助けたい……アミーシャの大切にしている人達の心を、守りたい
きっと、犠牲は出してしまうけれど……それでも、少しでもいい方向へ、未来が進みますように……
この断章で言える事は、実は今までの物語は過去の、キーアの至宝の力によって書き換えられる前の現実のお話だったんだよ、ということです。
前話の突然現れた──ザザッという砂嵐、アレはキーアによる現実改変による世界のブレだと思ってください。改変の中心に位置するアミーシャと、そこに1番近しい存在だったカルマの命の灯火が消えたことで、暗殺教室としての結末まで世界が保たなくなったと考えてもらえれば分かりやすいかと……
《時》を司る力があったキーアですから、未来を見ていてもおかしくないのかな、と思ったり。
そして、リニューアル前からこの小説を追ってくださってる読者さん向けに1つ。
これから執筆をはじめる【第二部】は、キーア視点【3回目】の世界です。【1回目】をハッキリ覚えてる人はいないと思います。つまり、読者のみなさまが【第一部】として読んでくださっていた小説は、【2回目】の世界なわけです。
作者が繰り返し【リニューアル】と書いていたのは、実はこの世界の改変をしていることを伝えようとしてたわけです。
では、次回からは【3回目】の書き換えられたあとの世界……所々で更に起きる内容が変わります。
ガチで何も意識してなかったんですが、本文の文字数が【3333文字】でした。3回目を意識しすぎたのかもしれません。なんという奇跡。