三日坊主でしたすみません。
代わりに今回もオリ主ワールド炸裂な内容にして、改稿前との矛盾点を直し、変更しました。
前):オーブメントのラインを隠してるのに今後カルマがオリ主のオーブメントを借りる場面がある
後):カルマにだけはラインとスロットを見せる
挿絵を描きたいです()
▶誘惑に負けて水着挿絵、描いちゃいました!
【絵】40話 買い物の時間
「さてさてぇ、ついにやってきましたぁ……ショッピングモール!!!」
殺せんせーに出会って、イリーナ先生が来て、理不尽な妨害工作で超えるべき壁を実感した中間テストを経て、波乱万丈な修学旅行があって。
律ちゃんとイトナくんっていう転校生暗殺者の存在を知って、お姉ちゃんたちに会いにクロスベルに行って、球技大会で男女共に勝利を飾って、嫌な先生もどきな人ととも出会ったけど、みんなの結束力を高めたプールでの出来事もあって。
そして、みんなで戦った一学期末テスト……一学期だけでも、言い表せないくらいたくさんいろんなことがあったし、向き合ってきた。
そうして学校は夏休みに入って、毎日が濃かった学校生活は少しの間お休みになる……と、いっても私たちの暗殺教室は夏休み中に大きな本番があるんだけど。
今日は終業式の日に莉桜ちゃんと約束していた、期末テストの賭けで手に入れた、沖縄リゾート暗殺旅行のためのお買い物に来ている。
「おー、人がいっぱい。当たり前だけどさ」
「夏休みになったのは私たちだけじゃないからねぇ」
「はぐれないでよー、特に
「わ、分かってるよ!ほらっアミサちゃんと2人で手を繋いでるから大丈夫でしょ!」
「うん、カエデちゃんと2人なら、目立つはず……っ」
「……うん、仲の良さそうな姉妹だなぁって……」
「……2人で一緒に人混みに流されそう……」
お菓子とか持っていく物で足りないものを買った後に、向こうで着るための水着も見に行くつもりだから……さすがに女の子の買い物をするわけなので、メンバーは女の子だけ。
というか、最初こそ何人か男の子も着いてこようとしてたみたいなんだけど、『ついて来てたら殺すヽ(・∀・)ノ』って3年E組グループチャットで誰かが言って……そうしたら男の子から順番に『うぃっす』『はーい』『当日披露のお楽しみ』とかって返信が来て……ふふ、ホントに、私たちのクラスって仲いいなって思う。
昨日の夜うちに『学校で虫取りしてお小遣い稼いでくる〜っ( *˙ω˙*)و グッ!』というメッセージを女の子のグループチャットに投下してから既読のつかなくなった陽菜乃ちゃんと、おもしろ集団をほっといたら何やらかすかわからないから制御しておくわ、って断った綺羅々ちゃんと、磯貝くんに誘われたから釣りに行ってくると言っていたメグちゃん、暗殺計画のためにできる限り予行練習をしておきたいと千葉くんと一緒に今日も学校に行くらしい凛香ちゃんは今日の買い物に来てない。
だけど……カエデちゃん、莉桜ちゃん、有希子ちゃん、桃花ちゃん、ひなたちゃん、愛美ちゃん、優月ちゃん、おかーさん、それに私……律ちゃんも入れれば10人で、とっても大所帯だ。
「陽菜乃ちゃんは多分、あのメッセージの後に寝落ちだね……」
「取れたのかな、ホワイトアイのミヤマクワガタ……」
「ずっと狙ってましたもんね」
陽菜乃ちゃんは自他ともに認める生き物好きだ。苦手な人がたくさんいそうな虫から動物までなんでもござれで、生き物の生態知識はものすごく詳しいし扱いも上手。
今回も元々E組校舎のある山は、人が手をつけてない分天然モノの昆虫もたくさんいるみたいで、夏休みに入る前から彼女は『お目当て探しつつ、お小遣い稼ぎだ〜っ!』って大興奮だった。帰ってからきっと戦果報告をしてくれるだろうから、今から楽しみ。
「ま、とにかく買い物済ませちゃいましょっか」
「あ、お菓子は程々でいいわよ。私も作って持っていくつもりだから。買うなら知育菓子みたいな手作りじゃ無理なやつにしといて」
「!おかーさんのおやつ……!?」
「船で6時間って言ってたでしょ?皆で食べてもらえれば嬉しいし」
「原さんの手料理かぁ……期待できる!」
「だからってみんなでもお菓子買いに行っても邪魔でしょ?後で合流すればいいから、何人かで薬関係とか見に行かない?」
「あ、じゃあ私はそっち行こうかな」
「そういえば切らしてるものあったから私もそっちで」
「みんなで使ったり食べたりするものは最後に割り勘するから、レシート貰っといてね!」
わいわいと役割分担をしながら、いくつかの店を回っていく。こうやって女の子だけで買い物を……しかも、旅行のための買い物なんて生まれて初めてだからすごく嬉しいし、思っていたよりも発見がいっぱいだ。
夏の海へ行くからこそ、日焼け対策だったり酔い止めとか最低限の薬だったりを見て回れば、季節柄薬局の外に安売りで置いてあるものだけでも思っていたより種類が多くて驚いた。
その辺はしっかり者のメンバーで店員さんに対応をお願いしてて……私はといえば、数値とかよく分からなかったから、目に付いた日焼け止めを適当に選ぼうとしていて桃花ちゃんに怒られた。せっかく綺麗な肌なのに、いいもの使わないと日焼けした後が辛いよって……と言われてもあまり想像できなかったから、その辺はもうおまかせすることに。
「ビッチ先生の危惧通りだったか〜……アミサちゃん、そういうの気にしてなさすぎ」
「今までどうしてたの……?」
「私、里帰りした時くらいしか遠出しないし……私が用意してなくても向こうではお姉ちゃんが、こっちではいつの間にかカルマや渚くんが準備してて……あ、渚くん、こういうの詳しいんだよ!」
「なるほど、世話を焼く人が近くにいるから今まで必要なかったんだね……今度一緒にお化粧とか医薬品とかのことも覚えよっか」
「私も自分で作る薬品くらいしか分かりませんから……一緒に勉強しましょ、アミサちゃん!」
薬関係は体質的に合う合わないがあるからってお店の中で分かれて探していて、自分の分のお会計を終えた私は、他の子を待っている間に色々気になってふらふら店を歩き回っていたんだけど、同じように買い物を終えた有希子ちゃんが迷子防止って手を繋いでくれた。
確かに勝手のわからない場所で置いてかれちゃったら困るから、一緒にいてくれると安心する。手を繋ぐのがなんだか嬉しくて軽く揺らしながら歩いていたら、カエデちゃんに「お願いだから、知らない人についてっちゃダメだからね」ってすごく念押しされた……さすがに、みんなにしかついてかないよ……私、そんなに小さい子じゃないんだから。
「神崎さん、離さないでね……!なんか、こういうの見てると渚とカルマ君が1人にするのが怖いって言ってた理由が本トよくわかるから……!」
「ふふ、私も気をつけて見ておくから」
「……手を繋ぐだけでここまで喜ばれると、今までどんな生活してきたのか気になってくるよね。6歳くらいまでの記憶もないっていうし……はっ、まさかアミサちゃんは昔悪の組織に囚われていて人の温もりを知らないとか……!」
「ふ、不破さーん、戻ってきてー……」
「??」
「気にしなくていいよ」
お菓子のコーナーでは、先に選び始めていたメンバーに合流して、できるだけ日持ちのするものや暑い所へ持っていっても悪くならないものを選んでいく。
私はずっと前に杉野くんにおすすめしてもらってから気に入ってるお菓子の味違いバージョンを購入……限定品ってなってるとついつい選んじゃうよね。それを見た優月ちゃんには最初、やめておきなさいって言われたけど……おいしそうなのにダメなのかな、ミカン煮オレ味のぽっきー。
おかーさんのおやつは手作りだから行きの分だけだし、買うならそれ以外か帰りにつまめるものを 選ばなきゃだから……ってひなたちゃんが説明してるそばからカエデちゃんがプリンとかケーキとか生もの系を持ってきて、みんなから総ツッコミされてた。
「いいもん!行きの船で食べるからぁ〜っ!」
「腐る前に食べてよ?向こうへ着く前に体調崩すとかやめてね?」
「ホントにプリンとか甘い物好きだよね……茅野ちゃんって」
◆
とりあえずの買い物を一通り済ませたら、お昼ご飯にちょうどいい時間になっていて、みんなでフードコートに向かう……けど、夏休みってこともあってどこも人がいっぱいだし、私たちも9人+1人いるから席を探すのが大変。というよりあるわけが無い;
別に今すぐ食べなくちゃいけない程お腹がすいてるわけじゃないし、これは今食べるよりも先に買い物を済ませて時間をずらした方がいいかってことになり、先に水着コーナーへ行くことになった。
「暗殺さえ終わっちゃえば、あとは1日遊べるもんね」
「かわいい水着あるかなーっ!」
「アミサのヤツは私も一緒に選ばせてもらうけどね〜……さぁ、アミサ。好きな色は?着たい形は?というかサイズは?……いや違うわね、まず下着売り場にサイズ測りに行くわよ!」
「り、莉桜ちゃん……なんかその手の動き、怖いよ……?」
「いいからっ!絶対自分のことに無頓着なあんたは自分のカップサイズとか正確に把握してないでしょ!」
なんか、手をワキワキさせてゆっくり近づいてきた莉桜ちゃんだったんだけど、何か思ったのか私の手を握って、他の子たちと一度別れて下着売り場の店員さんの元へ。
水着売り場には既にいるのになんで下着……?と思ったら、莉桜ちゃん曰く、ここまでの買い物で、私が自分のことにかなり無頓着だと判断したらしくて、絶対に私の自己認識とはサイズが違う自信がある!ということみたい。さすがにそこまで自分の体のことわかってないわけないのに……莉桜ちゃんに胸を張って言われてしまった。それで、言われるがままに店員さんにサイズを測ってもらったところ……
「ほら、やっぱり!あんたが修学旅行で自己申告してたサイズよりもワンサイズ大き」
「ひぇ、莉桜ちゃん、声大きいっ!」
……というわけで、莉桜ちゃんが正しかった……そのせいで
自分に合ってないものを普通に今まで着続けてたんだから、当然新しいものがいるでしょ!ってことで、莉桜ちゃんが嬉々としていろんなものを勧めてくるんだけど……莉桜ちゃん、さすがにそんな派手な色のは透けちゃうし着れないよ……見えないのになんでそんな、……、……どれかは選ばないとダメかな。
「……、……これ……、」
「んー?……アミサ、それ気になるの?」
「え、その、ちょっといいなって思っただけで」
「サイズは……あるわね、ん、買ってきなさい!」
「え、でも」
「いいからいいから。そんでそれ今変えてきなさい」
「う、うん……?え、なんで?」
「それ着ながら水着の試着すんのよ、インナーショーツと同じような形だしちょうどいいわ、ほら早く!」
結局買ったものの中で、色がちょっと派手なものとかフリルが多いものとか……いくつかは莉桜ちゃんチョイスのものとなった。いろいろ服の下に着るには困るものを勧められてた時に、目に入ったのは、胸元とショーツのサイドに赤いリボンのついた、薄いオレンジ色の下着のセット……これならそこまで派手じゃないし、しっくりくるというか、気になるというか。それを見つけて手に取ったら、莉桜ちゃんにすぐGOサイン出されたんだけど……莉桜ちゃんも好みなのかな、これ。
そして行きにはなかった買い物袋を持ってみんなの元に戻ったわけだけど、サイズを測った直後に買ってきたものってことでみんな何を買ってきたのか察しがついたみたいで……水着を選んでる最中のカエデちゃんの私を見る目がチクチクと……
もう自分の水着を選んだって子たちと一緒に見て回っている時、何故か莉桜ちゃんはずっとスマホをいじったり画面を見ながらラックにかかった水着を探したりしていて……莉桜ちゃんが私のを選ぶって意気込んでたのにどうしたんだろう?
「……ふんふん、なるほどね……律、ありがと!アミサ、好みわかったから選ぶよ」
「このみ……?あ、それより莉桜ちゃん。これとかどうかな?」
「……………………ボツ」
「え」
「なんで、ここに来て選ぶのがワンピースタイプなのよ!せっかく学校指定水着着なくていい機会なんだし、いいもの持ってんだからビキニ一択でしょ!!!」
「中村さん、いいものって言い方……なんかオヤジ臭いよ」
「それだからオヤジ中学生とか言われるんだよー」
「なによ、じゃああんたらはもったいないとか思わないわけ?」
「それは……着せたい一択だけど」
「でしょー?」
莉桜ちゃんが選ばないなら自分で選ぼうと思って、見て回るうちに、私が気に入ったのは白地に赤のラインが入ったワンピースタイプの水着。フィッシュテールっていうらしい、前と後ろのスカートの長さが違うやつ……ミシュラムのビーチへ行った時にエリィお姉さんが来ていたパレオ、だったかな……そんな感じの見た目で可愛く見えたんだけど、莉桜ちゃん的にはダメだったらしい。
結局、莉桜ちゃんに手を取られながら移動して、私以外の子たちがなぜか莉桜ちゃんのスマホの画面をのぞき込みながらいつの間にか一緒に選び始めていて……
「はいアミサ、次はこれね」
「……ひなたちゃん、もう7着目なんだけど……」
「なんか決め手に欠けてさ……似合うんだけど、その……体型とアミサの童顔っぷりのチグハグさがね……」
「そのアンバランスさもいいんだけど、どうせならちゃんと似合ってる1着を選びたいよね」
「なんかみんなの方が私本人より熱中してない……?」
気づけば試着室に放り込まれて、みんなに持ってきてもらえる水着を試着するループが始まっていた……一応私の好みは伝えてあって、ちゃんと反映してくれてるから不満はないんだけど、……みんな、私を着せ替え人形にして楽しみ始めてないかな……
水着を1着着るごとに1枚写真に撮って、最悪選べなかった時はフードコートでご飯を食べながら選べるようにするんだって。……私もう7着着てるんだけど、そんなに似合うやつないのかと思えば決定打に欠けるって;どうすればいいの、小物増やすとか?
「いっそ振り切る?これとかに」
「……?わかった、着てくる」
「え、うん……え?拒否らないの?」
「待って中村さん何渡したの?!」
「えーと、反応が想定外でなんて言えばいいのか……出てくるの待ってればわかるよ……うん」
自分から渡してきたのになぜか答えを濁している莉桜ちゃんとそれに詰め寄る人の気配を試着室の外に感じながら、莉桜ちゃんに渡された水着を下着の上から試着してカーテンを開けると……
「……えと、着たけど」
「「「却下!!!」」」
「え。」
「いや似合ってるんだけどアミサちゃんがそれ着ると謎に犯罪臭というか犯罪誘発しそうな匂いがするからダメ!!」
「カルマがかわいそう……あと他の男子の目にも毒すぎる」
「というかアミサちゃんなんで断らないの!?」
「え、え、だって着てって……」
「断っていいんだよ;!?」
「おかしいな……恥ずかしがるところを見たかっただけなのに...…一応撮っとくか……」
───パシャリ
いろいろあったけど、なんとかフードコートに行くまでには決まった。決まったけど、それに至るまでの間が長かった……水着の形状で基本嫌なものはないんだけど、私が着れるサイズがなかなかないっていうのと、色が派手なのはちょっと苦手で私が嫌がってたから……
最終的に数着の中で決めきれなくて、女子だけのトークに写真を上げて今日来れなかった人たちにも見てもらったんだけど、莉桜ちゃんが持ってきた【候補外だけどせっかく着たから】と注釈の着いた水着には速攻で反対された。……そんなに?
「いい買い物できてよかった!」
「みんないいの決まったし……ちょっと海で遊ぶのが楽しみになってきたね!」
「ビーチで遊んだことと本物の海を見たことはあるけど、入ったことないから……えへへ、すごく楽しみ……!」
「よかったね、アミサ」
「あ、お菓子だけど、まとめ買いでちょっと安くなったから割り勘これね」
「あ、じゃあ私、陽菜ちゃんの分も一緒に出すから……」
無事、買い物を終えてフードコートに戻って来る。水着選びにだいぶ時間をかけたから、席は空いてきてるしお腹も空いた。みんなで好きなものを買って座りつつ、まとめて買ってくれた子へお代を渡したり買い物中のこととか話したり……話題は尽きない。
私もE組のみんなで行く国内旅行……それも、修学旅行に続いてお泊まりってこともあって楽しみで仕方ない。
「それにしても……いやー、ひと仕事したわー!あいつの反応楽しみすぎる……!」
「ずっとスマホいじってたけど……あれ、聞き出してたんだね……」
「聞いてくれたのは律だけどね〜。色々コスプレして反応見てくれた。なんだかんだ男女みんな知ってるっていうのもあって、上手くのせれば答えてくれるしさ……渚が聞いた時は見事にはぐらかされて終わったらしいけど」
「渚、弱っ!」
「そーいうとこ、ホントしたたかだよね……」
「というか、紐ハイレグとか面積的にも見た目的にも際どすぎるのを拒否しないアミサちゃん……」
「あれ一応お遊びで、照れるとこ見たかっただけなんだけど。あまりにも普通に着てくるからどうしようかと思っちゃった」
「危機感どこいった……最初からなかったね知ってた」
「というかこの下着……」
「これ、もしかしなくてもさっき買ってきたやつ?」
「アミサが私に言われなくても自分で持ってきた、唯一の1着よ。……水着姿より見せれないけど、正直本人にめっちゃ見せたいわよね」
何人かが顔を近づけながらスマホ片手に話してる。渚くんや私の名前が出てきたけど……渚くんのも何か選んでたのかな?でも、その話題に私が入ろうとしたら話をそらされちゃって、結局わからないまま終わった。
……南の島の暗殺旅行まで、あと1週間。そろそろ暗殺計画の最後の詰めの作業だ。
◆
明日は暗殺旅行前の最後の自主訓練と計画の詰めのために、E組全員で学校へ集まることになっている日……多分、それに参加したら疲れて夜は勉強できなくなるだろうからってことで、今日はカルマの家に来て一緒に夏休みの課題を片付けていた。
それというのも、課題の最初の数ページはクラス共通課題で、その後は殺せんせーが水曜日にやってる個別小テストみたいに、生徒1人1人個別に問題集を作って入れてくれてた……なのに、入っているものが私とカルマは逆になっていることが夏休み初日に判明したのだ。
つまり、カルマの夏休みの課題には私の個別課題が、私の夏休みの課題にはカルマの個別課題が入っていた。殺せんせーでもミスすることあるんだなぁ……。手をつけてなければ冊子ごと交換すればいいんだろうけど、あいにく初日の時点で2人して共通課題は全てやり終えていて……どうせなら一緒にやって、ついでにそれぞれの課題もやってみようとなったのだ。
「ほら、そこの式……入れるならこっちの公式入れた方が途中が短くなるじゃん」
「え、でもそれならこのやり方にすれば途中式いらなくなったり……、……しなかった」
「くくっ、しなかったでしょ……ほら、それも……」
私は知識を頭に入れるのは得意だし基本的なことなら苦手はないけど、それを応用したり単位や数値が山のように出てくるとわけがわからなくなる時がある。だから、普段使わない単位が出てきて色々組み合わせなければならない理科が苦手なんだよね……決まった公式さえ頭に入れてしまえば、後はどんな問題でも計算すれば答えの出る数学とはまた違う。
分からない、というよりも無駄な計算をしていたり回りくどいことをしていたらカルマに教えてもらって、少しだけ予習を進めているカルマの問題を一緒に解いて……そうしているうちに、いつの間にか勉強を始めてかなり時間が経っていた。
「ふー……アミーシャ、ちょっと休憩しよっか」
「うん。……結構進んだね、沖縄に行く前には全部やりきれるかな?」
「かもね」
そう言っていつものようにイチゴ煮オレの紙パックをすするカルマを横目に、私は持ってきておいたエニグマとクオーツの
みんなの前でアーツについて話した時、殺せんせーに当てられるかどうか効果はあるのかってなったけど、試せていないままだからほとんどぶっつけ本番になる。
今回の暗殺で触手を破壊した後に使うことになってるけど、殺せんせーのことだから私がエニグマ、
それに、あの授業のおかげで私が幻縛りの一直線ラインだと殺せんせーには知られている……つまり、セットしたクオーツ全ての属性値が加算されるということも割れてる。目の前で準備したら、クオーツの種類から属性値を割り出せる関係で想定アーツを悟られてしまうし、今のうちに使いたいアーツが撃てるようにセットしておかなければならない。
「そういえばさ、授業の時にラインを見せたくないって言ってたじゃん……あれ、なんでなの?」
「え、……なんでって、どうかしたの?」
「アミーシャの見せて欲しいなー、なんて」
「……見せたら、覚えちゃうでしょ?」
「なんかいけないの?」
「……いけないというか……、私が見られないように立ち回れば……見られることなんてそんなに無いし、いいか……わかった、カルマだけ特別ね」
「やったね」
カチャカチャと色々付け替えたり、アーツの種類一覧の冊子を見て色々書き出しているのを隣で見ていたカルマが、ゆっくりと口を開く。そういえば、使ってるところは見せてもこれ自体を直接見せたことはないもんね……でも、これは個人情報の塊っていってもいいから、あんまり見せて覚えられても困る……特にラインの形とか、今後のためにも。
だけど、今のカルマはそう簡単に諦めてくれない目をしてる……興味だけなのか、それ以外にも見たい理由があるのかは分からないけど。私が見られたくない理由もすごく個人的なことだし……1人くらいならそう簡単に見せたくない理由にたどり着くこともないだろう……そう考えて見せることにした。
「へぇ、実際はこうなってるんだ……幻固定のところだけ色が違うんだね」
「うん、私の場合はこことここが幻固定だから、残りの所で他の属性値を稼いでるイメージかな」
「ふぅん……じゃあ、アミーシャは幻属性のアーツに強いってこと?」
「なの……かな、感覚的に発動にあまり時間かからないし、得意ではあるかも」
興味津々にオーブメントを手に取っているカルマに、導力器とかアーツとかクオーツとかの説明が載ってる冊子を渡したら、そっちに興味が移ったみたい。
私が返してもらったオーブメントを手に作業をしている隣で、パラパラと読み込んでる……これ、私が口頭で教えなくても、カルマだったら覚えちゃいそうな勢いだなぁ……
「……アミーシャ、なんか色々数値とかも書いてあるんだけどさ……これの内、ほら、ゲームでいうMPに当たるものってどれ?」
「EPだよ」
「ふーん……アミーシャの最大値は?」
「……内緒。教えてあげない」
「えぇ……」
「ほ、ほら……エニグマのカバーとかクオーツ見せてあげるから……ラインは見せてあげたんだからっ!」
「……、ははっ、必死すぎでしょ。へぇ、ピンクと赤のグラデーション……あんま派手な柄とかじゃないんだね」
普通、ゼムリア大陸で戦う場合なら自分のステータスをチームで共有するのが普通のこと。もし、仲間のEP限界を知らずにアーツを連発していると、必要な時に使えなかったりフォローに入れないなんてことになったら大変だから。
だけど、私はできるだけ伝えたくない理由があったから……それこそ、オーブメントのラインが一直線、なんてアーツを扱う上でかなり適性があるにもかかわらず、致命的な欠点が。
なんとか話題をそらしたくて、カバーとかクオーツとかを見せたら、あからさま過ぎたのか笑われてしまった……絶対に、何か隠してるってことはバレちゃったよね。でも、言えるわけがない……みんな、私がアーツ特化だって信じてるんだから。
……そういえばカルマは、終業式の日から他に誰もいない時には直接でも、トークアプリでも、私のことを本名で呼ぶようになった。
ちょっと前まではなにか真剣な話とかで区別をする時だけだったのに……何かあったのかなと思いつつも、カルマは内緒にしてることを考えて呼んでくれるし、呼ばれて嫌な訳でもないから……それ以上に私自身を見てくれてるのが感じられて嬉しいから、いいかなって思う。
「カルマ、勉強続きやろ?」
「ええー、もうちょっとこれの続き読みたいんだけど……俺も使えたりしないの?このアーツとか、アミーシャのエニグマ」
「適性を見て作られる個別のものだから、カルマには合わないと思うよ……攻撃力を上げるものの多い火属性とか、防御に重きを置いてる地属性が合いそうだもん。……それより、次の休憩で読めばいいでしょ?」
「んー、じゃあ次の休憩の分今読むってことで」
「カルマ〜……」
……こんなノリで1日の勉強会は終了した。明日は訓練……か。頑張らなくちゃ、色々と。
「よし、あとは最終調整で1回使ってみて、それで終わりかな……」
「ん、お疲れ。……え、どっか行くの?」
「外の川辺で練習してこようかなって、ほら、ん、服の下に水着も着てきたし」
「ばっ……!!……俺ん家の風呂使えば?狭いけど本番も狭く制限して使うわけだし……なにより外でやったら殺せんせーに見られて終わりの可能性あるし」
「!!!確かに、……じゃあ、お風呂借りるね」
「ん、いってらっしゃい。……、……」
「……行った、よね。……はー……焦った……下に水着着てるとはいえ俺の前で服脱ぐとか思わないじゃん……男の前で服脱ぐとか、俺、理性試されてる……?」
コミュニケーションアプリ
【3年E組(28)】
友人:カルマ、サンキュな!
明日その木見てくるわ!
渚、付き合ってくれよ!
渚:杉野、個人の方で誘おうよ……いいけどさ
友人:よっしゃ!
RIO:というわけで、
明日は○○デパート○時集合だから
遅れないように!
渚:中村さん、誤爆してるよ……
RIO:あ、やべ
陽斗:俺荷物持ちでついてこうか!?
岡島:あ、俺も!
すがやん:俺も画材買いに行くついでに
ついてこっかな……
メグ:こうなるから言いたくなかったんだよ
女子だけの買い物もあるんだから、
ついてきてたら殺すヽ(・∀・)ノ
陽斗:うぃっす
岡島:うぃっす
すがやん:はーい
友人:当日披露のお楽しみってな
メグ:まあ、私は行かないんだけどさ
陽斗:行かねーのかよ!
磯貝:俺と釣り(´>ω・`)b
まさよし:俺も一緒
陽斗:じゃあ、俺は虫捕り付いてくわ……
コミュニケーションアプリ
【カルマ、律、RIO(3)】
RIO:カルマ!好み教えなさい!
業:なに、いきなり
RIO:グルチャ見たでしょ?
明日水着買いに行くから、
この莉桜様があんた好みのを
選んできてやるわよ!
業:好みっつってもさ……
RIO:……で、返事したくせに半日放置すんな!
律:あ、でしたら私がいくつか例示しましょうか?
~写真を送信しました~
~写真を送信しました~
~写真を送信しました~
~写真を送信しました~
~写真を送信しました~
業:すとっぷ
~写真を送信しました~
~写真を送信しました~
業:ねえ、律聞いてる!?
なんで全部、こんな凄いのばっか貼るわけ!?
人前でスマホ開けないじゃん!
律:中村さんに、絶対この中にカルマさんの好み、
というか男子の好みはこの辺にあるからって
教えてもらったので!
業:オヤジ中学生め……
ああもう、強いて言うなら上から3つ目。
あとはダメ。
律:ダメなんですか?
業:俺は見たいけど他の男に見せたくない
RIO:言質とーった♡
業:そういやこいつ、このトークにいたんだった……!
コミュニケーションアプリ
【姉のつどい(13)】
メグ:そういえば、写真を見た時から
言いたくて仕方なかったことがあるんだけど。
メグ:この水着の下に着てる下着ってさ、
直前にアミサが自分で選んだやつを着せたって
中村さん言ってたよね?
RIO:うん
RIO:一切誘導してない
RIO:……やっぱりそうだよね?
あたしの勘違いじゃないよね?
メグ:……これ、カルマの目と髪の色だよね?
不破優月:あ、なんか既視感ある配色だと思ってたら
それだー!
ひなた:本人気づいてるの?
RIO:気付いてるわけなくない?
ひなた:だよね〜
++++++++++++++++++++
女子の買い物+αでした。
女子の買い物では女子間でワイワイやってもらいたかったのと、水着選びを想像してたら書いてる内になんかわちゃわちゃしてくれたので……ちなみに今回来なかったメンバーは何となくで選んだだけです。特に意味はありません。
カルマとのやりとりは、入れておきたかったので、無理やりな気もしましたが、ここに入れておきました。沖縄へ行く前に、エニグマ関連の話題はしておきたかったのです……!
殺せんせー特製問題集は、もちろんわざと間違えて渡されてます。殺せんせーなりの下世話な仕込みですね!オリ主には全く通じてませんが、カルマはなんとなく察してたり。
今回のあとがきフリースペースは少し話題に出ていたコミュニケーションアプリを出してみました。裏のやりとり、こんなことやってたら楽しいな、と。中村さんにはどこか勝てないところがあるカルマ……書いてて楽しかったです。律の載せた写真は、中村さんアドバイスの元自分が水着を着たスクショを、ぺたぺたぺたぺた……
では次回、暗殺前の訓練の時間。