暗殺教室─私の進む道─   作:0波音0

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 烏間先生とイリーナ先生のくっつけ計画、そしてオリ主のE組に対する思いの時間。



 今回、ついに……





56話 殺しの時間

 

 暑い夏!みんなで来た南の島での旅行!ならばやるべき事は……!の流れで開催された殺せんせー主催、海底洞窟での肝試し……もとい、脅かしのドキドキから吊り橋効果?というもので目指せE組内カップル成立!……を狙っていたらしい謎のイベントが終わった。

 肝試し中の殺せんせーの脅かし……殺せんせー曰く、ちょっとくらい手を繋いだり距離が近くなって欲しいと思って用意した、カップル誕生のための仕掛け。私とカルマはカップルとかそういうのじゃないけど、ツッコミ入れつつ全部こなしてきた……ら、他のみんなはやらなきゃ先に進めないってもの以外は突っ込むだけツッコミを入れて全部スルーしてきたみたい。

 

「アミサさんとカルマ君だけですよぉ、まともに全部やってくれたペアは!」

 

 って殺せんせーが泣きながら頭を撫でてくれて……私は頭を撫でられるの好きだからそのままにしてたけど、カルマは撫でられそうになった瞬間に振り払って、殺せんせーはさらに泣いてた。一応みんなのために準備したことだっただろうから、私たちだけでもちゃんとやってくれて嬉しかったんだろうな……とは思う。

 

 ただ。

 

「でも……そんなちょっとした仕掛けを男女でやっただけでカップル成立……なんてのは、さすがに無理だと思うんだけどなぁ……それで恋人ができるなら、世界中恋人だらけになっちゃわない……?」

 

「アミサさんんんん!?」

 

「アミサ、アミサ、全部口から出てる」

 

「……、あ。」

 

「ぶっ、くくくく……っ」

 

 私にとってはちょっとした疑問のつもりだったけど、もしかしたら殺せんせーが立ち直れなくなるかもしれないから言わないつもりだったのに、口に出てたみたい……隣でカルマが顔を背けながらも笑ってる。

 最初こそ、漫画のお手本みたいにガーンって目を点にしてショックを受けた表情をしてたのに、だんだんシクシク……って落ち込み出しちゃった……ざ、罪悪感が……

 

「ご、ごめんね殺せんせ、

 

 ───ガシッ

 

い……?きゃあぁッ!?」

 

「アミサさんなら、せんせーが落ち込めば来てくれると思ってました……ッ!」

 

 慌てて慰めに……原因私なのに慰めるって言い方で合ってるのか分からないけど、謝ろうと思って近くまで行ったら、目を光らせた殺せんせーがグワッと振り返って。

 必死すぎる表情がちょっと怖くて固まってるうちに、触手で手足を取られて捕まり、空中に持ち上げられてしまった。

 

「え、は、はぁッ!?!?」

 

「な、なにやってんの殺せんせー!」

 

「アミサだってビックリして黙っちゃったでしょ!」

 

 ……え、と……ビックリしすぎて悲鳴はあげちゃったけど、殺せんせーだから何か意味があってこんな行動とったんだろうし、酷いことしないって信頼してるから、実は私は比較的落ち着いてるんだけど……

 別に拘束されてるというより絡め取られて持ち上げられてるに過ぎないから、動けないだけで怖くもなければ痛くもないんだよね……

 

 だから私は触手に持ち上げられた空中で、殺せんせーが何がしたいのか分からなくて困ってる程度で慌てても騒いでもなく……大慌てというか大騒ぎしてるのは、どちらかというと私の下で言い合いになってる……

 

「君の大事な人を取り返したければカルマ君……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……ッ1番今可能性の高いあなた達の話を聞かせなさいッ!!!もう今回に関してはそれでいいですからッッ!」

 

「泣きに入って言うこと!?言わないからね!?」

 

 

 

 隣から急に私を連れ出されたカルマと、持ち上げてる張本人な殺せんせーだけのような気がする。周りは最初は驚いてたのにもう止めようとも降ろしてくれようともしないし……

 

「見たし撮ったんでしょ肝試し!それでいいじゃん!?」

 

「それだけじゃ足りないんですよ!だって手ェ繋いで照れる2人を見てニヤニヤしたいのにいつも通りすぎて君等つまらないし!!コラ!不純異性交友とかしちゃダメですとか言いたいじゃないですか!!意識させてあとはオトすだけって豪語したんですからそろそろ君達をネタにひやかしたり実録小説を書きたい!!そう、これぞ担任教師の粋な計らい!!」

 

「どこがだよ!!最ッ悪な個人的願望じゃん!!」

 

「泣きギレ入った……」

 

「相変わらず下世話だしゲスい大人だ;」

 

「もう既にカルマに対してはひやかしてんだよなー……いつも通りで変わらんってのは同意だけど」

 

「ていうかカルマってそんなこと言ったの?」

 

「言ったぞ。まあ、真尾も意識なかったから聞いてないし、カルマ本人もだいぶおかしい時だったから、言った記憶ないんじゃね?」

 

「……だいぶ積極的なこと言ったんだと思ったのに……」

 

「ん?コイツ等いなかったら俺等も小説書かれんのか?」

 

「前原、お前の章はめちゃくちゃ長いの確定らしいぞ……女性遍歴が濃いからって」

 

「マジか……はっはー、既に犠牲にされてんだ俺……」

 

「ちなみに俺もだし、なんなら今の海底洞窟のペアもそれとなくメモられてると思うぞ……」

 

「うわー……誰も発展しないからって……」

 

 やわやわと動く先生の触手にそっと頭を撫でられたので、もしかしたら私の体調を心配してくれてるのもあるかも、なんて感じてそのままにしておくことに。あと、下でのやり取りに知らないワードが出てきすぎて、ちょっと考えることを放棄したくなってきていたのもある。

 

 だって聞いてる限り、私とカルマがいつも通りすぎてつまらないってことでしょ?そんなこと言われても……いつも通りがダメなの?どうしろっていうんだろう。

 あと実録小説って。殺せんせーって私たちが何かしてるといつもいろいろメモしてるから、それで何かやりたいんだろうけど、それがどうして粋な計らいになるのかがよく分からない。……でも、カルマが怒ってるからいいものでは無いんだろうな、多分。

 

「てかさっきリークしたばっかだからさ……見れなかったのが余計に悔しいんでしょアレ」

 

「そう!!大部屋でのことも先生直接見てないですしッ!知らない間に相当いい思いをしたそうですねぇぇ!??」

 

「はァ!?誰だよ言った奴!!!」

 

「……その反応がいい思いしたって自爆してるんだって……」

 

「助けてくれって言ってたのに結局そのまま寝てたしね……」

 

「つっても俺等も寝ちまったから写真とかもないしなー」

 

「何をしてるんだお前は……はぁ、そろそろ真尾さんを降ろしてやれ。それに……大部屋で君達が起きる前の様子か?あるぞ」

 

「「「……え?」」」

 

「か、烏間先生ぃ……ッ!」

 

 どんどん話が流れていくからついていけなくなっていた……ところで、私の下での会話に入ってきたのは、イリーナ先生と一緒に海底洞窟から出てきた烏間先生で。

 

「いや、今年君達は中学3年生、卒業アルバムに必要だろうから、今は手元に無いが全体を撮った写真ならあるぞ。イリーナも個人的に何か撮っていたが詳細は知らん、聞きたきゃ本人から聞け。俺は夕食まで仮眠する」

 

 烏間先生は、卒業アルバムに使う写真として私たちが大部屋で寝てた写真があることを話すと、殺せんせーが一気に嬉しそうというか晴れやかな声で烏間先生の名前を呼んだ。烏間先生自身は邪魔そうに先に1人でホテルに向かって歩いていっちゃった……殺せんせーの反応にはなんにも返事してないけど、それでいいの……?

 

 歩いてく後ろ姿は普通に見えるけど、肝試しをする直前まで、ダメ元でも徹夜で殺せんせーを殺せるように閉じ込める作業を防衛省の人たちとしてたもんね……お疲れ様です。

 

「真尾ー、お前黙ったままだけど状況わかってる?」

 

「え、あ、な、なにが?なんで私?状況、カルマが、誰、え??」

 

「で、当のあっちは大混乱ってな……困りすぎて黙ってただけか」

 

「直接的な表現をしないから伝わってないんだよね……アミサちゃん、カルマ君と殺せんせー止めなくていいの?いろいろネタにされそうだけど……」

 

「……そ、それより……お、おろして欲しい、かな……?」

 

「そうだよね、アミサちゃんはそうだよね……」

 

「真尾にとっては普通にやった行動だからまだ恥ずかしいとかに繋がってないもんな……目下困ってんのは降ろしてもらえないことだもんな……」

 

「殺せんせー、そろそろあーちゃん降ろしてあげて〜」

 

「は、すみませんでしたアミサさん、つい楽しくなってしまって」

 

「楽しんでるのは先生だけだって……ん、おいで」

 

「わ、あ、ありがとカルマ……でも、持ち上げるのもうヤダからね地面に足つけたい……」

 

「はいはい」

 

「……なーカルマぁ……そこで抱き留めるからまたネタにされるって分かってるか?」

 

「そうだとしてもちょっとでも意識させるチャンスは使うって決めてるから」

 

「……そうだよな、お前も必死だもんな……」

 

 ようやく殺せんせーが地面に降ろしてくれる気になったみたいで、触手で体を支えながらゆっくり地面に近づく……その着地地点で腕を広げて待ってくれてるカルマに、殺せんせーは私を渡す形で降ろしてくれた。最初こそやっと降ろしてもらえてホッとして脱力しちゃったけど、カルマに抱えられてたら変わらないから降ろしてもらう……なんでちょっと残念そうなの……

 

 

 

 

 

「それよりも。俺等うんぬんよりー……せっかく誘ったのに1人にされちゃったあっちをいじった方が楽しくね?」

 

「ま、それもそうだよね……?」

 

「うちら位の年齢はつっつかれるの嫌な子多いけどさ、ビッチ先生なら、……ねぇ?」

 

「……どうする」

 

「明日の朝、帰るまで時間あるし……」

 

「「「くっつけちゃいますか!?」」」

 

「……カルマ君、上手く標的ズラしたなぁ……;」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 海底洞窟からホテルに戻って夜ご飯までは自由時間……烏間先生が私たちから離れて仮眠を取りにいった隙に、私たちはオープンテラスに集合する。

 

 目的は……

 

 

 

「しっかし……意外だよなぁ〜、あんだけ男を自由自在に操れんのに」

 

「自分の恋愛にはてんで奥手なのね」

 

「恋愛ぃ〜?はっ、んなわきゃないでしょ!」

 

 

 

 ……イリーナ先生である。

 

 殺せんせーが肝試しに誘ったのは私たち生徒だけかと思っていたらイリーナ先生もだったらしく、烏間先生を誘って肝試しに参加してたみたいで。洞窟から出てきた時は烏間先生の腕にしがみついていたからイリーナ先生も怖かったのかな、……なんて私は思っていたのに、イリーナ先生は私たちが見ていると気づいた瞬間にコソコソと離れていって……

 その直後に私が殺せんせーの触手に持ち上げられちゃっていろいろあったから触れられなかったけど、烏間先生が離れた今ならと……あ、これは面白いおもちゃを見つけたって感じに、みんなの目がキランと光ったような気がした。

 

「あいつが世界クラスの堅物だから、珍しかっただけよ!それで、男をオトすプロとして本気にさせようとムキになってたら、……そのうち、こっちが……」

 

「「「う……」」」

 

「かわいいとか思っちまった……」

 

「なんか屈辱……」

 

「なんでよっ!!」

 

 イリーナ先生は自他ともに認めるハニートラップの達人であり、プロということを誇りに思ってる……先生の放課後講座で聞いた話では、ほんとに小さな頃から殺し屋として生きてきたって言ってた。

 ……話を聞く限りその時から『女であること』を最大限に利用して、『嘘の恋心』を武器にしてきたんだと思う。……その経験が邪魔になって、いざ本当の恋をしてみたら勝手がわからないんだと思う……恋をしたことがない私が、詳しく語れることじゃないんだけど。

 

「では、恋愛コンサルタント3年E組の会議を始めます」

 

「ノリノリね、タコ」

 

「同僚の恋を応援するのは当然です。女教師が男と溺れる愛欲の日々……甘酸っぱい純愛小説が描けそうです」

 

「小説書くノリは変わんないんだ……」

 

「ていうか構想が明らかにエロ小説なんだけど」

 

 なんにせよ、今までに見たことがないイリーナ先生の作ってない女の人らしい部分を見たみんなは、特に殺せんせーがノリノリで、協力する気満々だ。もちろん私もその1人……大好きな先生()たちが幸せなら、嬉しいから。

 あと、イリーナ先生って普段がちょっと子どもっぽいところがあったり……その、エッチなところがあったりで分かりづらいけど、ほんとに綺麗な人だし、ホテルの潜入任務の時、私を根拠を示したわけじゃないのに信じてくれた、すごい人だと思うから……そんなイリーナ先生のことを烏間先生がどう思っているかが、ちょっと気になるから、協力できるならしてあげたい。

 

「まずさぁ、ビッチ先生服の系統が悪りぃんだよ」

 

「烏間先生みたいなお堅い日本人なら清楚でしょ!」

 

「清楚といえば……神崎ちゃんだよね。昨日来てたの乾いてたら貸してくれない?」

 

「あ、う、うん!」

 

 少しでもお手伝いになるようにと、みんなで案を出していく。イリーナ先生の持ち味を殺さず、かといって今まで通りではなくちょっと工夫を……その1番の近道が見た目を何とか清楚にするってことで服装なんだけど、いきなり壁にぶち当たった。

 有希子ちゃんの着ていた服を試着してみたイリーナ先生は、着れたには着れたんだけど……

 

「「「なんか、逆にエロい……!」」」

 

「……同じ服でも着る人によってここまで変わるのか……」

 

「神崎さんがこれを着てたって思うと……」

 

「ううぅ……」

 

「全てにおいてサイズがあってないのよ……あ、じゃあ胸のサイズ的には矢田ちゃんかアミサ、あんたらの服ならいけんじゃない?」

 

「確かに着替えでもう1着持ってきてるけど、私のは、清楚っていうよりはカワイイ系になっちゃうかな……」

 

「た、確かに私のなら胸のサイズは合うかもだけど……その、身長……多分、というか絶対下着見えちゃう……それに東方系のだから、清楚には合わない、かなって……」

 

「「「あー……」」」

 

 胸が大きいことは女の人にとってのステータス……なのかもしれないけど、私にとっては悩みの種でしかない。その、ないのだ、服が……ただでさえ低身長なこともあって私が着れる服を選ぶのが毎回大変で、それもあってゆったりしたものかピッタリしたものの両極端になってしまう。

 イリーナ先生は狙って『露出しとけばいいや』みたいな服装なのかもしれないけど、実際には選べるものがなくてそういうのを選ばざるをえないのかもしれない。

 

 ……ちなみに東方系というのは、日本からみるなら中華系の服だと思ってもらえればわかりやすいと思う。チャイナドレスとか、あんな感じ。

 

「もういーや、エロいの仕方ない!大切なのは乳よりも人間同士の相性よ!」

 

「では、烏間先生の女性の好みを知ってる人は?」

 

「あ、私この前見たよ!テレビのCMであの女の人のことベタ褒めしてた!〝俺の理想のタイプだ〟って!……あ、ちょうどやってるアレだよ!」

 

 桃花ちゃんが指したテレビCMをみんなで振り返る……そこに映っていて、烏間先生がベタ褒めしながら見ていた女性というのは……とあるセキュリティの宣伝で、霊長類最強と言われる方でした。

 

「「「理想の戦力じゃねーか!」」」

 

「最強の人外(仮)には霊長類最強女子ってか……」

 

「3人もいるって……CMだからだよ」

 

「烏間先生が言うと冗談に聞こえないんだよね……」

 

「強い女……なおさらビッチ先生の筋肉じゃ絶望的だね」

 

 烏間先生がお付き合いしたい、結婚したいと思う理想の女性が、あんな簡単に真似できない、どころか2人といないような強い女性だったら……イリーナ先生には絶対むいていない。むしろ真逆の方面に特化してると思う。

 先生の理想のタイプで攻めるのも難しそう……でも、理想のタイプに合わせて自分を作ってしまったら、それはもうイリーナ先生じゃなくなってしまうから、ある意味やらなくてよかったんじゃないかという気もする。

 

「じゃ、じゃあ、手料理なんてどうでしょう?ホテルのディナーも豪華だけど、そこをあえて2人だけは烏間先生の好物で……!」

 

「……烏間先生、ハンバーガーとカップ麺食ってるとこしか見たことないぞ……」

 

「それだと2人だけ不憫すぎる……」

 

 そういえば、イリーナ先生とロヴロさんが模擬暗殺をした時にも烏間先生はハンバーガー食べてたな……効率だけを求めて健康には全く気を使ってないのがよくわかる。

 

 ……あまりにも烏間先生の堅物すぎる性格のせいで、私たちの策が役に立たなくなっていく……もうこれはある意味ぶっ飛んでいるイリーナ先生ではなくて烏間先生のありえない堅物さが全ての原因なんじゃないかってディスられはじめた。

 

「と、とにかく……ディナーまでに出来る事は整えましょう……女子は堅物の日本人が好むようにスタイリングの手伝い、男子は2人の席をムードよくセッティングです」

 

「「「はーい」」」

 

「…………」

 

 こうしてイリーナ先生の見た目改善(?)や烏間先生の難攻不落すぎる隙を攻略することに取り組むよりも、まずはディナーでの告白という場を整えて、とりあえず雰囲気を出してみよう作戦で対応することに決定した。

 普段、言い方は悪いけど先生に対して友達感覚のみたいに接している私たちがここまで協力しようとするところに驚いたのか、イリーナ先生は目をぱちくりとさせて固まっている。

 

 ディナーの開始時刻は21時……それまでにできることは、まだまだあるはず……私もみんなに続いて準備を手伝いに走った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 イリーナ先生の服装は、せっかくホテルのディナーに正装……?礼装……?……わかんないけど雰囲気に適したドレスを持ってるんだからと潜入した時のそれを着ることになった。あとは少しでも露出を抑えよう、ということでおかーさんが売店で買ってきたショールをアレンジしてうまく隠している。髪型も長い髪をただそのまま下ろしているよりも、結い上げた方が清潔感あるよね!という桃花ちゃんの一言でポニーテールにしてある。

 机のセッティングや料理を先生2人だけ別の場所にする手配は、男の子がしっかりやってくれたとのこと。いままでの経験から男の子ってそういう雰囲気をあまりわからないものだと思ってたけど、普段から女性の扱いに慣れてる人とか、女性の好みを調べてる人とか、美的感覚に優れてる人とか、気配りのすごい人とかがE組には集まってる……だから、高級店とかには及ばなくても見れるものにできたんだと思う。

 

 先にイリーナ先生が配置につき、私たちはみんなでご飯、という言葉で烏間先生を呼び出して……室内の席は多少強引な手も使ってだけどすべて塞ぐ。烏間先生を外へと誘導できれば、あとはイリーナ先生が頑張ることだから。

 

「……皆で食事と聞いたが、……なんだこれは」

 

「烏間先生の席ありませーん」

 

「E組名物、先生いびりでーす」

 

「先生方は邪魔なんでー、外の席で勝手に食べてくださーい」

 

「…………、最近の中学生の考えることはよくわからん……」

 

 ……よし、普段から殺せんせーをみんなでいじっているから、烏間先生は疑問に思いながらも私たちの言葉に従って外の特別席(Made in E組)に行ってくれた……のを見て、みんながオープンテラスに隠れて様子を伺う。だって、イリーナ先生の本気の恋……どうなるのか気になるもん、しょうがない。

 

 私が隠れたところはイリーナ先生の顔が正面に見える木の影……隣には、陽菜乃ちゃんが泣きそうな顔をして見守っていた。……陽菜乃ちゃん、ずっと、烏間先生のことが大好きだって言ってたもんね。それでも邪魔しに行かないのは、きっと、イリーナ先生のことも大好きだから……大好きな2人が幸せになるって、自分も幸せなることだから。

 そっと、彼女の手を握るとハッとした顔をして、それからくしゃりと顔を歪めてゆっくり抱きついてきた。

 

「うぅ、あーちゃん〜……」

 

「……陽菜乃ちゃん、2人ともが大好きだもんね。見てるのつらいなら中にいる?私、付き合うよ……?」

 

「……ううん、ちゃんと見てる。ありがと〜……」

 

 そう言って彼女は私から少し離れると、イリーナ先生と烏間先生の様子をまっすぐ観察しはじめた。……陽菜乃ちゃんにとって、イリーナ先生はいわば恋敵……それでも見守ることを選ぶのって、すごいなぁ……私も2人の先生の方へ視線を戻す。

 この場所からは微妙に距離があって、表情や仕草ははっきり見えるけど、いくら周りが静かでも話し声までは届かない、はず。……あれ、烏間先生が何か話しかけたかと思ったら、イリーナ先生の顔が暗くなった。

 

 これ、イリーナ先生が烏間先生に告白する場をみんなでセッティングしたんだよね、これじゃあ……なんだか不安になってきて、一緒にあの様子を見ているみんなを見てみたけど、気づいてないみたい……笑顔で、「いい雰囲気だね」などを言いながら見守っている。

 

 ……あの変化に、……私だけが、気づいてる。

 

 

 

「ねぇ、カラスマ。『殺す』ってどういう事か、本当にわかってる?」

 

 

 

 ……聞こえないはずなのに、なぜか、ハッキリと。イリーナ先生のその言葉だけが、私の耳に届いた気がした。

 

 その言葉が頭に入ってきた瞬間、私は暗殺教室に来たばかりの頃と、女の子だけで買い物をした日のこと、この旅行中にあったことが頭に思い浮かんできて……。思い出したら言い表せない気持ちが湧き上がってきて、このままここに居続けることができなかった。

 

 みんなが先生たちのやりとりに夢中になっている隙をみて、私は静かにその場から離れた。理由はわかってたけど、その理由に、ホントの意味で気づいてないみんなには、話せることじゃない、……

 

 

 

 

 

 ただ、……1人になりたかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カルマside

 一応ビッチ先生と烏間先生にはお世話になってるし、クラス全員での作戦らしいから参加しておいたけど……俺自身はそこまであの2人の恋愛事情に興味があるわけじゃない。俺等のことから話をそらすために利用したけどさ……ハッキリいえば、自分のことでも上手くいかないのになんで他の奴らの橋渡しを、だ。

 

 でも、腐ってもビッチ先生はハニートラップの達人……男女は違っても何か盗めないかな〜……程度の軽い気持ちで2人の先生のディナー風景を観察していた。

 なんとなくいい雰囲気だなーって思ってたのに、ビッチ先生がナイフでまとめていた髪ゴムを切って、超中途半端な間接キスを噛まして俺等のもとへ戻ってきた。……俺が言うのもアレだけど、普段からビッチ全開だってのに、こういう時だけ躊躇うせいで、烏間先生絶対気づいてないと思うよ、アレ。

 

「何よ今の中途半端な関節キスは!!?」

 

「いつもみたいに舌いれろ舌!!」

 

「あーもーやかましいわガキ共!!大人には大人の事情があんのよ!!」

 

「いやいや……彼女はここから時間をかけていやらしい展開にするんですよ……

 

じゃねーよエロダコ!!」

 

 みんなはまだぎゃーぎゃー文句言ってるけど、俺はもともとそこまで興味をもって見てたわけじゃないから、もう終わりなら部屋に帰ろうとして……ふと、みんなを見て違和感を感じた。

 

 ……アミーシャ、いなくね?

 

「……倉橋さん、アミーシャは?」

 

「へ……?あれ、さっきまで隣にいたのに……部屋に戻っちゃったのかな〜?」

 

 俺が見てた限り、途中までは倉橋さんと一緒にいたはず……その彼女が知らないということは、俺等全員があっちに集中していた時、邪魔しないように、気付かれないように席を外したってこと。

 誰にも行き先を告げず、黙って1人でいなくなったということは、あの先生たちの様子を見てよっぽど何か気になることがあったんだと思う。それでいて、俺等には言えない何かが……一緒にいるのがつらくて、離れた。

 

「そ、わかった。……もう解散でいいよね?……律、アミーシャのスマホかエニグマ、追える?」

 

『少々お待ちください……はい、可能です!案内しましょうか?』

 

「お願い」

 

 球技大会の日に人混みに流されてはぐれて連絡が取れなくなる、なんて小さい子どもかって言いたくなる事件を起こしてクラスのほぼ全員から怒られてからは、アミーシャはよっぽどの事がない限り連絡手段を持って移動するようになった。

 基本的にどこかへ1人で行く時は誰かに一言告げてからいなくなるようになったし……そこまで無断でGPSを追うようなこと、普段はしないんだけど。……今日はもうあたりも暗くなるし、ほっとくより連れ戻した方がいいだろう。それに、さっきまでの楽しそうな表情を思い出すと、いなくなったことに少しの胸騒ぎがして……その直感に従うことにした。

 

 今日もどっちかはちゃんと持って移動してくれてたみたいで律が痕跡をすぐに追い、マップを表示してくれた……律の示した先は、

 

「……昨日の、暗殺場所?」

 

 

 

 

 

 殺せんせーが吹き飛ばしたはずの水上チャペルの跡地だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ホテルに近いところだと、ここに滞在しているのがホテルの人とE組関係者だけとはいえ、人の気配がたくさんある。でも、ここまで出てきてしまえばとても静かで……聞こえるのは波の揺れる音、海風の音、あとは私の足が海面を蹴る音くらい。

 パシャリとひとつ蹴れば、海面に映る三日月が揺らいで形を崩しては元の形に戻っていく……なにも考えたくなくて、それをぼんやり見つめていた。

 

「…………」

 

「なーにやってんの」

 

「…………カルマ」

 

「あれ、驚かないんだ。真後ろからいきなり声かけたのに」

 

「…………海に、写ってたから」

 

「なるほどね」

 

 気配を消しながら来てたみたいだけど、彼が私の真後ろに立った時、海面に私以外の影が揺らいで見えた……ここには、私しか影を作るものは無い、だから、声をかけられる前には、気づいてた。

 

「……イリーナせんせ、どうなったの?」

 

「ん?なんか烏間先生が付けてたナプキンにビッチ先生がキスして、それを烏間先生の口に付けて……超中途半端な関節キスして、おしまい」

 

「……そっか、告白、しなかったんだ」

 

振り向かないまま聞いてみれば……イリーナ先生らしからぬ、おとなしいアプローチだった。当然みんなは大ブーイングだったみたいで、その様子が簡単に想像できて少しだけ笑った。

 

 それだけ話すと、この場はまた自然の音と私たち2人の呼吸音だけが聞こえる静かな空間へと戻る。

 

 ……カルマは何にも言わないし、聞かない……多分、私が話そうとしなければ何も聞かないでいてくれるんだと思う。もう夕方って時間もすぎてどんどん暗くなってきてるから、ホントは連れ戻しに来たのかな……あたりはもう、月明かりだけになってきてるから。

 ……それなのに、彼は優しいから、私が1人でここまで来たのは戻りたくないからだって、みんなと一緒にいられないと思ったからだって、きっと察して待っている。すぐに動かなきゃいけない時みたいに、どうしようもない時以外は、私が話し出すまで待っていてくれる。

 

 ……そんな彼になら、話してもいいのかもしれない。私は、海面で歪みながら揺れる三日月を見ながら、ポツリポツリと話しはじめた。

 

「……、さっきね、イリーナ先生の言葉が聞こえたの」

 

「ん?アミーシャのいたあの位置、声は聞こえないんじゃね?」

 

「うん、だから言葉だけ……見えた、が正しいのかも……正面から先生の口元見てたからかな……『殺すってどういう事か、本当にわかってる?』って、言ってた気がしたの」

 

 聞こえないはずなのに認識できたってことは、ホントにそうかは分からないけど、その時だけ唇の動きを読んだのかな……なんて、自己完結してる。他の話していることは全く言葉として頭に入ってこなかったんだから、余計にそう思うしかなかった。

 そして、言葉を聞いた瞬間に思い出したのはいくつかの過去の出来事……そこには、今話を聞いてくれている彼もいた。

 

「……そ。それで、その言葉がどうかしたの?」

 

「……カルマは、初めて私と一緒に殺せんせーを暗殺しに行った時、明確な殺意があったよね……先生なんて死んじゃえばいい、信じるつもりなんてないって」

 

「……あながち間違いじゃないね。あの頃は先生とかどーでもよかったし」

 

「私も最初から、お遊びなんかじゃない、本気の殺意があったんだと思う。それに……普段からケンカもしてたから、カルマは人を攻撃した結果どうなるのか、自分の中に残る気持ちとか……後のことを理解してた、でしょ?」

 

「……そーだね」

 

 あの頃、私もカルマも先生っていう存在に……大人って存在に絶望してた。だから、殺すという依頼になんの疑問もなく、なんのためらいもなくぶつかり、まっすぐぶつかって返してきた殺せんせーなら信じてみてもいいかもしれないって思って、殺すのを見送った。

 見送ったとはいえ、今も、1つの命を奪うということを、その意味を考えて挑んでいる……少なくとも私は考えている。

 

「でも、……きっと、みんなは違う。多分、烏間先生も……ううん、烏間先生は考えないようにしてるのかな」

 

「……みんなって、E組?」

 

「うん」

 

 E組の中で私たちだけは、私とカルマだけは、1番最初から賞金目当てや依頼されたからって理由で殺しをしていない、唯一だった。他の人を焚きつける理由には使ってたけど……自分が、命を奪うことに向き合う理由に使ったことは、一度もない。

 

 他のE組のみんなは、「殺したら賞金100億円がもらえる」、「これだけ弱点があるならすぐに殺せるんじゃないか」、「賞金手に入れたら何に使おう」、「あとちょっとだったのに」、「次はこうしよう」、「今日がダメならまた殺ればいいさ」……全員が『命を奪う』こと、それをとても軽いことのように捉えていて、本当の意味を考えたことがないように思う。

 

「女の子だけで、今回の旅行のために買い物に行った時、それに昨日の暗殺の前にね、みんなが話してたんだ。『今日殺せれば明日は何にも考えずに遊べる』『今回くらいは気合入れて殺るか』って……」

 

「……確かに、毎日どこかで、暗殺を仕掛けるたびに誰かが言ってるね……それが、あの時立ち止まってた理由、か」

 

「……いつでも、聞いてる人は何人もいるのに、どの時も、誰も否定しなかった」

 

「……うん」

 

「……あの時も、暗殺を控えてたからなんとか押し殺したけど……今、イリーナ先生の言葉を聞いたら、また思い出しちゃって。……あたりまえ、だよね……みんなはただ、普通に生きてきただけの、ただの中学生なんだから。いきなりこんな、目に見えた命と向き合って、自分たちで摘み取ることの意味なんて……考えたこと、あるわけないもんね」

 

「……それだけ聞くと、アミーシャは違うって聞こえるんだけど」

 

「……、…………そう、だね。私は……、……私は、命と向き合うことが、普通の世界で生きてきたから」

 

「魔物との戦闘、か……確か、元々は害を与えない動植物が変異したものだったっけ」

 

「……うん」

 

 ……ホントは、カルマの予測は少しだけ違う……でも、それも間違いじゃないし。詳しく教えるつもりも、これからも話すつもりはないけど。

 

 幼い頃から命と向き合うことが当たり前の環境で育ってきて、それしか知らなかった私は、最初から『殺せんせーを殺す』ことの意味をわかって向き合ってきたつもりだけど、みんなは違う。

 みんなは影が踏み込んじゃいけない、汚しちゃいけない、キレイで明るい光のような人たちだから……ホントなら、こんな暗い部分は知らなくてもいいと思う。……でも、この教室にいる限り、いつかは向き合わなければいけない。それをイリーナ先生の言葉で再認識した。

 

 ……そしたら、今度はその事を理解している私が、国の問題に巻き込まれて暗い部分を知ることになったとはいえ、まだ、明るくて光のような存在のみんなと一緒にいるのがなんか、……いたたまれなくなって、ここまで逃げてきてしまった。

 

 もう一度パシャリと海を蹴った時、後ろで軽い何かを落とす音のあとに気配が近づいてきて……背中から私を抱える形で体重をかけられた。背中からカルマが、私を抱えて……同じように素足になったカルマの足が、私と同じように海を蹴る。

 

「……俺もさ、みんなと一緒……正直そこまで命のことなんて考えてないよ。……でも、今アミーシャの言葉聞いたら、ちょっと考えさせられた」

 

「……」

 

「確かにみんなは意識してないだろうね。4ヶ月近く付き合ってきて、先生との思い出もできてきてて……その相手を暗殺するってことの意味」

 

「……うん」

 

「……でも、俺はちゃんとわかって殺るよ。だから……アミーシャ1人で、そんな重いのを押し殺さないで。俺も一緒に抱えるから……そーいうのは俺に吐き出してよ、ちゃんと聞くから」

 

「……でも、そんなの、」

 

「いいから。……抱えさせてよ……俺は、できる限りアミーシャのことを守りたい。一番近い所で支えたいし、頼ってほしい……誰よりも、それこそリーシャさん以上にアミーシャのことを理解したい」

 

「……なんで、カルマはそんなこと言えちゃうの……?私が我慢してれば……今、私が話さなければ、知らないままで中学校を終われたかもしれないのに……」

 

 なんでカルマは。

 いつも私が欲しい言葉をくれるんだろう。

 

 なんで、そばに誰かがいて欲しい時に、

 カルマは近くにいてくれるんだろう。

 

 私は、彼にまだ知らなくていいことを話して、

 私の暗い気持ちを吐き出して、

 きっと嫌な気持ちにさせたのに。

 

 背中から回された腕に手を添えて、そっと疑問を投げかける……さすがに、恨み言のひとつでも言われるかなって、そう、思っていたのに。

 

 

 

 

 

「……アミーシャのことが、好きだから」

 

 

 

 

 

「……ぇ……」

 

 ぎゅ、と私に回した彼の腕に力が入って……そのまま言われた言葉に固まった。今、カルマはなんて言ったの……?

 

「あー、くそ……夕方タイミング逃したし、まだ言わないつもりだったのに……」

 

「ぇ、ぁ……」

 

「アミーシャがまだ、そういう感情を理解できてないのはわかってる……俺自身がまだ、アミーシャを守れる、光を示せる存在になれてないし。だから、……すぐに返事はしなくていいよ。いくらでも待つから……でも、俺はアミーシャのことが好きだから一緒にいたいし、苦しんでるなら少しでも軽くしてやりたい……そう思ってることは知っといて」

 

「…………っ」

 

 気がつけばアレだけみんなの所から離れていたいくらい悩んでたのに、それどころじゃない……頭の中が真っ白になった気分で。背中に感じる彼の体温が、聞こえてくる、感じる早い心臓の音が、彼の言葉が嘘じゃないことを伝えてくる。

 まっすぐ伝えられた言葉は理解できたけど、私自身の気持ちがわからない今、すぐに答えることはできそうになかった……なのに、カルマの口から綴られる言葉はどこまでも優しくて、私は小さく頷くことしかできなかった。

 

「タダでさえ悩んでるとこで混乱させて、ごめん。……夏場でも海風に当たりすぎると風邪ひくし……戻るよ」

 

「……、うん」

 

 先に立ち上がったカルマが転がっている靴を拾ってまだ座り込んでいた私に片手を差し出してくる。軽い力で立ち上がらせてもらいながら、さっき何かが落ちる音がしたのは、彼の靴を落とした音だったんだ……そんなどうでもいい考えが私の頭の片隅をよぎっていた。私の靴も拾ってくれたみたいで、そのまま手を引かれてホテルへと戻る。

 

 いつの間にかカルマと大部屋に戻ってきていて、部屋で出迎えてくれたみんなに色々と声をかけられたことまでは、分かった。

 けど、理解はできても飲み込みきれない感情が整理しきれなくて、それらへまともに答えられないまま、隣のお布団の有希子ちゃんへと抱きついて……そのまま私は眠りに落ちていた。

 

 

 

 

 

 こうして。みんなで挑んだ暗殺に、命の危険を身近に感じた潜入任務に、E組みんなで楽しんだ夏らしい遊びに、……2つの場所での2つの告白を経て、夏休みの旅行は終わりを告げる。

 

 

 

 

 





「律、中継なんてしてないよね」

『……さすがに、してません。』

「……他の奴らには黙っといて、特に前半。俺等3人だけの秘密ね」

『わかりました……って、告白はいいんですか?』

「……俺がこっちに来る時、橋の入口あたりにいくつか気配があった。おおかた声は聞こえてなくても見てただろうから、なんとなくみんな知ってるって。……悪い、律には黙っててもらうことばっかりで」

『いえ。……では、もし聞かれた時は告白に関してだけは答えても?』

「どうせ大部屋だし俺に聞いてくるでしょ。……クラス全員知ってるわけだし……アミーシャは返事してないしね」





「アミサ、おかえりー。遠くから見てたけど、また甘い空気作っちゃってぇ、何話してたの?」

「あ、声は聞こえない距離はとってたから!ナイショ話なら言わなくていいし!」

「そうそう、ビッチ先生ね……」

「……」

「……アミサちゃん?」

「……有希子ちゃん、ぎゅーしていい?」

「え、うん……、アミサちゃん……?」

「……やっぱり、難しいよ……好きって、どういう気持ちなのかなぁ……」

「「「………………………え、」」」

「…………すー……」

「え、爆弾落とすだけ落としてそこで寝る!?」

「カルマ!!説明しなさい!!」

「……さっき、告った。ちょっと悩んでるとこにつけ込む感じになっちゃったし、返事は整理できてからでいいってことにしたけど」

「お前……男を見せたんだな……!」

「ビッチ先生の何倍もかっこいいよ!!」

「……なら一応、前進……なの?」

「どうだろ、この子完全にキャパオーバーで疲れきって寝ちゃったんじゃ……」

「というか、神崎ちゃんの膝の上で寝ちゃったけど……どうしよう?」



++++++++++++++++++++



 実は残っていた伏線をお話に混ぜ込んだら、結局告白はすましちゃったほうがいいなとなりまして、こうなりました。オリ主の言ってることは原作だともっと後で重要になることですが、カルマ(と律)には一足先に自覚してもらいました。
 ……書いておいてなんですが、オリ主に悩み+新たな混乱を招いてぐっちゃぐちゃな状態に追い込んだだけな気もします。夕方の時間で軽く『好き』という気持ちに向き合い始めたばかりなのもあって、オリ主の中ではまだまだ花開くまで遠そうです。

 夏祭りの前にオリジナル話を入れて、元の2人の関係に戻していけたらとは考えてます。

 カルマが普通にオリ主を探しに行くところを見て、ゲスいクラスのみんなは隠れながらですが普通について行きました。殺せんせーはもちろん、イリーナ先生も。……会話は聞いてませんが、2人が何やら話していたことも、カルマが行動起こしたところは見ています。



夏休みはまだ続きます。


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