暗殺教室─私の進む道─   作:0波音0

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今回少しですが直接的な体調不良描写が入ります





66話 堀部糸成の時間

 

イトナside

 

 ────意識がトんでいた。

 

 俺が力を追い求めることになった所以……信じ続けて、裏切られて、受け入れたくないもの……それを象徴するモノがたくさんある携帯電話ショップを破壊している最中に、俺を追いかけてきたE組と標的(ヤツら)

 クラスメイトっていってもシロに勝手に登録されたに過ぎないからなんとも思わず、ただ、暗殺に利用すればいいとさえ考えていた。

 

 なのに、何なんだ……俺の事は放っておけばいいのに、なんでお前等はかかわってくる……?しかも1人や2人じゃない、クラス全員で。俺は、お前等という存在を利用してるのに。

 ……シロに俺自身を利用されていることは分かってた、それでも、力を得られるなら構わなかった。小さい力なんて意味が無い、大きな、誰も追随を許さない力で、勝利を得なければ……

 

「……ぃ……トナ、く……」

 

「!」

 

「へーき……?すこしは、いたく……ない……?」

 

 ……なんで、お前はここにいる……?

 

 ゆっくりと目を開いたのに暗くて何も見えなくて、だけど、何か柔らかく暖かいものに包まれていることだけはハッキリと分かった。

 ……そういえば、こいつらと話している時にはあれほど触手を溶かされる激痛が走っていたのに、目を覚ましてからは拒絶反応による痛みだけ……それに、あれだけ引きずられたはずの体に痛みをあまり感じない。むしろ、時間が経つにつれて治っていくような……こいつに、庇われているから?

 

「イトナ君、アミサさん!」

 

「……せんせ……」

 

「意識があるんですね、すぐに……!……これは、」

 

 ……追いかけてきたのか、兄さん……俺は頭からこいつに抱えられているから、外の様子は腕の隙間からくらいしか見えないが声は聞こえる。視界にはネットを挟んで俺等に触手()を伸ばす黄色い超生物を写すが、それに触れる前に止めてしまった。

 

 ……あぁ、やっぱりこれは触手を溶かす物質で出来ている。そして、その物質からこいつは、俺を庇ってくれているんだ。

 

 それを理解した時、俺等を中心に照らすようライトが向けられた。こいつの小さな体では庇いきれない俺の触手が硬直する……このライトも、きっと。

 

「お察しの通り。そしてここが君達の墓場だ」

 

 ──撃て、狙いはイトナとお嬢さんだ。

 

 シロの声が響く。それと同時にいくつもの銃声も鳴り響きはじめた。標的は兄さん……兄さんの弱点ということは、俺にとっても弱点……あれをまともに喰らえば、これだけ体力的に限界なんだ、俺はきっと死ぬ。だが、体は動きそうにない……こちらへとんでくる弾をを見ているしかできない、そう覚悟を決めたというのに。

 俺を片手で抱え直したこいつは、もう片手で何かを操作している……こいつ、この状況でも俺を庇うつもりなのか?

 

「……あの弾は、私にあたっても……いたい、だけ。……イトナくんは、……イトナくんだけは、必ず、守るから……ね、……っ……駆動……アースグロウ(土属性継続回復魔法)……」

 

「ヌゥ……ッアミサさん!防御を捨てるなら目だけはしっかり閉じていなさい!」

 

 ふわりと、圧力光線以外の光に包まれ、光の雫が俺の体を包む……服や風圧を駆使して弾を防ぎながら、俺等の捕らわれたネットを外そうと奮闘する兄さんが見逃してしまった流れ弾、それを俺を抱え込むこいつが代わりに受けていく。

 それでも小柄な体では防ぎきれない弾が俺に当たっては痛みを感じる、はずなのに、その前に触手に当たってできた傷がすぐに癒えていく。兄さんが言うことを信じるなら、こいつは自分の防御を捨て、俺の代わりに弾を受けることを前提として庇って……

 

 ……俺は、無力だ。

 力が無かったから協力者にも見捨てられた。

 

〝良い目だ。君の目には勝利への執念が宿っている。その執念こそ私が作った強力な細胞を使いこなすのに不可欠なものだ〟

 

 雨の中、自暴自棄になって俺が路地裏で1人蹲りながら雨に打たれていたところに……シロはやってきた。俺がなんでこんな所にいるのか、何を求めているのか……全てを見透かしているような言動だった。

 

〝私と一緒に『足し算』をやらないか?勝利への道筋を考えるのは私に任せろ。君の執念(プラス)私の技術(イコール)勝利を掴む『力』になる。力があれば、君はこの世の誰よりも強くなれる〟

 

 力への執念があったから、得体の知れない細胞の激痛にも耐えられた。勝利への執念があったから、何度も何度も喰らいつけた。

 ……なのに、執念は届かなくて、しかも殺す相手に守られている。巻き込もうとした奴等の1人に、痛みを肩代わりされている。俺は、こんなザコ達に負けるのか……?

 

「だいじょぶ、だよ」

 

 ぎゅ、と俺を抱く腕に力が入った。

 

「イトナくんも、私も、先生も。今は1人じゃないから」

 

 どういう事なのかは全く分からなかったけど、根拠も何も無いその言葉には何故か安心するところがあって、自然と肩の力が抜けた。

 

 

 

 

 

「死ねばいいと思うよ、ザコ共」

 

 

 

 

 

 ゾクリと背中を冷たい何かが通り過ぎたかと思った。地を這うような怒りに満ちた声と同時にドガガッとかなりの打撃音が響くとともに、木の上から俺等に向けられていた銃撃が1つ減った。それを皮切りにまた1つ、また1つ……

 

「……、……、……」

 

「ちょ、カルマストップ!それ以上は死ぬから!」

 

「あ゛?」

 

「怖っ!?」

 

 あの赤髪……俺が見た限りあのクラス(E組)の中で多分1番を争うほどに強いヤツ、そいつが一番槍として木から射手を蹴り落としたらしい。木の上で蹴りつけた後にかかと落としで蹴り落とし地面に沈めた上、着地点で白服の体を踏み潰し、その上足蹴……少し見えた限りでも1人に対して追撃をかけまくっているが、何がそこまで赤髪を怒らせているんだ。

 

「き、貴様……!」

 

「アミーシャをイトナ共々ネットにぶち込んで連れ去った奴だからねぇ……俺の報復は妥当でしょ」

 

「同じ服着てんのによく違いわかったな!?」

 

「ちが……俺は射撃しかしてないぞ……」

 

「あれ、そうだっけ?でも連れ去ったことに変わりないしオッサンも同罪でしょ、大人しく寝とけよザコ」

 

「ぐはっ……」

 

「……人違いなのかよ;」

 

「……まぁ、ちょっとは発散できただろ……」

 

 ……あの赤髪……そういえば、水場での暗殺の時もこいつを害されて……シロに一発入れてたな。……俺もとはいえ、こいつが一緒に連れさらわれて怒ってるのか。

 チラ、と俺を抱え込むこいつの顔を見上げると、周りのゴタゴタには一切視線を向けず、若干虚ろな瞳のままトラックの荷台だけを一心に見上げているのが見えた。

 

 赤髪の奴以外の他の生徒達も次々と白服を突き落とし、ライトを破壊し、地面では落とされた奴を布で受けた生徒達が着々と簀巻きにしている。

 

「……おまえら、なんで……」

 

「勘違いしないでよね。シロのやつにムカついてただけなんだから……殺せんせーが行かなけりゃ私達だって放っといてたし」

 

「……やっと……人、離れた……気兼ねなく、狙える……ッ」

 

「……お前……?」

 

「ねぇ、こっち見てていいの〜、シロ?撃つのやめたらぁ……ってバカ!!!殺せんせーも避けてよ!!?」

 

「……壊れ、ろ……ッカオス……ブランド(幻属性攻撃魔法)!」

 

「にゅやぁッ!?」

 

 

 

 ───ザクザクザクッ!

 

 

 

「……ネット、ちぎれた……はず……」

 

「アミサさん!?根元から壊そうとしてた先生にも当たりそうだったんですが!?あとトラックに大穴開いてますが!?!?」

 

「……カルマ、言ってくれた……から……」

 

「俺としては殺せんせー動いてるんだからやめて欲しかった……大方アミーシャも仕返ししたかったんだろうけど……このバカ……」

 

 俺を抱えるこいつが、トラックの方を睨みつけたかと思えば、なんの予兆もなくトラックの荷台に怪しく光る刃が3つ空中に出現し、兄さんが慌てて離れた瞬間にネットを繋ぐ射出機に突き刺さって崩壊した。

 見た目通りの破壊力だったらしく、トラックの荷台に大穴を開けながら壊れたらしい……こいつが荷台を見ていたのは、生徒がシロの仲間を倒して射出機から人が離れるのを待っていたのか……

 

「2人とも、大丈夫か!?」

 

「すぐに出してやるからな……茅野、タオル持ってきてくれ!」

 

「う、うん!」

 

 近くでネットを外そうと手を伸ばす奴らがいて、その向こうでは俺等を庇うようにE組の生徒が立ち、兄さんがシロと相対している……何やら睨み合いをしていたようだが、俺は今度こそシロに切り捨てられた(見捨てられた)

 

「詠唱放棄の幻属性のアーツ……フフフ、やはり成功例か」

 

 何か不穏なことを言い残したシロが乗り込んで去っていくトラックと、その姿を見たが最後、俺の意識は暗転した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……よし、ネットが切れた!」

 

「真尾、出れるか?イトナにタオル被せるからもう少し頑張れ」

 

「ありが、と……陽斗く……」

 

「アミーシャ、少しだけ体起こすよ……」

 

「……ん、」

 

「イトナ君にはほとんど外傷ありません。アミサさんは……イトナ君を庇った分、外傷が多いですね……頭を打っているようですし、うまく動けないのは脳震盪のせいでしょう。なので、今日はもう絶対安静です」

 

 シロさんが去ったあと、陽斗くんと磯貝くんが私たちをネットの中から助け出してくれた。……ネットの中から出ることができたのに、私は意識があっても全く体を起こせなくて、揺れる頭のままボーッとしていたら慌てた殺せんせーが触手を使って調べてくれた。

 神経とかに異常はなく、頭に打撲痕があったから脳震盪による一時的な意識障害から来てるんだろうとの事だった……そういえば、ここに連れてこられるまでに頭ぶつけたなぁ。『イトナくんに«アースグロウ»(時間経過とともに体力を回復するアーツ)をかける』ことを優先してたから忘れてたけど。一応効果範囲がかなり広いアーツだから、私にもかかってるはずなんだけど……これはあれかな、詠唱放棄の代償で単体対象になっちゃったかな……?

 

「……ぅ……だいじょ、ぶ……これくらい、回復すれば……」

 

「ほら、体起こそうとしないの。……その回復だって、精神力か何か使うんじゃないの?アミサ、意識あるだけ軽く考えてそうだけど……」

 

「イトナの怪我の具合を見る限り、自分じゃなくてイトナを優先してたんじゃないか?物理的にも、アーツの優先順位的にも……」

 

「しかも先程ほぼ詠唱放棄でアーツを使いましたね?ただでさえ負担のある脳にさらに負荷をかけて……まったく君という子は……」

 

 周りの私を心配する声、考察する声、呆れる声が頭の中をぐるぐると回る……それでも何とか返事をしようとした時だった。

 急に血の気が引くような感覚と、胃が痙攣するような気持ち悪さ、ぐ、と喉を酸っぱいものが迫り上がる感覚に、動かすのも億劫な体を何とか傾けて口元を抑える。

 

「ぅ……うぇ……」

 

「ッ!アミーシャ、」

 

「……っ、ぅ、ごめ、なさ……気持ち、悪……ッ」

 

「っ!吐きそう?……殺せんせーちょっと離れるから」

 

 私の異変にすぐ気づいたらしいカルマによって体を持ち上げられたのは分かったけど、私は彼の腕の中で吐いてしまわないように必死で、それ以上周りを見る余裕が無い。

 みんなからは離れた茂みの近くまで運ばれ、顔を下に向けて体を支えてもらった直後、我慢できずに嘔吐してしまった。ツンとした刺激を喉や鼻に感じて、余計気持ち悪さが増してる気もする……最初こそ胃の中身もあったけど、後半は胃液も出なくなって上手く吐けず、余計気持ち悪さと戦うことになった。その後も吐瀉物に倒れ込むことの無いよう支えてもらい、何度も迫り上がる吐き気と戦いながら、吐き続けた。

 

「ぐ、うぇ……げほっ、げほッ……」

 

「吐けるものも無くなってたし、……全部吐けた?」

 

「はぁ、はぁ、は、う、……、」

 

「……こういう所って見られたくないだろうけど、許して……俺しか見てないよ、殺せんせーも含めて他のみんなはいないから。……大丈夫、落ち着いてから戻ろう」

 

 人が吐くところなんて、匂いもキツいし見るのも嫌だろうに……カルマは私の呼吸が落ち着くまで、体を支えながら背中をさすって、待っていてくれた。何とか吐ききって吐き気が治まり、先程よりも体から力が抜けた所をまた抱き上げられて、みんなの所へ戻る。

 みんなが集まっているところでは、何人かがスマホを開いて何かのホームページを見ているところだった。

 

「おかえり、大丈夫?少し顔色よくなったね」

 

「吐ききれたなら少しはスッキリしただろ?……無理して返事しなくていいからな」

 

「……1回……うん、だって。潜入の時に使った返事の合図覚えてたんだね、えらいえらい」

 

 心配そうに、でもそこまで深刻には聞かない気遣いがありがたい……ちょっと声を出すのも億劫で、ダメ元でカルマの腕を1回握ったら、言いたいことに気づいてくれたみたい。ホテル潜入の時、鷹岡さんにバレないように使った合図、覚えててよかった。

 

「治癒効果は欲しいからエニグマ携帯するのはいいけど……もうだいぶ頑張ったんだから大人しくしてて。……先生、全部終わったら俺の家連れてくよ。それでいい?」

 

「そうですねぇ……1人にすると悪化させそうですし、明日から……もうすぐ今日ですかね、土曜日曜と休みですしアミサさんはカルマ君に存分に甘やかされてきなさい」

 

 気がつけばカルマの家にお泊まり&甘やかしコースが殺せんせー公認で決定されていました……こうなったらカルマはホントに何もさせてくれないと思う。

 

 私の動向が決まった後、みんながスマホで何を見ているのかと思えば、優月ちゃんがなぜイトナくんは携帯電話ショップばかりを襲撃していたのかを……そこから彼に繋がる身の上話や触手を手に入れることになった原因が分からないかと律ちゃんと協力して調べていると、イトナくんは『堀部電子製作所』という小さな町工場の一人息子だということが分かって、そのニュースのページを見ていたのだという。

 その記事に書かれていたのは、小さな町工場だけど世界的にスマホ部品を提供していたが、一昨年負債を抱えて倒産……息子(イトナくん)1人を残して両親が雲隠れしてしまった、という事実。……なんとなく、彼の執着の理由が分かってきた。

 

「さて、サラッと真尾を連れ帰る発言してるカルマは置いとくとして、だ」

 

「……シロ、確かこのままだと余命2、3日って言ってたよね」

 

「後天的に移植されたんだよね?なんとか切り離せないのかな」

 

「ふむ……触手は意志の強さで動かすものであり、イトナ君に力や勝利への病的な執着がある限り……触手細胞は強く癒着して離れません。……彼の執着を消さなければ……」

 

 彼が執着している他者を寄せつけない圧倒的な力、誰にも負けない勝利……彼が見えなくなっている先を示せる言葉を、態度を見せなければ……きっと受け入れてくれない。

 

 

 

「……ケッ、つまんねー……それでグレただけって話かァ」

 

 

 

 どうすればいいんだろうって悩み、重たい空気が流れている中、E組の中で1人だけ動き出した人がいた。

 

「みんなそれぞれ悩みあンだよ……重い軽いはあンだろーが。けどそんな悩みとか苦労とかわりとどーでもよくなったりするんだわ」

 

 村松くんと吉田くんの肩を軽く叩き、綺羅々ちゃんの方を向く……彼女が頷くのを確認した後、彼はまだ気を失っているイトナくんの襟首を掴んで持ち上げた。

 

「俺等んとこでこいつの面倒見させろや。それで死んだらそこまでだろ」

 

乱暴な言葉だけど、彼にはなにか考えがあるのかな……イトナくんの心を開かせるためにも、肩の力を抜かせてやるためにもと、寺坂くんがそう言った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 イトナくんを寺坂くんたちに任せて、私たちは静かにあとを追う……最初こそ、私は帰されそうになったんだけど、このままイトナくんがどうなるのか分からないまま帰らされるのは嫌だ、そうなんとか訴えたら、

 

「……全部終わったらって言っちゃったしね……最後まで居ていいよ。殺せんせー、多分このまま粘るとこの子勝手にアーツでも使って居座ろうとするだろうから残らせてあげて」

 

「本当は早めに休んで欲しいですが……仕方ありません。ここまで体を張って護りきったクラスメイトがどうなるか分からないと目覚めも悪いでしょうから許可します。ただし!再度吐き気や他の症状が見えた瞬間帰宅させます、いいですね?」

 

 カルマが説得してくれて、残れることになった。ただ、ほとんど力を入れてられないから、最初は殺せんせーが運んでくれようとしてたんだけど、カルマが譲らなくて彼の背中におぶられてる……私、そこまで軽いわけじゃないのに落とさず運べるってどんな筋力してるんだろう。

 そんな感じに体調の悪い私も含めたクラスメイト全員で、寺坂くんたち5人の様子を伺っている。

 

 確実に触手の暴走を止めれるわけじゃないから気休めでしかないけど、少しでも負担を減らせるように、触手のない素のイトナくんでいられるように、と彼が気絶している間に私たちが捕まっていた対触手ネットをリメイクしたバンダナで頭を覆わせてもらった。気がついたイトナくんはそれに触って少し不思議そうな顔をしている。

 そして、イトナくんが目を覚ましたことでついに作戦がはじまるんだろう……寺坂くんが考えた作戦ってどんなのだろうと少し気にしながら見ていると、真剣な表情で綺羅々ちゃんたちの方を振り向いた彼は言い切った。

 

「さて、お前等……どーすっべ、これから」

 

「寺坂君……」

 

「自信満々に言い切った割に、何も考えてなかったんだ……」

 

「しょーがないよ、あいつ基本バカだもん」

 

 以上、追いかけながら物陰から覗いている私たちからの評価である。

 だって、誰もがどうすればいいかわからなくて動けない中、1番最初に受け入れて面倒見るとまで言い切ったんだもん……なにか考えがあってのことだと思うじゃないですか。……でも、もしかしたら、でしかないけど……寺坂くんはイトナくんにどこか自分を重ねていたりするのかな。

 

 このあと、寺坂くんたちはとにかく気を抜いて過ごせば変わるかもしれないと、順番にイトナくんを自分の思う気の抜き方を考えて連れて回った。

 

 村松くんは、殺せんせーがバーベキューの話をした時に反応してたしお腹がすいてるんじゃないか、何か食べれば肩の力は抜けるでしょ……という綺羅々ちゃんの意見から、まずは何よりも腹ごしらえだと村松くんの実家であるラーメン屋さんへ連れていった。

 

「自分の家ではあるけど、村松曰く『まずい』らしい……イトナはどう評価するかな」

 

「村松くんの料理、おいしー、のに……?」

 

「……なんでアミーシャ、村松の料理の味知ってんの?」

 

「あぁ、前にね、私と調理室を借りて料理するタイミングが被ってさ、村松君が『俺と勝負しろ!』って言い出して私と料理対決してたの」

 

「原さん、そんなことしてたの?」

 

「通りでたまに校舎でいい匂いがすると……」

 

「私の夢はいい主婦になることだもの。私としては普通に料理の研究したかっただけなんだけど、村松君からしたら多分お店の子のプライドでしょうね」

 

「それがどうしてアミサちゃんと関係するの?」

 

「たまたまカルマ君がまだ昼寝しててまだ帰らないって教室で待ってるアミサちゃんがいたから審査員してもらったのよ」

 

「お前のせいじゃん、村松の料理食ってる理由」

 

「…………」

 

「そっぽ向くなよ;」

 

「でも、この子の評価が『どっちも好き。2人ともおいしかったからまた食べたい!』でねぇ……村松君、あの通り不味いってラーメンで言われ慣れてるから相当嬉しかったみたいで。今でもたまに作ってはアミサちゃんに味見だって食べさせてるわよ」

 

「へー……」

 

「もう、そんな恨めしそうに見なくったって、カルマ君も今日連れ帰ってから作ってあげればいいじゃない。どうせお世話する気なんでしょ」

 

「……そっか、……うん、そうしよう」

 

「あんな美味しそうに食べる幸せそうな笑顔見せられたら、対決も何も関係なく餌付けしたくなるわよね。村松君も照れながらハマってるわけだし」

 

「あはは……餌付けって言っちゃったよ原さん……」

 

 吉田くんの実家であるバイクの販売店の横に設置されている試運転用のサーキット……家の敷地内ということでまだ無免許の吉田くんでも運転できるらしくて、バイクの後ろにイトナくんを乗せて二人乗りで走り回ってみたり……

 

「……計画も何も考えてなさそうだね」

 

「うん、ただ遊んでるだけな気がする……って、あ!」

 

「……ブレイクターン、だったか?見事に吹っ飛ばしたな……本当にこのまま任せて大丈夫なのか?」

 

「あ、でも狭間さんなら頭もいいから……」

 

 愛美ちゃんの期待虚しく、綺羅々ちゃんが取り出したのは1冊400ページくらいはあるんじゃないかっていうくらい分厚い本。それを奨めていたり……寺坂くんが難しすぎるだろってここまで聞こえる声で怒ってやめさせてたけど、速読に自信のある私でもあれ全部読むのには1日欲しいなぁ……って、

 

「……ねぇ、様子、おかしい……」

 

「は……」

 

 ビリッと音を立ててイトナくんの頭からまた触手が暴れ出す……触手の暴走だ。それに気づいた寺坂くんたちは巻き込まれる前に一旦離れようと走り出した、けど。

 ……寺坂くん1人だけが何かに気づいたのか、それとも何かを聞き取ったのか……足を止めてイトナくんに向き直った。

 

「おう、イトナ。俺も考えてたよ……あんなタコ、今日にでも殺してーってな。でもな、テメーにゃ今すぐ奴を殺すなんて無理なんだよ。無理のあるビジョンなんざ捨てちまいな、楽になるぜ」

 

「うるさいっ!!」

 

「……っ、2回目だし弱ってるから捕まえやすいわ……今回は真尾の手助けもねーから吐きそうなくらいクソ痛てーけどな」

 

 イトナくんは触手で力の差を見せつけようとしたんだろう……寺坂くんに向けて、容赦なく触手を振るった、けど、意思を持ってぶつけられた触手は正面から寺坂くんは受け止められた。それにどこか呆然とした様子でイトナくんは固まる。

 

「……吐きそーといや、村松ん家のラーメン思い出したわ」

 

「あン!?」

 

「あいつ、あのタコに経営の勉強奨められてんだ……今はまずくていい、いつか店を継ぐ時になったら、新しい味と経営手腕で繁盛させてやれって。吉田も同じ事言われてた……()()()役に立てばいいって。……なぁ、イトナ」

 

「……?」

 

「一度や二度負けたくらいでグレてんじゃねぇ。()()()勝てりゃあいーじゃねーかよ」

 

 ゴン、と結構痛そうな音を立てて寺坂くんがイトナくんの頭を殴った。

 ……確かに寺坂くんの言う通りだ。暗殺の期限が決まっているとはいえ今すぐに勝つ必要は無い、1回で決めなくちゃいけないわけじゃない……3月までにたった1回……私たちの刃が殺せんせーに届けばいい。

 

 でも、今まで目の前の標的を追うことで自分を保ってきていたイトナくんは、代わりになる方法が浮かばないせいか先を見ることができなくなっている。

 耐えられない、どうすればいい、そう呟くように頭を抱えた彼に対して、寺坂くんは何でもないことのようにサラッと言い切った。

 

「はァ?今日みてーにバカやって過ごすんだよ。そのためにE組(おれら)がいるんだろーが」

 

 ホントに清々しいくらいに、軽く言い切った。だれも、根拠をもって、自信をもって軽く言えないだろうことなのに、なんの迷いもなく本心から。

 

「あのバカさぁ、よっと……あーいう適当な事平気で言う。……でもね、バカの一言はこーいう時力抜いてくれんのよ」

 

 カルマが私をおぶり直しながら呆れたような、安心したような……信頼を向けた声色でそう呟いた。それを聞いたみんなは納得したように頷く。

 病院で彼の手を見た時にも思ったけど……寺坂くんは、そこまで難しいことは考えないで体でぶつかる、とにかくまっすぐな人だ。まっすぐぶつかって、嘘がつけなくて、難しいことを考えずに自分の思いをぶつける……だから、そのぶつけてくる言葉の裏なんて読まなくていいし、自然と受け入れられる。

 

「俺は……焦ってたのか……」

 

「……おう、だと思うぜ」

 

 イトナくんが現状を受け入れることができたのか……強ばっていた体や触手の力が抜けたのが遠目でもわかる。それを見て、寺坂くんも受け止めた触手を離した……ちょっとまだ痛そうにお腹をさすってはいるけど、言葉が届いたからか安心したような笑顔を見せている。

 暗殺の標的が近くにいては、余計に刺激してしまうだろうからって離れたところから見守っていた殺せんせーも、もう平気だろうから、とピンセットを構えてゆったりと近づいていった。

 

「目から執着の色が消えましたね、イトナ君。今なら君を苦しめる触手細胞を取り払えます。1つの大きな力を失う代わり、多くの仲間を君は得ます……君も、殺しに来てくれますね」

 

「…………勝手にしろ。この触手(ちから)も、兄弟設定も……もう、飽きた」

 

 そう言って、彼がふわりと浮かべた笑顔は……今までに見たことがないくらい、穏やかなものだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 殺せんせーの言葉を有言実行とばかりに、カルマの家に連れ帰られてからはホントに何にもさせてもらえなかった……まぁ、実際動けなかったから何もできなかったとは思うけど、ここまでお世話されるとは思わなかった。

 もしかして、沖縄で私が全く覚えてない毒で倒れてた時も、このくらい離れずに診ててくれたのかな……カルマはその時のことはなんにも話してくれてないけど、そんな気がする。

 

「……カルマ、自分の好きなこと、してきていいんだよ。私、ちゃんと寝てるよ……?」

 

「いいの、俺が好きでここにいるんだから」

 

「……ちゃんと、休める?……あ、風邪とかじゃないし、一緒にお布団で寝れば……」

 

「俺の理性試してる?正直今もちょっとヤバいのに……」

 

「……停学中、普通にやったことあるのに……」

 

「あの時とは状況が違うの」

 

 いつもお泊まりすると私が料理を作ったり洗濯、掃除って家の中のことをさせてもらってるけど、カルマも元々親が海外に行ってていないことが多くてほとんど一人暮らしをしてるようなものだから、何でもできるんだよね……

 おかげで何もしなくていいお休み、みたいな休日になったんだけど……ここまで甘やかされると、今度は何にもできなくなりそうで悔しい。少しくらいギャフンと言わせるためにも、おかーさんにご飯を習おうと思う……そこくらいは、負けたくない。

 

 

 

 そして、週が明けて月曜日。

 

 

 

「あ……!」

 

「おー、来たか。もう壁壊して入ってくるのはナシな!」

 

「おは〜!そのバンダナ似合ってるね〜」

 

 触手の暴走の時に破れてしまったバンダナを新しく作り直して身につけ、インナーはタートルネックなのは変わらないけどちゃんと椚ヶ丘中学校の制服を着たイトナくんが登校してきた。

 

「おはようございます、イトナ君。気分はどうですか?」

 

「……最悪だ、力を失ったんだから。でも、弱くなった気はしない。最後は殺すぞ……殺せんせー」

 

 今日からはイトナくんもE組に正式加入……これでE組は29人 全員が揃った。

 ちなみに、イトナくんはあれから寺坂くんたちと一緒にいるのが落ち着くと判断したのか、休日も一緒に行動していたみたい……今も、今日の放課後にお金が無いからラーメンを村松くんの家で食べたいっておねだりしてる。弟のような甘え上手なところがあるし、なんだかんだいってるけど寺坂くんたちのグループには面倒見がいい人ばかり揃ってるから、彼らなりにかわいがってるんだと思う。

 

 空いていた私の左隣の席も埋まり、近くの人たちもそれぞれが彼に声をかけていく。もちろん私も例外じゃなく、寺坂くんたちのところからこちらへ来て、机に荷物を置いて中身を引き出しにしまい始めている彼に声をかける。

 

「おはよ、です……イトナくん!」

 

「あぁ。もう、体調はいいのか?」

 

「あはは……ご心配おかけしました」

 

「俺のせいとはいえ、本トにな。あの時は、お前、のおかげで助かった。……そういえば、お前は名前が2つあるのか?」

 

「……ん?…え、と……?」

 

 はじめてこの教室に来た時からイトナくんの言葉は少ないというか唐突なものが多い……なんというか、ものすごく削りすぎて何について聞いているのかわからない時がある。

 今回も、わかるような分からないような問いかけを唐突にされて私は思わず聞き返していた。私に伝わっていないと察したのか、イトナくんは軽く下を向き顎に手を当てて少し考えると、顔を上げて軽く首をかしげた。

 

「俺がはじめてこの教室に来た時、お前は『真尾有美紗』だった。この教室の奴らも『真尾』か『アミサ』呼びだ。だが、カルマ(こいつ)は『アミーシャ』と呼んでいる……だから、気になった」

 

 順序だてて説明してもらってハッとした……そうだ、私が自分の名前が偽名であること……あと、本名をみんなに伝えたのは沖縄での暗殺旅行の時だ。その時はイトナくんがいなかったし、カルマがみんなの前でアミーシャと呼び始めたのもこの時期だからイトナくんが疑問に思って当然のこと。

 同じクラスになった事だし、彼にも伝えておくべきだよね?ちょっと言いづらそうに『お前』って私を呼ぶのは、呼び方で迷ってるんだと思うし。そう考えて、私はイトナくんに向き直る。

 

「このクラスのみんなが知ってる事だし、イトナくんにもちゃんと自己紹介するね。私は真尾有美紗ってここでは名乗ってるけど、本名はアミーシャ・マオ。これからはお隣同士だし……よろしくね」

 

「そうか……俺は堀部糸成だ。呼び方とかは今まで通りでいい……俺はアミサと呼んでもいいか?」

 

「……うん!」

 

 渚くんとカルマ、殺せんせー以外のこのクラスの男子には『真尾』って呼ばれるからちょっと新鮮……前に女子にはお話したけど、私はアミサって名前も気に入ってるし、E組だけが呼ぶ特別な名前でもあるから……大事にしてもらえるのは嬉しいな。

 

「……ちなみにイトナ、なんで本名で呼ぼうとしなかったの?」

 

「……だって、アミサはカルマの()()だろ?」

 

「ッ!?………………。」

 

 カルマが席に座ったまま問いかけたことに対して、イトナくんはそう言って左手の小指を立て、軽く顔の横で振って見せた……なんだろ、小指だし約束?

 私が首を傾げたのとほぼ同時に、カルマは目を見開いて固まり、私たちのやりとりを見ていたらしいE組のクラスメイトたちが吹き出した。机叩いて笑ってる人もいるけど、あれって何か面白いサインなのかな……?

 

 イトナくんは「違うのか?」って不思議そうに私に聞いてきたけど、私に聞かないで……私、そもそもその小指を立てることの意味がわからない。

 

「でも小指ってことは約束って意味とか?……でも別に『アミーシャって呼んで』とは約束してないし……あ、どっちで呼んでもいいよって言ったから、それが約束……え。私気づいてない間にカルマに強要してた……!?」

 

「俺が呼びたくて呼んでるんだから無理やりじゃないって。ちゃんと理由を説明したでしょ」

 

「……そういえば」

 

「たっく……」

 

「……、……ワザとか?」

 

「え、なにが……?」

 

「イトナ君、アミサのそれ通常運転よ」

 

「隣だから私達以上にその不思議ちゃんに接する機会多いと思うけど、よろしくね」

 

「心配すぎる妹分だから……」

 

「あと隣の過保護な男が教えないのもあるけど」

 

「……なるほど、だいたい分かった……いつも旦那が振り回されてるんだな」

 

「まだ旦那じゃないけどね、返事もらってないし」

 

「あと結構お互いにお互いを振り回してるからそうでもないよ。見てる分には楽しいし……間に入ったり2人のノリが揃ったりすると混沌と化すけど」

 

「手に入れる最中か……何にせよ俺からも説明は控えさせてもらう」

 

「えぇ……、みんな教えてくれないから期待してたのに……」

 

「強いて教えるなら……お前の本名呼びは、カルマの特権だと思ったから、だな」

 

「!……そうだったの?」

 

「そこで俺に振らないでくれる?」

 

「呼び慣れないのもあるけど、一応みんなカルマ君に気を使ってるんだよね……呼ばれてる本人に1番伝わってないけどさ」

 

「アミサちゃん、本トにカルマ君には心を許してるからこそ、あとちょっとカルマ君を男の子として意識してくれたらいいんですけどね……」

 

「……面白いな、お前等2人の関係」

 

「俺等的には言葉足らずな2人が並んでるのが心配だよ……どこか似てるんだよな……」

 

 いつものように意味は教えてもらえなかったけど、クラスメイトたちの反応からイトナくんなりに納得はしたみたいで。なにはともあれ、これで一件落着、なのかな?

 

 

 

 

 





「くそ、ああやって流れで言えば、今頃俺も下の名前で呼べたり真尾から呼んでもらえたのか……?!」

「真尾が下の名前で呼んだり呼ばれたりしてるのは女子全員と、カルマと渚とイトナか……あれ、前原もじゃね?」

「羨ましいだろ〜?」

「何ィ!?裏切り者!」

「てかなんで!?」

「ほら、妹役で……」

「あれか、雨の日の仕返し……あの後カルマと真尾以外烏間先生の雷落されたヤツな」

「ん?だったらあの時限定じゃ……」

「……あれ、アミサちゃんの名前呼びの法則、みんな気付いてなかったの?」

「「「そんなのあるのか!?」」」

「え、うん。全員、そう言ったからでしょ?」

〝は〜い、俺はご存知の通り赤羽業ね、みんな気軽に下の名前で呼んでよ。よろしく〜!〟

〝僕は、出来たら渚って下の名前で呼んでくれると嬉しいな〟

〝下の名前でも言いやすい方でいいぞ。なかなか俺の下の名前呼ぶやついないしな〟

〝堀部イトナだ。名前で呼んであげてください〟

〝……俺は堀部糸成だ。呼び方とかは今まで通りでいい〟

「「「……………あ。」」」

「女子に関してはアミサちゃんから歩み寄った結果だけど、男子に関してはそれだと思うよ」

「じゃあ、今からでも言えば……!」

「あー……言えばしてくれるとは思うけど……」

「へぇ、俺の前で()()アミーシャに下の名前で呼ばせるって?今までさっさと言い出さなかったくせに、()()?」

「前と違うのはカルマ君が自覚済みっていうね……」

「…………俺、今のままでいいわ……」

「……俺も……」





「そういえば、前も思ったがアミサは結構胸があるんだな」

「……!?え、……え!?」

「いや唐突なセクハラ」

「……ガン見してたな、そういや」

「あー、それに対触手ネットから庇うためにイトナを抱えてたね……」

「…………」

「カルマ、落ち着け。あれは不可抗力な上に完全なる真尾の善意から来る行動だ」

「……わかってる、けどさぁ……!」

「確かにアミサは俺の守備範囲だし好みだ。……だが安心しろ、カルマの嫁に手を出す気は無い」

「……嫁て……さっきは濁してたのに……」

「俺にとってアミサは、どちらかというと……暖かく()包み込んでくれる()姉さん、だ」

「色々副声音が聞こえそうな言い方だな、オイ」

「……いきなりアミーシャがそう言われて受け入れるはずが、」

「わぁ、お姉さんかぁ……!みんな、私のこと妹っていうから、お姉ちゃんっていってもらえるのは新鮮だなぁ……!」

「」

「……受け入れてるな」

「……おいカルマ、嫁は嬉しそうにしてるぞ」

「花が飛んで見える……旦那的にはどうなのよ」

「そうか、ならカルマは俺の兄さんか……半端な男には姉さんはやらないぞ、兄さん」

「兄弟設定飽きたって言ってなかったっけ……!?なんでここにきて急にめんどくさい事になってるわけ!?」



++++++++++++++++++++



イトナくん、正式加入の回でした。
この回の主役はイトナくんですが、準主役、もしくはダブルヒーロー枠で寺坂くんの見せ場だと思います。男気というか、仲間思いというか……だから寺坂組のみんながなんだかんだ言いながらも寺坂くんを筆頭にしてついて行くんじゃないでしょうか。作者的にキャラクターをそう解釈しています。

地味に今回のフリートークは楽しく書かせていただきました。この小説ではイトナくんにとってのオリ主のポジションは姉なので、たまに『ねえさん』呼びしてます。
ただし、守ってくれる包容力のある姉というよりは、危なっかしいから守らなくちゃいけない誰よりも暖かい姉と言った方がいいのかもしれません。

そして書いているうちに、カルマがいじられてました。こうなってくるとこの話のカルマはどこか殺Qの赤い悪魔が憑依してる気がしてきます。
※バグはありません。

では、次はラジコン回!
オリ主視点とイトナ視点をそれぞれ書きます。


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