『~っ!』
さっき落ちたときに痛めた足首が凄く痛い。少し動かしただけでもガンガンするし。
『治せないかな…?』
なんかもうこの体なら喋る言葉は女口調でいいや、でも中身は男でお願いします。壁に耳あり障子にメアリーってことで。
俺の能力は『幻と現を司る程度の能力』…司るってことは操るも道義でいいのかねぇ?
『操る』と違い、自分自身を能力そのものにするような感じで、無理なく、それこそ手足の様に使えると言うことなのだろうか…?
『今は治療に専念しよう』
ん…?上手く使えば、不老不死になれるのではないか?
俺の考えは余りにもバカバカしいし、やってしまえば戻れないかも知れない。
『でも…まーいいや』
どこの世界においても死ぬことは終わりには変わらないだろう?
でも、壁があって、巨人がいるのならば。
経験を積んで彼らを手助けするのも。
『ようし、いっちょやってみますか~』
悪くないと思ったんだー
コケッ
『いってぇ!』
*******
ーと言うことでなれたと思います、不老不死。
じゃあ実験といきましょう!!
『ででんでんででん、ででんでんででん』
そこらの砕いた石で皮膚を裂く。
痛みはなかった。
『あれ…?』
血は出てるのに、傷口がない
石には血脂が着いているのにない、ない!?
ならば、もっと大きな傷口ならば分かるのでは。
さっき痛く無かったし、と馬鹿野郎の俺はそのまま妖力を編んで作ったワンピースを捲った。
………なんかひyゲフンゲフン。
ぐっ!ぐぐ…にゅる
『!!!??』
傷口がそのまま塞がったのだ!
石を呑みかけた腹の皮が異物感に悲鳴を上げる。
『(排出…排出する!)』
ほどなくすると石は痛みもなくずるると出ていった。
…………これは痛み慣れする必要があるな。
さっき兵団ぽいのを見たし、やばそうだったら助けにいこうか。
あとさっきの能力、幻想卿の住民たちの能力を使えるようだ。幻想繋がりと考えるのが宜しいかもしれないな。
それでは今は兎のていちゃんの能力を使わせて貰うとしよう。
『人を幸運にする程度の能力、ね…いい力だ』
たたたたたっ!
走る。
走る。
走り続ける。
羊なので疲れない。慣れた山道だから。
血の匂い、所々煙臭かったりする。
『…!』
なんて光景だ。一番分かりやすいのは、地獄という表現。
この戦場を走り抜けるからには羊の姿では不自由するだろう。そもそもあの姿はリラックスモードとお風呂シーンくらいにしか使わないんだ。
布切れを持って、薄紫の左目に巻いていく。
薄青の右目は、ほかの人にない色と言う訳ではないから、布は巻かない。
『準備完了』
それでは。
『ひつぎ、いっきまーす!!』
名前は羊に掛けて『 ひつぎ 』。
うん、いいかもしれない。
ていちゃんの能力を纏って、私は裸足で駆け出した。
羊«じっちゃん»の名に掛けて!!!
「…?」
「どうしたの、メアリー」
「今…名前を呼ばれた気がして…」
「…?なんだろうね?それも美術品かな?」
「さぁ…?」
***
「障子にメアリーッ!メアリイイイッ!!」
ばしん!
『何やってんだおまいはYO』