ウルトラ怪獣擬人化計画 怪獣王   作:超高校級の切望

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超化?怪獣王!?

「えい、タッチ!おとうさんが鬼!」

 

 なるべく開けた公園に逃げれば追いつかれ叩かれる。それだけで池に吹っ飛び大きな水柱が立つ。 

 

「…………あれ?」

 

 バガンはゴジラが出てくるのを物陰で今か今かと待っていたが一向に出てこない。溺れてしまったのだろうか?と不安になり水面の上を浮遊し覗き込む。濁っていて良く見えない。と、その時

 

「……わ!?」

 

 水面から伸びてきた手に触れられる。タッチされた。

 しかも直ぐに手は引っ込み見失った。

 

「…………よーし」

 

 バッ!と両手をあげるとバチバチと3本の角が輝く。やがて3つのエネルギー体が現れる。

 

「えい!」

 

 ドパァァァン!と池の水全てが吹き飛び雨の様に水滴が降ってくる。先程の水柱に驚いた公園の利用者達は既に逃げているのでそこまでの被害はないが……。

 

「あれ、いない?」

 

 池の底を見ると人工池故か、氾濫を防ぐ為の水門が幾つか有った。その扉が金網ごと全て破壊されている。

 

「?……あ、解った!これのどこかだ!」

 

 バガンは早速目を閉じる。そして、自身の中に宿る父と同じ遺伝子を意識し探る。

 

「……これ!」

 

 そして一つの排水溝の中に飛び込む。しばらく進むと赤く燃えピクリとも動かない黒いドラゴンのようなモノを見付けた。気配はこれから出ていた。

 

 

 

「…………行ったか」

 

 泥中から現れるゴジラ。生み出したセルヴァムにバーニングモードを使わせ細胞の反応を強化したのは思い付きだが、上手くいった。

 まあ切り離されたセルヴァム程度では五秒も持たないだろう。直ぐに死体が発見される。直ぐ様別の排水溝に飛び込むゴジラ。

 壁を壊してくる可能性は、まだ低い。何せ向こうは遊びのつもりなのだ、水なら兎も角、壁を壊して突き進むなどと言うつまらない事はしないだろう。あくまで、まだ…………。

 

 

 

 

 

「むむむ!こっちは通った…………なら、右だ!」

 

 案の定下水道の迷路を楽しんでいたバガン。と、不意に上を……地上を見上げる。

 

「……おかあさんだ!」

 

 

 

 

 キングギドラは目が覚めると同時に病室から飛び出した。

 

「して劣兵、竜王、どちらも心当たりはないのだな?」

「劣兵は止めてって。うん、ない……」

「同じく……」

 

 前世が洗脳されまくってたという理由で不名誉な呼び名を付けられた主人格は溜め息を吐きながら質問に肯定で返す。

 自身を母親と呼んだあの少女について心当たりを確かめたが誰もないらしい。

 

「キングギドラ?」

「……む?」

「……何だ、帝王か……面倒くさい」

 

 と、そこにゴジラが現れる。が、今の主人格が帝王だと解ると眉をしかめた。

 

「てかお前、狙われてるかもしれねーのに何怪我完治させずに出てきてんだ」

「ふん。知った事か……あの小娘の寝言が気になってな……」

「ああ、バガンにおかあさんとでも言われたか?まあ、見た目はメカキンの前の状態だったが宇宙人が連れてきてたし、宇宙のギドラだと思うし……」

「……バガン?貴様、あの小娘について何か知っているな!?」

 

 と、ゴジラの胸ぐらを掴むキングギドラ。

 

「ああ、知ってる。てか離せ……疲れてんだ」

 

 バーニングモードは細胞を暴走させる行為。一度使えば本来しばらく使えない。それを直ぐに切り離したとは言え一部をバーニングモードにしたのだからかなり疲れる。

 それこそ、先程のバガンのエネルギー体のダメージを回復しきれないほどに。

 

「あれは俺とお前の遺伝子を引き継いだ怪獣娘だよ」

「は?」

「……ん?」

 

 その言葉に帝王はボッ!と顔を赤くする。ゴジラはそんな反応に首を傾げる。

 

「ま、待て!何故我とお前の子が居るんだ!?心当たりがないぞ!貴様、まさか我を倒した後意識が無いのを良い事に────!」

「するかバカ!」

 

 さらりととんでもない発言をするキングギドラにゴジラが突っ込む。ケダモノでも見る目で何を口走っているんだこの女は。と、ゴジラが呆れた時……

 

「みーつけた♪」

 

 マンホールが吹っ飛びバガンが現れる。

 

「おとうさんとおかあさん、みっけ!」

「ッチ!逃げるぞギドラ!」

「な!?この我に逃げろだと!?」

「代われ!」

 

 ゴジラがスパン!と右側頭部を引っ叩くとキングギドラは両目を見開く。

 

「本当に代わるとは面白い体してんな……あ、待て!俺も連れてけ!」

 

 一人飛ぼうとする劣兵の足を掴むゴジラ。ヨタヨタと飛行する二人を見て楽しんでいるのか一定の距離から付かず離れず追ってくるバガン。

 

「『連れてけ!』ったって、これからどうするの!?」

「取り敢えず修行に使った何故か都内にある荒野に迎え!そこなら被害が少なくて済む……!」

 

 何せ相手はその気になれば町一つ簡単に破壊できる怪獣だ。別に町の住人がどうなろうと知った事ではないがGIRLSに迷惑を掛ける訳にはいかない。ゴジラにとって優先するのは1に子供達で2にGIRLS……後はどうでもいい。

 

「被害って……そもそも勝てるの、あれ?」

「バーニングモードならまあ勝てる。エネルギーが彼奴を追い抜くまで多少時間が掛かるが絶対に……」

「なら……!」

「だが今は使えない……」

 

 下手に使おうとすれば熱暴走を起こして星と共に死ぬ。と、言い合っている間にバガンが飽きたのか向かってきた。

 

「っち!投げろ、ギドラ!」

「えい!」

 

 劣兵が迷いなくゴジラをバガンに向かって投げ付ける。と、ゴジラの体から金色の鱗粉が吹き出す。

 

「があ!」

「きゃん!」

 

 顔面に赤色熱線を食らい仰け反るバガン。が、大したダメージは受けてないのかむう、と唸り角を発光させる。

 

「お返し!」

「ぐあ!?」

 

 ぶっ飛ばされ地面に落下するゴジラ。やはり覇王モードでは足りないらしい。

 

「ゴジラ!」

「ギドラか、逃げろよ……お前じゃ勝てねーよ」

 

 降りてきたギドラに対してゴジラは悪態をはく。

 

「あれ、鬼ごっこ終わり?」

 

 と、バガンが降りてきた。

 

「……あれ、勝てない?」

「……勝つ方法は、まあある……と、思いたい。ぶっちゃけ賭けだ……」

 

 ニコニコ笑うバガンを前に冷や汗を流しながら尋ねるキングギドラ。それにあまり答えたくなさそうに言うゴジラ。

 

「ねえねえ次なにして遊ぶ?ねえねえねえ…………」

「…………やった方が良いんじゃない?」

「私もそれに賛成です。出来る事はすべきかと……」

「我は同意せぬ!我一人で十分だ!」

 

 同意する千年竜王と反対する帝王。

 

「……私は、任せる。勝てる気しないもん……あれ……」

 

 これで二対一。ゴジラはキングギドラを後ろから抱き寄せる。

 

「少し痛いが悪く思うな」

「──っ!ぁ……う」

 

 ザグリとゴジラの鋭い歯がキングギドラの首筋に突き刺さり赤い血がゴジラの口の中に流れる。

 

「おとうさん!おかあさん食べちゃめー!」

 

 その光景を見て首を傾げたバガンだったが父と母の変わった喧嘩とでも思ったのか止めようと飛び込んでくる。が、突如発生した暴風に身体を取られバランスを崩す。

 

「…………っぷ、はぁ……良いねぇ、この感覚。体の中から力が漲る」

 

 砂煙が晴れるとそこには首を抑えるキングギドラと、紫色のコートを着て、逆立った紫の髪に緑色のメッシュが混じったゴジラ。ペロリと唇に付いた血を舐め取る。

 

「ゴジラ……なのか?」

「ああ。お前のおかげで最高にハイな俺だよ………」

 

 と、そこまで言うとバガンが再び向かってきた。

 

「遊ぼー!おとうさん!」

「ま、悪気はないんだろうな。けど、手加減を知らなさすぎる……」

 

 ゴキリと指を鳴らし、きつく拳を握るゴジラ。その手が光を帯びていく。

 

「だから、一発拳骨だ」

 

 ドゴォン!

 と、ゴジラの拳がバガンの頭にぶち当たりバガンの上半身が地面に沈む。周囲が大きく揺れ地面がひび割れていく。

 

「……や、やりすぎなんじゃ」

「加減はしたぞ。ほら、気絶してるだけ」

「きゅう……」

「この子、どんだけチートなの…………」




NGシーン

「少し痛いが悪く思うな」
「──っ!ぁ……う」
「………うま」
「……え?」


「ごちそうさま。待たせたな……げっぷ」カラン
「おかあさーん!」




「ゴジラ……なのか?」
「違うな、俺は(スーパー)ゴジーラだ」



「遊ぼー!おとうさん!」
「さい、しょは……グー……じゃんけん、グー!」



もしもシリーズ

電撃部隊総隊長さんのリクエスト
バカとテストと怪獣王

「ユウラ、どうしてFクラスに……」
「テスト中寝てた」
「もう!折角みんなでAクラスになろうって言ったのに!」
「……言ってたか揚羽?」
「貴蝶、言ってないぞ……」
「………あれ?」


「貴様!見てたぞ、美人姉妹と有名な守姉妹と仲間睦まじく登校した異端者め!」
「…………」



「なんだ、俺が最初じゃないのか………なんだこの死屍累々は」
「知らん」


「なんだミク、お前もFクラスか。まあバカだもんな」
「ユウラ手厳しい!?」


「明久、Dクラスに宣戦布告しに言ってこい」
「いやだよ!ひどい目に合わさらせるじゃん!」
「騙されたと思って行って見ろ」
「……………」



「Dクラスは試召戦争前に此方の戦力を減らそうと暴行行為に出たんで西原に伝えて失格させといた」
「お、おう……そうか………いや、あのな黒慈、これは戦闘経験をつませるために」
「だからどうした。それが俺に何の関係が?」



「うえ!クソまず!なんだこの毒物!クソまずい!」
「な!?黒慈くん、ひどいです!そんなことありませんよ、ほら……う!」
「………死んでる。てかこいつ、貴蝶と違って味見しねーのか。それならまだ庇いようもあったんだが………」
「待て!つまり黒慈、君は守さんの料理を食べたことがあるって言うのか!?それは異端だ!」
「…………あ?」




「根本、だっけ?お前……俺のシャーペンな、娘に貰ったんだよ。それを………殺すぞ」
「ふ、ふん!やれるもんならやって見ろ!」
「腕輪発動、強制フィードバック」
「ぎゃああああ!」



「ゴジラ、容赦ないね」
「なんだアキ、お前Bクラスだったのか。ちょうどいい、根本を社会的に抹殺するから服脱がすの手伝ってくれ。それと落書き、大根(笑)と小指、どっちがいいと思う?」
「どっちでも良い」



「一騎打ち、ねえ……面倒くさ。頑張れ」
「お前もやんだよユウラ」
「断る」



「常夏コンビ、こっちは文化祭素直に楽しんでんだ。次邪魔したら妹にお前等のパソコンの中にある『恋に性別関係ナッシング♪』と『魅惑、俺の肉体美』をネットにさらすぞ」
「「すいませんでした!」」



「教頭先生クビになったそうですね~。同じ教育者として、悲しい事ですね~」
「………岡田先生、教頭先生は教育資格ごと失ったみたいですが」
「うふふ♪」

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