「…………」
寝苦しくなり目を覚ますとバガンが乗ってた。ものすごい力で引き剥がす事が出来ない。
「よう起きたか?」
「……お前は掴まれてないのだな」
と、ゴジラが覗き込んできた。昨日は川の字で寝ていたが既に布団から出ている。
「おかあさんの方が好きなんだろ。と言うのは冗談で、小一時間掛けてお前に抱き付かせた。あのままじゃ飯作れないからな…………」
「…………我は腹が減ったぞ」
「今作ってる。バガンが起きないように見ていてくれ…………」
ゴジラはそう言ってバガンの頭を撫でる。
「…………お前、今は満たされているんだな」
「ん……?」
キングギドラはゴジラの胸に触れながらそう言って、ゴジラは首を傾げる。
「お前、初めて会った時、ここが空っぽだったじゃないか。その穴を埋めようと暴れて暴れて、あの時小娘を助けたのだって、我の方が地球の敵だったのと、我の方が強かった、それだけの理由ではないか……」
「………………」
「あの時のお前は器が満たされぬ事に苛立ち、暴れたかっただけであろう?だが、今お前は満たされているな。大方、子供等のお蔭だろう」
今話している人格は帝王。数多の星を滅ぼし永い時を生きた人格。永い時を眠っていた千年竜王や操られてばかりの劣兵とは違い、全てを見透かす様な瞳に吸い込まれる様な錯覚を覚える。
「まあ我にとってはお前が満たされていようと乾いていようとどちらでも良いがな……」
「…………言ってくれる」
キングギドラの言葉にクククと笑うゴジラ。と、その時バガンがうぅん、と唸る。
「おふぁようおとうさん、おかあさん……」
「おはよう。起こしちまったか?」
「……んー……まだ、寝る」
そう言ってスヤスヤ眠るバガン。ゴジラはそんなバガンの頭を優しく撫でた。
「…………」
『そんな顔もするのか』と、体を共有しているキングギドラ達は思った。
と言うか今思えば自分はゴジラの顔をまともに見た事が無い。前世での関係はあれだったし、顔を合わせても特に話す様な事等無かったし……ここまで近くで顔を見詰めるのは初めてかもしれない。
「……お前、よく見ると綺麗な顔しているな」
「ん?」
人として10と数年。そこまで生きれば人の顔の違いも解るようになるし、良し悪しも解ってくる。その点で言えば怪獣娘達は何故か整った容姿が多いし、ゴジラも男なので方向性は違うがやはり優れた容姿をしている。
「まあ、擬似的とは言え我が夫になる者の容姿が優れている事に不満は無いが……」
「な!?何を勝手に言っているのですか!別に夫でなくとも良いでしょう!」
「まあ、確かに両親ってそんなもんだけどさ……」
帝王の言葉に千年竜王と劣兵が反応しうるさかったのかバガンが唸る。慌てて口を押さえるキングギドラ。突然の事で体の主導権を確立出来なかったのか自分の口を押さえながら逃げようとするという奇妙な行動を取っていた。
「いただきます」
「ますー……」
「おう、感謝しろ」
ゴジラはそう言うと柳葉魚の尾を掴み頭から口の中に入れていく。
「ゴジラ!バガンが真似をしたらどうするのですか!それにいただきますは何も貴方だけではなく食材となった國の恵みに向けてもです。貴方もキチンといただきますと言いなさい」
「…………ッチ」
「バガンの悪影響になる事をしないでください。全く……あ、このお味噌汁……出汁が丁度良い…………ところで、力の扱い方を学ばせるとは具体的にどうする気なんですか?」
千年竜王の言葉にゴジラは一枚のチラシを取り出した。
「デパートの新春大安売りか……何買うの?」
バガンの右手を掴みながら尋ねる劣兵。バガンの左手を繋ぐゴジラはデパートの案内地図を見ながら目的の場所を探し指さす。
「ここだ」
「ぬいぐるみ?」
「わー!」
数多く取り揃えられた多種多様なぬいぐるみを見て目を輝かせるバガン。
「ぬいぐるみなんてどうするの?」
「一日一個買ってやる」
「…………親ばか?」
「ただし同じのは買わない。壊したらそれまでだ」
ゴジラはそう言うと手頃なぬいぐるみを取る。
「良いかバガン。ここには同じぬいぐるみは沢山ある。だが、俺は同じのは買ってやらない。壊したらそれまで。欲しいモノがあって、無くしたくないなら優しく扱う必要が有る。解ったな?」
「…………うん。でもわたし、そのぬいぐるみはぜったいいらない」
「…………そうか」
ゴジラは某マリモがモデルの何処がとは言わないがある部分がもっこりしたマスコットそっくりな目をした熊のぬいぐるみをそっと戻した。
「と、すまん。電話だ」
ライオンのぬいぐるみを購入した後、ゴジラは不意に携帯が震えたので電波の入りが良い屋外に出てから電話に出る。
「もしもし?誰だ……」
『はじめまして親愛なる黒慈ユウラ君。私は〈荒野の狼〉の構成員の一人だ』
「荒野……?ああ、環境保護を訴える割には標的となる企業に下手な破壊工作をして余計環境を壊すバカの集まりか。知ってるぞ。この前ヘドラがお前等の後始末しに初めての海外旅行にいけたって感謝してた」
『…………聞けば黒慈ユウラ君、君は環境破壊の被害者と呼ばれる怪獣の生まれ変わりだそうだね?』
「大方手伝えとか言うんだろ?断る、何が悲しくててめーらみてーな正義に酔った屑を相手にしなきゃならねーんだ。正義に酔うなら俺の口に命引き替えにしても毒突っ込んだ彼奴みたいに、命の一つを賭けられるようになってからにしろ」
そう言ってゴジラはさっさと電話を切ろうとする。
『良いのかな?我々の仲間が、今君の子の元に向かっているが?』
「ん?俺の子だと────ッ!?」
と、その時爆音が聞こえた。振り返るとデパートの壁の一部が吹き飛び手足を骨折した男が地上に向かって落ちていく光景が見えた。
「切るぞ。とりあえず死ね」
ゴジラは通話を切り壁に空いた穴から中に入る。そこには拳を突き出したバガンと咄嗟に止めようとしたのか背後から抱き締めるキングギドラが居た。
「あ、おとうさん!さっきね、わるいやつがいたの!」
「そうか……それは…………無事で良かった……今回の件は表向きには荒野の……何だっけ、ポメラニアン?に被せるとして…………バガン、ちょっと周りを見てみろ」
「…………?」
バガンはその言葉に周囲を見回す。そこには飛んできた瓦礫で怪我をした者や、腰を抜かした者。涙を流す子供達が居た。
「…………あ」
「俺としてはどーでも良いが、お前は違うだろ?この光景に、責任を感じちまうような良い子だ。だから目に焼き付けとけ」
「…………うん。ごめんなさい」
「………………」
「と言う事が有った」
「荒野の雑種犬種共ですか~、まぁだ日本で活動する元気が有ったんですね~。ゴキブリ並のしぶとさにピグモン脱帽ですよ~」
ピグモンが何時にも増して笑顔で、しかし逆らい難いオーラを出していた。
「ゴジゴジ?オルオル、スーちゃん、メカゴジ、キリュキリュをお借りしても?個人情報盗んで脅してくる奴らは、個人情報を流出させてやるのです」
「ああ、俺からも頼んでみる。それとピグモン、バガンが結構落ち込んでてな……カウンセリングとか俺には無理だ。誰か心当たりないか?」
「心当たり…………あ」
と、ピグモンが思い出した様に手を叩く。
「一人居ます。バガンちゃんと同じく、過去人を傷付けてしまった怪獣娘が…………」
もしもシリーズ
レイバーストさんのリクエスト
もしゴジラがインフィニットストラトスの世界に行ったら。
「……迷った………いや、違うか」
見覚えのない街並み、やや時代なファッション。調べても出て来ないGIRLSや怪獣娘に関する情報。どうやら異世界に来たらしい。
普通なら頭を疑うようなことだがゴジラはそもそも住んでた世界にそっくりな異世界に転生してるし力は確かに存在している。
「さてどうするか……」
日本はそれなりに戸籍だのなんだのと細かい。この世界に自分の戸籍があるとは思えないし、どうやって生活しよう。てかどうやって帰ろう……と、悩んでいると不意に辺りが騒がしくなる。
視線をおうとビルの巨大画面に日本に向かって大量のミサイルが向かってくるといニュースが流れていた。
「白騎士についてどう思われます?」
「あん?テレビのインタビューか?」
「はい」
「対応が幾ら何でも迅速すぎる。それとミサイル、日本に接近するタイミングや着弾予想地点があからさまにすぎる。どう考えてもグルだ。自己顕示欲の強いゴミだろ白騎士作ったしののののとか言う奴は」
その後このコメントは女性権利愛護団体に、嫉妬した男の戯れ言という情報操作が流された。
「誘拐たぁついてなかったな坊主。ここは俺の寝床だ、さっさと出てけ」
「あ、あぶない!」
「あん?」
「たくよぉ……ガキ一人に何やってんだか、これだから男は使えねーんだよ」
「な、あ………」
「あ?どうしたガキ……IS見るの初めてじゃねーだろ?だから、これで人を殺せるってのも知ってるだろ?」
「おい、いきなり何すんだクモンガ擬き」
「────は?」
「だいたいそんな指一つで壊れる玩具もって何調子扱いてんだ?」
「あの、貴方検査受けましたか?」
「あ?検査だと……何の?」
「ISのです……」
「ふーん、これがISねぇ……ん、なんか反応してやがる」
「あ、あんたはあの時の!」
「誰だお前?」
「おいセンセー、次俺の頭ぶったたこうとしたら腕ヘしおんぞ……」
「イギリスも島国だろうが」
「私の祖国を侮辱(略)」
「最初に馬鹿にしてきたのは(略)」
「どうでも良いが俺を巻き込むなよ………」
「巻き込むなと言ったのに……」
「それよりユウラ、ハンデはどうする?」
「気安く下の名で呼んでんじゃねーよ」
「あら、早速(略)」
「男が女より強かった(略)」
「お前等それ、本気で言ってんのミサイルでも落とせる玩具で、しかも数はたったの500。お前等が手に出来る可能性は1%以下のそれが存在してるってだけで、何で雌が雄より優れると思ってんの?」
「ぬふふ~。いっくんの邪魔する悪い子には嫌がらせだよ~」
「おかえりなさい。ご飯にする?お風呂にする?それともわ・た・し?」
「風呂。覗くなよ痴女」
「え?あれ、スルー!?お姉さんの女としてのプライドズタズタ何だけど!?」
「ようお疲れ織斑。次は俺か……─くっそ面倒くさぇ………目的がなきゃそもそもこないこんな場所で何でさらに面倒なことをしてんだ俺は………」
「先日までの無礼、謝罪します」
「一人の男の言葉で簡単に揺れ動く信念持ってた奴の謝罪ほど薄っぺらいものはねーだろうし、謝らなくて良い。てか、
「そ、そんな事は……!」
「ま、良いや。来いよ………」
「黒慈、お前のISのシールドエネルギーの残量表示が妙なんだが……」
「ああ、これやたら巧妙に隠されてるけどただ空飛べるだけの機械だし」
「………何?」
「武器は何も備え付けられてねーし腕にまとわりつく籠手は機械なんざ入ってないただの鎧だしシールドバリアーはそもそもない」
「え?で、でも黒慈君オルコットさんを倒してましたよね?」
「空飛ぶ玩具壊すのに空飛ぶ以外の昨日なんて必要か?」
「へー、約束云々ねぇ……何でそれを俺に聞く」
「いや、相談できる男黒慈しかいなくて……」
「約束は知らんがISで壁叩いて脅してくるんだ。殺意あるだろ、とりあえず距離を置いたらどうだ?」
「なんだこいつ、やけに俺を狙ってくんな」
「黒慈!気をつけろ、こいつのビームは強力だ!」
「何?あ、本当だ。手の鎧が砕けた……まあぶっちゃけ素手の方が殴り壊しやすいか」
「ん?お前、何か盾無に似てんな」
「ッ!あの人の話はしないで………」
「なるほど、無能ね………でも実際お前姉より劣ってんじゃん」
「……………」
「不相応なことをし続けりゃ身を壊すぞ。それに、とうとう裸で女の魅力アピールしてくる色々終わった姉を追いかけると人生積むぞ」
「え、はだ……え?」
「無視したらなんか泣いてた」
「………おい、何時からそこの女が俺の姉になった?そいつの弟ならそっちだ」
「む、そうか……」
「まて、詫びもなしか?」
「ふん。何故私が私より弱い奴に詫びねば───」
「ボーデブィッヒは両手足骨折の重体だ。何か言うことは?」
「俺より弱かったんだからさっさと詫びに来い」
「ラウラにキスされた後箒が日本刀で追いかけてくるしシャルルや鈴、セシリアがISで追いかけてくるし千冬姉はため息吐くだけだし、俺嫌われてんのかな?」
「ここまでされてむしろ好かれてると思ってんならお前すげーよ。てか、これが好いてる反応なら彼奴等はあれだ、自分のモノにならない時は殺しにかかるヤンデレって奴だ」
「織斑、てめー俺を盾にしてんじゃねーよ」
「いやだって、何時殺されるかわかったもんじゃねーし」
「はいさー───」
「確保。なあ天才さんよ、異世界の道を開く方法しらね?」
「ギブギブギブ!頭が洋なしになっちゃう!後知る訳ないじゃん!」
「使えねーな」
「ねえねえ端役は何でISが女にしか使えないと思う?」
「あ?んなもんISが織斑千冬にあわせて造られてるから同じ女か血縁の織斑にしか反応しないからだろ」
「そうなんだよねー。なのにお前は動かせる。ちょっと解剖させてよ」
「………………」
「束を知らないか?」
「砂に埋めといた」
「くっそ!あの野郎、か弱い乙女を30メートル近く埋めるとか人の心ないのか!うう、おかげで箒ちゃんのISお披露目会がご破算だよ………」
「私はスコール。貴方が殺したオータムの恋人よ。それとこの子はM。よろしくね
「死ね」
「…………見てのとおり、出店巡りで忙しいんだ。後にしろ……」
「スコールの持ってた電話を兎に調べさせて来たわけだが、お前等ファントムなんちゃらつー痛い連中で良いんだよな?皆殺しにしてやるよ」