ウルトラ怪獣擬人化計画 怪獣王   作:超高校級の切望

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始まりの怪獣娘登場!


原点?怪獣娘!?

 怪獣娘による暴力事件、別に珍しい事ではない。

 怪獣達には闘争本能が少なからず有り、それは怪獣娘になった今でも有るとされ、抑圧されると暴走を引き起こすと言われている。

 それを無くす為に闘争本能の発散、怪獣ファイトが考案された訳だし。

 そんな中わざわざ推薦された相手。大方、今回のバガンと同じく傷付けるつもりは無く、しかし故意に力を振るった事が有る相手なのだろう。

 

「お待たせ」

 

 入ってきたのはライダースーツを着た褐色肌の美少女。ミディアムヘアが空調から出る風に当たりふわりと揺れる。

 

「はじめまして。私は淀川ミオ……怪獣娘としての呼び名はベムラー。黒慈さんは……ゴジラさんは前世の記憶持っててあんまり人間が好きじゃないんだよね?怪獣ネームで呼んでくれて良いよ」

「呼び方なら別に構わねーよ。お前はどっちの名が好きなんだ?」

「…………ミオ」

「よろしくなミオ。で、早速この子なんだが……」

 

 と、ゴジラは隣に座り俯いているバガンを見る。

 元が神としての特性を持つバガンだ。ゴジラとギドラの細胞に塗り潰されたとは言え、無為な暴力は好まないのだろう。

 

「……ふーん。えっと、バガンちゃんだっけ?」

「うん……」

「すもも食べる?」

 

 ミオが差し出してきたすもも漬けを受け取るバガン。キングギドラとゴジラにも渡し、自分の分が無い事に気付き「あ……」と切なそうな声を上げる。

 

「…………食うか?」

「……良いの?」

 

 ぱぁ、と顔を綻ばせるベムラー。何か可愛い生き物だな、見えない尻尾が動いている様に見える。

 

「コホン……それで、バガンちゃんはその時の事を覚えてる?」

「うん…………ナイフもったひとたちが、おそってきて……えい、って……」

「お母さんを守りたかったの?」

「うん。でも……──」

「やりすぎちゃったんだ……」

 

 ベムラーの言葉にバガンは無言で頷く

 

「私もね、昔……人を傷つけた事が有るの。お父さんを馬鹿にされて、カッとなって変身して」

「………………」

「でも、傷付けたけど、やりすぎたけどあの思いだけは間違ってないつもりだよ。バガンちゃんも、お母さんを守るなって言われても怒るでしょ?」

「うん…………でも……」

「そうだね。やりすぎた……そこは反省しなくちゃいけない。でも、後悔しちゃ駄目だよ。それは貴女のお母さんの想いを嘘にしちゃう」

「…………」

「だから、悲しまない。まずは反省、それから……力を使いこなせるように頑張ろう?」

「…………うん」

 

 

 

「ありがとな、俺はああ言うのに向かんから……」

 

 キングギドラと手を繋ぎ部屋から出て行ったバガンの背中を見詰めながらベムラーに礼を言う。

 

「別に、私もああ言う感情、覚えてるから……落ち込んでる時、叔父さんが言ってくれたんだ」

「へえ……そんな人間も居るのか……」

「…………人間、か…………ゴジラさんは私について聞いた?」

「ゴジラで良い。新興宗教の事か? お前が現人神だった」

「うん」

 

 ベムラーはゴジラの言葉に頷く。

 

「ある人は、お父さんは純粋過ぎただけって言ってた。私を、本当に地球の意志と思ったんだって……私に本当に人を救う力が有ると信じてたって……」

「俺は人間がそんなお綺麗だとは思えねーがな。人を救いたいなら、自分の生活も守りたいなら必要最低限の金を取れば良いし、そもそも娘の意志を無視してる。結果的に怪獣娘達に対する風当たりがマシになってるだけで、普通に欲深な人間だと思うな……」

「…………そっか」

 

 その言葉に、ベムラーはしかし暴れなかった。過去父を侮辱された事で人を怪我させたのに。

 

「…………その人は、さ……全面的に味方してくれる人なの。でも、何年も経つとさ……ゴジラの指摘したことにも気付いてくる。あの人は、どうしたって味方になっちゃうから……そう言う視点で、きちんと言って欲しくてさ」

「………………」

「別にそれだけでお父さんを嫌いにならないけど、きちんとどう思われてるか知っときたかったんだ」

「まあ、他人の言葉で一々揺れるようならそりゃ最初っから好きじゃなかったって事だろうからな……けど、そう思えるんなら良い父親ではあったんだろうな……」

「…………ひょっとしてフォローしてくれてる?」

「何で俺が人間相手にフォローしなくちゃならねーんだ」 

「怪獣娘である私が傷付いてるから……とか?」

「…………帰る」

 

 

 

 

 外に出るとニュースで〈荒野の狼〉の非合法な行いから幹部達による規律を無視した自然食以外の食事や死にたくない故の臓器移植だのの情報がネットに晒されたと大騒ぎになってた。

 

「…………容赦ねーなピグモン」

 

 ゴジラは肩を竦めながら笑う。これではもう荒野の狼はどの国でもまともに活動出来ないだろう。

 

「おとうさん」

「バガン、ギドラ……待っててくれたのか?」

「うむ。バガンがお前を待とうと言ったからな」

「おかあさんがまとうっていってたから」

「………………」

「……帰るか」

 

 ゴジラがバガンの手を掴むとキングギドラも反対の手を掴む。




もしもシリーズ

もしもゴジラがサーヴァントだったら


スーパーゴジラ
クラス:アルターエゴ

筋力EX 耐久EX 俊敏B 魔力EX 幸運A 宝具EX

戦闘続行(EX) 勇猛(A+) 神性(A) 自動回復(EX) 魔力生成(EX) 怪力(EX) 魔力貯蔵(A) 神殺し(A)

宝具
「宇宙の王を喰らいし破壊の王」(ヘアツォーク・オブ・アーマー)
ランクEX
対神宝具
常時無敵状態付与

「破壊」(ブレイカー)
ランクEX

召喚ボイス
「サーヴァント、アルターエゴ。人類史が消えるとバガンにやったぬいぐるみも消えることになるから召喚に応じてやった」



GMKゴジラ

クラス:バーサーカー


筋力EX 耐久EX 俊敏A 魔力EX 幸運C 宝具EX

戦闘続行(A) 勇猛(A+) 神性(A) 自動回復(EX) 魔力生成(EX) 怪力(EX) 魔力吸収(A) 神殺し(A)

宝具
「怨霊の群」(シュヴィリアゼーション・デナイアル)
ランクEX
対文明宝具
神殺し、神性のない攻撃の完全向こう

「文明の罪」(ディヴェロプメント・シン)
ランクA
対国宝具
広範囲を焼き払いかつ呪い(B)(放射能汚染のスキル化)を高確率で行う。


召喚ボイス
「サーヴァントバーサーカー。ゴジラ・オルタ、召喚に応じ馳せ参じた。人類史の焼却、我等の残した功績の否定。それは誰であろうと許すつもりはない。そしてマスター、我等の力を借りると言うなら戦いが終わろうと我等のことを決して忘れるな」

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