「………………」
グラキはジッと目の前の体重計を見詰める。装甲の様な服を脱ぎ捨て素っ裸だ。
ゴクリと唾を飲み、ゆっくり体重計に乗る。
「魚は先に臭みを取る必要が有るからな、まずは切れ目を入れてお湯を掛けて、鍋に酒を────」
「ぬああああ!!」
「「──!?」」
パンドンに料理を教えていると突如聞こえてきた叫び声。驚いたパンドンが熱湯を持つ鍋を振り上げてしまいゴジラに掛かる。
まあそこはマントルを泳いで富士山から出てくる怪獣王。特に気にせず叫び声の聞こえた場所に向かう。
「どうしたグラキ!?何が有った……!?」
「ゴキブリ!?ゴキブリでも出たの!?」
と、パンドンとゴジラが揃って
先に書いたと思うがグラキは服を脱いでいて、ここは脱衣所だ。
「あ、ご……ごめんグラキちゃん……」
「ゴキブリ……じゃ、ねえか……なあグラキ、さっきの悲鳴何だったんだ?」
ゴジラはゴキブリの気配が無い事を察すると首を傾げながらグラキに尋ねる。しつこいようだが裸のグラキに……。
「出てけ!」
「お……お父さん、流石にその反応はどうかと……」
顔を赤くして叫ぶグラキと照れが入りながらも最近お父さんと呼べるようになったパンドンから追い出されるゴジラ。不思議そうに首を傾げている。
「そりゃアレだお前。子供とは言え女の裸を見たからだろ」
と、呆れた様子のかマガオロチの言葉にゴジラはようやくああ、と納得する。
「つってもなぁ、俺は前世そもそも性別気にもした事ねーんだよ」
「そうなのか?あ、性別が無いとかか?ほら、あの……単独で増える、みたいな」
「そりゃジラ辺りの特徴だな……俺はほら、雌雄同体なんて特性持たない恐竜から怪獣化したから、番が居ないんじゃそもそも性別なんて意味がねーだろ?だから気にした事ねーの」
「あー……そういやお前って元恐竜だっけ?」
ただ一頭、その島に住み孤独の中暮らしていた。それだけなら、ひょっとしたら世界の何処かに番となる雌が居たかもしれない。
だがゴジラは恐竜ですらなくなった。体も何倍も大きくなり、姿も変わった。怪獣になって得た感覚で見付けた仲間はミニラとリトルを除いて自分の細胞を取り込み変異した怪獣だけ。
それ以外の気配など引っ掛かりもしなかった。番は何処にも存在しなかった。故に、男女のアレソレなど気にした事も無い。
「オマケにそのせいで人間嫌いだったんだ。女の裸に一々興奮する感性なんざ持ち合わせてねーよ」
「……つまり夜寝込みを襲っても失敗する可能性が高いわけか」
「あ、襲う?何を」
「いや、何でもねーよ」
ゴジラの言葉にパタパタ手を振り誤魔化すマガオロチ。ゴジラも特に気にせず八つ裂きせんべいを食う。
「……あ、あの……ゴジラさん」
「お、グラキ……さっきは裸見て悪かったな」
「うっ!いや……それは、鍵掛けてなかったボクも悪いしゴジラさんは心配してくれただけだし…………ごめんなさい。その……見てないよね?」
「何がだ?ああ、ひょっとして体重か?」
「………………」
どんより落ち込むグラキ。『女子って何気に体重気にするなぁ』と思うゴジラ。ぶっちゃけ何故体重を気にするのかさっぱり解らない。体重が軽ければ吹き飛ばされる確率や投げられる確率、捕まったまま空を飛ばれる可能性が減ると言うのに。
「グラキはウチの中じゃ一番重いからなぁ……!」
「うっさーい!」
と、ゲラゲラ笑うマガオロチ。
グラキがキレた。余りからかいすぎると反抗期に入られるんじゃないだろうか?
「まあ落ち着けグラキ。ほら、新しいの三人も居るわけだしもう一番じゃないって……」
と、言いたい所だが実際幾つもの前世を持つゴジラの最大重量は9万トンだったりする。が、正直に真実を伝えては傷付ける事になるだろう。ゴジラははぁ、と頭を掻いた。
「取り敢えずグラキ、俺から計ってみて良いか?」
「え?うん……ま、どーせボクのが重いんだろうけど」
と、諦めムードなグラキ。ゴジラは体重計を前に、すぅ、と息を大きく吸った。
「ふん!」
ズン!という音ともに地面が揺れ体重計が粉々に砕け散った。
「………………」
「どーやら重すぎて計れなかったみたいだな」
「……ゴジラさん、誤魔化すの下手」
「すまん。俺もぶっちゃけ有り得ねーと思った」
グラキの言葉に頭を掻くゴジラ。が、グラキはクスリと笑った。
「でも、元気出たよ。ありがとう」
「おう。パンドンやジャッパーからもそう扱われてるし、居候中は父親みたいなもんだと思って悩み事が有ったら相談してくれ」
「……父親…………うん。ありがと、パパ……」
もしもシリーズ
もしゴジラがゼロ使い魔で虚無の使い魔のどれれかになったら
胸もゼロな魔法使いの場合
「勝手に家族と切り離して、帰る方法も見つけてねーのに飯が欲しけりゃ、暮らしたきゃ言うことに従えだと?燃やし尽くすぞクソガキ」→トリステイン全焼
胸がやばいエルフの場合
「レコンキスタだが王党派だが知らねーが、世話になってる奴やガキどもが森の中で静かに暮らしてんだよ。ドタバタ暴れやがって、破壊し尽くすぞ」→アルビオン崩壊
青い髭の場合
「そうか、じゃあ好きにさせてもらう。元の世界に帰る為の魔法を見つけられたら必ず連絡しろ。じゃあな」→ガリア健在
元の世界に主人公が帰ろうとしたら殺すよう部下に指示していた教皇の場合
「ふざけんなてめー。もう一度言って見ろ……先に済んでたエルフ共を、てめーの都合で殺し尽くしてでも聖地を奪還するだろ?殺すぞ」→ロマリア全滅
教えてエレキング
教エレ
エレキング「早速お便りが来たわ。三件よ」
スペゴジ「最初はそんなもんか」
エレキング「まずはゾロアークさんの『この作品に轟天号は出しますか?』」
スペゴジ「本編には出ない。けどアニキの番外編での仕事先の雑貨屋にプラモが売ってる。ついでに地下に本物があるという設定だ」
エレキング「雑貨屋よね、そこ………」
スペゴジ「設定的には」
エレキング「………次の質問はアークスさんの『ゲーム版に出てきた「超ゴジラ」が出る可能性はありますでしょうか?』……よ」
スペゴジ「超ゴジラってなんだ?アニキの髪が金髪になんのか?」
エレキング「キングギドラの細胞を取り込んだゴジラに超多量のエネルギーを接種させると至れるという設定の形態ね。貴方の原案でもあるわ………質問の応えとしては『審議中』。作者の中でゴジラの最強の形態はバーニングゴジラなのよ」
スペゴジ「でも迷ってんのか……何で?」
エレキング「キングギドラとゴジラの子に当たりそうな両者の遺伝子を持つ怪獣がこのゲームのラスボスだからよ。つまり娘がまた増える」
スペゴジ「……流石怪獣王」
エレキング「最後にはじめから存在していなかった。さんの『結局のところ男の怪獣娘っていうのは細かい設定がでる予定はあるのでしょうか?それともご都合主義的なあれなんですか?』よ」
スペゴジ「ぶっちゃけご都合主義的な奴」
エレキング「今回はこれで終わりよ。お便り、ありがとう」
スペゴジ「質問は何時でも受け付ける。なんならネタでも良いぜ!」
エレキング「パンツの色を聞いてもソレはセクハラなあげく作者の妄想になるけどね」
スペゴジ「誰がセクハラネタつったよ!」