ウルトラ怪獣擬人化計画 怪獣王   作:超高校級の切望

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番外編『楽しいMとG一家16』

 結局見つけられなかった。

 赤黒い彼奴というのはいったいどんな奴なのだろうか?

 

「すまんマガオロチ、方々探してみたんだがそれっぽいのしか見つからんかった」

「い、いや気にしないでくれ。何というか、運命で決まってるようなもんだし……アタシだって最初は相手を痛めつけてた訳だし」

「そんなもん知るか。俺はお前等が気に入っている。赤黒い其奴に関しては何も知らん。贔屓するのはそれで十分だ」

「贔屓とかするんだな」

「俺は平等な神なんかじゃねーし」

 

 土地神の名は与えれているが、破壊神などと呼ばれていようと、結局は一生物に過ぎないゴジラ。

 当然身内には甘くなるし他人には興味も寄せない。身内を傷つける者は等しく敵だ。

 

「いっそその日ついてくか?」

「あ、いや……多分ゴジラじゃついてこれない」

「何……クソが、ついてけたらぶち殺してやるのに」

 

 忌々しげに頭をかくゴジラ。心配されてると思うと少し胸が熱くなる。

 

「ちなみに私もやられました」

「妾もやられたぞ!出番すらなく」

「私もやられました」

「ボクも……」

「ジャッパも」

「わ、私も……」

「私も……」

「そうか、やっぱり殺しにいこう。どうにか会う方法ないか?」

 

 と、立ち上がるゴジラ。ゼッパンドンが今度は先程の失敗から学んだのか死角にテレポートし不意打ちを打とうとするが尻尾で壁に叩きつけられた。

 

「よしまた倒したぞ。で、会いに行く方法知ってる奴いる?」

「知らん」

「そうか……怪獣だったら気配を探れるのになぁ……」

 

 落ち込むゴジラ、ジャッパやリトルが背中を優しく叩く。

 まあ聞けば猶予は後一週間ほどあるらしいし、それまでに何とかするしかないだろう。

 

 

 

 

「お父様も他人を守ろうとするんですねぇ?意外ですよ、てっきり同族にしか興味ないかと」

「俺は身内には優しいんだよ。アンギラス虐めた偽物、メカゴジラもぶっ壊しにいったし……」

「?与えられた情報通りならお父様って恐竜に戻されたところをアンギラスにやられたのでは?」

「別の世界線の話だ。しかしあそこは妙な世界だった……メカゴジラはいるし、アンギラスだっていたはずなのに俺は動揺もせず敵と認識してたし、ビオランテが何故か栄養補給し続けてるし、キングギドラがわざわざ高所から地面に叩きつけてくれるとか説明してくれるしラドンについて忘れてたし……うん、へんな世界だった」

「そりゃ子供向け───おっと、何でもありませんよ?」

「………」

 

 

 

 マガオロチははぁ、とため息をはいた。いよいよ来週だ。ビルを叩きつけられビルに叩きつけられ髪を切られ首を絞められ殴られる。

 思い出しただけで胃がきりきりしてきた。

 折角伸びてきた髪もまた斬られるのか………。

 

「………はぁ」

「そんなに行きたくないなら行かなきゃ良いだろ」

「そうは言ってもなぁ………ん?」

「よ……」

「どう──うぷ!?」

 

 何時の間にか来ていたゴジラに思わず叫びそうになるマガオロチだったがゴジラに口を押さえられる。

 

「しー……子供達が起きちまうだろ」

「わ、悪い……で、何だよゴジラ………」

「いや……お前にしてやれることが、恥ずかしい事に何もなさそうなんでな……俺に出来ることがあるなら言ってくれ。俺に出来ることなら何でもする」

「ん?今何でもって……」

「?ああ、何でもだが……」

「………い、いや……すまん。えっと………ん」

「ん?」

 

 一瞬だけ呆けたマガオロチは慌てて涎を拭くと櫛を渡してきた。

 

「髪……梳いてくれ。私の髪、好きなんだろ?」

「まあそのぐらいなら………」

 

 

「よし終わったぞ……───寝てるし」

 

 マガオロチの髪を梳いてやっていると何時の間にか寝ていた。変な態勢で寝ていては体を痛めるだろう。布団まで運んでやる。

 

「………っ………」

「……?」

 

 と、不意にマガオロチが身動ぎをして唸った。

 

「……痛い……やめろ…怖い、助けて………」

「………」

「やめろ、それは……髪は、誉めてもらったのに…………」

「……………」

 

 ゴジラはマガオロチの頭に手を当てる。荒い寝息だったマガオロチは安心したように規則正しい寝息をたてる。手を離す、また唸る。

 

「………はぁ」

 

 掛け布団を捲り中に入り、マガオロチの体を抱き締める。

 

「大丈夫、大丈夫だ………夢の中でくらい、守ってみせる」

「………………」

 

 漸く完全に寝付いた。ゴジラはふぁ、と欠伸をすると自分も目を閉じた。

 

 

 

 

「「「「あー!?」」」」

「……ん?」

 

 娘達の声に目を覚ますマガオロチ。目を開けると口をパクパク開ける娘達の姿が見えた。

 

「さ、先越された……」

「子持ち相手に、とんだゲス野郎ですねwwww」

「い、良いなぁ……お母さん」

「パンドン姉は前に抱きしめてもらってたじゃん」

「…………?」

 

 抱きしめる?と首を傾げたマガオロチはガクンと何かに引っかかる。見ればゴジラの腕が引っかかっていた。

 

「ふぁ!?」

「ん?おお、朝か………」

「ご、ご、ご……ゴジラ!?何で同じ布団に」

「昨日抱いて寝たからな」

「だ──!?」

 

 この後滅茶苦茶勘違いされた。




もしもシリーズ
大日小進さんのリクエスト
もしもゴジラがドリフターズで漂流者側だったら


「なあ信長よ……前々から気になっちょいたが、ありゃあ誰よ?」

 妖怪首おいてけ……もとい豊久は木によりかかり眠る黒髪の男を指さす。

「知らん……格好は南蛮よりだが顔つきからして日の本の(もん)だとは思うが、なにぶん口を利かないのでな」
「喋れんのか?」
「いえ、前に一度、鳥や獣に話しかけているのをみましたよ。動物には心を開いているようで」

 豊久の言葉に応えたのは眼帯の男、信長と美少年の与一。彼等は元々この世界の住人ではない。日本という国に生まれ、暮らし、死を目前に奇妙な空間に迷い込みこの世界にやってきた存在。

「しかしあれはまさか、アヤカシじゃなかろうな?」

 三人は人間の姿をしているのに対し、彼は異形の尾を持っていた。外套から生えた背鰭も、やけに生物っぽさを宿している。
 とはいえ話しかけても無視されるし、時折やることと言えば遠くを睨んで石を投げ地面に窪を作るぐらいだ。毎回爆音に紛れて女性の悲鳴が聞こえる。

「…………ん?」
「お、喋った」

 不意に少年は声を上げると立ち上がる。

「「───!」」

 そして豊久と信長も同様に立ち上がった。与一は一人ニヤリと笑う。

「どうやら戦の()()()………彼も反応する辺り、やはり武士のご様子」
「阿呆。祖奴の目を見ろ………それは、()()()()()()()()()()()()()()()()()

 ドン!と地面が爆ぜる。少年はもの凄い速さで森の木々をへし折りながら「えるふ」の里へと向かっていく。

「俺らも続くぞ!」

 騎士に襲われていた兄弟。もう駄目かと思った瞬間、黒い風が通り抜け騎士の身体がバラバラに弾け飛ぶ。




 エルフの管理所にて、騎士達を指揮していた男は最初何が起きたか解らなかった。突然部下が死んだ。現れた何者かによって。

「何者だ!?漂流物(ドリフ)か!?」
「…………」

 現れた彼はその言葉をまるっきり無視して村の様子を見る。

「………ああ、ムカつくなお前等」
「!ほう……言葉を発せたか」
「これでも頭の出来が良いんでな。つか、やっぱりムカつく目をしている」
「………何?」
「あの三人……特に片目の奴、それと似た目だ。他者から奪おうとする者の目だ、支配者気取りの目だ。そしてお前の目はあの片目より濁っている。意味もなく、力を示したい者の目だ。楽しいか?抵抗できたい者を殺すのは。楽しいだろうな、そういう奴だ」
「………やれ」

 指揮官の命令に戸惑っていた兵達は一斉に動く。その辺りはよく訓練された兵だ。迎撃しようとした男はふとあるものに気づき顔を上げ、剣が振り下ろされる。

「ふん。あっけない………」

 と、安堵した時部下から作物が燃やされているのを気付かされる。彼が目を奪われたのはそれだろう。

「……なんだ、やっぱりああいう手を使うのかあの片目」
「───!?」

 その声に慌てて先程の男が目つきを鋭くして畑を睨んでいた。

「な、何をしている!はやく殺せ!」
「そ、それが……此奴、刃が通らない!」
「………邪魔だ」

 虫でも払うような動作で重き鎧を着込んだ男達の体が吹き飛ぶ。

「……やっぱ、殺しとくか彼奴?」

 男は目の前の敵など見えていないかのように、既に先のことを考えていた。



「なんじゃ、そんなに睨んで。まさか俺を殺そうとか考えてないよな?」
「そう考えていたが気が変わった。どのみち此奴等を生かすにはお前のような知恵が必要だからな。生憎俺は壊すことしか得意じゃない」


「あんた結局何もんじゃあ?人か?やはりアヤカシか?」
「………今は人として生まれた。人として過ごした時季もあった。その程度だ……この世界は、良いな。核がない」
「かくぅ?何じゃそりゃ」
「俺をこうした現況で、この世で人間が手を出してはいけないものだ。この世界にもしそれが来たら、例え味方でも殺す」


「あ、あの……ゴジラさん」
「なんだ、えっと……メガネ」
「め、めが……いや、その………信長さんが言うにはゴジラさんは何かを酷く憎んでいるんですよね?どうして、味方してくれるのかなぁ……って………」
「確かに憎い。この世全てを消してやろうかと思ったこともある………けど、もうあるだけだ。子も出来ればどうでも良くなる」
「お子さんいたんですね………」
「それに単純に、向こうが気に入らない。憎悪に支配された者としての同族嫌悪とかじゃなく、その憎悪を利用されてる同族見てると哀れになる」
「………利用?」
「ここにくる途中みた眼鏡の男……信長達もあったそうだけど、俺の時は二人いた。あの女……そうあの女だ。彼奴は気に入らない。俺を利用しようとした、俺の中の家族の、仲間への想いを利用しようとした。必ず殺す。必ずだ………」



「ねえねえゴジラさん、豊久さんに頭目の座を渡して良かったんですか?」
「俺が人の上に立てると思うか?つーか、俺が人の支配者なんて考えただけで吐き気がするね」



「面倒だな……たかが200、軽く吹けば消しされる」
「絶対やめろよ。死体はこの後使うんだから」
「使う、ねぇ……」
「何だ?何か思うところでもあるのか?」
「昔………お前等にも解るように言うと同族の死体に甲冑着せて作った絡繰り人形と戦ったことがあるんだよ。まあ、俺らは骨にされようとその骨が数年は生きてるし、死んだら終わりの人間共の死体ならまあ良いか」
「は?骨が生きてる?」
「ああ、最後は材料にされた死体が絡繰り乗っ取って俺を逃がした」



「エルフ共に戦をさせる。ねぇ……確かに此奴等が戦うことには賛成だが役に立つのか?」
「お前みたいに兜ごと頭をつぶすような役立ち方はいらんよ。戦いは一に策、二に数で三に練度よ……お前とて数に攻められれば危うかろう?」
「…………………ああ」



「雄の臭いが酷いな……しかし、豊久やエルフ共より先にきて良かった。こういう光景は、あまり見るべきじゃないな………ん、おいどうした?続けろよ。死ぬ前に楽しみたいだろ?まあ入れる前に殺すが」


(おい)を嘗めとるのかごじら……子供扱いすな!」
「そいつは悪かったな。取り敢えず、俺を殴った拳、折れてないか?」
「……お前の体何でできとんじゃ」



「温い温い。その程度の炎で俺を焼く気か?まだ弱かった頃の俺達を殺した光は、これより遙かに熱かったぞ?」
「ちぃぃ!」
「ぬん!」
「ん?へぇ……人間にしちゃちょっと強いな。ミクラス並か?けど人間に()()()だし、やっぱ弱いな」



「おおすっげ!見ろよ灰すら残らず山が消えたぞ!」
「あ、あの人のあの力………本当に漂流者(ドリフ)なんですか……?」



「なあごじらよ、その珍妙な生き物はなんじゃ」
「セルヴァム……向こうはどうもドラゴン使うみたい何でな、対空装備は必要だろう。つか、この戦い方……()()()()()
「……?」
「高所からの偵察……俺の時代の敵が良くしてた事だ。まあさすがにメーサー砲とかはないか。あったらおかしいけど」
「めいさあ?何じゃそれは…」
「三個揃うとかなり痛い兵器だ。この世界の国なら一つあれば半日で落とせる。俺なら一刻だけどな」


「なあゴジラ、お前雷管の作り方知らねー?此奴等より未来からきてんだろ?」
「火薬何ざ俺の時代一般人が使うか」
「はあ?お前が一般人なわけなかろうが!どっかの軍人だろお前!」
「組織にゃ所属してたさ。俺みたいな力の持ち主が集まったな……でもそいつ等は人を殺したことなんざない、戦争じゃ役立たずだ。いや、役には立つだろうな、殺しさえ覚えれば」
「お前みたいのがまだいんのかよ……でも殺せないって、まあ俺にやらせりゃ一日で……」
「そうなったらお前を殺すぞ」



「爆薬かー……この頃のは平和でいいね」
「あん?お前の時代の爆弾はどうだっだよ」
「お前の時代の国なんてそれ一つで簡単に消し飛ぶよ。ついでに言えば、その地には何年も生物が住めない特殊な毒が蔓延する。俺にとっちゃ餌だがな。それよりドーワフ共助けて銃を作るって話だが、役に立つのかそれ?」
「お前にゃ役に立たなそうだ」



「ゴジラ?知らないわねぇ………何時の時代?」
「少なくともお前よりは未来だろうな。まあ安心しろよ、気が向けばあの心底ムカつくくそ女の廃棄物なんざ消してやるから」



「街は燃やされてるのにここだけやけに寒いな。お前の力か女?」
「ええ、あなた……炎が効かないのでしょう?氷はどうかしら?それと、ジャンヌを虐めたのは貴方?」
「?誰だそれ……」
「…………」



「こりゃ見事に凍りづけだな。死んだか?解凍して埋めてやろう」
「………その必要はねーよ」
「うお!?生きとんのか!」
「昔っから寒いのは好きじゃねーんだよ……本来の大きさならあんな微風意味ねーのにな」
「なんだやけに苛立ってるなぁ」
「当たり前だ、俺は人間共に何度も凍らされてきたんだよ。寒いのはそこそこ苦手、氷付けはマジ苦手……まあ良い、次やる時は同じように範囲攻撃でやる。その時は近づくなよ?放射能と、余波熱で死んでも知らねーから」
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