ウルトラ怪獣擬人化計画 怪獣王   作:超高校級の切望

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番外編『楽しいMとG一家17』

「ゴジラ君、そろそろ上がって良いよ」

「うす……」

 

 雑貨店の中にあったウルトラカプセルを整理していると芦沢店長が声をかけてきた。どうやら朝からどこか上の空だったゴジラに帰宅を促す。

 

 

 

「帰ったぞー」

「あ、お帰りなさい」

 

 と、ゴジラが帰宅すると出迎えたのはキングゴジラだけ。他の気配は、一つの部屋に集まっている。

 

「………」

「お、ようお帰り………」

「………手酷くやられたな」

 

 その気配がする部屋、マガオロチの部屋に向かえば包帯を巻いたマガオロチが布団にくるまっておりその周りに魔王獣やシン・ゴジラ、リトル達が居た。

 ジャッパーやリトルに至っては涙目だ。

 

「いやー、例の赤黒い彼奴にやられちまってさー………いや、アタシも奮闘したんだけど勝てなかったわ。はっはっは……は、はは…………」

 

 陽気に笑いながらもやがてポロポロ涙を流すマガオロチ。

 

「ア、アタシ頑張ったんだ………なのに……彼奴、また……髪切ってくるし……」

「…………」

 

 よく見ると長い髪の一部が途中乱雑な切り方をされていた。

 

「最初はアタシが勝ってたのに……ビルに叩きつけられるし、ビルを投げつけられるし、髪引っ張られて切られるし………」

「ママ頑張ったよー、強かったよー」

「オーブに一度勝ってるんだからママは凄いよ」

「ひっく………あんなのありかよ…………」

 

 

 

「ん?忘れ物かいゴジラ君……」

 

 芦沢店長は戻ってきたゴジラに不思議そうな顔をする。基本的に忘れ物などしないゴジラが仕事後戻ってきたのは初だからだ。

 

「探したい奴が居る。何か良い道具はないか?」

「………ふむ。ではこの尋ね人ス○ッキを貸そう」

 

 

 

「………これ、どう見てもアレだよな?ま、いっか………マガオロチの髪を持ってた奴」

 

 カタン、とステッキが倒れ、指した方向を見ると赤い髪を持った黒スーツの男が居た。取り敢えずボコった。

 

 

 

 

「くそ、人違いだったか。まさか拾った髪に頬ずりする変態が居たとは…………ええっと、赤黒い彼奴………ん?なんか反応が妙だな」

 

 ステッキはゆらゆら迷うように揺れ、漸く倒れる。何時か見た赤黒いおっさんが居た。

 

「なあアンタ………マガオロチに関して何か知ってるか?」

「!?い、いや……知らん!仮に知ってたとしてもダークグレーだ!セーフだ」

「……………………」

 

 

 

 

「彼奴も違ったか、となるともう一つの反応か………」

 

 赤黒い奴を捜すが見つからず、代わりにラムネを少年と飲んでる男が居た。前回あったハーモニカの男だ。

 

「ん?お前は………また赤黒い奴を探してるのか?」

「ああ、見つからないがな………ん?」

 

 と、ステッキがなにやら震えている。地面に放れば男をピタリと指した。

 

「?何だ、このステッキ………」

「…………………」

 

 

 

 

 

「戻ったぞ」

「あ、お帰りなさいお父さん。大丈夫だった?なんか、この近くで地面が熱で解ける謎の事故が三件くらい起きたらしいけど………」

「ああ、平気だ………それよりマガオロチ」

「今は落ち着いて眠ってる…」

「………そうか」




もしもシリーズ

九尾さんのリクエスト
もしもゴジラ怪獣たちの前世の記憶の持ち方が逆だったら。

設定:ゴジラは最初からあって、他が生まれつきでは持ってない(漠然と思い出したり感情を引き継いだりはしてる)



 四歳の時ふと前世の記憶を思い出した。そして、今まで自分が他人を嫌っていた理由が理解できた。
 此方には自分は居なかったようだが、この世界も同じだ。土地を、星を殺す力を所有し、脅しのためでしかないと言いつつ所有し続ける国ばかり。
 核廃棄物を捨てるために野山を削る。人間になったことでエネルギーの維持についてはまあ、必要なのだとは認めよう。しかし核は駄目だ。
 いずれ捨てきれなくなると計算を出しておきながらまだ大丈夫、もう少しと使い続けている。何とも度し難い。

「……とは言え、俺に出来ることなんて限られてるだろうしな」

 嘗ては強大な力をふるっていた。しかし今は、その力の残滓しか扱えない。




 と思っていたがある日目覚めた。
 人間がベースの姿だが嘗てのように熱線もはける。これなら人間社会を転覆させるなど簡単だろう。簡単だが………

──ゴジラ、もう良いだろ?許してやれよ──

──パパ、もう許してあげて──

──ゴジラ、聞こえる?止まって、この先にいるのは貴方の同族なんかじゃない──

「………ッチ」

 変身を説き寮に戻る。





「怪獣娘?」

 ある日テレビをつけるとそんなニュースが流れた。最近勢力を広げていた胡散臭い教団、そこの生け神が過去地球にやってきて巨人に殺された怪獣の力を宿していた存在らしい。
 怪獣、巨大にして強大な人類に仇をなす存在………。

「………ふーん」




「なあ、ここがGIRLSの本部か?」
「はい?あ、そうですよ~……えっと……就職希望ですか?学者さんには見えませんが……通常の職員は未成年ですと……」
「いや、怪獣娘として入りたいんだが」
「………ほぇ?」





「クソ、彼奴等……ボクが何したって言うんだよぉ」
「……みっけ」
「──っ!?な、何だよ!お前も彼奴等みたいにボクを虐めに来たのか!?」
「落ち着けよ。俺は懐かしい気配を追ってきただけだ……つか、お前は覚えてないのか」
「……覚え……?何処かであったかなぁ?」
「ま、色々事情があるんだよ。取り敢えずついてきてくれ……」
「あ………君、ゴジ……ラ?」
「なんだ思い出せたのか」



「変身もしねーでシャドウに向かうか。いや、出来ないのか?そのくせ身をていそうとして、相変わらず馬鹿な奴だ」
「何だ、てめぇ……」
「貴方は、誰ですか……?いえ、私は……貴方を、知ってる?」



「貴方を殺す」
「いきなり物騒な……動機は何だよ?」
「………不明」
「不明かよ……」
「不明……ふめ、い……私は、貴方を……破壊、使命……?」



「なんか解んないけど、面倒ごとがあったら言ってくれ。力になるよ!」
「おう、よろしくな」
「OK」


「zzzzzz」
「起きろ守護神(笑)」



「私のお兄さまになってください!」


「要求。一緒に、寝よ?」


「【要望】当機と生殖行為を……理由は不明、貴方の間に子が欲しい」

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