「そうだな、一言で言うと、何時も怒っていたな」
「ん?何って、人間や怪獣にだよ。人間の放った……多分水爆実験に巻き込まれたんだろうな」
「え?怪獣にもって?ああ、どうも色んな怪獣と戦ってたみたいでな」
「最期か?これも良く思い出せないな……多分怪獣と戦ったんだと思う。いや、変な薬品で溶かされた?ん、戦った怪獣達?覚えているのは少しだな」
ユウラ、いやGIRLSの規則に従うならゴジラの話を纏めると、水爆の実験による放射能により怪獣に進化した環境順応型怪獣。稀にいる人間のせいで生まれた怪獣達のようだ。実験怪獣やたまたま偶然の要因が重なって生まれる怪獣は生まれた原因による耐性や能力を選る。
しかし水爆の影響で怪力というのはどういうことだろうか?いや、怪獣は基本的に怪力なのだが。
さらに、その怪獣は多くの怪獣を葬っていたらしい。
「うーん、黄金の鱗を持った三頭の飛龍タイプの怪獣に、巨大な蛾の怪獣、巨大な頭とハエトリグサのような触手を持つ植物獣……どれもこれも確認出来ませんね~」
「ふーん」
「ひょっとしたら平行世界の怪獣なのかもしれませんね~。時間を移動する怪獣が居るぐらいですし、異世界とかそういうところの怪獣が居ても不思議ではありません」
「何でもありだな怪獣」
と、言うわけでユウラの怪獣名は正式にゴジラに決まった。
そしてその日、病院や精神科などで男性でもカイジューソウルを宿している可能性を考慮するように通達された。
「寮暮らしか……」
怪獣娘は怪獣の力を宿した存在。一度力が暴走すれば普通の人間では太刀打ち出来ない。よって、怪獣娘を止められるのは怪獣娘だけという法則で基本的に集まって過ごすらしい。
しかし、現在怪獣娘の雄という訳の分からん字面になる存在はゴジラだけだ。つまり女子寮。
「……風呂はせめて共同じゃなければ良かったな」
と、ユウラは時計を確認する。夜の十一時。この時間なら流石に誰も居ないだろう。念の為明かりを確認し、紙に『男子入浴中』と書いて扉に貼っておき風呂場に入る。
流石に湯船にお湯は残ってないようだが別に問題はない。髪を洗い身体の垢を落とし、脱衣場に戻る。
「…………あ」
「……は?」
そこでバッタリと人に出会った。もう一度言おう、ここは女子寮である。当然、入ってきた者も女子である。そしてどちらも全裸だ。
アギと似た眠そうな瞳をした黒髪の美少女。お互いキョトンと相手を見詰め、少女の視線はゴジラの全体を確認するように顔から胸へ──この時点で僅かに見開いた──そして、胸から臍へ、臍から…………
「──きゅう」
ボン!と顔を赤くした美少女は気絶した。
少女、ゼットンが目を覚ますとパタパタ団扇で扇がれていた。扇いでいるのは、男。
ゼットンは先程の裸を見てしまったことを思い出し慌てて男から離れる。
「……あー、先に言っとくぞ。今回俺に非はないはずだ。俺はちゃんと入浴中の紙を貼っておいた」
「……?…………あ」
そういえば貼ってあった。ピグモンからも男性がやって来たと聞いていた。すっかり忘れて、誰かの悪戯かと思ってしまっていた。
「ごめんなさい。今回は私に非がある」
「ま、次から気をつけろよ。聞いた話によると、お前GIRLSで一番強いんだろ?なら俺が暴走した時止められる可能性が高いのはお前だ。変に距離を取るようなことをしたくない」
「私のこと、知ってるの?」
「ああ、アギに聞いた。流石に男の俺が服を着せるわけにも行かないしな。俺はゴジラだ」
「ゼットン…………服を着せる?」
自己紹介をした後、その言葉に疑問を覚える。そして思い出す。自分も裸だったことを……。
「睨むな睨むな。もう十分アギに睨まれた」
「アギラに?」
「服を着せるのはアギラに頼んだ」
先ほどの言葉はそういう意味か。確かに男性の彼がやるより女性の誰かにやらせるのが適切だろう。
「意外。紳士的」
「ほう、意外か。俺はどんな風に見えた?」
「……粗暴」
「ま、喧嘩っ早いのは否定しねーが……とにかく、次から気を付けろよ」
「……ん」