試験当日。
まずは筆記試験だ。四人は答案用紙に名前から記入していく。
「う~ん」
ミクラスは頭を押さえながら唸る。あまり勉強が得意とは言えないミクラスには難しいようだ。
「安心しろ!俺も殆ど分かんねー!」
「退室~」
「ひゃほ~♪」
茶化したレッドキングは箒を持ったピグモンに追い出された。
テスト結果は不明だがゴジラ的には手応えを感じた。
続いて面接試験。
「それはそうと、この間アタシねー」
「退室~」
「わ~♪」
茶化したゴモラは箒を持った(略
ゴジラは思う。実はGIRLS最強はピグモンなのでは?と。まあ実際はそんなことはないだろうが。
「年の功とかか?」
「ゴジゴジ~?何か言いました~?」
「言ってません」
訂正、やっぱり最強かもしれない。
「最後は実技です~」
「内容は簡単。変身して俺たちとスパーリングだ」
「君達三人が、私達に一回でもクリーンヒットさせたら合格ね。ゴジゴジはスッゴい強いから後でレッドキングとタイマンね~」
「元チャンプとタイマンかよ。容赦ねーな」
ゴモラの言葉にゴジラは面倒くさそうに頭をかく。確かに自分はレッドキングにエレキング二人を相手に勝っているらしいがその時は暴走時で覚えていない。
まあ他の三人はゴジラならそうだよねと納得しているが。
「ま、アギ達が疲れさせたところを狙うとするよ。俺はソウルライドしての戦いは今日が初めてなんで」
「せこっ!ま、まあ……アタシらも三体二で一発食らわせるだけだけどさ……じゃ、じゃあアギちゃん、ウィンちゃん、変身しよっか」
「はい」
「うん」
と、ミクの合図でアギラとウィンダムもソウルライザーを取り出す。
「「「ソウルライ───」」」
PIPIPIPIPIPIPIPI!!!
三人が同時にソウルライドと叫ぼうとした瞬間ピグモンのソウルライザーから電子音が響く。
「はい、エレエレ?」
どうやらエレキングからの連絡のようだ。今日この時間、ピグモンが試験官の試験があるのを友人のエレキングに言ってないとは思えない。
つまり、ゴジラは嫌な予感がしていた。
「え……はい、はい……わかりました……」
ピグモンは通信を切ると一度俯き、顔を上げる。
「どーしたのピグちゃん」
「なんとなーく嫌な予感はするけど……」
「皆さん。テストは中止です。シャドウが都内で多数発生しました」
「……シャドウ?」
「シャドウ……」
聞き覚えのない単語に首を傾げるゴジラ。アギラは以前、大阪でゴモラが言っていたことを思い出し復唱する。
「GIRLS、そして人類の敵……」
「四人にはまだ早いと思って説明していませんでしたが、GIRLSにはもう一つの役目があります。それは、人類の敵シャドウを退治すると言うこと」
シャドウとは何者なのか、何故いるのか、それらは一切不明。しかしシャドウは確実に人類の脅威となり、そして何故か怪獣娘にしか倒せないらしい。
「だから、シャドウを倒すのは私達怪獣娘に課せられた大切な役目なのです!」
「そっか、じゃあ行くか……」
「ほえ?そ、そんなあっさり!?」
ピグモンの説明が終わり、出口に歩き出したゴジラにピグモンが動揺する。
「あっさりも何も、俺にはシャドウって奴らと戦える力があるんだろ?なら戦うさ」
「ゴジゴジ………」
「で、シャドウは何処にいんの?」
「は、はい!シャドウは現在浅草に現れたようです!」
「そんな遠くないな。アギ、ミク、ウィン……どうする?」
ゴジラの問いかけに三人は顔を見合わせ、頷く。
「やるよ……」
「うん」
「ですね…」
「んじゃ……変身するか」
と、ゴジラはソウルライザーを構える。
「ソウルライド、ミクラス!」
「ソウルライド、ウィンダム!」
「ソウルライド、アギラ!」
「ソウルライド、ゴジラ」
浅草でエレキングが影のような生物、シャドウを相手にしていた。攻撃を盾で弾き鞭のようにしなるランスで凪払い、しかしシャドウの数が減る気配はない。
一旦距離を取り呼吸を整えようとすると、後ろから声がかかる。
「お待たせちゃ~ん」
「確かに、少し待ったわ」
「えー、そんな、吃驚する速さで来たのに~」
「…まあそう言うな。こっからこっちの番だからよ」
「…………」
レッドキングは拳を握りしめゴジラも指を曲げゴキバキと鳴らす。
「あれゴジラじゃないか?ほら、背鰭とか……」
そんな怪獣娘達をビルの屋上から観察する二つの影。
「だとしたら、人を守っているのでしょうか。それなら一度、話してみるのも良いかもしれませんね」
「はー?ゴジラだぞ、あのゴジラ。ぜってー何か裏があるね」
「バトちゃん、前世の因縁を現世に持って来ちゃ駄目ですよ……」
「役目を失っても人間を守ろうとしてるお前に言われても説得力ねーって」
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