ウルトラ怪獣擬人化計画 怪獣王   作:超高校級の切望

3 / 123
番外編『楽しいMとG一家2』

「検索結果0っと……それにソウルライザーも繋がらない」

 

 ゴジラははぁ、と溜め息を吐く。

 自分達が既に異世界の知識を持っているのだから、他の異世界が有る可能性も考えてはいたが生きたまま異世界に行く事になるとは……。

 

「しかし電波は通じるのか……」

 

 それだけは助かった。ネットで大体の情報は集められる。

 ここはどうやらゴジラの世界やGIRLSの世界と酷似した地球らしい。そこに擬人化した怪獣や、擬人化してない宇宙人、更に普通に人間も住んでいたりする世界らしい。

 もうここ訳わかんねーな、と頭を掻くゴジラ。

 

「パパ、元気ない?」

「元気、出して……?」

「ああ、うん。ありがとな……」

 

 空間を歪める程の重力の渦に対して莫大なエネルギーをねじ込み中和した事は有るが空間を歪めた事など無い。

 また空間が歪みさえすれば歪みを広げ異世界に通ずる道を造る事も可能かもしれないがそこがアギラやモスラ達が居る世界に戻れるとは限らないし、そもそも空間を歪められる奴に知り合いが居ない。

 

「うーん、空間操る奴と戦ってりゃそのうち適応出来ると思うけど」

 

 何せゴジラの本質は破壊だ。相手を確実に破壊する為に、適応する進化速度は伊達ではない。

 

「バーニングモード使ってみるか?あれなら空間が歪むほどのエネルギー出せるだろうし」

 

 と、文字通り無限のエネルギーを扱う状態になろうか迷うゴジラ。しかしあれはエネルギーを上昇させるのに時間が掛かる。熱線として放つなら別だが……自身の温度を上昇させ続けていたら先にこの地球が蒸発する。∞度というのはそこまで上がる過程ですらヤバいのだ。

 そう考えるとゴジラの生まれ故郷の地球は有り得ないほど頑丈だ。それはゼットンの一兆度の火球に耐えられる第二の世界でも言える事だが……。

 

「まあそんな事より衣食住だな……衣は変身し続けてりゃ良いだろうし食も手持ちの金が使えるみたいだし、問題は住か……さっきのマガオロチとか言う奴にホテルの場所教えてもらえば良かったか?……ん?」

「幼女と美少女を連れホテルを探す変態現る、と……」

 

 何やら男がスマホを片手に呟いていたが次の瞬間シン・ゴジラの熱線がスマホを溶かした。

 

「ひぃ!?」

 

 男は命が惜しいのか逃げていった。

 

「……アイツ、やな……感じ、する」

「そうか、父さんもそんな感じがした。良くやったな」

「…………♪」

 

 ゴジラに頭を撫でられシン・ゴジラは気持ち良さそうに目を細める。

 取り敢えず金は有る。銀行は使えないが手持ちは大分残っているのだ。国から金が貰える公務員みたいなモノだったし。

 

「取り敢えずネカフェ民にでもなって仕事探すか?いや、そもそもネカフェ何処だよ…………」

「あ、あの……」

「あ?」

 

 と、不意に声を掛けられ振り返る。そこには先程のゼットン似の少女、マガゼットンが居た。

 

「何か有ったんですか?困ってるみたいですけど」

「ああ、実はどう帰ればいいのかさっぱりでね」

「道に迷ったと言う事ですか?」

「道に迷ったと言うか、未知に迷ったと言うか……」

 

 返答に困りポリポリ頬を掻くゴジラ。

 流石に異世界に迷い込んだ等と言っても病院に連れて行かれるだけだろう。

 

「その、良かったら家に来ませんか?」

「ん?」

「家、広くはありませんがお客様を泊めるぐらいなら」

「いや、でも……良いのか?ホテルの場所だけでも教えてくれりゃ良いんだが……」

「困った時はお互い様です。それに、ここが何処か解らないなら仕事だってないんでしょう?何時までもホテルに泊まれるとは限りませんよ」

「うっ……」

 

 それは確かにそうだ。手持ちは現在30万程。3人が泊まり続ければ直ぐに無くなるだろう。

 

「ここで会ったのも何かの縁です。ね……?」

「ううむ……じゃあせめて金を払わせてくれ。ホテルより安くしてもらえると助かるが」

「はい。そう言う事なら……」

 

 マガゼットンはそう言うとニッコリ笑った。

 

 

 

「ふいー、パイセンも何とか許してくれたな」

 

 額の汗を拭き取りやりきった顔をするマガオロチ。見付けてくれたあの黒髪のイケメンには感謝してもしきれない。

 

「今度会ったら何かお礼しねーとな。これを機に縁を作るのも良いかも、なかなかイケメンだったし……」

 

 と、その時マガゼットンの「ただいま」と言え声が聞こえてきた。

 

「おうお帰り!」

「あの、母さん……実は頼みが有るの」

「頼み?」

「うん。泊めて欲しい人達が居るの……」

 

 泊めて欲しい人達?北欧の逆ハーレムメンバーの一部だろうか?

 そんなに泊めるなら一人ぐらい摘まみ食いしてもバレないだろうか?

 

(いやいや何考えてんだ私、仮にも娘の恋人を……でもたくさん居るしな……)

 

 などと考えているとマガゼットンがジッと見てきているのに気付いた。

 

「あ、ああそうだな……うん。良いんじゃないか?」

「良かった。じゃ、呼んでくるね」

 

 しかし誰を連れてきたのだろうか?あのバットとかいう奴だと嬉しいのだが……

 

「紹介するね。こちら、ゴジラさんとその子供達のシン・ゴジラちゃんとリトルちゃんです」

「どうも、よろし…………あ」

「……あ」




ゴジラさん

G一家の父親。ブラコンの姉と三人の妹が居る。
基本的に娘に甘いが甘すぎるわけでもなく厳しい一面ある。(修行中に尻尾を踏んだりなど)
黒髪のイケメン。10万tの怪獣を軽々振り回し空高く投げられる怪力の持ち主。

リトルちゃん

天使な現長女。最近新たな姉妹が出る可能性も出てきた。
妹とお父さん、お母さん、お父さんの仕事仲間のお姉さん達が大好き。最近では昔からの知り合い未希が入ってきてくれて毎日が楽しい。

シン・ゴジラちゃん

天然の末っ子。
家族が大好き。最近ではたどたどしいが噛まずに喋れるようになってきた。
長い黒髪にスラリとした長身に出るとこ出た多くの女性が嫉妬しそうな体型をしているがまだ0歳。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。