ウルトラ怪獣擬人化計画 怪獣王   作:超高校級の切望

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水族館?怪獣王!?

「いや、まさかゴジラにこっちの世界でも会えるなんてね」

 

 アンギラスはルードビアを飲みながらゴジラに親しげに話し掛ける。

 実際、前世ではかなり親しかった。目を瞑れば、アンギラスの瞼の裏にその光景が有り有りと浮かぶ。

 偵察に行くように言われ人間達に攻撃され、妙な気配を探るように言われれば偽物に顎を裂かれ、操られていた時はサッカーボールにされ…………。

 

「…………あれ?」

 

 何故だろう。碌な思い出がない。

 

「しかしまさか沖縄の謎の怪獣娘がお前とはな……てっきりシーサー辺りかと思ってたぜ」

「ああ、キングシーサー?居るよ、彼女も」

「…………マジ?」

 

 言い方からしてキングシーサーも女になっているようだ。

 

「シーサーって沖縄語で獅子だよな?何でキングは英語なんだ?」

 

 と、バトラが首を傾げる。

 

「言われてみれば……つかお前、何でそんな知識を…………ああ」

 

 ふと疑問に思いバトラを見ると、バトラは観光パンフレットを読んでいた。

 

「楽しみにしてたのか」

「………………」

 

 ゴジラの言葉にバトラはプイッと横を向いた。如何に元文明の破壊神とは言え、人間として過ごしたのは今世が初だ。テレビなどで見るアニメはもちろんグルメ、旅行観光など興味が引かれるモノだらけで少しずつ俗世に染まってしまっていても、誰も責めることなど出来まい。

 

「大丈夫ですバトちゃん。私もですから!」

 

 と、モスラがお土産を両手に抱えて微笑んだ。

 

「何時の間に!?」

 

 さっきまで何も持っていなかった筈なのに気付けばお土産を抱えているモスラにゴジラは思わず目を見開いた。

 

 

 

 

 

「ジンベエザメです!ゴジラ、ジンベエザメですよ!」

 

 水族館でモスラに引っ張られながらゴジラは魚を見て回る。あれは食ったな、とか、あれは旨かったなぁなどと考えていると野生の勘で察したのか客の方から離れていく。

 

「……ゴジラ、涎垂れてるぞ」

「…………!」

「ゴジラは海鮮が大好きだったもんね。なんならこの近くの海鮮丼でも買って来ようか?」

「急げよ」

「OK!」

 

 ゴジラの言葉にアンギラスはダッシュで駆けていった。懐かしいやりとりだ。

 

「ゴジラ、そろそろショーですよ!急ぎましょう!」

「バラバラに行動すりゃ良いだろ。俺はここでアンギラスを待つ」

「モスラ、ショーの席は既に確保してる」

「…………四人分か?」

「ああ」

 

 ゴジラの言葉にバトラが頷く。流石に金を払わせて行かないと言うわけにも行かず、大人しくついて行く。

 

 

 

 

「持ってきた!」

「よし座れ」

「OK!」

 

 弁当片手にやってきたアンギラスはゴジラに促されるまま隣の席に座る。

 丁度開始の時刻だ。

 基本的には餌の一つに見ていたが、こうしてショーの一環として観るのも中々どうして面白い。

 

『さあそれでは、お客さんの中で先着10名でイルカ達に餌をあげてみましょう!』

「────!」

 

 モスラが早速手を挙げる。モスラを挟んで向こう側に居るバトラもウズウズしている。

 

「バトラ、脇の下が解れてるぞ」

「ん?」

『はい!ではまずはそこの美人姉妹のお二人!』

「な、あ……ゴ、ゴジラ!?」

「ほら行ってこい行ってこい。今日はテレビ局も来てるみてーだし、華やかな姉妹が居たらまず使う。良かったな」

「…………覚えてろ」

 

 と言いながらも、バトラは何処か嬉しそうに階段を下りていった。

 

 

 

 

 

 ショーも終わり、もう一人の怪獣娘であるキングシーサーに会いに行く為に水族館の出入り口に向かうゴジラ達。

 ショーだけが目当ての客も多く居たのか込み合っている。

 入り口と出口で境目が作られ、両方を人の波が流れていく。

 

「はぐれるなよお前等」

 

 と、人波に押されながら言うゴジラ。実際はぐれてしまいそうなほど人が多い。

 

「────ッ!」

 

 出口に差し掛かった所で、唐突にゴジラが振り返り入り口側の通路を見る。そこで、目が合った。

 銀髪の少女だ。少女もまたゴジラを見ていた。が、少女は後ろからの客が、ゴジラはバトラに腕を引かれ歩き出す。

 

「何してんだ、はぐれんなつったのお前だろ」

「あ、ああ……」

 

 振り返るが少女の姿は人波に飲まれ消えていた。

 

 

 

 

「ここにキングシーサーがいるんだ」

「…………祠?」

「守り神の生まれ変わりですし、崇められているんでしょうか?」

「いや、廃神社に勝手に住み着いているだけ」

 

 モスラの言葉にアンギラスが返すとモスラは何とも言えない顔をする。と、その時……

 

「──っまたシャドウか!?」

 

 ソウルライザーが震えシャドウの発生を告げる。運が良いのか悪いのか、この近くだ。

 

「キングシーサーは?」

「ちょっと待って」

 

 アンギラスがそう言ってラジカセのスイッチを押すと音楽が流れ始める。

 

『暗い夜の~とばりが消える~』

「…………なんだこりゃ?」

「目覚まし。この歌が終わるまでキングシーサーはまず起きない。時間は約二分」

「先に行くぞ」

 

 ゴジラはドン!と地面が陥没するほどの踏み込みで跳ぶとあっと言う間に見えなくなった。モスラも変身し飛んでいき、バトラはモスラ達と祠を見た後ゴジラの後を追った。

 

「…………じゃ、後でねキングシーサー!」

 

 アンギラスも祠に向かって片手を上げ走り出した。ちなみに歌はまだ二番目にも入っていない。




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