「ねぇねぇゴジラぁ、遊んでよぉ。仕事なんて面倒くさいよぉ……」
ヘドラはゴジラ以外の教育係はお断りだと言って、ゴジラの監督下に入ったヘドラは名の元となったヘドロのように毎日毎日ゴジラにベットリと張り付く。
「むー!パパから離れろー!」
「えー?だって昔はねぇ、パパの方から抱き締めてくれたんだよぉ?」
確かに人間の用意したヘドラを倒す装置らしき場所に連れてく際抱き締めていたがアレはカウントに含まれるのだろうか?
「パパはー!私のー!」
「娘だが何だか知らないけどね~、ゴジラはボクのだよぉ。平気で他者を傷付けるくせに自分の時だけ被害者面する人間の醜さをよぉくしってるのはボク達だけだもんねぇだ」
んべ、と舌を出すヘドラ。ぐぬぬと唸るリトル。その姿は父親を取り合う姉妹のようにも見えなくはない。
「はーなーれーろー!」
「やだよぉ……って、あれぇ……この子意外と力強ぉ……」
小さくとも怪獣王の同種。ヘドラが驚くほどの力を持って引き剥がそうとしてくる。負けじとゴジラにしがみ付くヘドラ。結果、ゴジラの首が締まる。
「や、やめ……離れ……」
「…………離れて」
ピポポポと音がした瞬間、ゴジラの目の前に現れたゼットンがゴジラを掴む。瞬間ゴジラが消えヘドラを引っ張っていたリトルがバランスを崩し……
「おお!見事なジャーマンスープレックス!」
「あの子才能有るなぁ」
綺麗に決まったプロレス技はミクラスやレッドキングが感心するほどであった。流体なのは変身している間だけのヘドラは見事に決まったプロレス技に悶絶していた。
「悪いな、助かったぞゼットン」
「…………うん」
ゴジラのお礼に顔を僅かに紅潮させるゼットン。それを見たヘドラは悶絶を止め、目を細める。
「ねぇねぇそれよりゴジラぁ。早く行こうよ、実習。早く早くぅ……」
「ん?おお、どうした?急にやる気だな……」
「まあねぇ……」
と、ヘドラはゴジラの腕を抱き寄せゼットンを見る。そして、ベェ、と舌を突き出した。
GIRLSの仕事は何も暴走した怪獣娘やシャドウとの戦闘だけではない。そもそもその二つは表向きには隠されているのだ。
基本的には広告活動、他には、災害救助。場合によってはテロリストの殲滅など。
例えばの話だが異世界に通じる門が現れた日には何名かが捜査に派遣されるだろう。例えそこに空を飛び火を噴く怪物が居たとしても、ロケットランチャー程度で傷付けられる相手なら、まあキングシーサーでもきっと、たぶん勝てる。
「まあつまりだ、基本的に人外の域にある俺らはその力を社会の為に使う。こんな社会守る価値があるのか甚だ疑問だが、まあ守っていれば何時かまともな奴も生まれるだろうしな」
と、パトロールをしながら歩くゴジラの話を聞くラドン、アンギラス、ヘドラの三人。
「まあそうそう事件なんて起きねーよ。エレキングなんて仕事中に同人誌とか読んでるらしいし」
「へぇ、ねぇどんなのぉ?それどんな同人誌なのぉ?モノによっては仲良く出来るかもぉ……」
「『おまピト』だ。スポーツ漫画の……同人誌ってのは要するにキャラを使ったオリジナルの話を作る奴だろ?俺も興味有ったんだがウィンダムもエレキングも見せてくれねーんだよ」
「…………そりゃ、まあ……仕方ないかなぁ」
と、ヘドラが微妙そうな顔をする。彼女にしては珍しい。
「そ、それよりパトロールに集中しようよぉ……」
「まあそうそう犯罪なんて起き────」
「銀行強盗だー!」
「──たとしてもまあ問題ない」
車に乗って逃げようとした強盗だがゴジラが車のリアバンパーを握り持ち上げる。後輪は空を蹴り当然車は進まない。
強盗の一人が銃を撃ってきたがあっさり弾かれてしまった。
「………………ゴアアアアアアアアッ!!」
何発撃たれようと痛くも痒くもないが鬱陶しいので息を大きく吸い込み吼えるゴジラ。車のガラスが全て砕け強盗達が気絶する。
「と、まあ……やることはこういった無力化だ。逮捕権はない……ま、交番に連れてくぐらいはしてやっても良いがな」
しかし、銀行からサイレンの音は聞こえなかった。サイレンを鳴らされる前に金を奪い逃走したのだろう。今更のように聞こえるサイレンを聞きながらゴジラは強盗達を見る。
計画的な犯行。プロなのだろう。が、ゴジラに見付かってしまったのは運が悪かったとしか言いようがない。
成田空港のゲートで一人の少女がパスポートを見せていた。
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そういって少女はニコリと笑った。僅かながら、涎を垂らしながら。
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「ん?大食い出演?」
ゴジラはポスターの貼り紙を見て呟く。一般参加有りのようだ。
参加料金は高いが上位三名は無料となり金が返される。それどころか、賞金も出るようだ。更に一位にはマグロ丸々一匹が景品として貰えるらしい。かなり太っ腹な大会だ。
「マグロ!パパ、マグロ!」
「食べたいか?」
「食べたい食べたい!」
「よし、ちょっくら申し込んでみるか……」
???「やっぱりマグロ食ってるようなのはダメだな」