ウルトラ怪獣擬人化計画 怪獣王   作:超高校級の切望

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調整?怪獣王!?

「……うーん、やっぱりここを弄るとここが……」

 

 と、少女はプログラムを弄りながら呟く。

 

「なあ……」

「……やっぱり、私には荷が重いですよ……博士……戻ってきてくれないかなぁ……」

「……なあ」

「ううん。ダメ!いい加減に切り替えなきゃ」

「……………………」

「あいた!」

 

 と、不意に頭に衝撃が走る。振り返ればソウルライザーを片手に此方をジト目で見る男が居た。

 

「ひゃわあああ!」

「うるさ!?」

 

 そして少女は叫び距離を取ると黒い空間を生み出し中に隠れる。

 少年、ゴジラが絶叫に耳を塞ぎ、突如現れた黒い空間を見ていると暫くして少女が顔を出す。

 

「よお、あんたがここの研究部主任か?」

「は、はい……前の人、博士が辞めて……あんまり役に立たないかもですけど」

「まあそれを言ったら俺なんてこれに関しちゃ何も出来ねーよ。というわけで頼む。なんか最近調子が変なんだよ」

「…………?」

 

 少女はソウルライザーを受け取るとパソコンに繋げ中のデータを確認する。

 特に妙な所は無い。強いて言うなら、暴走した事の有る怪獣娘のソウルライザーに組み込まれるリミッターが組み込まれている事だろう。

 しかし最初から付いていたリミッターに今更違和感を持つだろうか?

 

「あ、そういえば…………えっと、ゴジラさん、ですよね。男性ですし」

「ああ」

「ゴジラさんは前世の記憶を持っているんでしたね、それが原因だと思います。最近何か変わった事は有りますか?」

「前世からの知り合いに会って記憶を思い出し始めたことかな」

「…………なる程」

 

 その結果、前世との力の差違を感じ始めたのだろう。こればかりはどうしようもない。リミッターを下手に解除して暴走させては目も当てられない。

 

「……そうか」

「あう、すいません」

 

 その旨を伝えるとゴジラは少し落ち込んだような顔をして少女が慌てて謝る。

 

「ん、ああ、気にするな。お前のせいじゃない……ただ、記憶が戻る度に力が戻ってたろ?違和感を無くせば完全に思い出せると思ったんだが……」

「…………思い出したいんですか?」

「……モスラもバトラも、ラドンやリトル、アンギラスもメカゴジラもジラもヘドラも俺の事を覚えててくれた。けど、俺は会わないと、関わりがねーと、思い出してやれねー」

「…………ひょっとしたら、忘れたい記憶も有るかもしれませんよ?」 

「そりゃ有るだろうな。そもそも初めて変身しようとした時流れた感情は憎悪だし」

 

 憎悪……確か、変身しただけで暴走しそうになり、しばらく本能的に変身出来なかったとか。

 飲まれそうになるほどの憎悪。それを、彼は恐ろしくないのだろうか?

 

「恐ろしいさ。あの感覚、俺が俺でなくなる感覚……けどな、何時か向き合わなきゃならねー事だ。思い出し続ける以上、いずれ完全に思い出す」

「………………それでも、ごめんなさい。私一人の権限では」

「そっか。仕方ねーな…………そういやお前の名前何だ?」

「え、今更ですか?沢な──あ、いえ……ペガッサです」

「話に乗ってくれてサンキューなペガッサ。許可が下りた時はよろしくな」

 

 と言い残しゴジラは部屋を出ていこうとする。

 

「あ、あの……取り敢えず違和感を少なく出来ないかだけ、調整してみます」

「そうか?助かる……」

 

 

 

「と、こんな所でしょうか……終わりました」

「サンキュー……じゃ、ソウルライド!」

 

 と、ゴジラが変身する。

 

「んー、確かに違和感が少し減ったな」

「変身にちょっと時間が掛かっちゃいますが、力の上昇を緩やかにして違和感を減らしました」

「大した腕だな……」

「いえそんな……私なんて博士に比べたらまだまだ……」

「博士が誰か知らないが、俺の手助けをしてくれたのはお前だぞ?素直に誇って良いと思うがな」

 

 と、変身を解除するゴジラ。

 

「……誇りなんて、私……鈍臭いですし、ヒロミさんみたいに女性らしくないですし…………」

「……お前って大きくなったらそのヒロミって奴になんのか?」

「へ?いえ、そんな事あるわけ無いじゃないですか……」

「そりゃそうだ。だってお前はお前だもんな、他人になれるはずがない」

「………………?」

 

 ペガッサは良く解らず首を傾げる。

 

「前世で、俺の細胞を使った奴が結局俺になれなかった……そりゃそうだ。他人になんて誰もなれない。他人は所詮他人で、本人じゃない……他人と自分を比べても意味ねーよ」

「……そう、でしょうか?」

「そうだな……俺はお前みたいに、自分でソウルライザーを調整したいな。けど、まず無理だ」

「…………」

「ほら、私は一応玄人ですし、素人と比べてて差がでるのは当たり前って思ったろ?」

「…………ですね」

 

 と、苦笑するペガッサ。まだ完全に納得は出来ていなさそうだが、価値観をそう簡単に変えられるとは思っていない。

 

「じゃあな、また機会があったらよろしく」

 

 と、ゴジラは部屋から立ち去る。

 

 

 

 

「………………」

 

 ゴジラがいなくなった後、ペガッサははぁ、と緊張が解けたように溜め息を吐いて椅子に深く腰をかける。

 

「…………やっちゃった……バレたら大変だよね」

 

 実を言うと彼のソウルライザーに少し細工をした。バレたら結構ヤバい。

 

「でも、たぶん大丈夫だよね。あの人は、強いし…………」

 

 過去をきちんと受け入れるぐらいに、と言う言葉を飲み込む。

 

「…………ゴジラさん、か……」

 

 あの強さが羨ましい。あの優しさが暖かい。

 また機会が有れば、か……。

 

「……また、話してみたいな」

 

 何時までも過去に縛られている自分と違い、過去を受け入れている強い彼と、また話してみたい、そう思った。

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