ウルトラ怪獣擬人化計画 怪獣王   作:超高校級の切望

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謹慎?怪獣王!?

「何か弁明はありますかペガちゃ~ん?」

 

 ニコニコと笑みを浮かべたピグモンの前で、正座したペガッサはカタカタと身を震わせていた。

 

「あ、ありません…………私情です」

「ゴジゴジに何か恨みでも?」

「ち、違います!ゴジラさんが、今の力と前世の力の差違に違和感を持ち始めてるって聞いたから……その……」 

 

 リミッターの一つが自然に解除されるようにプログラムした。

 

「確かに結果としてゴジゴジは過去の怨霊……でしたっけ?を切り離して、暴走する可能性は格段に減ったそうですが、一歩間違えたらその怨念達がゴジゴジの身体を使って暴れるかもしれ無かったですよ?」

「ごめん、なさい…………」

「まあ……ゴジゴジから責めないように言われてますし、ペガちゃんが失恋したばかりで誰かに甘えたり尽くしたいのは解りますが…………」

「うぅ……」

 

 失恋という言葉を聞きペガッサは俯きながらダーク・ゾーンを出現させる。

 

「ああ、もう……ペガちゃ~ん、元気出してくださーい!」

 

 

 

 

 怨霊の未練が消えたからだろうか?ラドンと融合した時の強化形態や落雷を浴びた時の磁力が自在に扱えるようになった。

 まあ磁力は兎も角強化形態はやはり代償無しとは行かないのか、疲労速度が速くなるが。

 強化形態と言えば後一つ…………あれは使えないらしい。使えたら危ないが。

 

「しかしやる事が無いな」

「ご、ごめんなさい……私のせいで」

 

 現在ゴジラとペガッサは謹慎を言い付けられていた。おまけにその間、リトルにも会えない。ピグモンは何が罰になるか良く解っているようだ。まあたった三日ではあるが。

 

「いや、心遣いは嬉しいよ。俺がお前の期待に応えられなかっただけだ……」

「で、でも…………」

「…………そうだな。なら、詫びに何か暇潰しの方法でも教えてくれ」

 

 

 

 

 

「……………………」

「えっと……王手」

 

 ゴジラは頭をガシガシと乱暴に掻きながら俯く。オセロ、チェス、ペンタゴン、ウォーシュミレーション、何一つ勝てない。

 

「くっ!ウォーシュミレーションに俺が出れれば」

「怪獣出てきた時点でそれもう別のゲームです。あ、なら次はガードゲームでもしますか?これなら運要素が強いですし……」

 

 

「…………ご、ごめんなさい上がりです」

 

 ブラックジャック、神経衰弱、大富豪、そしてババ抜き、全てゴジラの惨敗。ゴジラは机に突っ伏す。

 

「謝らなくて良い……ちゃんと本気で戦ってくれたしな」

 

 ここまで負け続きだと哀れに思えたが、手加減してやるのも何と無く嫌いそうなのでキチンと相手をした。どうやら正解だったらしい。

 

「…………まあ、次は負けないけどな。進化速度チートのG細胞舐めるなよ?」

「世界中がこぞって欲しがる細胞をゲームに勝つ為の知能上げに使うなんて、世界の学者が知ったら気絶しそうですね」

 

 

「やっと勝てた」

 

 その後二時間ほど様々なゲームをして、ペガッサを長考に追い込む事数回。漸くゴジラが勝利を手にした。

 

「と、こんな時間か。何か作ろう、リクエストは有るか?」

「料理出来るんですか?」

「元一人暮らしみたいなもんだからな。飯はいっつも自分で作ってた」

「……………………」

 

 ゴジラの料理は、とても美味しかった。

 

 

 

 

 そこは異様な部屋だった。窓には板が嵌められ、外から中を決して見れないようにされた部屋で、一面に男の写真が貼られている。

 テレビのワンシーンを切り取った物から、ここ最近漸く突き止めた所在地に張り込み遠距離から撮影した盗撮写真まで選り取り見取りだ。新聞の切り抜きの横にはマグロ料理のページに栞が挟まれたレシピ本が置かれている。

 

「ただいま」

 

 と、そんな異様な部屋に緑の髪の少女が入ってくる。少女はうっとりと写真を眺めると等身大の全身写真に身を擦り寄せる。

 はぁ、と熱い吐息を吐いた少女はハッと写真から距離を取る。

 

「駄目ね、私ったら。前なら兎も角、今の身体で一つになれるはずないのに……」

 

 と、残念そうな声で溜め息を吐く少女。しかし直ぐに妖艶な、甘い香りでもしそうな笑みを浮かべる。

 

「それでも身体が求めるこの疼きは止められそうにないわね。ふふ、待っててね。もうすぐ会いに行くから……ねぇ、()()()

 

 その部屋には花瓶があった。花瓶に咲き誇るは一本の赤い薔薇。花言葉はの一つは『熱烈な恋』。

 

 

「────ッ!?」

「どうしました?」

「……なんか、寒気が……」




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