ウルトラ怪獣擬人化計画 怪獣王   作:超高校級の切望

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紹介?怪獣花!?

「この子達が新しい怪獣娘さんですか~?」

「か、カマキラスです……」

「ビオランテと言います。前世では兄さんと互いに求め合った関係です」

 

 と、ふざけた事をのたまいながら頬を染める自称妹の背中を蹴るゴジラ。しかし当人は息を荒くするだけで応えた様子は無い。

 

「お前この世界で何が有った……」

「私はこの世界で家族と言うモノをずっと調べていたの。そして知ったわ……例え相手が愛していなくても、どんなに暴力を振るい続けても、愛し続けるのが良妻の心得だって……」

「完全にDV彼氏に依存するダメ女の思考じゃねーか!どんな本読んだんだ!?つーか夫婦ですらねー!」

 

 ガー!と叫ぶゴジラはしかし相手をするのも疲れてきたのかはぁはぁと肩を揺らし頭を押さえながら部屋に帰ろうとする。

 

「疲れた、今日はもう上がる……」

「あ、はい……」

 

 流石のピグモンもゴジラが哀れに見えたのか大人しく見送る事にした。何と言うか、本当に哀れだ。

 前世の妹が変態になっているなんて。

 

「…………あれ、そういえばゴジゴジって前世ではリトルンに会うまで天涯孤独って……」 

「ん?ああ、世界線の幾つかでは仲間も居た。全部人間に溶かされたが」

「…………溶かされたんですか」

「溶かされた」

「すいません…………」

「良いさ。で、そいつは…………まあ詳しくは本人に聞いてくれ」

 

 と、ゴジラは投げやりに言うとその場から立ち去った。

 

「…………ビオちゃん、教えてくれます?」

「やです。私、兄さんと仲の良い女は基本的に嫌いなので。ああ、別に闇討ちとかはしないのでご安心を。ただ、嫌いなだけです」

 

 ゴジラと話していた時とは違う他人行儀の拒絶すら感じる口調。また厄介なのが入ったと頭を押さえるピグモン。

 

「ゴジゴジから貴女に聞くように言われましたよ?これは貴女が話せ、と言う事ではないしょうか~?」

「…………それもそうね。良いわ、話してあげる」

 

 しかし今度はあっさり承諾した。ゴジラの言葉の方が、自分の意志より高い優先度が有るのだろう。下手したら自分達に向けている敵意すらゴジラの言葉一つで反転させかねない。

 

「私は大した意思も持たない薔薇だった。人間の都合で、人間の意思を植え付けられその意思すら潰されか掛かった…………」

「…………薔薇?」

 

 そう言えばゴジラは以前、自分の細胞は一本の薔薇を怪物に変えた事が有ると言っていた。彼女がそうなのだろうか?

 

「けどある日、人間とは別の細胞が入ってきたの。それは人間の細胞なんかとは比べ物にならない速度で、乱暴さで、私を飲み込んでいった……無理矢理、力尽くで、包み込まれ書き換えられ作り替えられ支配された…………あの感覚は今でも忘れた事は無いわ」

 

 はぁ、と恍惚とした表情で語るビオランテは、色っぽさよりも不気味さが醸し出されていた。

 

「そして私はその細胞と混じり合って、何者にも侵されない力、何者にも支配されない力を手に入れたの。自分の意志で動ける身体もね。その後はもっと力を求めて私の中の兄さんの細胞に反応してやってきた兄さんを取り込もうとしたわ。まあ、失敗しちゃったけど……もし取り込んでたらもっと大きくなれたでしょうね」

「……大きく?」

「エネルギーを生み出し続ける兄さんの細胞が有ると言っても、身体を大きくし続ければ当然エネルギーの消費と生産が合わなくなるわ。私の細胞は結局は混じりモノだし……だから兄さんの力を欲したわけだしね」

「………………」

 

 逆に言えばゴジラの中のエネルギー生産機関は補えるのか。何と言う機能だ。

 

「でもそれなら、今は?その身体でゴジゴジを取り込めるとは思いませんが」

「そうね。でももう必要ないわ。この世界の兄さんの細胞はもう取り込めたし…………私は兄さんの細胞から生まれた、あくまでも兄さんの一部。兄さんが望むなら何だってするし、兄さんが止めろと言ったなら例え私を殺そうとしてくる奴が迫ってこようと攻撃を止める……」

「なる程~、あくまでゴジゴジ優先と……」

 

 ピグモンはウンウンと頷き、満面の笑みを浮かべる。

 

「でもここでは貴女は私の部下ですので~、その事は自覚してくださいね~」

「自覚?貴女に従って()()()()()っていう事かしら?」

「10と少し生きた程度の子供が随分大きく出たものですねぇ……」

「怖!何あのピグモンさん怖!!」

 

 普段はピグちゃんと呼んでいるミクラスですら顔を青くしてアギラの後ろに隠れる。

 

「ん?ああ、三人は知らなかったっけ?GIRLSで一番怒らせると怖いの、ピグちゃんなんだ……」

 

 あの笑みは以前見た記憶が有る。確か、ザンドリアスと会う切っ掛けになった任務を頼まれた時だ。有無を言わせぬ迫力が有った。今のはそれ以上だが。

 

「ふ、二人ともボクの後ろに隠れないでよぉ……」

「大丈夫!アギちゃんなら行ける!」

「ご、ごめんなさい……」

 

 アギラは自分の後ろに隠れる二人を責めたが、ピグモンの笑みを見て責めきれないと思った。

 

「ふふ。怖い怖い。ああそうだ、では上司の貴女に一つ進言……私が兄さんの存在に気付いたのはあるテレビ番組」

「………………」

 

 そのテレビ番組には心当たりが有るので黙って聞くピグモン。

 

「そのテレビ番組を見たのは私だけじゃないだろうし、たった二人で網の中のマグロを食い尽くしたんだもん、結構ニュースになってた。兄さんの細胞を持つ私だから言える事だけど、兄さんの本質は怒り……私以外にも、多くの怪獣を殺してるはず。きっと恨みを持つ者だっている……近いうちに来ると思うよ。ここに……」

「怪獣娘の保護が私達の仕事です。例えどんな相手だろうと、それは変わりません」

「そう、その偽善が何時まで持つか楽しみにしてるわ」

「あはは☆その強がりが何時まで続くか楽しみですね~♪」




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