ウルトラ怪獣擬人化計画 怪獣王   作:超高校級の切望

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同族?怪獣王!?

 レッドキングに掴まれた腕を見て少女は腕に力を入れる。

 が、怪力を誇るレッドキングの拘束を振り解けない。

 

「うぅ!」

「元気な奴だな。けど、大人しくしてもらうぜ!」

 

 レッドキングはそう言うと腕を引き腰を回し力いっぱい少女をぶん投げる。地面を何度かバウンドした少女は指を曲げ道路にめり込ませると爪痕のような跡を残して止まる。

 少女はレッドキングを睨み付け異変が起きる。少女の赤いメッシュが紫に発光し、口内に光が溜まり始めたのだ。

 

「────!?」

 

 次の瞬間少女の口から紫色の光線が放たれる。咄嗟に避けたレッドキングだったが放たれた光線が直線上に有った鉄もコンクリートも全て溶かしているのを見て目を見開く。

 しかしレッドキングが幾ら驚愕しようと少女が待つ理由は当然無く、少女が首を横に振るのに合わせて光線がレッドキングに迫ってきた。

 

「しまっ────!?」

 

 幾らタフなレッドキングでもあの威力は耐えられない。

 血の気が失せた瞬間レッドキングの目の前に半透明の壁が現れ光線を防いだ。

 

「…………は?」

「ぎ!?」

 

 呆然とするレッドキングに対して少女は振り返り光線を放つ。それは少女の背後に現れた少女の右手に吸い込まれ左手から倍にして返される。

 

「わんが来たさー!」

「…………私も」

「ゼットン!?キングシーサー!」

「ふははー!ビーム使う相手にはわんは負けないサー!わんのでぇ~じ格好良い所見せてや…………」

「がぁ!」

「あー!?」

 

 勇猛果敢に突っ込んで行ったキングシーサーはぶっ飛ばされゼットンのバリアに受け止められるが、完全に目を回していた。

 

「ゼットン気を付けろ、あの尻尾、たぶん前世じゃゴジラの同族だ……」

 

 と、レッドキングはゼットンに警告する。ゴジラの妹を名乗る者の中で、弱かった者は一人も居ない。事実腕力なら兎も角、彼女の光線は途轍も無い威力を発揮していた。

 

「……大丈夫」

「は?」

「今朝、ゴジラが言ってた。近い内に、新しい同族が現れる可能性が有るって……だから、天敵を連れて来た」

「…………ご飯」

「行けお前等!エネルギーを吸い尽くせぇ!」

 

 と、ビルの影から現れたのはシノムラとメガギラス。メガギラスはメガニューラを放ちシノムラは長い髪の先端に有る棘を突き刺そうとする。

 さらに逃がさないよう、ゼットンがバリアの檻に閉じ込める。

 シノムラとメガニューラの群が逃げ場の無い少女に迫り、次の瞬間無数の光に貫かれた。

 

「────!?」

 

 変身中は群体であるシノムラは身体が破損してもまた集まれば良いのだが焼き殺されては復活出来ない。

 せっかくゴジラから与えられたセルヴァムで元のサイズまで復活したのに中学生ぐらいになってしまった。地面に降り距離を取るシノムラ。メガギラスは自分の部下達が一瞬で殺られ呆然としていた。

 

「…………髪、から……だと……」

 

 遠目から見ていたレッドキングは少女の黒の中に紛れた赤い髪から無数の光線が放たれたのを見ていた。

 

「ぐぁう!」

「わ!?」

 

 シノムラが食料扱いしていた事から、少女はやはりゴジラの近縁種なのか天敵たるシノムラとメガギラスを狙って駆ける。が、メガギラスは高速で背後に移動する。少女は振り返り再び迫るがメガギラスの速度に追い着けない。

 どうやら先程のメッシュからの光線は地表を滑るように飛んでいる相手には放たないらしい。あくまでも対空武器なのだろう。

 

「メガギラス!そのまま翻弄してろ!」

 

 レッドキングはメガギラスに気を取られ何度も振り返っている少女に向かって拳を振るう。力では此方が上だ。まともに入れれば決まる────ハズだった。

 

「ぐうぅ…………」

「な!?」

 

 少女はレッドキングの手首を掴み拳を止めていた。それだけではない、押そうが引こうが全く動かない。先程まで力勝負で勝っていた相手に、今度は力勝負で負けた。

 少女は先程の仕返しとばかりにレッドキングを投げ飛ばす。幸いゼットンがバリアをクッションにしてくれたが。

 

「────!」

「ひっ!」

 

 ギン!と睨まれ慌てて距離を取ろうとするメガギラス。次の瞬間少女が吼え、メッシュどころか全身から大量の光線が放たれた。

 

「────!?」

 

 ゼットンが慌てて少女をバリアの中に閉じ込める。熱線はバリアを通過出来ず少女はバリアを何度も殴り始めたが壊れる様子は無い。

 

「…………こう言う勝ち方は好きじゃないけど、酸素を遮断して気絶させる」

「お前らしくない勝ち方だけど、その方が良いかもな…………」

 

 と、ゼットンがこのまま拘束を継続しようとする中、少女の赤い髪が紫色に発光する。また光線を撃つ気なのだろう。しかし、何か違った。

 紫色の光は髪の端から徐々に消えていき代わりに口内の光が段々と増していく。そして

 

「……え?」

 

 ピュィィィィィッ!!という笛の音の様な音が響きバリアが貫かれ、ゼットンに向かって光線が伸びる。

 

「…………熱」

 

 そしてその光線はゴジラの片手で受け止められた。

 

「ゴジラ!?」

「よおゼットン……レッドキング……」

 

 ゴジラはゼットンに目を向け、シノムラとメガギラスを通過しレッドキングを見て笑う。

 

「同族が迷惑掛けたな」

「おい無視すんな。私らはどうした……」

「……同意」

「あん?」

「「すいませんでした」」

 

 ついこの間本人に迷惑を掛けて於て図々しくも謝罪を要求した二人はギロリと睨まれ黙り込む。

 

「まあ冗談だ。悪かったな……」

「「……気持ち悪い」」

「後でぶち殺す」

 

 ゴジラはそう言うと少女を見る。

 

「………………?」

 

 ゴジラに見られた少女もまた、ゴジラを見返して不思議そうに首を傾げていた。

 自分の手や身体を見て、それからまたゴジラを見る。

 

「………………」

「お、おい!不用意に近付くな!」

「!?がるるる!」

 

 ゴジラが近付こうとすると少女の赤いメッシュが発光し始める。威嚇であり攻撃準備。

 しかしゴジラは歩みを止めず近付いていく。少女が熱線を放とうと息を吸う様な動作をした瞬間、ゴジラは少女を抱き締めた。

 

「……が……うぁ?」

「よしよし。大丈夫だ……そうだよな、右も左も解んねー、自分が何者なのかも解んねー。怖いよな?俺だってそうだった。いきなり姿が変わって、何が起きたのかさっぱりで、仲間は一人も居なくなってて…………怖かったさ。でも、安心しろ、俺は敵じゃない」

 

 頭を撫でられる度に、口内に灯る光が弱々しくなっていく。

 

「お前は生まれたばかりだもんな?攻撃されたら、敵としか判断出来ないだろ……けど、レッドキングもゼットンも敵じゃない。だからもう、暴れるのは無しだ。良いな?」

「………………」

 

 少女は目を細め口内の光を完全に消し去る。そのまま全身の力も抜きゴジラの肩に顎を乗せ寄り掛かるとゴジラにされた様に抱き締める。

 

「よし、いい子だ」

「……♪」




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