「成る程、お前がメカゴジラか……あまり似てないな」
「否定しない。そもそも私は皮膚を模した皮を被る前提の設計。また、怪獣娘として転生している為、前世の特徴は意味を成さない」
「それもそうか。私もゴジラとはあまり似てないわけだしな」
と、談話するのはメカゴジラと3式機龍。
ゴジラは自身が多くの世界のゴジラという怪獣の記憶を統合して持っている事と、前世の記憶持ちの怪獣娘達について話した。その際ゴジラの名を持つメカゴジラに興味を持ったわけだ。
「にしても前世のゴジラって本当に凄いんだねぇ……真似した奴や骨格使ったサイボーグも作られるなんてぇ」
「て、鉄のゴジラがふた、二人に…………」
一方町ではゴジラ、ヘドラ、アンギラス、ジラが四人でパトロールをしていた。
唐突に切り出したヘドラの言葉にアンギラスがガタガタ震え始めた。
「落ち着けアンギラス。そろそろ慣れろよ……」
「うう、顎が……頬の肉が…………」
「重症ですネ」
最近日本語の敬語を覚え始めたジラが震えるアンギラスを見て慰める。
「まあまあ、お二人トの因縁は忘れテ……仲良くしテくだサイ。時間が掛かるでしょうガ、今は仲間ナノですから」
「そうだぜ、今のうちに慣れとかねーと三人目がキツい」
「…………三人目?」
「おう、後一人居た。ん、一人……だっけ?」
「…………………」
ゴジラの言葉に更に増えるのかと青くなってバイブモードの携帯の様に震えるアンギラス。ゴジラははぁ、と溜め息を吐いて目の前で手を叩く。
ゴジラの力での拍手はスタングレネードの様な爆音を立ててアンギラスの意識を強制的に引き戻す。
代わりにヘドラはゴジラの行為を見守っていた為、爆音を直に聞き気絶しジラはミ、ミサイルがと震え始めた。どうやら別のトラウマを刺激してしまったらしい。
「ハッ!わ、私は何を……!?」
「よーし戻ったな。此奴等運ぶの手伝え。たく、前世じゃ暴竜なんて呼ばれてたのによぉ……」
「う、ごめん……け、けど仕方ないじゃないか!痛かったんだぞ!」
「うう、子供だけは……子供だけは殺さないでぇ……」
ゴジラの言葉にバツの悪そうな顔をするアンギラス。ゴジラの背に負ぶられたジラは何やら呻いている。
アンギラスが抱えたヘドラは相変わらず目を回しているし、アンギラスもまだ本調子ではなさそうだ。こんな時シャドウビーストでも現れたら──
『シャアアアア!』
「がぁ!」
──面倒だと思ったが熱線一発でカブトムシ型のシャドウビーストを消し去った。
「観測。熱線を確認。対象をゴジラと確定」
「いやいや確定したから何だよ逃げようぜ」
「拒否。自分はゴジラに会いたい」
「お前は良いよなぁ!後付けされた首だから首の一つを吹き飛ばされる痛みを知らないもんなぁ!おい、お前からも何か言ってやれ」
「ゴジラ……怖い。けど、人間、もっと怖い」
「激励。私達は現在その人間です。つまり、現状私達に怖いものなどありません」
「…………いや、その理屈はおかしい」
「確かに……もう、何も怖くない」
「あれ、可笑しいの私?つーか会ってどうすんだよ」
「解答。一緒に海の中で眠る」
「時間立てば拘束振り解かれるわ!それ以前に海に行く間に熱線食らうぞ……」
「代案。過去に行きまだ幼いゴジラを洗の──教育しておとなしい性格に」
「記憶持ってんだから無理だろ」
とある屋上で、三人ほどの人数で会話がなされていたがそこに居たのは前髪の中央が銀髪で残りは金髪という変わった配色の髪を持つ少女一人だけだった。
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