マガオロチはゴジラの仕事場が見たいと言い出したリトルとシン・ゴジラ、リトル達と遊びたがったジャッパとオロチが付いてきた。
「ここか……」
『雑貨店芦沢』という場所だ。
「いらっしゃーい……と、マガオロチ達か」
「パパ!」
「とと、リトル……悪いな、今仕事中なんだ」
飛びついてきたリトルの頭を優しく撫でる。するとシン・ゴジラも身を低くして頭を向けてきたので撫でてやる。
「おや、お客様かなゴジラ君」
と、その時奥から眼帯をした白衣の男性が出て来た。
「あ、すいません店長、俺の知り合いです。仕事場を見に来たようで……」
「そうか……ゆっくりしていってくれ……」
そういうと白衣の男は店の奥に引っ込んだ。
「ねーねーリトルちゃんのパパ!これなぁに?」
「それか?それは無重力弾……別名ペンシル爆弾。相手を上空に打ち上げ何故か爆発させる兵器だ」
「パパ、これは?」
「カドミウム弾。昔なら食らうと俺も少し痛い……今は平気だけどな」
「ねえねえお兄さんこれなに?食べれる?」
「それはあらゆる物体を溶かすオキシジェンデストロイヤーだ。バーニングモードで細胞を活性化させないと俺でも死ぬ」
「…………これは?」
「ファイヤーミラー。光線系の攻撃を一万倍にして跳ね返す」
「…………ここは兵器ショップか?」
「雑貨店だけど?」
マガオロチは呆れた目で売り物を眺める。大丈夫なのだろうかこの雑貨店は。一応、普通の商品も売っているようだが。服とかも有る。
「これは?オキシジェンデストロイヤーに似てるけど…………」
「それはオヤジジェンオオキクナルヤー、使用者を巨大化させる薬品だ。で、そっちはオヤジジェンデストロイヤー。使用者を小型化させる……」
「………………」
それを見たシン・ゴジラは目を見開き距離を取った。何やら警戒している様だ。
「ぐるるるる!」
「ど、どうした……シン?」
「それ、危険……変な臭い、危険!子供、おっきくなる!」
「「……?」」
ゴジラとオロチはシン・ゴジラの反応に首を傾げた。しかし理由は解らない。
「ねえねえパパ!可愛い服有った!」
「有った!」
と、そこへリトルとジャッパが可愛らしい服を持ってやってくる。
「パパ!これ着て良い!?」
と言ったのはジャッパだ。
「……あ、リトルちゃんのパパ……」
「別にパパでも良いぞ?」
ゴジラに頭を撫でられ恥ずかしいのかジャッパはグギョギョと鳴いて俯いていた。
「……パ、パパ……」
「ん?何だ、ジャッパ……」
「……パパ」
「何だ?」
「えへへ、パパ~」
「うん……」
その光景を見てマガオロチはやば、うちの子天使過ぎると胸を押さえていた。
「ゴジラがジャッパ姉のパパ?ならあたしのパパ……?」
「?オロチ、パパの娘?姉妹……オロチお姉ちゃん?」
「…………ふふーん!これからそう呼んでも良いよ!」
と、末っ子故に今まで一度も呼ばれた事が無い呼び名に胸を張るオロチ。それに対してシン・ゴジラは……
「……やだ」
「なんで!?」
その日の夜。
「パパ、一緒に寝よ~」
「ジャッパちゃんと一緒~」
「わかったわかった……」
二人に手を引かれながら寝室に向かうゴジラ。そんなゴジラを微笑ましく見詰めるパンドン。ふと、不機嫌そうなゼットンに気付く。
「どうしたの姉さん」
「だって、あれじゃあ母さんと再婚したみたいで…………でも義父もありかな?」
「………………」
頬を赤くして涎を垂らす長女を見て次女は苦笑いを浮かべるのだった。