ウルトラ怪獣擬人化計画 怪獣王   作:超高校級の切望

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握手会?怪獣娘!?

「キングジョー?」

「はいー。ゴジゴジはアギアギと一緒にキンキンの所に行ってもらいます~」

 

 ピグモンの言葉にゴジラはキンキンことキングジョーに就いての情報を調べた限り思い出す。

 

「……一つ聞いて良いか?」

「はいー?」

「……そいつ、マトモか?」

「………………」

 

 脳内で再生されるのは事ある毎に共に寝ようとする三重人格少女や子作りを強要してくるロリッ娘、比較的にマトモな方だが姉扱いさせ頭を撫でてくる銀髪。

 

「あ、あはは……大丈夫ですよー。キンキンはしっかりした子ですから。あ、後1人も現地で集合ですよ」

「そうか……」

 

 

 

 というわけで現地で合流した。アギラとだけ。

 

「……後1人は?」

「遅刻、かな……」

 

 ゴジラの呟きにアギラが返すとゴジラは時間を確認してはぁ、と溜め息を吐いた。もう時間だ。遅刻した奴は放置しておこう。

 そう決め歩き出すとアギラも慌ててついて行く。

 

 

「おー!アナタがアギラちゃんですか。眠そうな目がとってもCUTEですね」

「あ、ありがとうございます……?」

「そしてアナタがゴジラさん。本当に男の子なんですね。とってもCOOLです」

「どーも」

 

 両手をパタパタ振り全身で喜びを露わにするキングジョー。

 何と言うか、慣れない相手だ。フレンドリーさで言えばミクラスに近いのかもしれないが。

 

「まあマトモそうで良かった」

「?」

「いや、何でもない」

 

 ゴジラの言葉にキングジョーが首を傾げたので誤魔化した。

 

 

 

 

「しっかし、意外とファンが多いんだな……」

「怪獣娘を恐れる人は確かに居るけど、受け入れてくれる人の方が多いからね」

 

 ゴジラと共にステージの端からファンと握手しているアギラは何処と無く嬉しそうに応えた。怪獣娘が受け入れられて悪い気はしないのだろう。彼女だって怪獣娘なのだから。

 

「まあ美人は得するって事だろ」

「…………ゴジラは、キングジョーさんのこと綺麗だと思うの?」

「ん?まあな……写真集出すぐらいだし俺の感覚が可笑しいって事もないだろ。アギラも出してみたらどうだ?」

「………………?」

 

 前半の言葉にむっとしたアギラだったが後半の言葉に何故か頬が熱くなり、勝手に口元が上がりそうになった。

 そんな自分の反応を不思議がりムニムニと頬を弄っていると不意にピタリと止まった。

 

「?どうした、アギラ……」

「……あの人」

 

 ゴジラが不思議がったので指差すとそこにはホスト風の男が居た。

 

「好みのタイプか?」

「絶対違う……そうじゃなくて、なんか……変な感じ」

「…………」

 

 アギラの言葉にゴジラもその男を見る。別段変わった所は…………と、不意に男の身体から黒い靄が発生した。

 

「やっぱり、変……!」

「あ、おい!」

 

 駆け出したアギラを慌てて追うゴジラ。と、同時に男が叫びながら机を投げ飛ばす。

 

「……え」

「ッチ」

 

 アギラに向かって飛んできた机を蹴り砕くゴジラ。そのまま男を睨む。ひっくり返すなら兎も角、あれだけ高く投げ飛ばすとなるとどう考えても人間業じゃない。自分と同じ男のカイジューソウル持ちか?しかし、そう言った気配はしない。

 

「取り敢えず止まれ。何なんだおまえ……」

 

 判断に困り男とキングジョーの間に入り込むゴジラ。キングジョーがゴジラの後ろに不安そうに隠れると血走った男の目が更に鋭くなった。

 

「何なんだよ……何なんだよぉぉぉ!」

「いや、それは俺の台詞なんだが…………」

 

 取り敢えず一発殴って黙らせるか?しかし力が人間離れしていても耐久力までそうとは限らない。手加減するべきか……

 

「うおおおお!」

「はぁ……」

 

 取り敢えず突っ込んできたので押さえ付ける事にした。腕を掴み床に押し付ける。少し力を込め過ぎたら折ってしまうので手加減したが……。

 

「──!?」

 

 と、不意に男の身体を纏っていた黒い靄の一部が蛇の様にゴジラの腕に絡み付き向かってきた。思わず男を放り投げてしまうゴジラ。

 

「…………何だ、今の……?」

「う、うう……」

 

 右腕を見るが黒い靄は既に無い。戸惑っていると男が立ち上がる。しぶとい──

 

「そこまでよ!」

「あん?」

 

 仕方なく多少手荒で行くかとゴジラが指を曲げゴキゴキ鳴らしていると突然そんな声が聞こえた。声のする方向を見るとステージの屋根の上に()()の人影が。

 

「とう!」

 

 二つの人影は同時に飛んだ。

 

「ソウルライド!ガッツ星人!」

「変身!」

 

 二つの人影は光に包まれながら着地する。片方は白い髪が先端に近付くにつれ青くなり時折黄色い模様が入った長髪をたなびかせた灰色と白の身体のラインがよく見える格好、片方は赤や黄色、青などカラフルは格好に銀髪、口元を覆う笑みのようなマスクをした女性。

 

「来ました」

「私達が」

「ガッツ星人と」

「ジェットジャガーが」

「「貴方を倒しに、ね☆」」

「…………」

 

 ゴジラは混乱している。


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