ウルトラ怪獣擬人化計画 怪獣王   作:超高校級の切望

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節分?怪獣王!?

「節分ですよ~!」

 

 ピグモンが両手を広げると背後のスクリーンに節分と言う文字がデカデカ現れた。

 

「節分?」

「【解答】魔目、或いは摩滅……転じて豆を投げ鬼、邪気を払う行事です。また、恵方を向いて巻き寿司を完食すると縁起が良いんだかと言う恵方巻きもあります」

「いや、それは知ってるが何でいきなり……」

 

 ゴジラの言葉にピグモンはよくぞ聞いてくれましたと言わんばかりに笑みを浮かべる。

 

「GIRLSはこういう行事をあまり行ってきませんでしたからね。リトルンやシンシンみたいに幼い子が入りましたしこれを機にと思いまして」

「……まあ、リトルやシンが楽しめるなら俺は構わねーよ」

「やるー!」

「……やる」

「皆さんはどうですか~?」

「やるやるー!」

「ボクも……」

 

 

 

 

 まずは豆まき。

 鬼役はアギラ、ミクラス、ゼットン、ザンドリアス、アンギラス、ラドン、キングギドラ、メカギドラ、デストロイア、ゴモラ等の角を持つ怪獣娘達だ。

 

「あ、ゴジゴジ。豆を投げる時は手加減してくださいね」

 

 ピグモンの言葉にゴジラは握っていた豆を親指で弾く。壁に当たり豆は砕け散ったが壁にも亀裂が走った。

 

「確かに手加減した方が良いな」

「ですね……」

 

 ゴジラの言葉にピグモンは呆れながら頷いた。

 

「ところで何だあの格好?」

「ラムちゃんですよ。知りません?」

「知らん」

 

 ゴジラはトラガラビキニの一同を見てピグモンに問い掛けるが返ってきた応えに対する知識は、生憎ゴジラの中に無かった。

 

「うう、恥ずかしい……」

「んー、私はそうでもないかな~」

「ミク先輩は何時もの格好と変わりませんしね~」

 

 恥ずかしそうに身を隠すアギラに対してミクラスは堂々としていた。それに対してザンドリアスが普段のミクラスの格好を思い出し微妙な表情をしていた。

 

「それじゃあ豆まきを始めますよー。鬼はー──!」

「「「外!!」」」

 

 と、ゴジラとリトルとシン・ゴジラが高速で鬼達に迫る。

 

「あぶない」

「いたたた!?」

 

 アギラ達が回避しゼットンはバリアーを張る。逃げ遅れたミクラスが集中砲火を受けた。

 アギラ達もガッツやレッドキング達が投げてくる豆を避けたり防いだりしていた。

 

「お仕置きだっちゃ」

「ぬぎゃ!」

 

 カマキラスはエレキングの反撃に遭い感電していた。

 

「言い忘れてましたけど鬼は反撃ありですよ~」

「そうなのか……おっと……」

「……惜しい」

 

 ゴジラは背後から迫ってきたアギラの棍棒を躱す。見たところプラスチック製だろう。中身は空っぽだが。

 

「ほい」

「あう!」

 

 ゴジラが豆を投げると見事アギラの額に激突した。赤くなった額を涙目で押さえるアギラ。今度はゼットンに向かって豆を投げる。

 弾力性の有るバリアーに跳ね返された。

 

「ま、やっぱり一番の強敵はお前だよな」

「負けない」

「そうかい。お前相手なら本気で良さそうだ」

 

 と、ゴジラは全力で豆を投げる。が、音速を超えた豆が空中で粉々砕け散った。

 

 

 

 

 

「次は恵方巻きですよ。ピグモンの手作りでーす」

「へえ、大したもんだ。人数分は大変だろうに」

「とってもGREATな出来ですね」

 

 ピグモンから配られた恵方巻きを受け取ったゴジラとキングジョーは素直に称賛する。まるで店に売ってる様な出来だ。

 

「オルガ、恵方ってどっちだ?」

「あっちよ」

 

 スペースゴジラはオルガに恵方を聞き口を大きく開けかぶりつく。彼女達も食べるのは少し大変そうで、当然幼いリトルやスーもアグアグ食べる。

 

「ほらほら、早くゴジラも食べなよぉ。その、大きくてぇ、太くてぇ、黒いのをさぁ………」

 

 と、ヘドラがスケッチブックは片手にニヤニヤ笑みを浮かべてゴジラを見詰めていた。何と無く不快な視線だったが腹は減っているので食べる事にする。

 恵方巻きを恵方に向け、口を開け…………噛み千切った。

 

「何で!?」

「何が?」

「それじゃあRじゃなくてGになっちゃうよぉ!ボクの漫画、グロは勘弁なのにぃ」

 

 何やら訳の分からない事を言っていたがそのまま恵方巻きを完食した。

 

「に、してもそのトラガラビキニ……ラムチャンだったか?どういうキャラなんだ?」

「萌えキャラよ」

 

 ゴジラの問い掛けにエレキングが応えた。燃えキャラと言うからには燃えているのだろうか?

 

「ところでゴジラ、女の子がこういう格好をしているなら男として何か言うべき事はないのかしら?」

「ん?そうだな、綺麗どころが揃ってるし、似合ってるぞ」

「…………男に誉められるのは慣れているつもりだけど、着飾らない言葉も偶には良いわね」

 

 と、エレキングは若干頬を染め俯いた。

 

「ねえねえ私はー?」

「可愛いぞ」

「……なんか、その可愛いって子供とかに向ける可愛いって気がするんだけど」

「気のせいだ」

 

 ゴジラはゴモラと目を合わせる事なく応えた。


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