ウルトラ怪獣擬人化計画 怪獣王   作:超高校級の切望

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家族の絆?怪獣王!?(後編)

「てえぃ!」

 

 目を赤く光らせたリトルが座席を引き千切って投げるとシャドウが巻き込まれて倒される。

 が、巨大な蜘蛛の形をしたシャドウビーストは足でそれを払う。

 

「むっ……があ!」

 

 体格差的に接近戦は不利と判断して、背鰭を光らせ口から光線を放つ。が、それは父は勿論妹にも及ばない、泡の様な光の固まりが複数出るだけでシャドウビーストに当たるとあっさり霧散した。

 

『■■■■■■!』

「あう!」

 

 シャドウビーストが足を振るえば小さなリトルの体はゴロゴロ転がる。おまけに近くにシャドウの巣でも有るのか数が一向に減らない。

 

「里子!お前だけでも逃げろ!」

 

 と、哲治が叫ぶがリトルはその場から逃げず気丈にシャドウビーストを睨み付ける。

 

「……ん?」

 

 と、その時不意にリトルが空を見上げる。そして、何かがシャドウビーストに向かって落ちて一撃で頭と腹の接続部を蹴飛ばした。

 

『──■■■■!?』

 

 砂煙がまいシャドウ達が戸惑う。しかし、リトルは砂煙が晴れる前から影の中の人物達が誰か解っていた。

 

「パパ!シンちゃん!」

 

 二本の尻尾が蠢き砂煙を払う。そこに居たのはゴジラとシン・ゴジラ。

 リトルが駆け出すとシン・ゴジラがリトルを抱き止める。

 

「よう、無事か?」

「うん!」

「よし、なら待ってろ……直ぐにぶち殺してくるからな」

 

 と、リトルの頭を撫でるゴジラ。リトルは気持ち良さそうに目を細めた。

 

「ゴジラ!私は巣を探して破壊してくる!」

「任せた」

 

 ゴジラ達を運んできたラドンはそう言うとその場から離れた。シャドウ達はボスがやられたのと突然現れた怪獣娘達に動揺していた。

 

「……喧しいぞ」

『『『──!?』』』

 

 困惑する様に鳴き声を放っていたシャドウ達はゴジラの静かな、それでいて良く通る低い声に固まる。

 

「誰の前で喚いてる。誰を怒らせたと思っている。大人しくその命を差し出せ、大人しく死ね」

 

 ギロリと金色の瞳が周囲のシャドウを見回す。シャドウ達は震えながら、しかし動こうとしなかった。動けなかった。

 ゴジラの背鰭が光り、口内が輝いていく。

 その輝きが増すのをシャドウ達は自分達に向かって来る断頭台の刃を見詰める心境で見詰め、消滅した。

 

 

 

 

「パパ!」

「おっと……」

 

 ラドンからシャドウの巣の駆逐完了の知らせが届き一安心するとリトルが胸に飛び込んでくる。

 

「よしよし怖かったか?」

「ううん。パパが来てくれたもん!パパが居るなら怖くないよ」

「そうか…………」

 

 ゴジラが頭を撫でるとリトルはスリスリと頬を押し付ける。と、止まった電車の中から智代と哲治が出てくる。

 

「………………」

「…………」

 

 哲治とゴジラの目が合うと何とも言えぬ空気が流れる。シン・ゴジラは静観しリトルがオロオロ二人を見詰める。

 

「あ、あのねパパ!じぃじは魚釣るのが上手いんだよ?」

「……リトル?」

 

 その空気はリトルが唐突に発した言葉で霧散する。

 

「それでね、ばぁばはその魚で美味しい塩焼き作ってくれるの!それにね、じぃじが偶に捕まえてくる狸は唐揚げにすると美味しいんだよ!」 

「た、たぬ……唐揚げ?」

「うん。ザリガニとか蟋蟀も美味しいよ」

「ま、待てリトル……要するにお前はそれ食べたくて爺ちゃん家に行くって言ったのか?」

「違うよ?」

 

 戸惑うゴジラの質問にリトルは頭に?マークを浮かべて首を傾げる。何言ってんだ此奴、と言う目に若干傷付いた。

 

「あのね、じぃじとばぁばにパパの良い所たっくさん話すの!でも沢山有るから、じぃじ達の所に泊まって話すの。そしたら今度はパパの番!」

「ん?」

「じぃじとばぁばの良い所をパパにお話しするの!そしたらね、もう喧嘩しないでしょ?」

「……リトル」

「里子……」

「里子ちゃん」

「…………?」

 

 三人の視線が集まり再び首を傾げるリトル。そして、ゴジラがふっと笑う。

 

「そーだな。殆どの客が逃げ出してんのに、この二人はお前が居るから残ってた。ちゃんとお前のことを想ってる証拠だな」

「えへへ……」

「……ゴジラさん」

「ん……」

 

 と、そこへ智代がやってきた。

 

「すいませんでした」

「…………」

「貴方の人となりを聞いて、一度だけ見て、解った気になっていました。アナタはこうして、この子の為に文字通り飛んできた。本気で怒ってくれていた……この子を本当に大切してくれていた」

 

 そして哲治もやってきて無言でゴジラを見る。

 

「…………」

「ゴジラさん。この子はどうも、私達と住む事になるというのを解っていなかった様です。今回は、止めにしておきます。この子をどうかお願いします……」

「……ああ…………いや……はい」

 

 ゴジラの言葉に智代は微笑むと運転を再開しようとしている電車に向かっていた。

 

「…………夏」

「!?」

「里子が好きな季節だ。遊びに来い……」

「…………リトルが喜ぶなら、休暇にな」

「…………仲直りした?」

 

 去っていく祖父母の背中とゴジラを見てリトルが尋ねてくる。

 

「ああ、出来た」

 

 その言葉にリトルは嬉しそうに満面の笑みを浮かべた。

 

「帰るぞ……ラドン」

「ああ……」

 

 ゴジラが呼ぶと丁度戻ってきたラドンがバサリと降りてくる。

 

「……三人は流石にキツいな」

「ならタクシーでも探すか」

 

 

 

 

 GIRLSの正門でアギラは段差に腰掛けていた。既に座ってから数時間が経過し、今はもう日も大分落ちた。

 

「……あ」

 

 人影見えた。数は三つ。立ち上がり掛け、その人影に固まるも真ん中の人影の形が可笑しいのに気付く。

 よく見ると子供が肩車されていた。ゴジラに、シン・ゴジラとラドン。そして、リトル……。4人仲良く帰ってきた。

 

「お、アギラ……」

「お帰り」

「ああ、ただいま」

「ただ、いま……」

「アギ姉ただいま」

「ただいま」

 

 四者四様の返しにアギラは微笑んだ。

 

「でも何でここに?」

「今日の訓練が終わって暇だったから、少し待ってた……くしゅん」

「そうか……ありがとな」

 

 

 

 

 

 数日後。

 

「リトル、爺さんから荷物来てるぞ」

「じぃじ?」

「中身は……なんだこりゃ?」

「イナゴの佃煮だ!」

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