モスラの父からの猛攻を何とか退けたゴジラは改めて思う。シャドウミストを嘗めて掛かるのは危険だ、と。
どうやらあのシャドウミストはモスラの父の怒りに根強く憑依していた様で、怒りが強いからこそ彼の力も並みの怪獣娘に迫ってきていた。何故彼処まで怒ったのかは不明だが感情の強さによっては驚異足りえる。
「しっかしシャドウミストってのは何が目的なんだろうな?」
「【不足】その質問は要領を得ない。つまり何が言いたい?」
ゴジラと共にパトロールをしていたスーパーメカゴジラはゴジラの唐突な発言に首を傾げた。
「シャドウミストに取り憑かれた人間は確かに人間よりは強いが怪獣娘よりは弱い。それこそ、倒す時に気を使う必要が出る程」
「【同意】」
それにはスーパーメカゴジラも同意見だ。ぶっちゃけるとシャドウの方が強い。わざわざシャドウミストと言う存在になり人に憑く必要性が解らない。
仮にだが、シャドウに知恵が有り怪獣娘達を人間から孤立させる為に対立させているとしたらやり方が甘過ぎる。そんな知恵が有るなら報道関係者に取り憑けば良いのだ。
マスゴミとして名の知れたヒル○ワなんかに取り憑けば有る事無い事を吹聴される事だろう。しかしやらない。と言うかやれない。シャドウミストはあくまでも人の心に取り付き暴走させるだけしか出来ない。
「ピグモンとエレキング辺りは何か知ってそうなんだよな、隠してるみたいだけど」
と肩を竦めるゴジラ。彼女達には彼女達なりに考えが有るのだろう。公になれば混乱を生む情報なのかも知れない。もとよりゴジラの本質は破壊だ。前世から人と歩んでいたピグモンや宇宙人の出す指令を忠実に実行していた兵士であるエレキングと違い考えるのは得意ではない。そう言うのは向こうにやらせる。が、やはり気になるものは気になる。
「【考察】シャドウミストは副次効果」
「…………シャドウって死ぬと死体残らねーし、その残骸とかか?」
「【否定】シャドウミストとシャドウは密度の違う同一存在。よって、何か強大な存在の一部がシャドウに成り切れずシャドウミストに成ったと推測」
「だとしたらそれって、シャドウビーストより上って事にならねー?」
ゴジラが見た限り、シャドウビーストは一部が剥がれるなんて事は破壊されない限り無かった。シャドウミストを生み出すそれはつまりはシャドウビーストより濃度が濃いと言う事にならないだろうか?
確かにそれならピグモンが隠す理由も解る。シャドウビーストはゴジラにとっては雑魚だが怪獣娘達にとっては驚異だ。単独で圧倒出来るのはゴジラが知る限りにではゼットンぐらいだろう。それ以上が存在する
「つまりピグモン達も確信をしている訳じゃねーって事か……」
存在するなら忠告する。存在する可能性だけなら余計な混乱を生まない様に情報を押さえる。つまりそう言う事だろう。
「まあピグモンにもピグモンなりの考えが有るなら仕方ねー……暫くは様子見。俺には偽ガッツ探す任務も有るしな」
まだ確定していない可能性よりもそちらを優先しようと思考を切り替えるゴジラ。スーパーメカゴジラもそんなゴジラを見てシャドウビーストを越える何かに関する考察を取り止める。
「さてと、今夜も徹夜だ。手伝うと言ったのはお前だ、眠れると思うなよ?」
「【了承】ホテルの予約は任せて」
「…………何言ってんだお前」