ウルトラ怪獣擬人化計画 怪獣王   作:超高校級の切望

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登場☆怪獣娘!?

 シャドウガッツを捕らえる為に集まったのはアギラ、ウィンダム、ノイズラー、レッドキング、ザンドリアス、ゴモラ、モスラ、キングギドラ、キングシーサー、キングジョー。

 本来ならもう少し人員を回すはずが、ゴジラの脱走の連絡が有りそちらに割かれた。

 

「ピグちゃんさ、これって一般の人まで来ちゃったりしない?」

『嘘イベントの告知はシャドウガッツにしか連絡してないので大丈夫でーす♪』

「じゃあ、あの人は何故?」

 

 と、ゴモラが指差した方向に居たのはいつぞやのシャドウミストに取り憑かれていた男性。キョロキョロ周囲を見回している。

 

「ここで、おジョーさんに出会える予感が……」

 

 ゴジラもビックリな追跡性能である。

 

「……マジか」

「うひゃー」

 

 ゴモラやレッドキングも思い切り引いていた。

 キングジョーが今夜の秋葉原でやるイベントに整理券が有る事を伝えると並ぶ為に去っていったが……。

 

 

 

「パタパタ…………ん?」

 

 と、暇なのかザンドリアスが擬音を呟きながら飛んでいると突然人影が現れた。

 ガッツ星人……いや、シャドウガッツだ。

 

「…………」

 

 シャドウガッツが周囲を見回すと臨戦態勢になった怪獣娘達。罠だと気付いたが逃げる様子も無く、黒いオーラを放ちながら彼女もまた臨戦態勢になる。

 その彼女のオーラに呼応する様にシャドウが現れた。

 

「今日はゼッちゃんは?」

「居ねえ!」

「じゃあ行きますか」

「おう!お前等、コイツの目を覚ましてやろうぜ!行くぞ!」

「「「おう!」」」

「ちょーっと待ったー!」

 

 レッドキングの叫びに誰もが戦闘開始と意気込んだ瞬間、唐突に割って入ってくる声が有った。

 

「ガッツ!」

 

 アギラが叫ぶ。

 そこに居たのは本物のガッツだった。確かに彼女は変身状態でやられていたのだから怪我もそれほど酷くないだろう。しかしソウルライザーも無いのに何故……?危険過ぎる。

 

「どうしてここに!?」

「ミクラスがソウルライザーを貸してくれたんだ」

 

 と、その時の事を思い出してか微笑むガッツ。

 

「本当、プライドも身体もボロボロ……でも、自分のケジメは自分で着けさせて貰うよ!いやっほう!」

 

 そう言ってガッツは高く跳ぶ。

 

「ソウルライド!ガッツ星人!」

 

 全身が光った後に変身し着地したガッツはシャドウガッツを指差した。

 

「さあ……さあさあさあさあ!来ました、私が!私に、会いに!行くぞ!」

「こい!」

 

 ガッツが飛び出しシャドウガッツも叫び、互いの拳がぶつかる。それを合図にシャドウ達も動き出す。

 

「ガッツ、露払いは任せろ!」

 

 と、レッドキングが叫ぶ。それに対しシャドウガッツがニヤリと笑ったのを目の前のガッツだけが気付いた。

 

「────!?」

 

 瞬間、地面から青白い光の柱が立つ。

 咄嗟に避けたレッドキングだが余波で吹き飛ばされる。

 

「今の光…………!」

 

 アギラが目を見開くと同時に地面に空いた穴から黒き影が飛び出してくる。

 黒いコートに黒いズボン。身長より長い黒い尻尾……。

 

「ゴジラ…………」

「グル……ギャオオオオオオォォォン!!」

 

 アギラの呟きにゴジラは着地の際曲げていた身を起こし叫ぶ。大気がビリビリ震え、アギラ達は思わず一歩後退る。が、動ける者が三人。

 前世のゴジラを前にした事が有る三人だ。

 

「うてぃちき……!ギャンッ!?」

「キングシーサーさん!?」

 

 真っ先に飛び出したキングシーサーはゴジラの尾に吹き飛ばされる。その隙にキングギドラが口内に溜めた引力光線を解き放つ。

 

「ごあぁ!」

「ガアァ!」

 

 ゴジラも同時に放射熱戦を放ち相殺するもモスラが背後から迫る。が、目の前からゴジラが消えた。

 

「上よモスラ!」

「────!?」

 

 ゴジラは尻尾を使い跳ねたらしく、無防備に背中を向けるモスラの首筋に噛み付こうと口を開く。次の瞬間────

 

「てい……!」

「ガ──!?」

 

 ゴジラが蹴り飛ばされた。少女に。

 少女がゴジラを蹴った衝撃を利用しクルリと回転して着地するとズン!と地面が震えた。

 怪獣娘の中には、生前重さを武器にしていた怪獣の特性で体重を操作出来る怪獣娘が居るらしいがそれと同じだろうか?

 だとすると目の前の少女も……?と、モスラはその少女を見る。

 緑の着物に、牙を模した顔下半分を隠す仮面。長い尾に三列の背鰭が生えている。

 

「……ゴジラの、同族……?」

 

 モスラが思わず呟くと少女は悟りでも開いたかの様な優しい瞳をモスラ達に向けた後、ゴジラが吹き飛ばされた瓦礫の山を見る。

 

「ぐるあぁぁぁっ!!」

「ふむ……主、色々混じっておるな?」

 

 目が合った瞬間理解した。あれは、ゴジラと似ているが少し違う。本質的には自分に……自分よりバトラに近い存在。地球の意思の体現者…………星霊、星獣の類だ。

 

「オオオオオォォォォ!!」

 

 と、瓦礫が吹き飛びゴジラが出てくる。擦り傷などは有るもののピンピンしていた。

 

「…………む?」

 

 不意にゴジラを蹴った少女の足から黒い靄が噴き出す。シャドウミストだ、接触した際付いたのだろう。モスラが慌てるが少女はふぅ、と溜め息を吐き足下の落ち葉でも払う様な動作で足を降り、シャドウミストを消し去る。

 

「ふん……頭の中から壊せ殺せと喧しい。そんなもの、前世で二万年近く聞かされ続けばいい加減に飽きる……」

 

 そう足下の瓦礫を砕きながら此方を睨むゴジラに向かって笑みを浮かべる。

 

「暴れ足りないと言うなら、来るが良い我が愚息よ!」




もしもシリーズ

もしもゴジラがサーヴァントになったら2

Fate/zero

 俺の人生を縛り付け、桜ちゃんの人生を狂わせようとしている化け物が一瞬の内に消え去った。
 青白い光に焼かれ塵一つ残さず断末魔すら上げす消えた。
 その破壊の跡は地下空間に巨大な穴を開けていた。

「グウウウゥゥ」

 憤狂に染まった瞳は敵を探すようにギョロギョロ周囲を見回す。

「これが、俺のサーヴァント……バーサーカーか……」

 あの妖怪が見つけてきた本物の龍の化石。龍を殺すほどの英霊を呼び出すための触媒で現れた近代的な服装の恐竜のような尻尾が生えただけの男。失敗かと思った、この時代に龍に縁がある英霊など居るはずがない。尾があるがそれだけ……。
 しかしそのバーサーカーは妖怪を殺してくれた。

「ぐ、う!?」

 と、全身から激痛が走る。俺の中にいる刻印虫達が暴れている。いや、苦しんでいる。

「ぐお、げえ……!」

 体中の穴という穴から溢れ出した蟲達はビクビク震え破裂する。魔力の生成のしすぎ?だが何故……?

「……まさか、お前から逆流してるのか?」

 思わず呟きバーサーカーは見る。だが、あり得ないそんなこと。サーヴァントは魔力をマスターから貰うことを前提にしているはずだ。魂喰らいも無しに魔力を生み出すなんて……。
 だが、もしそうなら?俺は他のマスター達より魔力が持てるはず……勝つことすら出来るのでは?
 聖杯が手には入れば、桜ちゃんや俺の体を治すことも出来るのでは………?




 ランサーとセイバーの決闘に割り込んできたイスカンダルと言う真名を明かしたライダー。
 さらに現れたアーチャーに加え、バーサーカーと思われるサーヴァントまで現れた。アサシンは既に敗退している。キャスターを除いた全てのサーヴァントが出揃ったわけだ。
 そのバーサーカーに向かってアーチャーが刀剣と槍を放つ。
 爆発が起き爆煙が晴れると顔に槍が突き刺さり上体を反らせたバーサーカー。

「…………お、終わった?呆気なかったな……」
「馬鹿者、良く見ろ……」

 安堵するマスターにライダーが叱責する。
 バーサーカーはゆっくり上体を起こすと槍はバーサーカーの歯に止められていた。

「……あ、あら……そういえば剣は?」
「バーサーカーが片腕で弾きました……」

 白髪の女性の言葉にセイバーが応える。
 バキリと音を立て槍が噛み砕かれアーチャーはギリっと歯噛みする。

「我が宝物を汚らわしい口で触れるどころか、破壊するとはそこまで死に急ぐか!」

 アーチャーが無数の刀剣や槍を金色の波紋から取り出し───

「ゴアアアァァァアッ!!」

 バーサーカーが放った青白い熱線に全て破壊し尽くされる。

「……………」

 焼き払われた宝剣を見て、ギルガメッシュはある女を思い出す。概念()文明(人々)も破壊し尽くした巨神。破壊の化身を……。

「……忌々しい」

 それを思い返してしまう自分が、それを思い出させた目の前の存在が。

「塵一つ残ると思うな雑種めが……」
「グオオォォォォォ!!」

 人類最古の王と発展した人類が生んだ怪物の王が、周りのサーヴァントなど目に入らないとばかりにその破壊力を解き放たんとしていた。



続かない


Fate/stay night

「やっちゃえバーサーカー!」
「ギャオオオオオオォォォン!!」

 水爆……?

「爆発オチなんてサイテー!」



もちろん続かない



Fate/Grand Order


「解らんな怪獣王よ……何故我に敵対する?何故その娘と共に人類を守ろうとする?この人類史の誰よりも被害者なのは貴様であろう」

「………………」

「ああ、そうだ。お前は憎んでいるはずだ、滅ぼしたいはずだ!人類を滅ぼせる害悪でありながら、その憎しみ故にビーストにすら到れぬほどに!アヴェンジャーの冠位すら手にしようと思えば出来るほどに!」

「知ったかぶるなよ魔術王…………いや、魔術王の抜け殻に着いた72匹の寄生虫。確かに俺は人間が憎い、生前殺して潰して消して焼いて、それでも気は晴れなかった。同族を見付け、そいつが望むから我慢してやっただけだ」

「ならば何故我が邪魔をする!?人類史は確かに貴様という災禍を産み落とした。だが、そんなことを理由に人のために戦う貴様では無いはずだ!」

「知ったからぶるなと言ったはずだぞ寄生虫。俺にだって、消えて欲しくない人間は少しぐらい居る。消し去りたくない過去が少しぐらいある、それだけだ……」

「……………」

「しかし……お前如きがこうして俺の前に出て来てくれたこと、感謝するぞ。いちいち残りの特異点を回るなんて面倒なのでな」

「ここで決着をつけると?笑わせる、神秘の薄れた時代の怪物が」

「ほざけ……我こそは当代の破壊の王にして神をも殺す復讐者!人も!神も!文明も!巨神も!獣も!我が前では全て滅びる定めと知れ!」



続かないったら続かない

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