ウルトラ怪獣擬人化計画 怪獣王   作:超高校級の切望

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決着☆怪獣娘!?

 星から生まれた生物が傲慢にも我等は星の王であると驕り、数多の生物を滅ぼした。

 そこまでは良い。そもそも生存競争に敗れ種が絶滅するのは良くあることだ。絶滅させた種類が多いのは生存競争に勝ち続けている証でしかない。

 しかし、王を僭称するその生物達は星を削り、星を汚し、星そのものを破壊し始めた。

 星を生物の住めぬ死の星に変えようとしていた。故に星の怒りに触れた。

 最初期に生み出した怪物達は、やがて敗れた。後から生み出した者達も。だが問題ない。所詮は時間稼ぎ。

 中には己の強大さに自身を星の王と舞い上がる者もいたが、それらを含めて滅ぼす準備はとうに出来ている。

 やがて生まれた星の意思の体現者。いずれ戻って来るであろう傲慢なる生物達に備え環境をも書き換える破壊の王。成長のために眠る破壊の王は自らの力を模倣した分身を生み出す。

 

 

 

 

「久し振りだな母さん。縮んだな」

「それはお前も同じ事だろう。特に、私は生まれた年代が間違いなくお前より遅い……」

 

 と、肩をすくめる少女。

 

「わはは!二万年生きた婆が今さらガキかよ!マジうける!」

「ぶっ殺すぞ貴様!」

「しかし軽いな。ちゃんと食ってるか?」

 

 ゴジラの言葉に飛びかかる少女をゴジラは軽くいなし、足を掴んで逆さまにぶら下げる。

 

「軽いが強靱な繊維で構成していたのと、そもそも物理的な攻撃に対しそれほど体を硬くする必要がなかったからな。逆にお前は重すぎんか?」

「非対称透過フィールドなんて持ってない前世ばかりだったんでな。ただ単純に硬く、その分重くなったが支えられるだけ強くなっただけだ」

「生物の限界を超えておるの」

 

 と、呆れたように溜息を吐く少女とどこか嬉しそうなゴジラ。と、その時周囲のシャドウが襲いかかってくる。

 

「「邪魔(じゃ)」」

 

 が、ゴジラが足から手を離し横回転。少女は落下しながらの縦回転で尾を振るい吹き飛ばした。

 

「ゴジラ、もう平気なの?」

「おお、アギラか。迷惑かけたな、もう大丈夫だ」

「………?」

 

 そう言って笑うゴジラに、違和感を覚える。何というか、何時もより大人っぽいというか、何というか。

 

「………雰囲気、変わった?」

「前世全部思い出せたからな。そのせいかもしんねー………と、それより偽ガッツは、と………」

 

 見ればガッツが追い詰められていた。シャドウガッツがとどめを刺そうと黒いオーラを手に迸らせガッツに迫る。が………

 

「よっと……」

「ぐっ!?」

 

 ゴジラが偽ガッツを蹴り飛ばす。

 

「……ゴジラ………」

「よおガッツ、手を貸してやろうか?」

「……大丈夫、一人でやれる」

「………………」

「あいた!?」

 

 フラフラと立ち上がったガッツだったがゴジラの無言のデコピンを喰らい涙目になって額を押さえた。

 

「……?…………?」

「阿呆。支えるって言ったろ?お前の敵は俺の敵。それが仲間だ」

「………仲間?」

「ああ。GIRLSは仲間だ。もちろんお前もな………んで、他の皆だってそうだ」

「……………」

 

 ガッツはその言葉に周囲を見回す。この場に来ていた怪獣娘達と目が合う。

 

「………そっか」

「それにこれはリベンジマッチでもあるからな。おいこら偽ガッツ、俺はあの時シャドウミストに犯されてて調子が出なくて逃がしただけだ。決して負けた訳じゃねー」

「……負けず嫌い」

 

 ゴジラの言葉にガッツがボソリと呟く。

 

「邪魔を、するな!」

 

 と、シャドウガッツが迫ってくる。

 

「ゴジラ……手伝って」

「おうよ……」

「がああぁぁぁ!」

 

 雄叫びをあげ迫ってくるシャドウガッツ。ゴジラはゴキリと指を鳴らす。

 

「大人しくしな!」

「が──っ!?」

「……ありゃ?」

 

 ゴジラの拳がシャドウガッツの腹にめり込み吹き飛ばされる。何というか、ゴジラ一人で十分なのでは?

 

「ぐっ……まだ、だぁ!」

 

 と、シャドウガッツはフラフラと起き上がる。

 

「いいや。終わりだよ………戻っておいで、もう一人の私!」

「があああ!?」

 

 しかしガッツが放った光線に撃たれ、ドサッと倒れる。

 黒い靄がガッツの分身から離れ、さらにシャドウ達が靄になり一つの場所に集まっていく。

 やがて黒い球体になり、それは巨大な人型になる。

 

「シャドウビースト!?」

「に、しちゃ反応が妙だな……」

 

 アギラの言葉にゴジラは首を傾げる。

 

『ガ───アガァァァァァ!?』

「こ、今度は何!?」

 

 と、シャドウビースト(?)は突然苦しみだした。メキメキと音を立て形が変わっていく。

 背鰭が生え、尻尾が伸び、爪や牙が現れる。

 

「………ふむ。おいフィリウス、奴から主の気配がするのだが?」

「ああ。多分俺に憑いてたシャドウミストも吸収したんだろうな………俺のエネルギーを帯びたシャドウミストを……」

「シャドウジェネラルを汚染するなんてさすがゴジラのエネルギーですネ」

 

 と、キングジョーが呆れたような感心したような声を出した。

 

「シャドウジェネラル?」

「シャドウやシャドウビーストより上の、シャドウミストの大元なのデス」

『グオオオオォォォォォンッッ!!』

「………まあ、あれはもはや別物ですが……名付けるならシャドウG-1ですカネ」




もしもゴジラがサーヴァントだったら4


「サーヴァント、ルーラーとお見受けする」
「………………」

 白髪の美丈夫の声に、黒髪金目の美丈夫はギロリと視線を向ける。
 白髪の青年は、此度の大規模な聖杯戦争、聖杯大戦にて戦う赤と黒の陣営の、赤側のランサー。
 対する黒髪の青年は聖杯大戦の勝ち残ったものが手にする願いが叶うという褒賞によって世界が滅びる可能性がある場合召喚され、聖杯の枠組みを守る為の存在。
 黒髪の青年は別段人類が滅びようと知ったことではない。それならそれで、それが人の願いであるというのなら腹を抱えて笑うだろう。
 だが、()()()()()に関してだけはおそらく全てのサーヴァントの中でも彼ほど見逃さないものはいないだろう。故にルーラーの素質を持ちこの場に召喚された。

「………赤のランサーか………隠す気もないその敵意。ルーラーである俺と敵対するってか?」
「無論。それがマスターの命令とあらば遂行するまでだ」
「……それは赤の総意か?」
「知らんが……マスター達は一堂に介しており、誰も止めなかったとだけ言っておこう」

 赤のランサーの言葉にルーラーはガシガシと頭をかく。

「……面倒だ」
「…………」
「ただでさえクソ面倒くせぇ聖杯大戦なんざに呼び出されて……オマケに片方の陣営がまんま敵だと?ああ、もう……良いや。ルール違反で赤の陣営ぶち殺してこの聖杯大戦を終わらせよう」



シロウ「…………え?」
獅子劫「巻き添え!?」



もしもシロウがルーラーに会うより先に大聖杯を奪取した場合。

「あれだな、うん…………全人類の不死化とか認められるわけねーし。早く座に戻りてーしもう大聖杯その物破壊して聖杯大戦を終わらせるか」

サーヴァント達『…………え?』



大聖杯『ジャンヌ呼べば良かった………世界に歪みは生まないけど短気すぎる』



 もしもルーラーがもう少し気長だったら。

「ホムンクルスに、ジークフリートの心臓ねぇ……これやっぱりルーラーとして保護しなきゃ駄目か?意思があって生を求めるならやっぱ巻き込まれた存在な扱いなんだろうし……くそ、こういうのはルーラーとして一番まともそうなジャンヌにやらせろよ大聖杯の人事どうなってんだ……」
「お、お願いだよ!この子を助けて……!」


「同族を助けたい、ねぇ。好きにしろよ。俺は手伝わねー。それはお前がお前の意思で巻き込まれに行く分けだからな」
「ああ、すまないルーラー。迷惑をかけるかもしれない」


「やかましいぞ黒のバーサーカー。速やかに消えろ」
「なんたる傲慢!なんたる圧制!我が愛の抱擁を浮けよ圧制者よ!」


「はーん。ジークフリートの力を、ね……使い続けるとお前、間違いなく飲まれるぞ」
「それでも、俺は構わない」
「………ふん。なら好きにしな。怪物にならなきゃできねー事も、まああるだろうしな。あ、令呪はやらねーぞ」


「全人類の不死化?死の概念をなくし生の執着をなくせば、本当に人が争わないとでも思っているのか?あの制限なく欲望を求める生物が」
「ああそうだ!確かに、最初は混乱もあるだろう。お前の言うように争う者も現れるだろう!だが、無限の時間はやがて人々から欲を研ぐと俺は信じている」
「話にならねーな。俺は生憎と、人間の素晴らしさとやら全ての人間の内に眠っているなんて信じられねー。だから、そのくだらねー野望と大聖杯ごと、消えてなくなれ天草四郎時偵」


「よおジーク、でっかくなったなぁ……これからどうする?ん、世界の裏側に住む?そうか、達者でな」

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