ウルトラ怪獣擬人化計画 怪獣王   作:超高校級の切望

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母親?怪獣王!?

「ふむ。やはり貴様の子だったか。隅に置けんな」

「こっちの世界で作った訳じゃねーよ。つか、元の世界でもどうやって作ったっけ……?」

 

 いや、本当に思い出せない。番なんて居なかったはずだ。何時の間にか有った卵から生まれた。

 リトルと同じ様に拾ってきたんだっけ?いや、実の子だった気もするし……。ホラー?

 

「…………?」

「ま、子である事には変わりないか」

 

 頭を撫でてやる。前世以来で、互いに人間の姿になっているので感覚も異なるが、懐かしいと感じた。ミニラも同じなのか目を細めてされるがままになっている。

 

「あのー、親子の再会を喜んでいるところ悪いんですが~、そろそろ説明お願いして良いですか~?」

 

 と、ゴジラがミニラの頭を撫でているとピグモンが申し訳無さそうにやってくる。家族の邪魔をしたくはないのだろうが、事が事だ。

 

「……娘のミニラだ」

「よろしくね」

「またですか…………そちらの子も?」

「いや、母さんだ……」

「…………母さん?」

「母さん」

 

 首を傾げるピグモンにうん、と頷くゴジラ。ピグモンはジッと少女を見る。

 

「お母さん?」

「うむ、お母さんだ」

 

 と、小柄な体に比べて豊満な胸を張る少女。

 

「まあ人として生まれる時季が遅れ、息子より年下だがな」

「……な、成る程……ついでに年齢は?あ、人としての、ですが」

「今年で15だ」

「……15…………」

 

 ピグモンはある部分を見る。

 

「ボク11歳!」

「じゅ、11…………」

 

 ミニラの言葉に同じ様にある部分を見て、ズーンと落ち込むピグモン。

 

「私もペガちゃんの計画に一枚噛ませてもらいましょうかね~…………な~んて。と…………ピグモンはピグモンです。ゴジゴジの上司をさせてもらっているのですよ~。お二人とも記憶が有るみたいですし、ここでは何なのでGIRLS本部までお越しいただけますか?」

「解った」

「わかったー……」

 

 後、ゴジラにも付いてきて貰おうと思ったのだがゴジラは申し訳無さそうな顔をして断った。

 

「ちょっと、用事が残ってるからな…………後で良いか?」

「…………はい。ちゃんと、謝ってくるですよー」

「ああ……」

 

 

 

 先程赤い熱線が雲の向こうへと消えていき、爆発した。間違いなく、あれは兄の力だ。向こうに兄が入る。

 正気とは限らない。暴走したままかもしれない。またやられるかもしれない。だが、心配なのだ。前世を知っているから。彼の力を得ようとして、呑まれた過去が有る。

 シャドウミストが心の透き間に取り付くと言うなら、あれを暴走させるのではないか、それは本人であろうと耐えられないのではないか、と………

 

「よお、何急いでんだ?」

「え?あ……兄様(あにさま)!」

 

 不意に声を掛けられ、ゴジラが現れる。どうやら正気の様だ。シャドウミストが離れたのだろう。

 

「来ると思ってた。お前は離れた細胞じゃなく、直接俺から新鮮な細胞を取ったせいで妹の中で一番俺の記憶に触れてるからな。悪い、暴走して、心配を掛けた」

「え、あ……そ、そんな…………」

 

 確かに心配はしたが、謝られる様な事ではない、と思っていると目の前に手が伸びてきた。

 びくりと体を震わせるが、その手は額に巻かれた包帯に向かい親指でそっと撫でる。

 

「悪かったな、怪我をさせて……」

「!?……い、いや!ほら、私は兄様の力の一端を持っているからこの程度の傷……!」

 

 何だろう、兄が何時になく優しい。普段は、前世も有ってかなりツンツンしているのにデレ期の到来だろうか?だとしたら姉の一人、ビオランテに会わせる訳には行かない。

 まあ理由としては前世の記憶が完全に蘇り仲間を失った時の事を鮮明に思い出したので、多少変則的とは言え同様の系譜に当たるオルガに優しくしている訳だが……これはビオランテにも当て嵌まるはずなので、確かに会わせない方が良いかもしれない。

 

「…………はふぅ」

 

 恥ずか死と言う造語が有るが、もし本当に恥ずかしさで人が死ぬなら致死量レベルの羞恥を味わったオルガはパタリと気絶した。その顔は幸せそうだった。

 

「次はキングシーサーに謝りに行かなきゃな。何処まで吹っ飛ばされてんだろう、あいつ…………」

 

 

 

 子供達は砂場から生えた足をつんつん弄っている。時折ピクリと動くから生きているのだろう。最初は動く度に距離を取っていたがもう馴れた。

 クソガキが犬の糞を付けた枝を近付けようとした時人影が現れる。振り向くと長身の男が居た。

 ジロリと睨まれ蜘蛛の子を散らす様に逃げる子供達。

 長身の男、ゴジラが足を掴み引っこ抜くとキングシーサーが出て来た。

 

「気絶…………いや、これは寝てんな」

「むにゃむにゃ……」

「おい起きろ」

「んー?ナー ヒティミチ ?」

「寝ぼけてんなキングシーサー」

 

 その言葉にコシコシと目を擦るキングシーサー。だが逆さまだ。

 

「お、ゴジラ。ナー 平気ー?」

「ああ。悪かったな。詫びがしたい。何か俺に出来る事は有るか?」

 

 この優しさは今世において自称親友に嫌と言うほど叩き込まれた対応だ。するとキングシーサーはんー、と考え込む。

 

「ワンをサイキョーにして──」

「いや、それは無理だ。俺の出来る事の範疇に無い」




教えてエレキング

教エレ

エレキング「久し振りのこのコーナー。今回は速攻で消えるかませ犬、キングシーサーよ」

キングシーサー「はいさーい!ウマンチュ、よろしくー!」

エレキング「………早速今回の質問に行きましょう。クォーターシェルさんからお便り『キングギドラの人格は初代と千年竜王とあと誰でしたっけ?
あとバランとかデスギドラみたいなゴジラと関わってない東宝怪獣の登場予定はあるでしょうか?』よ」

キングシーサー「あー、キングギドラねー……あの子はあれ、ほら……千年竜王と洗脳されたのと初代みたいに洗脳免れた個体みたいさー」

エレキング「ギドラ族って宇宙最強の割には殆どが洗脳されてるのよね」

キングシーサー「キング付いてるのになさけねーんよ……」

エレキング「残りの質問に関してはその内出すつもり、としか言えないわ」

キングシーサー「次は何の質問ー?」

エレキング「SG1さんから『見直してて思ったこと。
機龍の主兵装ってアブソリュートゼロと三連メーサーの二つがあったと思うんですけど、そこらへんの扱いってどうなってるんです?
切り替え可能なのか、描写的に前者のみ?』ね」

キングシーサー「あぶそりゅーと……?さんれんめーさー?」

エレキング「取り替え可能よ。とは言え、三連メーサーは修理が間に合わないアブソリュートゼロの代わりに着けただけだから威力も落ちる。わざわざ使う必要もないわね」

キングシーサー「お便りはこれで全部、マタヤーサイ!」

エレキング「お便りお待ちしております」



もしもシリーズ

夜叉竜さんのリクエスト
もしもゴジラがありふれた職業で世界最強に迷い込んだら

「職業無し、ねえ……つまり無職か」

 黒慈ユウラはコキリと首を鳴らす。クラス丸ごと召喚され、人類を救う手助けをしてくれなどと寝言をほざかれた。
 救いを求める割には随分と欲の深い目をしていた。信用に値したい。

「おい無職、お前今くそよえーんだから引っ込んでろよ」
「学校最強も異世界じゃ雑魚だもんな!これまでのこと土下座して謝れ───がぶ!」
「耳元でブンブンさえずるんじゃねえよ殺すぞ」

 馴れ馴れしく肩に手をかけ最近鍛えられた腕力で力を込めるもユウラの裏拳で鼻と顎の骨を折り吹き飛んでいく。

「ああ……面倒だ」



 次の日からやはりというか、訓練に混ざるように言われた。適当にやっても好成績を残せる。周りの目がかなりうざい。

「凄いですね黒慈君!」
「……………」

 そしてユウラの成績を見て腕をブンブン降ってくる教師にしかめ面をする。
 悪意がない、恐怖がない、こういう手合いは苦手だ。何故か何かを思い出しかける。





「グルアァァァァァ!」
「吠えんな、うるせぇぞ」
「ぐ……グゥ!?」

 ユウラは魔物の咆哮に苛立ち一瞥する。それだけで魔物が慌てて口を閉じ後ずさった。と、その時背後から炎がユウラに向かって飛んでくる。

「あ?」

 もちろんそれを片手で弾くが今度はユウラ達がいた石橋に亀裂が走る。

「……ッチ」




「………つー……頭打った………おいリトル、無事か………リトル?」

 自然に口からでた言葉にユウラは首を傾げ、次の瞬間濁流のように溢れる記憶の数々に頭を押さえる。

「……っ………ああ、思い出した。しかし、人間共は何処の世界でも度し難いな……ん?」

 気配を感じ後ろを振り向くと先ほどの魔物、確か名をベヒモスとか言う魔物がいた。
 同じように落ち、ユウラが先に目覚めたらしい。

「おい、起きろ」
「ぐうぅ………!?ゴア───!」
「黙れ」

 目を覚ましユウラに気づき威嚇しようとするもその言葉に口を噤む。カタカタと震え、尾が垂れる。

「この体は何かと歩幅が小さいのでな。足代わりになれ、ならないなら腹の足しにする」
「…………………」

 ベヒモスはその言葉に、体を伏せる。ユウラはその鼻面を踏み眉間を越え背中まで上るとクルリと振り返り前を向く。その際、本来存在しないはずの尾が現れ服装も皮鎧から何時の間にか黒いコートに代わる。

「行け……」

 スキルでもなく、魔法でもなく、ただ純粋に力で魔物を屈服させたユウラは……記憶を取り戻した怪獣王ゴジラはダンジョンの中を進み始めた。



「熊と言いウサギと言い狼と言い、どいつもこいつも不味いな。よえーくせに鬱陶しいし」
「グルルゥ」
「お前は普通に食えるんだな。うまいのか、アンギラス」
「グウウ」
「そうか……」


「ん、何か変な水だな……」
「グルル」
「怪我した時のためにとっとけって?仕方ねーな」



「へえ、石像が本物になった。アンギラス、食え」
「グオオオ!」



「助、けて……何でも、するから………」
「……解った………よっと」
「きゃ!?」
「何だ蹴り一発とか随分もろい封印だな。ん?おいアンギラス、その呆れた目は何だ」



「どうして助けてくれたの」
「目が似てたから。周りにどれだけ、何が居ようと一人ぼっちだと思ってる目。んで、名前は?」
「………つけて」
「じゃあミキで」



「し、死ぬ……」
「そんなに不味いか俺の血?」
「後少しでも吐くの遅れてたらしてたら内側から違う何かになってた……」



「おら頑張れアンギラス、キチンと強くなれ」
「ぐ、ぐるるる!?」
「ベヒモスを鍛えるなんて、ユウラ……本当に人間?尻尾生えてるし」
「しゃくなことに人から生まれた……」


「ゴジラ、頭の花………何それ」
「ん?こりゃアレだな、俺を苗床にしようとして変質しちまったんだな………ちいせえビオランテみてーだ」
「キシャアアア!」
「よし、ちょっと俺の頭に花咲かせたアレ食ってこい」
「シャアア!」



「ヒュ、ヒュドラの毒………ゴジラ、死んじゃう!」
「………別に何ともないけど?」
「……え」
「……シャ?」
「そもそも牙が刺さってないしな」



「アンギラス、ビオランテ、ギドラ、三匹ともそんなんじゃ俺の世界の人間にあっさり殺されるぞ」
「どんな世界………」




「ベヒモスに、ヒュドラだと!?それに見たこともない魔物………まさか、全てテイムしたのか!?しかし黒慈殿は無職のはず………!」
「………お、いたいた。お前だろ、えっと……何だっけ名前」
「ひっ……!な、何でお前が、生きてるんだよ!?」
「アンギラス、食え」
「ま、待ってください黒慈君!檜山君を……同級生をペットの餌にするんですか……?」
「ああ。こいつは本物の銃のつもりで、それが俺に取っちゃ輪ゴム鉄砲に劣るゴミくずみたいな威力だとしても引き金を引いた。殺意を向けたんだ。殺されても文句は言えない」
「で、でも………それでも!生徒達が殺し合う姿なんて見たくありません!」
「殺し合う?おもしろいギャグだな先生、殺し合いってのは相手が殺せる可能性があって成立するもんだぜ?」



ゴジラ
記憶を復活させることなく高校生活を送っている中異世界転移。面倒ごとを押しつけてくる王を嫌悪している。
何故か職業がなくステータスが表示されない。
高いところから落ちた際怪獣王としての記憶を取り戻す。ステータスが表示されなかった理由は単純に測定不能。


ミキ
吸血鬼。ゴジラにとって特別な名を与えれた。
ゴジラの血を飲んで怪物になる前に慌てて吐き出して以来トラウマ。


アンギラス
ゴジラのペット。ベヒモス。ゴジラに鍛えられたため超強い。


ビオランテ
ゴジラのペット。寄生植物がゴジラを苗にしたせいで変異した新種の魔物。


ギドラ
ゴジラのペット。ゴジラに噛みつくも毒が効かず、全てを溶かせるレベルになってから出直してこいとボコられる。


檜山くん
アンギラスの餌


先生
ゴジラが苦手とする存在。


王様と貴族達
神話級の魔物を使役するゴジラが他の国や種族に取られることを恐れ殺そうとした結果国とともに滅びた。


クラスメート
ゴジラの記憶の片隅にもない存在

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